氈@訪れぬ世代交代

には月桂冠がよく似合う。今年幾度となく使われた『20世紀最後の』という言葉には、『二年連続』を付け加えてアーネスト・ホーストに捧げられた。

 アンディ・フグの突然の死。そしてマイク・ベルナルド、ジェロム・レバンナの欠場。K1リングに不運な空気が立ちこめる中、8名のチャンピオン候補が自らの最強の証を求めて戦い始めた。初戦はミルコ・クロコップ。常に的確なローキックとコンビネーションで繰り出されるパンチの連打に、ミルコの動きは消されていった。延長判定勝ちという結果以上に、安定したホーストの戦いぶりが印象的だった。準決勝は因縁の相手とも言

えるフランシスコ・フィリオ。昨年の春に壮絶なKO負けを喫した過去が、彼を昨年のチャンピオンにさせた。あの時「君のおかげだよ」と礼を言われたフィリオの胸中が、穏やかなはずがない。しかし、そんな2人の戦いも終わってみれば判定3-0の静かな結果であった。体調不良が伝えられたフィリオの手数は驚くほど少なく、終始ホーストペースで試合が進み、唯一の見せ場となった打ち合いも3R終了間際ではいくら何でも遅すぎた。そして決勝。ベルナルドの欠場で出場機会を得たレイ・セフォーとのファイナルも、結局は準決勝と同じように静かな勝利となった。3戦ともKO無し。圧倒的な強さを示さず彼は最強の称号を得たのであった。相手に思い通りの戦いをさせない恐ろしいほどの完璧な間合い。ミスターパーフェクトが思い通りに試合を進められる、最大の要因がここにある。

 20世紀中の世代交代はなかった。K1戦士に、「自分以外で誰が強いか?」と聞くと皆口をそろえて彼の名を挙げた。そしてこの質問の答えは、もうしばらくはアーネスト・ホーストと答えるのが正しいらしい。

 

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