Olympic National Team Friendly Match
Japan (6-0) Kuwait
Scorer : Nakamura (47) , Yoshihara (74) , Inamoto (76) , Nakamura <P.K.> (83) , Yoshihara (85) , Hirase (89)

2nd September 2000 , Nagai Studium , [Attendance] 41,556
Japan
GK Narazaki
DF Morioka
(Nakazawa 46) , Matsuda (Miyamoto 46) , K Nakata
MF Nishi (Sakai 66) , Myojin , Inamoto , Nakamura
1.5 H Nakata (Yoshihara 70)
FW Yanagisawa (Motoyama 46) , Takahara (Hirase
70)
Kuwait
GK Kankone
DF Zayed (Najem 83) , Al Buraiki , Abdulrahman
(Al Anezi 69)
MF Al Othman (Hasan 78) , Al Kandari (Al Humaidan 46) , Al Tayyar , Salman (Al Omran 71) , Saihan
FW Abdulaziz , Saeid (Al Mutairi 72)
国立よりも長居の方が上
友人(大阪在住)の家から、阪急電鉄、地下鉄御堂筋線を乗り継いで18:20頃に長居駅に到着。国立で代表戦があるときの千駄ヶ谷や信濃町よりも幾分混雑が少ないように思う。長居には駐車場があるからか?駅を出て最初の交差点を右に曲がると大きな器のような外観が見えてきた。我々が自由席のため少々到着が遅すぎたか?と友人達と心配しながら、人の流れに乗りいざスタジアムへ。大阪記念にプログラムを購入するも、なんと5日のモロッコ戦とどうも同じものらしく非常にがっかり。自由席のスタンドへ入ると、もうほとんど満席状態でスタンド最上段のシートへと座る。それでも長居と同じ陸上のトラックがある国立とは違い、スタンドの傾斜が急なためフィールドからさほど遠くには感じない。またすでにワールドカップ用の改修工事を終えているということもあり、シートやスタジアム自体もモダンで自称スタジアム評論家にとってはありがたいかぎり。あえて言うなら「日本のアムステルダム・アレナ」と言ったところか。観客も試合開始に近づくにつれてスタンドを埋めていき、最終的にはほぼ満員となった。やはり観客が多くないと盛り上がらないからね。
対戦相手のクウェート五輪代表は誰も知っている選手がおらず、全て国内リーグでプレーする選手達で構成されている。ただ7〜8月のヨーロッパ遠征でクリスタル・パレス、ワトフォード、チェルシーのイングランド勢を下し、インテルにも0-1と善戦したらしく、そうなるとどのようなチームか多少は興味が湧いてくるというもの。
日本のスタメンには小野伸二を差し置いての代表入りとなった注目の西(ジュビロ磐田)が名を連ねた。ともすると左サイドに偏りがちな代表のオフェンスに、彼が右サイドからどんなアクセントを加えるのかを心待ちにしながらキック・オフを待った。
途中からは眠気を誘う前半
ゲームが始まると日本が立て続けにチャンスを創る。高原のヘディングや柳沢のDFに引っ張られながらの粘りのシュート、稲本のポストを直撃したミドル・シュートなど決定的な場面をいくつか生み出す。バックライン中央で地元の宮本をサブに廻しての先発となった松田は、積極的に攻撃参加を試みロングパスの精度も高い。またクウェートの攻撃パターンであるDFラインからの放り込みに対しても、ほとんど危なげなくボールを弾き返していく。その右の森岡はやはり相変わらず堅い。松田と同様一対一に非常に強く、安定感は3バックスの中でも一番だろう。左の中田浩二はあわや失点、という場面につながったとんでもない横パスが一本あり、一対一や競り合いも松田や森岡ほどの強さはない。しかし、その分積極的なオーヴァーラップが光り、また隙を見つけるやオープンスペースに味方を走らせるようなロングボールのセンスもある。中盤から前は、テクニックや構成力という面で明らかにクウェートよりも上だった。中田英寿は疲れからかいつもほどの運動量は感じられなかったものの、それでも機を見たダッシュやプレッシング、そして相変わらずのパス・センスの良さで特に序盤は目立っていた。