−−−−−−−−−−−−代理人制度と選手の年俸について考える−−−−−−−−−
12月4日
各球団の主力選手の契約更改が連日行なわれる時期になりました。今年から日本球界も条件付きながら
大リーグ同様、選手の契約更改の際、代理人が認められるようになりました。しかし、試験的に導入されたとこ
ろがあり、来年以降どうなるかはわかりません。
ですが、以前から代理人制度を訴えていたいながら球団側に認められなかった選手会としては、大きな前進
といえるでしょう。しかし、先日巨人の渡辺オーナーが「代理人を連れてきた選手は年俸を大幅ダウンにする」と
発言するなど、球団側は依然として、代理人に難色を示しています。なぜでしょう?おそらく「プロの交渉人」に対し
て、太刀打ちできる自信がないからでしょう。
野球選手は野球に関してはプロでも交渉に関しては素人です。まして、契約の席で自分が所属している球団の
代表などに対し、不満や要望などを100パーセント言えるでしょうか。特に若い選手などは難しいでしょう。球団
側も、「うまく抑えこむ」ことができたわけです。しかし、代理人は違います。選手の年俸を1円でも上げようと様々な
データを用意してくるでしょう。「言いたい事を言えない」ということもない。それに対し、球団側は、「こういうデータ
があって、こういう経緯があって、こういう理由があるからこの金額なんだ」ときちんと対応できるでしょうか。難しい
と思います。
近年、活躍した選手の年俸のアップ率は高くなり、1億円プレイヤーも珍しいことではなくなりました。代理人制
度が完全に認められればさらに、選手の年俸は上がるでしょう。「選手の年俸が上がっていく = 選手はめでたし
めでたし」かというと、そうではありません。年俸が上がればそれだけ「成績がダメになれば戦力外」になる可能性
が高くなる。わかってはいるでしょうが、選手側もその辺の覚悟は必要でしょう。
例を挙げると阪神の大豊。阪神に移籍後大幅ダウンを続けられ、今年、事実上解雇されました。今年の大豊
は、本塁打を20本以上打ち、それなりの成績を残しています。しかし、高額な年俸(推定1億円)がネックとなり、
解雇されてしまいました。大豊は中日時代の94年に本塁打王と打点王を獲得しました。それまでは今年のように
打率2割台、本塁打15〜20本前後の選手でした。(もちろんそれも立派な成績ですが)しかし、94年に大活躍した
ことにより、大豊の年俸は大幅アップします。大豊もここぞとばかりに大幅アップを要求し、何回か保留しました。
完全に記憶しているわけではないんですが、確か1億6千万位になったと憶えています。しかし、翌年以降、94年
程の成績を残せず、その後、トレード、解雇となりました。結果的には、特出した成績を残した94年に、年俸が上
がり過ぎたのが、数年後自分の首をしめることになってしまった、といえます。
昨年、西武の松坂が大活躍し、年俸が1300万円から7000万円になりました。1年目の選手としては異例の
大幅アップなんですが、世間では「少な過ぎる。1億2億もらってもおかしくない」「活躍したときに活躍した分だけもら
えないのはおかしい」という声がありました。しかしそれは大きな間違いです。もし、松坂の年俸を1300万円から、
2億円アップの2億1300万円にしたとします。そしてもし今年、松坂が故障をして1勝もできてなかったらどうなる
でしょう。2億円ダウンの1300万円にしなければなりません。それは少し極端かもしれませんが、1年目からでも
「活躍した分だけ」を選手が求めたら、成績を残せなかったときは「ダメだった分一気にダウン」または、「ダメなら
クビ」ということになります。冷たいように感じますが、球団とすれば、いい時にあれだけ上げたんだから、ダメな時
に厳しい姿勢をとるのは当然、となります。まして、経営的に苦しい球団は、温情だけで高年俸の選手を雇っていら
れる余裕はないでしょう。
よく、「今まであまりたいした成績でなく、今年初めていい成績を残した」という選手が契約更改の席で、思った
より上げてもらえず、球団側はその理由として、「実質今年が1年目だから」ということをいいます。選手からすれ
ば、「そりゃないよー」という話ですが、後々のことを考えると、1,2年の実績であまりに大幅アップしすぎるのも、
選手にとってはよくないことかもしれません。(球団がそのことを踏まえて「実質今年が1年目だから」といっている
かどうかは知りませんが)
松坂が昨年、代理人に契約を任せていたらどの程度のアップを要求したかはわかりませんが、球団側は「今年
が1年目だから」という姿勢は変えなくていいと思います。イチローや松井など、5年以上トップクラスの成績を残し
ている選手には、4億、5億払って当然だと思います。しかし、まだ浅い実績の選手はプロは「3〜4年続けて成績
を残して1流」くらいの気持ちでやって欲しいです。
さて、だからといって、私は代理人制度について反対なわけではありません。代理人に契約を任せることによ
り、選手はトレーニングに集中できるし、今まで、不透明な部分が多かった査定方法が、選手にわかりやすくなるで
しょう。基本的に賛成です。