Vol.6: Uneasiness 1



昨晩、スポーツ専門番組である ESPN 2で NCAA Division 1 女子ソフトボール選手権の Oklahoma University 対 Louisiana State University 戦を見ていた。
私自身、ソフトボールは特に好きというスポーツではないのだが、この試合はものすごく見ごたえのある内容だった。

規定の7回を終了した時点で、得点は両チーム共に1対1。そして、そのまま延長戦へと進む。 お互いに得点のチャンスが出来るものの、それ生かしきれずにスコアーボードには“0”が重なるばかり。
延長8回、9回、10回、、、緊張したゲームが続く。
そして試合開始から3時間を過ぎた延長13回、Oklahoma University の選手がエラーしたことにより、Louisiana State University がサヨナラ勝ちをした。

ただ一観客者として試合を楽しめば良いのだが、現在アスレチックトレーニングを学んでいる立場から試合を見て、いろいろな事が頭に浮かぶ、、、

両チームは共に1勝1敗で、この試合の敗者はトーナメントから排除されることになっていた。
そして、驚いたことに Oklahoma University のピッチャーは初日からずっと同じ選手ではないか。
彼女は延長戦で投球回数が110球を超えてもそのまま投げ続けている。たとえ延長13回でも、、、
「肩は大丈夫なのか?」 試合の方よりピッチャーの肩の調子が気になって仕方がない。
彼女は3日間連続でボールを投げ、しかも合計300球に近いはずである。
それなのに最後までマウンドを降りなかった。

種目が異なるので比較することはできないが、この前担当したうちの野球部では基本的にピッチャーたちは100球程度で次の投手と交代していた。 そして、翌日の試合では絶対にボールを投げることはなかった。
野球の分野を知らない私は“それ”が当たり前の事であり、ソフトボールでも同様だと思っていた。
しかし、目の前のテレビに映っている彼女は違う。
コーチの判断なのか、それとも“負ければおしまい”“この大会がシーズン最後”という彼女の考えなのだろうか、無茶を承知で頑張っていた。

何もこの大会だけに限った事ではないが、他のスポーツ界でもこういう経験をしている選手たちがたくさんいると思う。 彼らの気持ちが決して分からない訳でもないのだが、「もっと自分らのカラダを大事に扱えよ」と言いたくなる。
選手たちは「カラダはまだ大丈夫、年齢が若い」などと少しも心配はしないのだが、健康管理のスペシャリストである我々アスレチックトレーナーたちはいつも彼らのことを不安な目で見ているのである。

それにしても昨日勝った Louisiana State University は、今日も試合がある。
延長13回、投球回数130球を超えたピッチャーがまた投げるのか気になって仕方がない。


(Sunday,May 27,2001)