あとがき
短期間ではあるが、昨年度はチアリーディング部でたった一人でのアスレチックトレーナー活動を経験した。
そして、今回のキャンプが二度目のソロ活動。
落ち着いて出来るはずが、かなり緊張していた。
しかし無事キャンプが終了して、とても安心している。
そして毎日楽しく仕事が出来たことが何よりも嬉しかった。
今回のキャンプで私が主にやっていた事は、“Water Boy”である。 とにかく選手に水を飲ませるようにしていた。
日本ではこの仕事はマネージャー的な役割かもしれないが、これも立派な“アスレチックトレーナーの仕事の一つ”である。
水分を補給させるだけで、脱水症状だけでなく、それに関連した日射病や熱中症をはじめ筋痙攣など大小さまざまな怪我・症状を防げるのなら、容易いものである。 私は徹底してこれをやった。
うちのアホ野球部連中のように“水の無駄使い”や“水遊び”などは一切せず、彼らはきちんと“水分摂取”をしていた。
さらに嬉しいことに、彼らは使ったボトルは必ずボトルケースに戻してくれていた。
彼らの練習中、私はだまって彼らの後ろにボトルを置いてその場を去る。
「ここに置いておくから、飲むように」と決してお節介なまねはしなかった。
私は必要とされている以外は“影”のように目立たない存在を試みていた。
しかし、結果としてはかなり目立っていたように思える。
それも仕方ないだろう。
なぜなら、私はベンチの中で足を組んで暇な時間を過ごしていたのではなく、常にグランド内を歩き回っていたから。
うちの野球部のコーチ達や部員連中は、私が“動き回るトレーナー”として知っているので、私のやりたいようにやらせてくれた。
ベンチ内にいれば「何やっているんだ」と言って、練習の手伝いをさせられる。
彼らにとって“何もしていない私”は、むしろ迷惑がられた。
だから好き勝手にいろいろとやった。
例えば、コーチの後ろに立って選手を見たり、選手の後ろに立ってコーチの説明を聞いてみたりなど、時々自分がアスレチックトレーナーであることを忘れ、違う角度から練習に参加していた。
そして練習中は、邪魔にならない程度で出来る限り選手との距離を近くしていた。
「怪我の対応がすぐ出来るように?」
そんなものではない。
コーチや選手の近くにいることで、私自身も“チームの一員”だということを肌で感じ取っていたかったから。
私は、プロフェッショナルなアスレチックトレーナーの仕事現場を目の前で一度も見たことがないので、トレーナーとしてどうあるべきなのか知らない。
だから私の仕事内容が、正しいのかどうか分からない。
しかし、選手達から“Thank you、Kinji !!!”と言われると間違ってはいないように感じる。
未熟なりにも今後“チームの一員”として、選手と一緒に頑張っていこうと思う。