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■西暦2000年のダンスと近未来の踊り 2000年3月1日(水)
22時14分
F3は決して完全無欠な戦術ではないしデメリットも危険性もいろいろあるかと思います。けれど百年経っても日本にベッケンバウアーが2人同時代に生まれる可能性は少ないと思いますし、やってみるに値するメリットもあるシステムだと思います。けれど、F3をやれる人材は現時点で多くないし、真ん中をやれる選手は更に少ないと思います。私が自分で試合を見た限りでは宮本と阿部にF3の統率者の適正があると思います。一般的には阿部よりも森岡、手島、山口、松田あたりが期待を担っているようですが、私はU-19以下の世代にまだ見ぬ才能がゴロゴロしているのではないかと思います。
ジャパンユースでは守備陣はJ下部組織出身者攻撃陣は選手権経験者というおおまかな傾向がありました。Jユース杯等をみる限りJユースチームのゾーンディフェンスはハイレベルです。F3ではなくリベロを余らせるタイプの3バックでもゾーン感覚が身についていて、人につきすぎることもないし、シビアゾーンのケアやマークの受け渡しもスムーズです。個人的にはFマリユースの小原選手などはF3の真ん中に向いているのではないかと思います。
オートマティズムを叩き込むのに時間がかかるのが、代表チームでF3をする上でのデメリットのひとつです。しかし、F3の基礎となるゾーンディフェンスに必要な能力を選手個々が予め修得していれば、このデメリットは随分小さくなります。そしてクラブユースでは既にそういうゾーンディフェンスの基礎能力を修得させる志向があると思います。私はゾーンディフェンスに必要な能力はトラップやボールテクニック同様、大人になってからでは上達は難しいのではないかと推測しています。別の所にも書きましたがF3では、しばしばDFの本能的な動作と乖離した動きが要求されます。これを訓練で克服するのは一朝一夕では難しい。スピードも含めてフィジカルに優れた対人守備を得意とするDFには特に難しいと思います。
ゾーンディフェンスに必要な基礎能力は、適切な指導を適切な時期にすれば訓練で身に付く能力だと思います。Jのユースチームを見ていてそう思うのです。(余談ながらそれゆえ加茂監督のゾーンプレスは人材、環境ともに時期早尚だった)だから、今の高校年代の選手がJでレギュラーになる頃にはF3の人材不足は終息していると思います。しかしDFには経験の蓄積が必要ですし2002年に彼らが間に合うかどうかは微妙です。
では現在の代表はどう構成すればいいのか?ゾーンディフェンスを適切に教育できる環境がない時期に育った選手達でどうF3を実現するのか?
これに対する答えの代表例が宮本や中田浩二ではないかと思います。
ゾーンディフェンスの基礎能力は、自分がそういう能力を必要だと思った選手なら自己研鑽で身につける可能性があると思います。しかしその場合は、ゾーンディフェンスをよく理解し、それに基づいてどんな能力が必要なのか正しく把握して、どうしたら修得できるのかを導き出せる能力が伴ってないと難しいと思います。あるいは、理解した戦術のとおりに即座に動ける才能をもった選手なら環境に恵まれなくても、ゾーンディフェンスをやれるでしょう。いずれにしても一種の天才であり、出現の確率は環境に育成された選手に比べて数は相当少なくなります。
また他のポジションから有望株の選手をコンバートして、DFとしては一から育てる。という考え方もあるでしょう。この成功例が中田浩二だと思います。ただこれは創生期という事情があってのことで、主流になる手法ではないと思います。
人材不足というのはF3に固執するトルシエにとって現在はアキレス腱だと思います。だからこそ、「F3に使える人材のめどがたった」とコメントするのかな?と思ったりもします。
TVで見るだけでも統率者が変わるとF3のダンスは変わるのが分かる。試合の相手がいずれの試合も違うし、私の能力ではTVでF3のよしあしを判断することはできないので、ましてどのダンスがトルシエのお眼鏡に叶っているのか分からない。けれど、中にはそれが果たしてF3のダンスステップなのだろうか?と思ったケースもあります。トルシエの理想に今一番近いダンスを踊っているのはどの組み合わせなのかということに興味があります。でも、近未来にはもっと厚い層から選ばれた踊り手が日本流のF3を踊り始めてるかもしれないと楽しみにしています。
■RE:西暦2000年のダンスと近未来の踊り 2000年3月4日(土)
9時47分
> 現時点からフラット3を導入していくメリットとは具体的に
> 何なのでしょうか?
