第8回:「お気に入りの場所」



天気が良い日は、よくアパートの屋根の上で時間を過ごしている。 そこで昼寝をする事もあれば、ビールを飲んでいる事もある。 しかし、大抵の時間はノンビリと空を眺めている。
私自身が田舎者だからかもしれないが、“作られた空間”にいるよりは、こんな“何もない場所”でただボーとしている方が、とても気持ちよく感じられる。
実際、昔の話だが、鹿屋体育大で四年生の時に、暇を見つけては近くの鹿児島湾へと出かけ、よく海を眺めていたこともあった。
もちろん、友達とワイワイ騒ぎ合うのも好きである。 しかし、それと同じくらい一人でボケボケしている時間も私は好きである。
ある意味、現実社会から逃避行して自分だけの世界に居座っているのかもしれないが、何もこれは私一人だけに当てはまることではないと思う。

この複雑な世の中には、己の意志とは違う行動を強制され、自分の自由を他人が束縛し、心の中に少しの余裕さえ感じ取れない人達が存在すると思う。 周りの人と衝突出来るような勇気もなく、常にストレスを重ね上げ、そして自己嫌悪に陥っている人達も少なくはないかと思う。
だから、私は人それぞれが個人に似合った“居心地の良い場所”というものを持つ必要があると考える。
ある人はそれが“家庭”だと言うかもしれない。
又ある人は“彼女・彼氏の部屋”と答えるかもしれない。
だがそれが何処であれ、その場所で時間を過ごすことによって、「また明日から頑張ろう」という気持ちになることが出来れば、そこはその人にとって“お気に入りの場所”ではないだろうか?

現在のところ、私のお気に入りの場所はこの屋根の上である。 しかし“真っ白な雲”あるいは“青い海”が眺められ、そして“自然の音だけ”を聞くことが出来る空間ならば、そこはいつでも私にとってお気に入りの場所であることは間違いないだろう、、、


(Friday,June 08,2001)