International "A" Match
England (3-0) Spain
Scorer : Barmby (37) , Heskey (54) , Ehiogu (70)

2001/02/28 , Villa Park , Birmingham , Attendance [42,195]
England
GK : James
DF : P Neville , Campbell , Ferdinand , Powell
MF : Beckham , Butt , Scholes , Barmby
FW : Owen , Cole
Spain
DF : Manuel Pablo , Abelardo , Romero , Unai
MF : Mendieta , Helguera , Guardiola , Luis Enrique
1.5 : Raul
FW : Urzaiz
渉ちゃんレポート
この日は人生初の日本代表以外のナショナルチームの試合観戦、嫌が応にも試合前から胸が高鳴る。しかしこの日はスタジアムにたどり着くまでにも一苦労。朝からの雪でバーミンガムに向かうコーチが大幅に遅刻、それでもなんとか平地と合流した。
一旦ホテルに荷物を置いてすぐにタクシーでこの日の試合会場となるヴィラ・パークに向かった。試合開始の45分前19時45分にスタジアムに到着、この時間にはすでにイングランドサポーターがスタジアムの周りを埋め尽くしていた。生まれて初めてのヨーロッパの国代表の試合、しかも本場イングランドでの試合の雰囲気の素晴らしさといったら日本代表のそれとは比べ物にならない。
スタジアムに併設されたヴィラのグッズショップを覗いた後、いよいよスタジアムの中へ。スタジアムの中は既に興奮状態のサポーターの群れ、またイングランドに来られたことの喜びが込み上げてくる。Lad Bronksのカウンターを見つけこれにも初挑戦、予想というより期待でスコールズのファーストゴールに賭けてみることに。そしていよいよ席へと向かった。
席はイングランド側ゴール裏、ぎっしりと埋まったスタンドの一人ひとりがキック・オフの瞬間を待ちわびていた。キック・オフの約5分前両国の選手が入場してきた。一斉にスタンドの観客全員が立ち上がり拍手で選手を迎え入れる。国家斉唱はアウェーのスペインが先、中にはブーイングの声もチラホラあがりこれがアウェーってものなのかと少し実感した。そしてイングランドの国歌”God Save the Queen”、スタジアムが揺れるほどの大合唱が巻き起こる。これには正直胸が熱くなった。
イエロが欠場した以外は両国とも現時点で考えられるベストメンバー、イングランド初の外国人監督となったエリクソンは2TOPの一角にA・コールを選択した。他のスタメンもプレミア首位を独走中のマンチェスター・Uの選手が中心となった。監督に就任後満足なキャンプをはることも出来ずに迎えたこの一戦、やはり連携のこの等も考え合わせるとこのメンバーが現時点では最良ということなのだろう。
試合は序盤スペインペースで進むが徐々にイングランドのペースへと推移していった。スペインで目立ったのはやはり中盤のエルゲラ、グアルディオラ。エルゲラはボールに非常によく絡んでいたしグアルディオラの球の散らし方は見事と言う他無かった。日本でも名波や稲本があのポジションから彼のようなゲームメイクが出来たらなぁ、なんて考えもついついよぎってしまう。イングランドの選手の方が全体的に運動量が多く動きがいい選手も多かったが、中でもバーンビーとパウエルの左サイド
のアタッキングは度々スペインの守備陣を切り崩していた。その起点になっていたのはスコールズやベッカムからの大きく正確なサイドチェンジ、ベッカムは自身攻撃を仕掛けていくシーンは少なかったがサイドチェンジや守備への貢献で存在感は十分。そして前半38分、オーウェンのスルーパスにカシージャスよりわずかに早くバーンビーが追いつきゴール、スタジアム全体が一瞬にして歓喜の渦に包まれた。サッカーくじは惜しくも外れてしまったがこの瞬間に立ち会えたことの喜びでそんなことはもはやどうでも良かった。
後半に入るとさすがにフレンドリー・マッチいうことで両国とも交代が相次いだものの、終始イングランドがゲームの主導権を離さなかった。イングランドの2点目、3点目のゴールは共にコーナーから生まれた。ゴールを決めたのは交代で出場したヘスキーとエヒオグ、新監督に対しての絶好のアピールとなったことは言うまでもない。特に激化するFW陣のレギュラー争いの中のこのゴールは誰よりヘスキー本人にとって最高のアピールの材料になるだろう。スペインは途中得たPKのチャンスも生かすことが出来ずタイムアップの時は刻々と近づいてきた。誰もがイングランドの勝利を確信していたその時「事件」は起こった。
この日のバームンガムの気温は0度を割り込む身を切るような寒さ、手足の先には寒さを通り越して痛みまで感じていた僕達を尻目になんと全裸でグランドに乱入する輩が。全力でセンターサークルを目指して走った全裸男、握手を求められたオーウェンは苦笑いしながらもそいつと硬い握手を。男はオーウェンと握手を終えると潔くライン際まで戻り敢え無く御用、しかしサポーターはブーイングではなくて満場の拍手で彼を迎え入れた。そりゃそうだよな、この寒さの中全裸で突入だもん。そんなあったかいサポーターに心までちょっとあったかくなった。
そして試合終了、エリクソン率いる新代表はまさにこれ以上ない最高の結果でスタートを切ることができた。W杯での予選は苦戦が続いているが、これを機にきっとイングランドに追い風が吹くことになればと思う。スタジアムを埋め尽くした42195人のサポーターと共有した最高の試合、これから先の旅がますます楽しみになってきた。
2001/05/30