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フラット3は怖い!!


■RE:フラット3は怖い!! 2000年 2月22日(火) 7時13分

>フラット3で2002までやっていくのなら、トルシエは宮本と心中することを意味します。宮本がいなくなっただけでフラット3は崩壊するでしょう。オリンピックもメダルはおろか決勝T行きも危ういです。ワールドカップでも‘初勝ち点’はお預けになるかもしれない。(冷静に考えて、ワールドカップでの成績予想は2分け1敗・勝ち点2でグループ3位・・)
>つまり中田英よりも中村俊よりも宮本が重要・・というか生命線になると思う。
私も今のところ一番替えがきかないのは宮本だと思います。
しかし、ジェフの阿部がいます。
さんざん苦言を呈されたジャパンユースですが
あの世代はゾーンディフェンスが常識として身に付いていると思いました。
フィジカルの完成度で後塵を拝したものの最終ラインの美しさには
おお!と目を見張るものがありました。
読みの深さで宮本に大きく劣るものの阿部のセンスには期待大だと思います。

おっしゃるとおりF3は怖いです。
私は、トルシエ自身のコメントやマスコミの記事と違って
カ杯、アジア杯予選でF3が及第点だったとは思えません。
これはF3の定義というか内容が人によって随分違うからで、
私の目にはあまりきれいなラインを形成してないし、
マンマーク守備に近いじゃないか?と映りました。
宮本のラインコントロールを見慣れてるせいかもしれません。
宮本のように判断力に優れ、組織を統率できる選手は希少なんでしょう。
けれど、今の日本ではそのリスクを背負ってでも
F3に賭けてみるだけの価値は充分あると思っています。


■F3のアイデンティティと可能性への個人見解 2000年2月23日(水) 21時59分

 昨年のJ1でF3をやっているのはガンバだけだと思っていました。
なのに、後藤健生が専門誌に横浜が一番F3を成功させてると書いていてびっくりしました。
ついでにいうと、「だからこそ横浜のDFを代表で使え」というような内容の記事だったと思います。
私は横浜をマンマーク主体のストッパー+リベロを一人余らせるシステムだと思っていたのでびっくりしました。
確かに昨年の横浜がF3に分類されるなら香港マカオの守備もF3として、そんなに不味くないということになるでしょう。「3バックはよくやった」とのトルシエのコメントが本音であるのなら、トルシエ流F3とはかなりルーズなラインでゾーンディフェンスからブレイクするタイミングもかなり早い時点でO.K.ということになり、宮本流のF3とは随分違う形態であるという見方も可能かと思います。

 では逆に、何故守備においては自分の型にはめるトルシエが宮本には自由にやらせているのか?宮本にのみ試合中のポジショニングの指示やシステム変更の裁量権が与えられ、試合中にはF3の補助説明をチルシエは依頼しています。そればかりか、自分が不在のおりはチームのモチベーションの方向付けまで宮本に依頼しています。私はそれらが宮本がラインディフェンスの戦術眼においてトルシエより前を歩いている可能性と組織を機能させる器量を宮本が持っていることをトルシエが認めているからではないか?と思っています。フィジカルと攻撃力に大きく劣る宮本が重用される理由はそれ故ではないか?と。

 メキシコ戦を現地で観た感想は既に書き込みいたしましたが、松田はゾーンディフェンスをやれてる時間が試合中すくないように見受けられました。人に強いのも攻撃力も宮本以上であることは間違いないと思います。しかしあれがF3か?と問われれば私はNOと答えます。アジア杯まで現地観戦していないので松田の成長度や習熟度までは言及いたしません。手島、森岡についても彼らの統率したF3を生で観ていないのでコメントしにくいのですがビデオを繰り返し観た限りにおいてはラインコントロールにおいて宮本の牙城に迫れるかどうかは疑問です。やはり、阿部がライバルになるのではないでしょうか?

