観


J1参入決定戦 第4戦(其の二)

(HOME) コンサドーレ札幌 0 -  3 アビスパ福岡(AWAY)
日時:1998年12月5日(土)             Kick Off:12:04
会場:室蘭市入江運動公園陸上競技場         観衆:8,327人
得点:福岡3(上野、フェルナンド、石丸)

 


其の一からの続き)

   午後12時4分、いよいよ運命のキックオフ。コンサは不調のコータをベンチに下げ、先述の関を先発起用。とにかく
流れを変えようという一種の賭けであった。とにかく勝たねばならないということで、コンサは前半から猛然とアビスパ
ゴールに襲いかかる。これはいけるんじゃないか・・・・と正直思った。前半、チャンスはかなりあったが、バウテルの
フリーキックはゴールポストに嫌われ、田渕からの絶好のセンタリングを棚田がドンピシャのタイミングでヘディングするも
ゴール上に逸れ(もうちょっと棚田の背が高かったら・・・などといけないことを思ってしまった)、ディフェンスをうまく
かわしてからのバルデスのシュートはキーパーに阻まれてしまう。しかし、何より気迫が感じられ、ゴールこそ奪えなかった
ものの前半は総じて良かったと思う。結局0-0でハーフタイムへ。

 誰かがこっちへやってくるぞ・・・・と思っていたら、川平慈英であった。慈英コールが起こる。コンササポにはまだ笑顔
が見られる。大丈夫、後半1点とって逃げ切ればいいんだ・・・俺たちが動揺していたら選手たちにも影響する。ここは明るく
気丈に振る舞おう。そんなことを考えているうちにハーフタイムも終了、後半のキックオフ。

 後半から、福岡が攻め込む場面が多くなり、コンサは次第に劣勢に。そして後半8分、ゴール前の混戦から上野に押し込ま
れてしまい、先制を許す。これはまずい。あと最低2点とらなきゃいかんのか・・・逆転できると信じてはいたが、参入戦
初戦の棚田以来得点することができず決定力不足にあえいでいるコンサにとって、あと2点はかなりきつい宿題であった。

 しかし、時間はまだ30分近くあるし、不可能ではない数字だ。まだあきらめないぞ!と気合いを入れ直し、声援を続ける。
後半15分を過ぎ、ついにベンチも動く。コータ、有馬を相次いで投入し、FW4人の超攻撃的布陣でゴールを奪いにかかる。
ちょっと交代機が遅いような気もするが・・・しかし、前半に比較して明らかに決定的なチャンスがなく、刻々と時間が過ぎて
いき、ついに後半39分。DF大野が埜下と交代した直後に福岡フェルナンドにゴールを割られ、2点のビハインド。この時点で
99%決まってしまった。
でも、とにかく早いうちに1点返せば、ロスタイム中に「あの」フロンターレ戦のようなことが起こら
ないとも限らない。まず、まずは1点を・・・と思っていたところ、後半44分石丸に3点目を許し、万事休す。死体に鞭打つ
ようなことをしてくれた。

 そして、一矢報いることすらできずに試合終了のホイッスル。選手たちはへたり込む者あり、抱きかかえられながら退場する
者あり、試合後の挨拶もできない状態であった。サポーターも茫然自失としており、誰も何も話さない。しかし、その静寂の中、
「どこまでも応援するぞ!」 と一人叫んだ中年男性がいた。その言葉を聞いた途端、私はその場に突っ伏して大声で泣き
出してしまった。このような絶望的な状況にありながらもサポートを続けようとする人たちの愛情に感動したやら、Jリーグと
いう全国区での地域間での争いに我らが北海道だけ「負け組」の烙印を押されたようで悔しいやら、情けないやら・・・とにかく
いろんなことが頭を回って、泣けて泣けて仕方なかった。

 どれほど時間がたっただろうか、サポーターたちもようやく腰を上げ帰り始めた。私たちもそれに混じり駅の方へトボトボと
歩く。本当に悔しいが、フリューゲルスのようにチームが無くなってしまうわけではない、どのカテゴリーにいてもコンサは
コンサだ、と思ったら少しだけ元気が出てきた。

 近くの店でビールを買い込み、特急列車に乗る。「お疲れさまでした・・」と寂しく乾杯し、一気に飲み干す。勝利、残留
決定の祝杯だったらどんなに嬉しかっただろうか・・・少々酔いが回り、応援、泣き疲れもあっていつしか眠り込んでしまった。
目が覚めると、列車は北広島を過ぎたあたり。すっかり暗くなっており、一面は本当に真っ白な雪景色。本当に数時間前まで
サッカーをしていたんだろうか?あれは何かの夢だったのでは?と思えてしまった。

 ススキノにて大学時代の他の友人等も合流し、残念会。店を出て歩きながら、道行く人々の様子を伺う。みんなニコニコして
楽しそうだ。ねえ君たち、今日はコンサのJ2行きが決まってしまったんだよ、知って
るのかい?札幌市民なのによくそんなニコニコしていられるね、
と思わず突っかかりたく
なってしまったが、我慢する。

 その日泊めてもらう友人宅で「Super Soccer」を見る。あーあ、やっぱりあれは夢ではなく現実なんだ・・・そこでも飲み
続けやがてまどろみの中へ。その中で、ボーっと考えていた。大丈夫、1年あれば戻ってこれるさ。97年のJFLの時のように、
フロンターレと東京ガスあたりにはすんなり勝たせてもらえないかもしれないけど、その他のチームはどう考えても負ける相手
ではないし、最悪でも2位くらいには入れるよ、岡ちゃんも来てくれるしね・・・(そのまま就寝。)

 しかし、その考えが思いっきり大甘であったことなどその時は知る由もなかった。


※昔の記憶をたどりつつ記述しておりますので、状況の説明等に少々間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

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