J-League Division2 , 32nd Match Day

Ventforet Kofu (0-2) Consadole Sapporo

Scorer : Emerson (27,40mins.)

  

11th September 2000 , Kose Sport Park Stadium , [Attendance] 1,042


Ventforet Kofu

GK  Ito

DF  Nakada , Watanabe , Tanioku

MF  Ishihara (Kano 73) , Burca , Ai (Kanda 77) , Dobashi

1.5  Kuranuki

FW  Fujita , Shinmyo (Kaneko 56)

Consadole Sapporo

GK  Sato

DF  Natsuka , Furukawa , Omori

MF  Tabuchi , Nonomura , Biju , Almir

1.5  Bando (Yamase 72)

FW  Emerson , Takagi (Kikawada 60)


 スターレットで甲斐路を往く

 12時頃、友人の運転で出発。天候はあいにくの雨で、しかも時折激しい雨に変わるというスポーツ観戦には最悪の空模様。八王子インターから中央道に入るも、ボクの所持金が2000円未満なのに腹を立てた友人が大月で高速を降りたために、そこからは国道20号で甲府へと疾走する。甲府に到着後は元戦国時代ファンのボクの希望で、かの武田信玄の躑躅ヶ崎館跡へと向かう。現在跡地は武田神社になっており、当時の堀や土を盛った後などは残っているものの、もはやあまり面影はなかった。それより中心部にある甲府城後(江戸時代に築城)の方が、立派な石垣が残っており見所があった。その後、駐車場に車を停めて中心部を少し歩いてみるが、いかにも地方都市といった趣でいささか退屈な感は否めない(甲府にゆかりのある人はすいません!)。ドトールで17時30分くらいまで一息ついてから、試合会場となる小瀬スポーツ公園へと向かう。

 最悪のピッチ・コンディション

 スタジアムの周りには無料の駐車場があるので、そこに駐車してスタジアムへ。チケットのもぎりやチームグッズ、食べ物の販売などはほとんどボランティアで賄っているようで、中学生(?)なんかもボランティアとして働いていた。

 スタンドに入ると「中田」ならぬ「仲田」という選手の横断幕が目に付いた。DFの仲田はチーム内でも人気があるようだ。でも発音は「ナカタ」ではなく「ナカダ」。彼はチームのキャプテンでレッズの大柴や湘南の前園と同期らしい。基本的にスタンドはガラガラだが、やはり札幌のサポーターの応援は熱いものがある。数の上でも甲府のサポーターをやや上回っているように見えたし、その熱狂度では大分上回っていた。あの雨の中、上半身裸のヤツが3人ほどいたくらいだからね。

 キックオフ20分前になっても、GK以外の選手はフィールドに出てこない。あまりにもピッチのコンディションが悪いためだろうか。スタメンには札幌でも怪我であまり出場の機会に恵まれていなかった、元日本代表の高木琢也が登場。ここまでエメルソンと2トップを組むことの多かった播戸はMFとして紹介された。また観戦した大宮戦ではサスペンションで欠場した、元ジェフの野々村もスタメンに名を連ねた。ピッチの状態を考慮してハイボールを高木に合わせる狙いか、などと友人と話しながらキックオフを待った。

 チームのレベルが違いすぎた

 序盤から札幌がボールをキープし続ける展開。それでも濡れたピッチの影響もあったのか、札幌のDFラインの裏を狙って甲府がロングボールを放り込む。これが2回ほどチャンスになりかけるが、2回ともGK佐藤の飛び出しで処理された後はますます札幌の独壇場になってしまう。甲府はまず中盤でボールをつなげる選手もキープできる選手もいない。DFが必死にボールを奪ってクリアするのがやっとなので、それが運良く前線に繋がるのを期待するしか得点の可能性がない。ひどい言い様かもしれないがはっきり言って事実なのだから仕方がない。そのためセントラルMFのブルカにはほとんどボールが回らない。唯一甲府のスタメンに名を連ねた外国人プレーヤー(ルーマニア人)は、全く見せ場を作れないまま時間が経過していった。同世代のチヴー、ガネア、ムトゥらがヨーロピアン・フットボール界の脚光を浴びる中、甲府のブルカは極東の2部リーグで苦しんでいるのだろうか。またDFに関しても一対一で勝てないからファールで止めるしかない。序盤からイエローカードが甲府の選手に突きつけられた。

 ヴァンフォーレ甲府の今シーズンの戦いぶりには、たとえファンでなくとも注目せざるを得ない。その成績はここまでなんと1勝1分け26敗。ホームで行われた3月30日の仙台戦に1-0で勝利してからというもの、すでに25試合も勝利から遠ざかっている。一度の引き分けを挟んでももう18連敗!オスカーの率いた京都が15連敗、という記録があったがすでにそれを上回っている。しかしこの試合内容ではこのような結果になるのも仕方ないかもしれない。

