00-01 Turkish League
Fenerbahce (2-1) Antalyaspor
Scorer : Revivo (7') , Unknown Antalyaspor Player (?) , Ogun (73')

2001/3/11 , Fenerbahce Stadyum , Istanbul , Attendance [30,000?]
Fenerbahce
GK : 1.Rustu
DF : 6.Mirkovic , 30.Meric , 4.Mustafa
MF : 3.Ogun , 2.Aly Gunes (20.Yusuf 33') , 17.Lazetjic , 18.Abdullah
FW : 10.Revivo (11.Baljic 73') , 9.Serhat Akin
(19.Kennet Andersson 73') , 8.Rapaic
ボスポラス海峡を渡りフェネルバチェ・スタジアムへ
ガラタサライの次と言えばフェネルバチェ、ということでこの日はアジア側にあるカドゥキョイというエリアに向けて出撃。夕暮れの中、物思いにふけってしまうような、モスクや宮殿跡の素晴らしい光景を拝みながらフェリーに揺られること約15分、カドゥキョイに到着した。ここまでは来たものの、さてここからスタジアムまでどうやってて行ったものやら分からない。頼みの「ラ*ガイド・European Football」によると「ここからバスに乗れ」とあるが、周囲のバス停を調べてもその番号のバスは見当たらない。そのためバスで行くことはあきらめ、徒歩で向かうことに。フェリーポート近辺でグッズを販売しているオヤジに「フェネルバチェ!」と言うと、右手で方向を示して「ドール、ドール(「まっすぐ」の意味らしい)」。こんな事を10人くらいと繰り返した頃、フェネルバチェスタジアムに到着。距離にすると1kmほどであっただろうか。スタジアムはアリ・サミ・イェンよりもかなり新しく見える。
チケットを約1000円で購入した後は、安全そうな奴を選んで自分のチケットを見せる。そうしなければどこが自分のゲートか分からないからだが、誰もが親切に応じてくれた。ゲートをくぐり、スタンドへと続く階段を上がると、そこは明らかに定員オーバーの超満員になっている。まだキック・オフ1時間前だというのに・・・。本来スタンドは全てイス席なのだがみんながイスの上に立ち、さらに通路であるはずの部分にも人がギッシリ。何とかスタンドの上の方に行けないものかなぁ、と考えた僕は通路脇に取り付けられた手すりに手と足を乗せ、ナマケモノを逆にしたような格好で上によじ登ることにした。すると満員にもかかわらずファン達が僕を珍しがって、上へ上へと次々に引っ張ってくれる。なんていい奴らなんだろう。
トルコ独自の応援スタイル、「ブラヤ」
選手がアップに出てくるとすぐにスタンド全体から大合唱が湧き起こる。ガラタサライの試合はキック・オフ10分前ほどにスタンド入りしたので、この空気は味わうことが出来なかったのだ。選手達がピッチに登場し円形になってストレッチを始めると、スタンド全体が選手の名前をコールする。これはトルコ独特の儀式のはじまりなのだ。「ブラヤー!ブラヤー!ラパイッチ!(そう。彼は今、ここフェネルバチェでプレーしているのだ)ブラヤー!」。そうスタンド全体からお呼びがかかると、選手はスタンドに走っていき宙で3回パンチをする。それに合わせてスタンドも「オイ!オイ!オーイ!」と歓声を上げて盛り上がるのだ(リズムはタ*リの「パン!チャチャチャ!」に近い)。この「ブラヤ」という儀式は非常に重要視されているものらしく、外国人選手がトルコのクラブに移籍してくると、まず最初にこのブラヤのやり方を教えられるほどだとか。
ブラヤの後はひたすらチームの応援歌が続いていく。興奮の続く中、注目のスタメン発表。ラパイッチはしっかりとその中に名を連らねたが、昨年レアル・マドリードでプレーしたバリッチ、94年のワールドカップで一躍名を上げたスウェーデンのケネット・アンデルソンはベンチスタート。それが少々残念だった。キック・オフ10分前ほどになると、スタンド中に白い紙切れの束が回されていた。これは選手が入場してきた時に紙吹雪になるのだが、ぼくをはじめ見知らぬ人間にも次々に紙は配られている。誰もが真剣にチームをサポートしていて、このクラブのことをよく知らない自分までもが思わず身震いしてしまう。そんな心地よいくらい圧倒的な熱気がスタジアムを包み込んでいた。
フェネルバチェ勝利。だが洗練さは存在しなかった
例によってトルコ国歌の斉唱の後は、再びスタンドが盛り上がりキックオフとなった。現在、リーグ戦首位を走るフェネルバチェのサッカーはどんなものかと期待したものの・・・、レベルは低し。そもそも戦術面でサッカー先進国に比べて大きくひけを取っている。中盤がFWかDFにほとんど吸収されてしまうので、落ち着いたボールキープから細かく中盤でつなぐ、といった攻撃が存在しないのである。トルコの選手は確かにテクニック面では優れたものを持っているが、そういったゲームのバランスを保つ戦術的思考や、局面ごとの状況判断等においてまだまだ改善の余地が残されているように感じた。またジャルデウやハジなどがいるとは言えトルコ人が中心のガラタサライと違い、「コスモポリタン」クラブの趣の強いファネルバチェだからこそ、尚更そう見えたのかもしれない。ユーゴ、クロアチア、ボスニア、アルバニア、イスラエル、スウェーデン、これだけの選手達が集まっているのだから、組織だった洗練さを求めるのは酷なのだろうか。
そんな事考えているうちにフェネルバチェが先制点をあげた。約10分、右サイドをドリブルでえぐったアルバニア人のセルハトが折り返し、それをチーム一のスター選手、レヴィヴォが合わせたのだ。この時のスタンドの弾けようといったらすさまじいもので、スタジアム全体がゆらゆらと揺れているように見えたくらいだった。
その後フェネルバチェの圧倒的なペースでゲームは進んでいくものの、オフサイドや相手のGKが好セーブ等もあり、なかなか追加点が奪えない時間が続く。ファンのイライラがつのり、味方選手のふがいないプレーな、ブーイングが出始めた頃、アンタリヤスポルが同点としてしまう。しかし、僕が感心したのは、失点後すぐにスタンド全体からものすごい声援が上がったことだ。世界中を探しても、これほどチームに忠実で熱狂的なサポーターを持つクラブはなかなか存在しないのではないだろうか。
結局、試合は後半、オギュンが右サイドからのクロスをヘディングで合わせてフェネルバチェが2-1で勝利。ラパイッチはこのチームでは3トップの右を務めているようだが、18番の周囲をかえりみないドリブルは健在であった(笑)。バリッチ、アンデルソンは2人揃って75分くらいの時間帯から出場し、それぞれの持ち味を出すことができていたと思う。特にバリッチに関しては、左サイド深くまで簡単にボールを運ぶ突破力が光っていた。レアルではパっとしなかったが、彼なら再びビッククラブでプレーするだけの力を持っていると思う。
神秘の街イスタンブールのアジア側に存在するフェネルバチェスタジアム。終末の夜には、ブルーモスクやトプカプ宮殿に優るとも劣らない神秘がここであなたを待っている。
2001/07/20