International "A" match

Japan (1-1) Republic of Korea

Scorer : AHN Jung Hwan (14) , Hattori (56)

2000/12/20 , Tokyo , Tokyo National Stadium , Attendance [54,145]


Japan

GK  <20> Narazaki

DF  <4> Morioka (<7> Motoyama 75mins), <3> Matsuda , <6> Hattori

MF  <8> Myojin (<17> Sakai 69mins), <5> Ito , <18> Ono (<15> Oku 46mins) , <10> Nanami , <14> Nakamura (<16> Koji Nakata 46mins)

FW  <13> Yanagisawa , <21> Kitajima (<9> Nakayama 46mins)

 Republic of Korea

GK  <18> KIM Byung Ji

DF  <15> LEE Min Sung , <14> KIM Sang Sik , <2> KANG Chul

MF  <19> LEE Eul Yong , <3> CHOI Sung Yong (<6> YOO Sang Chul 85mins) , <20> HONG Myung Bo , <12> LEE Young Pyo

1.5 <13> LEE Chun Soo (<17> PARK Sung Bae 59mins)

FW  <10> CHOI Yong Soo (<21> PARK Ji Sung 40mins), <23> AHN Jung Hwan (<8> YOON Jong Hwan 71mins)


 伝統の日韓戦

 今年最後の代表戦は伝統の日韓戦となった。最近韓国のエースとして認識されるようになっている李東国(イ・ドングッ)は、怪我のためか残念ながら召集されなかったが、それでも崔竜洙(チェ・ヨンス)や安貞桓(アン・ジョンファン)、そして日本でもおなじみの洪明甫(ホン・ミョンボ)などが選ばれ現段階でのベスト・メンバーといっていいような面子が揃った。韓国は欧州や南米のチームのような、メンバー上での「手抜き」は一切行ってこない。当然試合に対する期待も高まるというものだ。

 残念ながら午後から東京はポツポツと弱い雨になり、最高の状態で試合を行うことはできなくなってしまった。試合の1時間前にはその雨は上がったものの、屋根の乏しい国立のスタンドはピッチと同様に水浸しとなってしまった。

 いつものように自由席のスタンドに入るとほとんどの席はすでに大観衆で埋まっていた。そこで我々は韓国サポーターのエリアで観戦することにしたのだが、我々が行った時点ではガラガラで余裕で特等席を取ることができた。ただ、周りにいる「いかにも」な韓国サポーター以外の、スーツやジャンパーを身にまとった「普通」の人々も話す言葉は韓国語で少々ビックリ。日本語で多少話す機会があったので、どうやら在日韓国人の方々が大勢来ていたようだ。さらに韓国サポーターエリアでは、よく韓国野球の映像などで見られる応援グッズ(空気を入れて膨らませる長い風船のようなもの二本を、互いに叩いて音を出す)を配っていて、僕らはすっかり韓国人グループに一体化してしまっていた。でも応援のかけ声は一切何を言ってるのやら分からなかったが・・・(笑)。

 安貞桓! 

 我らが全日本は中田英寿、西沢、高原、森島、稲本ら主力数人を欠いてはいたが、小野伸二や中村俊輔が揃ってスタメン入りし中盤の構成に期待を持たせた。FWは才能は疑いようがないものの積極性の感じられない柳沢、ポストプレーは問題ないもののスピードや経験の足りない北嶋の2トップとなった。トルシエはこのように選手のテスト的な起用を多く行うが、ボクの正直な気持ちとしては日韓戦はそういったものを取り除いて本気のぶつかり合いが見たいのだが・・・。まあ、フランス人には分からないよな。

 韓国は3−4−1−2のような布陣。GKはあの金秉址(キム・ビョンジ)。ボクが韓国人の女の子に「似てる」と言われたことのある選手だ(爆)。韓国では人気がありかっこいいと思われてるらしいのでまあいいか。注目すべき点は他にもある。日本ではセンター・バックのイメージが強い洪明甫がボランチとして登場したのだ。またトップ下で比較的自由に動き回っていたのが19歳の新鋭、李天秀(イ・チョンス)。彼は左サイドをドリブルで数度突破に成功したり、ゴール前への飛び出しで見せ場を作った。FWは一時期はドラクエのパペットマンのように顔つきに全く精気の感じられなかった崔竜洙が前線に張り付く。そしてペルージャに所属する韓国きってのアイドル選手、安貞桓がその下で衛星のように動き回るといた感じか。この二人の関係は2トップというよりも、どちらかというと1−1のように見えた。その安貞桓は一度振り向きざまのシュートを放ったかと思えば、再び素早いターンから鮮烈なゴールを叩き込んだ。