ダイレクト、ワンタッチ、ドリブルの後、それぞれの場面で見られる「意外且つベストに近い次のプレーの選択」で、やはり代表の中心プレーヤーたる存在感をしっかりと示すからさすが。もう一人の主役、中村俊輔は昨日は誰が見てもベストなプレーヤーだった。詳しいプレー内容は後で書くとして、とにかく昨日の彼には加速度的な成長を感じることができた。ボランチに入った稲本も昨日よかった選手の一人。強烈なプレッシングからボールを奪うのはもちろん、松田や中田浩二が上がった後のバックラインのサポート、機を見た攻撃参加とミドル・シュートで彼も目立っていた。明神は相変わらず地味ながらバランスを考えた忠実なプレーでチームに貢献。FWの二人も序盤はクウェートDFをよくかき回した。
序盤クウェートを押していた日本だが、その時間帯でさえ見ている側のフラストレーションがたまるプレーをしていた選手が一人いた。右サイドハーフの西である。運動量とドリブルが持ち味らしいが、ボールをもらうときはゴールに背を向けあっさり横パスする事が多く、それどころかポジショニングが悪いためにボールもなかなか回ってこない。中途半端に中にポジショニングするよりは思い切ってサイドに張っている方が明らかにいいと思われた。左サイドの中村だってサイドに張っている時間が長いからこそ、インに切れ込むドリブルの威力が増すのに・・・。西はDFの裏をとるという積極的な仕掛けの姿勢の意識も希薄なようで、あれなら豊富な運動量と気合いの入ったプレーを見せる酒井の方がよっぽどいいと思ったほどだ。
そんな西のパッシヴなプレーか、それともこの時間帯に降っていた雨が影響したのか、日本選手全体のダイナミズムが時間の経過ともに弱くなっていく。開始20分を過ぎると両チームともに中盤でボールの奪い合い(奪ったら奪われ、の繰り返し)に終始するようになり、ときおり中田英俊や中村がテクニックを見せるものの全体としてゲームは退屈なものへとなってしまった。ちょうど心地よい夜風に当たり、あくびがとまらなくなったところで前半が終了。引き上げてくる選手達にスタンドからはブーイングがちらほら。
トルシエの積極采配と後半から入った本山がダイナミズムを呼び戻す
後半開始。トルシエはここで一気に3人を交代させる。確実に計算できると再確認した選手2人(森岡、松田)に代えて、ボンバーヘッドと本来はキャプテンの宮本と投入。普通はセンターバックの交代は考えにくいので、ここは明らかに中沢と宮本を試す意図と思われる。またFWの柳沢に代えて本山を投入。高原が前線に、その下に中田、中村が入り、本山は前半中村のいた左サイドに廻った。本山の果敢なドリブル突破とスペースへの走り込みで、前半は停滞していたダイナミズムが甦る。日本代表の試合を見ていつも思うのだが、ダイナミズムが明らかに不足している。それを代えられる選手というのは森島か本山くらいではないだろうか。
上にも書いたように昨日のベストプレーヤー、中村について。ガリガリ君などとも言われていたが最近はフィジカル面でも強化され、細かいボールタッチを活かしたドリブル突破から、左足だけでなく右足でも力強いシュートや見事なセンタリングを見せていた。PKもしっかり決めるし、中田のヒールパスをダイレクトで放った左足の先制ゴールは見事と言うほかない。彼ほどのテクニックを持っている選手は世界的に見ても限られているだろう。
本山の投入で前半に比べて動きが見られるようになったものの、本大会に向けて不安なシーンもこの時間帯にはいくつか見られた。中田の完全なPK失敗(後半ははっきり言って消えていた。交代は当然)、クウェートFWにあっさりかわされあわや失点という場面を創られた宮本、そしてかろうじてオフサイドとなったクウェートの疑惑の先制点など。特に宮本の一対一ではブラジル相手には通用しまい。またあのオフサイドのシーンも、本大会では副審のフラッグが上がらない可能性だってある。むしろスタンドからはクウェートのすばらしいゴールにさえ見えた。
中村の見事なスルーパスを受けた吉原の、鬱憤を晴らすようなすばらしいドリブル・シュートには文句なしに興奮した。得点後の日本ベンチ前でのトルシエに対する当てつけのような晴れやかなガッツポーズも微笑ましかった。その後、組織の崩壊したクウェートから次々にゴールを奪った代表チームだが、「メダルも行ける!」などと言われているほど本大会は甘くないと思う。クウェートのようにヨーロッパや日本などで積極的に試合をこなしているチームがあるのに、2試合しか本大会前の試合を行わない日本が本当にメダルなど取れるのだろうか、と思う。
さて5日のモロッコ戦はどうなるのだろうか?
2000/9/3