 話は変わりますが、私はF3においてゾーンデフェンスは重要なエッセンシャル−文法−だと思っています。宮本はカバーリングと読みの長けたリベロ、ボランチとして育てられました。彼が現在身につけているゾーンディフェンス感覚はおそらく明晰な頭脳で宮本個人が修得したものだと思います。ゾーンプレスを掲げたものの具体的な指導方法を確立できなかったのか、当時の代表選手には無理だったのか加茂監督は己が戦術を代表で完成することはできませんでした。一方宮本は、トルシエの反復練習をよく知っているという有利さもありますが、さして優秀と思えないガンバの守備陣に実に流麗なF3を短期間に敷衍しました。98年には得点も多いがそれ以上に失点が多くて弱かったガンバが99年セカンドステージでは劇的に失点を減らしましたが、守備陣の面子は一昨年とあまり変わっていません。諸々の事情で得点が少なかった昨年のガンバは相変わらず弱いチームでしたが、守備における宮本の戦術眼の高さと、それを敷衍させる能力の高さは特筆ものだと思います。さて、一方代表ですが、代表チームはクラブチームほど長時間練習ができません。トルシエが優秀な指導者であってもマンマークが得意でそれが身に染みついてる選手にゾーンディフェンスをたたき込むには時間が足りません。これは、代表の召集期間を長くする程度のことでは解決できることではなく、ゾーンディフェンスのできそうな選手や身に付いてる選手を選ぶことで解決すべきなのでしょう。蛇足が長くなりますが井原や斉藤といったDFが召集されなくなったのもクラブでは控えの中田浩二が起用されるのもこのあたりに理由があるのかもしれません。
 すこし戻って宮本が個人の努力で身につけた外国語の文法であろうゾーンディフェンスを現U−19はバイリンガル程度に身につけています。ジャパンユースで見事に均等に並んだDFやエリア内での冷静なマークの受け渡しには驚きを禁じ得ませんでした。その下の世代になれば母国語の文法として普段から意識することなく駆使することでしょう。その時には先達として宮本や阿部などが試行錯誤して通った道はマニュアル化して整備されている事でしょう。技術の伝播スピードの早さと個人の得た知識や技術を全体が共有する風土が日本には古来からあります。今もしかして歴史的な試行錯誤に立ち会っているのではないか?と私はサッカーファンとしての自分の幸せに少なからずドキドキしています。


■鬼のように高い私の宮本の評価について 2000年2月24日(木) 19時50分

>H・ICHIJOさんの宮本の評価は物凄く高いですね。
><ラインディフェンスの戦術眼においてトルシエより前を歩いている可能性>とは恐れ入りました・・。

これについては高すぎるかも?という自覚は多少あります。
宮本についてはトップデビューの頃から期待したりあかんなぁと思ったりしながらずっと試合を見ていました。
個人的にどっかで彼のいい点をみつけたくっての、つまりファンゆえの論理展開ですので
私の論点はかなり贔屓目です。


>五輪予選は確かにうまく行ってましたが、中盤を含めた個々の判断が噛み合ったからという部分が大きく>、>その点で中田浩や中澤のラインコントロールも良かったとも言える訳で、
>必ずしも宮本一人が抜け出ていたとは思いません。
>それと五輪予選は(少なくともライン3に関しては)同じメンバーで長い時間をかけ試合を重ねて経験を積んだ>結果なので、他の場合(今回の松田やAでの宮本)と比較する時は、その点を十分考慮しないといけないと思>います。

日韓戦ではあまり練習や実戦をともにしていない辻本が前半F3の足並みを乱していました。
それでも試合中に布陣とポジショニングを修正してたのは宮本だと思いますが、いかがでしょう?それと


>今回の連戦は新しく組み直したチームのスタートな訳で、代表初試合の選手(松田自身も)もいましたし、確>
>かにラインを崩す場面も多かったですが、それをもって松田の評価とするのは少し酷かと思います。
>松田がラインを崩した場面ですが、彼が自分の目の前(ゾーン内)にいる相手へのパス(あるいはその後の>>ボール奪取)が予測できた時に我慢できずに飛び出したと見ているのですが、その辺は練習・試合を重ねれ>ば修正できる事ですし、その判断がしっかりできる様になれば(前に出てのパスカットは)速攻へ繋がる可能>>性の高い武器にもなりえると思います。

松田に関して言えばボールのみ、もしくはボールホルダーしか見ていない時間が多いこと
また半身で下がるときの体の向きが逆になっているケースが多いように思われます。
つまり、準備段階での動きが良くないように思えます。これを修正するのは難しくないでしょうか?
以前にも書きましたがU-21のデビュー戦たるアルゼンチン戦におけるオフサイドの山。
あの時点ではトルシエ戦術に対する知識のストックも練習時間も今回の遠征ほどなかったはずです。
アルゼンチン戦前やソウルでの日韓戦、年末年始の合宿等松田は複数回の練習に参加していますよね。
実戦ははじめてのことでしょうがアルゼンチン戦と比べたときには今回のエクスキューズ足り得ないのでは?


