キューピーちゃん

会社に、きゅーぴーちゃんがいた。

何のことはない、22才にして髪の毛が少なかった。

キュー「富田靖子いいよね。この前くれた、富田靖子バッジ、ホラ、スーツの裏につけてるよ。うん。書いてるよ。シナリオ。前よりうまくなったかな。ハッハッハ。でもオレ絶対に締め切り前に書けないんだよな。シナリオ書いてる時は会社の仕事が気になって、仕事をしてる時は、シナリオが気になるんだ。このままじゃ定年まで中途半端なままだ。だからって今更まじめに会社の仕事する気ないな。」

 

キューピーちゃん。

膝折「今のテーマソング何。ほら、前に、そんな話したじゃない。その時期にあわせた、テーマソングが、いつも頭の中に流れてるって。2年前は、『スーダラ節だったでしょ』」

キュー「中島みゆきの『夏休み』かな」

 

キューピーちゃん

趣味は、レコードと本。ボーナスの半分使ってる。

キュー「べートベンから柏原芳枝まで手当たり次第に買ってる。それから、絶対誰にも言うなよ。オレ1月15日結婚するんだ」

膝折「えっ。いつか高円寺ですれ違った美人と?」

キューピーちゃんが、モテルとは考えもしなかった。

 

その後、キューピーちゃんは、誰からも惜しまれず円満に退職した。

たまに、テレビの2時間ドラマの脚本で名前が出ているとちょっとうれしい。

しかし、もうキューピーちゃんじゃないだろう。きっと髪の毛はなくなっていると思う。

 

 

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