00-01 Turkish 1 st League

Galatasaray (2-1) Genclerbirligi

Scorer : Umit (24) , Jardel (39) , Serkan (68) 

     

2001/03/10 , Ali Sami Yen Stadi , Istanbul , Attendance [?]


Galatasaray

GK : Taffarel

DF : Capone , Popescu , Emre K , Ahmet

MF : Okan , Umit (Faruk 87), Emre B , Hasan (Serkan 65)

1.5 : Hagi

FW : Jardel (Arif 73)


  狂気のジンボム・サポーター

 アテネから約24時間、夜行と特急を乗り継いでやって来たイルタンブール、まずはこの街について簡単に紹介しよう。イスタンブールは旧市街(ビザンツ帝国やオスマントルコの中心があったエリア)、新市街(現在の経済の中心)、アジア側の3つのエリアから成っており、ガラタサライは新市街の北、メジディエキョイという所にスタジアムを持っている。

 僕はキックオフの4時間ほど前、3時頃にアリ・サミ・イェン(ガラタサライのホームスタジアム)に向かいチケットを購入した。値段はゴール裏で約500円。なんて安いんだろう。

 17:30
頃、旧市街の「アクサライ」というエリアにいた僕は、これからどうやってスタジアムに行ったらいいのかなぁと少し困っていた。するとちょうど目の前にジンボム(ガラタサライの愛称)のユニフォームやスカーフを身にまとった4人組を発見。彼らはこれからアリ・サミ・イェンに向かうというので、そのうち一人が呼び止めたタクシーに同乗させてもてもらう。車内ではお互い片言の英語ながら中田の話やジンボムの所属選手の話、僕の旅の話で盛り上がる。夕暮れのイスタンブールをタクシーで飛ばす。う〜ん、悪くない。10分もしないうちにタクシーはメジディエキョイへ。代金は一人の奴が払ったので僕はおかげでタダでスタジアムにたどり着くことが出来た。

 スタジアムに着くと、一人の奴が片言の英語で「俺に付いて来い」と言う。怪しいなぁ、などと思いつつ付いて行くと、あるゲートにたどり着いた。彼はシーズンチケットホルダーで、どうやら僕と一緒に試合を見たいらしい。彼のエリアはバックスタンドで、僕はゴール裏。そのためゲートでは当然のごとく僕だけが追い払われてしまう形となった。しかし、彼も一緒に戻ってくれ、最初にいた彼の仲間3人と再び合流。彼の話ではバックスタンドが最も熱いファンの集まる場所だそうだ。

 そしてまた別のゲートへと向かう。そのゲートの前でしばらくタバコをふかしてたり談笑したりしていると、突然ゲートの周りにいたファンが突進していく。すかさず僕と一緒にいた4人も僕の手をひいてゲートに突進。どうやらシーズンチケットホルダーの奴以外の3人はチケットを持たずにゲートを強行突破しようとしているらしい。結局、僕らは全員突破に失敗し、警官にゴム制の棒で叩かれまくって追い払われてしまった。失敗はしたものの、こんな地元の奴等に楽しい経験をさせてもらったなぁ、と思いつつ自分のゲートまで彼らに連れてってもらう。と言うのは地元の人間以外には、いったい自分のチケットのゲートがどれか分からないからだ。表示もないし、チケットからも分からない。トルコ人達がみんな親切な人々だからいいようなものの、そうでなければ僕は自分のスタンドに入る事もできなかったろう。

 オーバーヒートのアリ・サミ・イェン

 アリ・サミ・イェンはかなり古くさく、改修に改修を重ねたという感じだ。少なくとも僕の入ったゴール裏のエリアにはトイレもなさそうだった。観戦のおやつ代わりに売っているひまわりの種のカスがそこら辺に散らかり、通路や階段にもお構いなしに観客が座り込んでいる。やはりトルコのサッカー場は評判通り、想像を絶するような異空間である。そんな事を考えているとすぐにスタメン発表となった。スタメン発表は、選手のファミリーネーム(日本で言うと「田中」や「小川」など)がアナウンスされると、観客が声を合わせてファーストネームを叫ぶ仕組みになっている。そこでもまた盛り上がり、キックオフ前までにはスタンドは日本では考えられないほどの興奮状態になるのだ。

 GKはタファレル、DFはカポネ、ポペスク、K・エミュレ、アーメト、MFはオカン、ウミト、B・エミュレ(本来エミュレというと彼を指す)、ハサン、FWはジャルデウ、そしてハジが入った。トルコのサッカー場ではなんと試合前に国歌斉唱が行われるのだ。これを観客みんなで真剣に大合唱した後に、キックオフとなる。全くトルコ国歌など知らない僕でさえも起立してしまうくらいの、威圧的な雰囲気。あれだけでも味わう価値がある。

  試合が始まると、相手チームがボールを持った瞬間に口笛を使っての大ブーイング。スタンドからはブーイングの出ない間は、ファン達は絶えずチームの応援歌を合唱し続ける。プレーのレベルはというと、Jリーグと大して変わらない気がする。このレベルに対してなぜこれほど熱くなれるのだろうか?TVでCLのビックゲームを見ていて、ガラタサライはもっとレベルの高いチームに感じていたので、トルコリーグでは気合が欠けているのかもしれない。実際に3日前にACミランを破っていた彼らに、相手をナメた気持ちがあったのは確かだろう。

 ハジ、ジャルデウ、エミュレ、ジンボム万歳

 
そしてそのツケはしっかり回ってきた。24分、ゲンチレルビルレジにゴール前のこぼれ球を拾われ、そのまま前にいた選手にスルーパス。これは明らかにオフサイドだったがミスジャッジで流され、なんと先制点を奪われるハメになったのだ。これで落ち着きをなくしたガラタサライは31分にハジが審判に暴言を吐いて退場。後になって分かったことだが、この時彼は審判に暴言を吐いただけでなく、足を踏みつけ唾を吐きかけたと言われている(爆)。これで彼は6試合の出場停止。最も見たかった選手がほとんど仕事をしないままフィールドを後にしたのは非常に残念だった。それでも39分、FKを素早くリスタートし、それを受けたジャルデウが抜け出して1-1の同点に追い付く。ジャルデウという選手の魅力はその決定力の高さだろう。ぜひブラジル代表でもレギュラーを狙ってほしいものだ。さらに幸運だったのはゲンチレルビルレジのムスタファが43分に退場になったことだ。これで10人対10人となったガラタサライは、その後完全にペースを握る。決勝点を奪ったのは途中出場したセルカン。CKを彼がヘッドで合わせた瞬間、アリ・サミ・イェンスタジアムは大爆発となったのだった。

 
試合が2-1で終了した後、周囲の交通は完全にマヒ状態。道路をファン達が横断しまくるものだから、クラクションの嵐でものすごい喧騒に包まれるのだ。キックオフの何時間も前から熱心なファンはスタジアムへと集まり、試合が始まると90分間、絶叫に近い歌い声でアウェイチームを「地獄」へと誘い込む。イタリア、イングランド等サッカー先進国がビジネス化へ傾く中で失ってしまった「何か」が、ここアリ・サミ・イェンには残っている。プレミアやセリエAの洗練されたサッカーも確かに美しいがトルコはトルコで、また美しいのだ。

 

 2001/05/14

 

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