私が思うに、一番分かりやすい効果は中盤の人数を増やせるということだと思います。でも、本質的なメリットは別だと思っています。
> 僕のつたない戦術理解では、いくら優秀なDFがいて、3人の
> ゾーンディフェンスがしっかり出来ていても
> 中盤の支配力で劣るのなら、3人のラインを破るのは
> 難しくない、というのが持論です。だから、
> 技術力の高いチームが採るべき戦術で、今の日本には
> 時期尚早では、と思ってしまうのです。
スイマセン「技術力の高い」というのはチーム全体のことなのかDFのことなのかMFのことなのかがわからなかったのですすが、私はDFの個人能力が強力なチームがF3を敢えてやる必要性はないと思ってます。ラインコントロールだけでなく阿吽の呼吸を求めるような連携プレーは、どうしてもリスキーです。しかし、日本はそのリスクをしょってでもやるべきだと思っています。また、中盤の支配力が劣ればラインは上げられないかと思いますが、ラインを破られやすいかどうかはF3に特有の問題ではないと私は思います。よくF3の弱点に指摘されるサイドへのロングボールですが、それに弱いのは古典的な3バックも4バックも同じだと思います。
> ゾーンディフェンス、ラインコントロールの習得が目的なら
> フラット3にこだわる必要もないように思うのですが。
おっしゃるとおりです。でも私の思考の順番は以下のとおりで
1. 中盤を厚くするためにF3が必要
2. F3をするにはゾーンディフェンスとラインコントロールが必要
このためF3が必要だと思っています。
■F3が日本の国情に合っていると思うから 2000年3月6日(月)
23時19分
>僕も日本はラインを低くしてのDFには不向きだと思いますが
>DFが育つ土壌は結構あると思っています。今は中盤にタレントが
>偏っていますが、4,5年後はいいDFが育ってるんじゃないかな
>と期待してます。
このDFとは秋田や井原と同じようなタイプで更にスケールアップしたDFでしょうか?もしそうなら、フィジカルから推測すると松田、金古あたりが有望なのでしょうか?4,5年後にフル代表で使えるDFとなれば、現在そろそろ名乗りをあげていると思われます。私が単に知らないだけなのかもしれませんが、フィジカルや技術で傑出しているDFはあまり見あたらないように思います。これに対してフィジカルはそこそこでも戦術理解や読みに長けたDFなら量産されてきてるかと思われます。よいDFが育ってきても、そのDFがゾーンディフェンス志向の選手であればF3でやったほうが良いように思います。
>僕には彼の戦術は「DFの負担が中盤に移されている部分」が多く
>感じられます。(中盤に負担が多すぎる戦術と感じます)
>でも、僕は今の日本においては、中盤を生かすためのDFの頑張りが
>必要だと思います。
F3ではボランチにはかなりの負担があると思いますが、4バックでドイスボランチのシステムに比べてFWとOMFの守備の負担が大きいとは思えません。例えば98年アジアユースでは小野が守備に忙殺されていたケースがありました。それを改善したのがF3だったのではないでしょうか?そしてシステム自体の問題よりやはり代表での中村の起用法が論点になっているかと思われます。私は攻撃をあまり見ていないのでよく分からないのですが、守備の負担はあっても、プレッシャーの少ないサイドで中村を使うメリットも軽視できないと思います。
>中盤を、ゲームを支配して勝とうというのは、今の日本では
>難しいです。それを放棄する事が日本のサッカーに進歩を
>妨げるというような意見の方も多いと思いますが、
>日本が今の時点で最も勝利する可能性の高い戦い方をする事、
>そして、代表が国際マッチで勝利を積み重ねていく事が
>日本のサッカーレベルを上げていく「近道」になるのでは
>ないでしょうか。
この問題はどうしても意見が分かれてしまうかと思います。アトランタ五輪の西野監督を「そんな勝ち方をしても未来がない」という評価をした人もあれば、ブラジル戦を含めた2勝を高く評価した人もいました。個人的な考えですが、五輪やW杯などの大舞台で勝つことはサッカーの普及という点で遠い未来の強化に繋がると思います。けれど極端な例ですが、全員で守備をしていたアトランタ五輪ブラジル戦のサッカーで国際マッチを全て勝ちに行っても未来がないと思います。また、その時点でのチームの強化にはさほど効果がないと思います。どの試合を勝負にでるのか、それとも強化やテストにあてるのかは結局さじ加減の話しになるかと思います。勝負も強化もテストも全て必要なものですから。
また、よくメンタル面から「勝った経験」というのが大事だと某ライターが書いていますが、現U-23のほとんどの選手が世界大会を経験済みでそこで決勝トーナメントで勝った経験があります。実際カ杯、アジア杯予選でもフル代表初選出の選手でも若手は普段どおりの表情でした。彼らはフル代表の国際試合だからと気負って実力通りのプレーができなくなることはないと思います。