><宮本にのみ試合中のポジショニング・・・・・宮本に依頼してます。>
>これって事実なんですか?トルシエがインタビュー(&雑誌など)でそう話したのを
>今までに聞いた記憶(情報不足?)がないんですが・・。 
>もしH・ICHIJOさん自身が(様々な情報や状況を総合して)推測したのならそう書いて欲しかったです
>(違ったらすいません)。

出処は今はなき「ゼッケン」です。F3を中心にトルシエや宮本の特集がたくさんありました。
「ピッチの中でポジショニングの指示など監督的なことをしてもいいと言われた」
と宮本のコメントが載っていたのはサッカー報知だったかスポーツ紙だったと思います。


>ポジショニングの指示などは今回でも中田浩や松田がしている場面がありましたし、システムに踏み込んだ>所では松田がボランチとの間のスペースをどうするか話し合ったと言っていました。

監督の指示した布陣に基づいた細かな修正や確認はみながやっていることと思います。
ただ、どうでしょうラインの高さについて中田浩二や中澤が
むしろ真ん中に指示を出しているのは初めてみたように思います。
でも、私が拙い表現で言いたかったのはプレー中のポジショニングの微調整ではなく、
もっと大きなところの改造です。
国立での日韓戦では酒井のポジションをひとつ下げて即席ライン4を作って空いたスペースを
ボランチに埋めさせたのが有名ですが、監督の逆鱗に触れずF3を改造した点も言及したいです。
昨春の月間「ストライカー」の宮本稲本対談で宮本が
「F3についてはラインを低くすることで戦える難しい局面も出てくるかも」とコメントしながらも
「トルシエは常にラインを高く保ちたいだろうけど」と続けます。
これに稲本がトルシエは絶対自分の信念を曲げないだろうと返答していました。
私もF3についてはトルシエ流の根幹をなす部分であり、
他人が手を着ける事は許さないのでは?と思いました。
時は移って南米選手権でフル代表のF3が失点するシーンをTVで見た彼は再度
「F3についてはラインを低くすることで戦える難しい局面もある」とコメント(サッカー報知)していました。
後藤が賞賛した我流の3バックで井原は召集されなくなり、
トルシエと長い間過ごした稲本の返事もあってどうなることかと思いました。
しかし、日韓戦におけるフレキシブルなラインディフェンスと
その後も宮本が重用された結果を見て先に書いた私の中の宮本評価が急速に高まりました。
ガンバの流麗なF3の運用をみてこりゃすごい!と思ったのですが、
実は昨年の今頃、期待しつつも宮本はフル代表まで行ける選手ではないと私自身思ってました。
それと、カキコのネタのソースは色々ですが、スポーツ紙やその他なので検証に欠けるソースです。
個人の推測と見ていただいても結構です。


>宮本だけというのではなく、フィールドにいる選手それぞれが自覚を持ち、話し合い、指示しあい、判断する
>というのがトルシエの意図ではないかと考えているんですが・・。
>決して宮本を評価してない訳ではなく、選手達をなるべく公平な判断に基づいて評価したいと思ってこのレス>を書きました。
>その辺りを判って読んでくれると有り難いです。

先にも申し上げましたが私は宮本をかなり見ているほうだと思います。
ファン故の感情論が多分に入ってるカキコに丁寧なレスを下さいまして有り難うございました。
万博で私は宮本のダメな点もたくさん見てきています。心の中で「ひっこめ!宮本」と何度やじったことでしょう。
彼のたくさんの失敗も、足りないところも目の当たりにしています。
ですから、このスレッドには、私が思った中での彼の一番の長所を書いてますが
宮本が日本のDF陣の総合力ナンバー1だとは思っていません。
監督というか戦術が変われば真っ先に代表から切られる人材かもしれません。
ですが、僭越ですがとりあえず、生でF3をユニットとして見てあげて下さいませ。
(攻撃を見てるヒマがなくなるかもしれませんが)
それと、U−23については宮本の評価を含めて言葉とかイメージだけが流通してる気がします。
現U-23はU-21時代にアルゼンチンと試合をし、アジア大会にも出ています。
五輪の最終予選の相手は強くなかったかもしれませんが、
最終予選にしか判断基準を求めないのはいかがなものかと思います。
H&Aで行った昨年の日韓戦や中東のフル代表とやったアジア大会も大事な経歴のひとつだと思います。
もちろん負けてしまったオーストラリアとの親善試合やペルーとの練習試合もです。

反論とか別の視点がございましたら私も是非聞かせていただきたいと思います。
3月15日は森岡のF3を生で見れるかもしれないと楽しみにしています。
同様にサンガの手島選手の統率するF3も生で拝見したいものです。


■昨年の宮本の評価なら代表戦よりガンバ 2000年2月28日(月) 20時32分

> トルシエの今回遠征でのフラット3評価には、どこまで本音なのかわからない
> 部分があります(大岩が使えるのか?!)。
サカマガで大住氏が選手をかばったコメントをトルシエがしていたというリレーコラムがありましたね。
私もあの時のコメントについては、同意見です。そして大住氏は言及していないけどF3もひどいデキだったと思います。
でもトルシエのコメントが本音なのか深謀遠慮あってのことなのかは分からないので、単に私の感想と違うかったとしか言えません。