 札幌は2トップの下に播戸が、左ウィングハーフにはアウミール、右には田渕が入った。序盤は播戸やアウミールが今ひとつ絡めていない印象もあったが、時間が経つにつれてアウミールも上がるようになり、播戸も高木が落としたボールに積極的に絡んでいくようになって札幌の歯車が噛み合いだした。右の田渕はDF時には右サイドバックのポジションを取ることもあり、その時は4バックのような布陣となる。それも甲府の攻撃の見極めがついた後は少なくなっていった。野々村はビジュと平行になるようなボランチのようなポジションだったが、彼も時間の経過とともにポジションを上げだして、播戸とポジションが平行になる時間帯や、左サイドにまで絡んでいく場面もあった。久々に見た高木だったが彼のフィジカルの強さは際だっていた。競り合いには全く負けず、まさに岡ちゃんの狙い通り(?)で制空権を完全に掌握。エメルソンはやはりピッチ・コンディションが悪すぎたために、早めに叩いたり左サイドから切り返してのセンタリングが多い。時折、猛烈なプレッシングや飛び出しで甲府DFを脅かすが、ピッチがよければ持ち前の爽快なドリブルも見ることができただろう。

 ドリブルは無くてもやはりエメ

 上記のようにドリブルは見られなかったものの、それでも先制点はエメルソンのヘディングだった。野々村が蹴った左からのCKをヘディングで合わせたのだ。一度は甲府DFがゴールからかき出したものの判定はゴール。連敗は避けたい札幌が先制点を挙げる。

 圧巻だったのは40分のまたもやエメによる追加点。左サイドにボールを持ち込み右へと切り返す。これまで切り返しからのセンタリングを2〜3度見せていたため、甲府DFもボクも再びセンタリングだと思いこんでいた。ところがファーサイドへのハイボールとなるはずが、次の瞬間には鋭い軌道で弧を描きながらゴールへと突き刺さった!虚しく宙を舞うGKをあざ笑うかのようにゴール右隅に決まったエメの追加点には、あのスタジアムにいた誰もが驚愕しただろう。直後ベンチから飛び出した岡ちゃんに飛びついて喜ぶエメルソンの姿は感動的だった。雨の中、甲府まで来てよかったなあ。

 その後、甲府DFからのロングボールを札幌DF(名塚?)が空振りして、甲府FWと名塚がエリア内で一対一となる。「勝負しろ!」という微かな願いも虚しく、ヤツは後ろから走り込んだ選手に流して、あっさり札幌にボールを奪われてしまった。あそこで仕掛けていたらなあ、と思いながら前半終了。

 後半は2点を札幌がリードしてすでに試合が決まった(?)こともあり、前半よりも激しい展開にはならなかった。札幌は途中出場の黄川田や山瀬がいくつか好プレーを見せるも、結局追加点は生まれず2-0で試合終了。なお甲府のルーマニア人ブルカは、札幌のプレッシングが弱まった後半にはいくつか巧みなボールキープや縦パス、ミドルシュートを見せたが、それだけでは全く得点の気配がない。この試合によって札幌がまた一歩J1への距離を縮めたのだった。

岡田監督記者会見コメント
「前節負けていたので、連敗したくなかった。必ず勝ちたいと思っていた。雨なので、選手にはプライドを捨てて勝ちに行けと指示をした。高木の働きから2点取れた。後半は雨がすこし止んで色気が出て、攻撃がオフサイドになってしまった。今日の試合結果に満足しています。」

 ヴァンフォーレに見る地域型への取り組み

 チームのプレーぶりはともあれ、試合の運営面についてはヴァンフォーレ甲府に見るべきところはあった。チケットもぎりからグッズ販売、スタジアム内警備、ボールボーイに至るまで大人だけではなく地元の中学生のが大きく関わっているようだ。彼らが実際エメルソンや前園、小野伸二らを身近に見ることのできるメリットは大きいし、それ以上にチームと地域との関係も良くなっていくだろう。またサポーターもボクらがスタジアムから帰るときに、「お疲れさま!」と声を掛けてくれて、普通の試合では味わえないような暖かみを感じることができた。その声を掛けてきた人物はヴァンフォーレの中心的サポなのかは知らないが、坊主頭にピアスを付けた40代くらいのおっさんだった。熱心に応援してくれるファンがいてチームは幸せだ。

 昨シーズンからスタートしたJ2。そこではJ1で考えられないようなあまりに少ない観客動員が続いているが、選手が必死にプレーする限り救いはある。ヴァンフォーレ甲府とて同様だ。大宮、武蔵小杉などで見られる地元チームのエンブレムをプリントした旗や選手のポスターが、甲府市街に一切見られなかったのは寂しい限りだが、チームが存続する限りヴァンフォーレの将来への可能性もある。地元の力でゆっくりでもいいからこのまま輪を広げていって、そのうちに大きな動きとしてJリーグを盛り上げていってほしいものだ。チームが存続していくことが大前提だ。あのアーセナルだって数十年前は財政難からチーム存亡の危機に立たされたこともあるのだから。Jリーグの現在の状態は歴史が解決する、というのがボクの考えである。

 2000/9/12

 


 あさひ銀行甲府支店で預金を引き出したものの、帰りは高速代をケチって豪雨の中にもかかわらず甲州街道で帰宅。楽しみにしていたほうとう屋も試合後には閉店という有様で、甲府まで行っておきながらマックを食いました。せめて吉野屋がよかった。


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