>よく僕が「時期尚早」という言葉を使うのは
>そういう意味です。早くから最新の戦術を使うから強くなる、と
>いう事はないと思います。
最新の技術だからF3を取り入れるのではなく、日本に向いている戦術だからF3をやるべきだと思っています。私は日本がF3をやる最大のメリットは日本の民族性だと思っています。抽象的な話になってしまいますが、身長、体重、筋力は遺伝子を改造でもしないかぎりゲルマン、アフリカに勝てないと思います。でも、機敏な動きや器用さそして組織を効率的に動かせるという点に日本の長所があると思います。野球やバレーボールなど日本で成熟した他の球技をみると、日本のプレースタイルは技術やコンビネーションに重点がおかれています。F3というか、ゾーンディフェンスを日本が目指すのは正しい選択だと思っています。そして今、F3を少ない人材でもやるのはトップダウンで日本のサッカーの進むべき道をしらしめていると思います。トルシエの影響でF3を取り入れはじめたチームがぼちぼち増えてきているようですが、それは将来日本代表に優れた人材を供給することにつながると思います。私は現在の高校年代の選手にはゾーンディフェンスが身に付いた選手がいると思っていますが、おそらくトレセンやJ下部組織でゾーンディフェンスを学んだ層が芽吹いてきたのだと思います。その推測が正しければトルシエ流F3の上陸以前にゾーンディフェンスを協会やクラブチームの強化担当が志向していたということで、日本サッカーにとってゾーンディフェンスは自然なスタイルなんだと思います。そういう視点で代表監督を選ぶとトルシエになったのかな?とも思います。けれど、現在最大の選手供給源である高校サッカーはまだまだ走力とマンマークが主体です。高校では監督の考えが変わらないとシステムは変わらないでしょうが、サジェスチョンを受ける選手はかなり増えるはずです。
オランダのF3をTVで見るかぎりではFデ・ブールを筆頭に巨躯の選手は少ない。海●食の子孫であってもゲルマン系だけあってところどころに大きな選手がいますが、ドイツと対戦した試合などをみれば体の厚さも、身長も劣っているように見えました。それでも、日本に比べたらずいぶんフィジカルは強いことでしょう。今のトルシエ流F3では2006年にW杯のベスト8が狙えるかな?とは思いますが、オランダと同レベルの技術で同じF3を日本がやれるようになっただけでは、日本はオランダには勝てません。私は自分が生きている間にW杯で日本が優勝するところを是非みたい人なので、オランダのF3を超える日本流のラインディフェンスを出現を待っています。その夢から逆算すると今、F3を代表でやっているのは願ったり叶ったりです。
では、2002年の決勝トーナメント進出以上の成績を目指すことを目標にした場合はどうでしょう?あと2年しかないのですから、スーパーな選手でないとU-19以下からは代表に入ってこれないと思います。手駒は出尽くしていると思います。その手駒の中で最強チームを作ろうとすればトルシエ流F3が向いていると思います。中盤に人数を割けるのと組織的な押し上げが可能であるからです。日本でカウンターを成功させられる強力な2トップは私には見あたりません。それと4バックにもいろいろあって一概には言えないのですが、トルシエ流F3にも4バックのオプションがあってアジア大会から既に4バックの指示をトルシエは出しています。Wユースでも少しだけやっていた時間がありましたね。最近の例では日韓戦でF4がありました。明神や酒井は守備もセンタリングも本職のサイドバックに比べて遜色ないのではないでしょうか?4バックを基本にF3をオプション化することは難しくても、F3から4バックをオプションでやれることは実証済みです。メンバーチェンジなしに柔軟にシステムを変化させられることと少ないメンバーチェンジで大胆にシステムを変化させられることは、明神や酒井によって達成させられることであり、それはF3のがフレキシブルなシステムであることを示しています。本職のサイドバックといったときに私なら右は市川、左なら相馬を一番に思い浮かべました。市川はともかく相馬については彼の集中力が切れて失点した最終予選のイメージが強くて守備に信頼がおけません。相馬以上に攻守に優れたサイドバックとなるとこれまた人材難ではないでしょうか。トルシエがクラブでのポジションにとらわれずに選手の能力で各ポジションに人を配置すると、日本では中盤のタレントがサイドのポジションを取ってしまうだけのことかもしれません。ですからサイドバックの本職や4バックにこだわることもないかと思います。4バックが必要なら4バックに、中村が中でやったほうが良いときにはそうなっていると思いますよ。