さて昨年の宮本のラインディフェンスにおける戦術眼の真価が発揮されたのは代表戦よりガンバの試合ではないでしょうか。代表ではトルシエの枠組みによる制限もあるのかもしれませんがガンバでは代表に比べてコマが落ちるメンツでより高度なF3を実現しています。

98年〜99年1STのガンバは試合終盤になるとずるずると3バックが下がってしまい、攻撃力はあっても失点が多かったチームでした。その3バックの斉藤、実好、ダンブリーのうちの二人と宮本とでF3をはじめてから失点数が大幅に改善されます。昨年の2ndステージに限れば首位エスパルスに次いで2位の失点数です。中田、宮本、中澤よりも実好、宮本、ダンブリーのほうがラインの狂いは少ないと私は見てます。また、ガンバでは最終ラインが2〜5人まで状況に応じてゲームの中でよどみなく変化します。F3の誰かがボール奪取したまま攻め上がった場合、残りの二人でラインを保つ場合もあるし木場(ドイスボランチで稲本の相方)やサイドの選手が入ったりでヴァリエーション豊かです。最終ラインは最大ライン5になってもラインコントロールは乱れません。(ちなみに稲本はガンバではほとんど最終ラインに入らない。)試合中流麗にシステムが変化していく様をスタジアムから鳥瞰しているとガンバの守備陣が優秀なのか?と錯覚しそうです。しかし99年1stまでのデータを見るとそれは間違いでF3というかラインディフェンスの本領とは個人能力の限界を組織で乗り越えるということなのだと思いました。

マンマークの限界値はDF個人能力の和。つまり足し算。
ラインディフェンスの最大値はDFの個人能力の積。かけ算。
ではないのかと思います。大げさに象徴して言えば
ダンブリーが宮本の判断で動く、
宮本がダンブリーの身体能力を駆使する。ということです。

私が試合会場で観た限りでは、F3をやりはじめて以降のガンバの負け試合は得点ができなくて負けた試合がほとんどでF3をやらない方がよかったのでは?と思った試合はありませんでした。昨年の2ndでボロ負けしたFマリ戦とセレッソ戦のうち前者はTVでしか見てないので私ではラインの状況がよく分かりません。TVからみた限りにおいてはどうもF3ができてないように見えました。セレッソ戦では五輪代表組のコンディションが心身ともに悪く、実好の欠場も痛かったと思います。斉藤は実好に比べると明らかにゾーンディフェンスの基礎能力が劣ります。加えてセレッソの攻撃力がいつもどおり凄かった。ガンバが得点できなくなった理由はいろいろありますがF3にもその一端があって小島の得点が激減してしまいました。小島はスピードを活かしてスペースを使って得点するタイプのFWで、以前のカウンターサッカーでは大きな得点源でした。しかしF3が高いラインを保てば必然コンパクトな布陣がスペースを消します。稲本のワイドレンジのサイドチェンジも効果が薄れてしまい、これらの理由から私は当初ガンバのF3を疑問視していました。

けれどこの点は試合の状況に応じてラインの高さを変えることで徐々に改善されてます。これに見事にはまったのがジャイアントキリングとなったエスパルス戦。ガンバがカウンターを決めたときにはスペースがあり、そこに小島が俊足を飛ばして走り込みゴール前までボールを運んでアシストをしました。この時点までラインの高さはさほど高くなくライン自体が少しルーズでした。オフサイドの数はもちろん少なく、エスパルスの攻勢であったのも事実ですが、そんなに危険なこともなかったと思います。そして、得点が入ってからはラインが高くなります。ラインは五輪代表よりまっすぐに統率され、ガンバは後半からはオフサイドを量産します。(特に市川が下がってから)シュート本数やボール支配率をデータで出せばエスパルスが圧倒的に優位であった事と思われます。専門誌でもそういった評価でありました。けれど現地で見た人の中でも少数意見でしょうが、私はそんなに負ける気がしなかった試合でした。同様のケースはジュビロ戦にもあって、圧倒的にジュビロが攻勢に見えても、負ける気はしませんでした。この試合は危険なかたちでエリア内に侵入されることも多くて、はからずもそれが宮本のカバーリング能力の高さを証明した試合でもありました。

オフサイドトラップだけでなく、スペースのコントロールやシステムの変更によるチームの攻守のバランスとりにDFが大きく関与するする。これこそがF3が能動的な守備であるということではないのでしょうか?サッカーで守備とはリアクションである、という概念もあるようですがF3ではそれが当てはまらないように思います。常に能動的だとも思いませんが、リアクションだけではない。以上のようなことをガンバの試合を見ながらつらつら考えていました。残念ながら得点不足深刻のせいなのか3トップ構想ためなのか今年はガンバは4バックになってしまうかもしれないとのことです。私としてはもう少しガンバのF3を見ていたかったのですがね。