 両チームとも濡れたピッチに馴染んでいないこともあったのか、なかなかゴール前での攻防の少ない立ち上がりとなったが、その流れが切れたのが14分の安貞桓の一撃だった。ハーフウェイラン付近からのFKを、ペナルティエリア外で後ろ向きに胸でトラップした彼は、素早いターンでゴール方向に体を入れ替えると、そのままドリブルで5mほど進みコースを狙ってシュ〜ト!詰めてきた服部の足に当たったものの、ボールはゴール左隅に吸い込まれた。マークに付いていた森岡に落ち度があったのは確かだが、安貞桓の見事なテクニックは評価せざるを得ない。その後も彼は前線からの積極的なプレス、素早いドリブルからの積極的なチャレンジなど見せ場を作りセリエAプレーヤーの意地を見せた。

 日本選手に不満

 その後、柳沢のドリブル突破をバック・チャージで止めた金相植(キム・サンシク)が退場し、ペナルティ・エリア内で再び柳沢が倒され、タックルを行った姜哲(カン・チョル)にイエローカードが与えられた。ペナルティ・エリア内でのファウルということは・・・、PK!キッカーは柳沢がつとめたがこれをなんと金秉址に止められる。何やってるんだあ!動きは悪くなかったがやはり柳沢には常に不満を持ってしまうボクだった。中村俊輔もプレーの質の高さは相変わらずだが、中田英寿が入ったときほどの存在感は示すことができない。北嶋に至っては前半途中から消えたに等しい状態となった。しかし健闘していたのが小野伸二。柔らかいドリブル、意外なパス、ボールへの積極性と運動量、そして落ち着いたプレーぶり、日本の前半で最も輝いていたのが彼だった。バックスでは服部、森岡、松田とも失点の場面以外は大きなミスはなかった。失点の場面も崩された形ではなくあえて言うなら交通事故のようなもの。気にするには及ばない。森岡のカバーリング能力の高さも相変わらずだった。明神、伊東らのそつのない堅実なプレーも悪くなかった。特に韓国DFのクリアボールをダイレクトで放った明神のシュートは、惜しくも枠を外れたものの見事だった。でもやっぱり全体としては不満でいっぱいの前半。美しいコンビプレーがなかなか見られないのだ。10人になった韓国をなかなか崩すことができないのでは不満も当然だろう。

 その韓国は10人になると洪明甫がボランチからセンターバックへと移動。ボランチでも彼はボール回しの起点となっていて、たまには試合を通してその姿を見ていたかったが、やはりセンターバックの彼は貫禄が漂う。GK、DFらに両手を広げて指示を出し、審判に絡んでいく彼の存在感はやはり際だったものだ。彼のような真のリーダーが日本代表にもいてくれたらなあ・・・。そして安貞桓と李天秀はポジションを他のMFと同じ高さに修正し、ディフェンス重視の布陣へとシフト。11人対11人の攻防が続いてくれたら、もっと彼らの好プレーを目にすることができただろうに残念だ。彼らに崔竜洙も含めた前線の3人は試合が進むに連れてそれぞれ消耗していき、3人とも途中でピッチを退いた。崔竜洙は大した見せ場はなかったが、ボールへの積極性、ヘディング、フィジカル面の強さは目立っていた。ジェフでも期待できるだろう。

 そんなところで前半終了。

 なぜ?の選手交代で終わった試合

 前半終了間際に負傷した中村俊輔、消えていた北嶋の交代は当然にしても、納得できないのが「埼玉のリトル・ブッダ」こと小野伸二の交代と奥大介の投入。それによってトップ下に奥が入り、その時点で試合は半分終わった。元々奥のプレーが気にくわないと言うことは差し引いても、意図の不明なドリブルにパス、少ない運動量などで役不足の感は否めなかった。(時に絶望的な)中山特攻隊長の投入でスタンドは湧いたが、気合いと勢いだけでは引いた韓国DFラインを破れない。それでもやや押しているのは日本で、56分には右サイドに流れた柳沢からのクロスをファーサイドで服部がヘディング。これが決まってやっと同点に追いついた。韓国サポーターの中にいてもやはり喜んでしまうボクだった。というか、「ダメだ」、「バカ!」などと暴言を吐いていたにもかかわらず、点が入った瞬間に両手を広げて「イヤー!」などと雄叫びをあげているボク。我ながらなんて現金な人間だろう。

 その後、奥のシュートミスがたまたま松田に流れ逆転ゴールが生まれるかに見えたが、GK金秉址のファインプレーによってゴールはならなかった。それが全日本にとって最大のビッグチャンスだった。さらに途中出場した本山が数度左サイドを突破するが、結局ゴールは生まれず1−1で試合終了。大きなフラストレーションとともに国立を後にした。

 ワールドカップを控えますます両国の友好ムードが高まる中、伝統の日韓戦も一つの時代を終えつつあるのかな、という気がする。「是が非でも勝つ!」という意気込みが感じられないのだ。韓国選手の気合いの入ったタックルは何度か見られたが、メンバー選考の時点で日本側からはそのような強い気持ちを感じることは難しかった。これからはオランダ人のフース・ヒディングが韓国を率いることもあり、より一層日韓戦の重みは薄らいでいくのだろうか。両国の代表強化と日韓戦の重みは反比例してしまうものなのかもしれない。

 

 2000/12/21

 

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