Nationwide Division1
Manchester City(6-0)Sheffield United
1999/8/21 Maine Road Stadium (Attendance 30110)

Scorer Horlock<37(pen).39(pen)> , Kennedy(62) , Goater(65) , Dickov(72) , Tayler(86)
<Match Report>
どっちのシェフィールドをとるか?
実はこの試合、前日まで行こうかどうしようか迷っていた。滞在時に在籍していた語学学校の知り合いが、前もって見に行くつもりで購入していたこの試合のチケット。しかし、リヴァプールの(マイナーな方の)クラブ、エヴァートンファンの彼は、エヴァートンのホームスタジアムに足を運んだ際に、チケット・オフィスでチケットに余りがあるのを確認するや否や、迷わずにマン・シティの試合と同日のエヴァートンのホームゲームのチケットを購入したのだった。で、余ったそのチケットを私が譲り受けたというわけである。
しかし、チケットは手に入れたものの、この試合の日の前日に、語学学校をさぼってシェフィールドに行った際に、私はこの試合を見に行くのをやめかけた。そもそも私がシェフィールドへ足を運んだ目的は、シェフィールド・ウェンズデイのホームスタジアム、ヒルズボロに行くことだった。そして、チケット・オフィスでその次の日のゲーム、対トッテナム・ホットスパー戦のチケットが余っていると知ったために、その試合を見たくなったのだ。何を隠そう、この当時このチームに所属していた、ベニト・カルボーネの大ファンである私は、帰国前にもう一度彼のプレーを見たかったのだ(この一週間ほど前に、オールド・トラフォードのマン・U-シェフィールド・ウェンズデイ戦を観戦していた)。しかも相手はロンドンの名門スパーズ。ジノラ、アンダートン、シャーウッド、ウォーカー、イヴァーセンなど、好選手がそろっている。ウェンズデイをとるかユナイテッドをとるか(シティの対戦相手はシェフィールド・ユナイテッドだった)?私は、EURO96で、スーケルの株を一気に高めることになったクロアチア対デンマーク戦の会場、ヒルズボロのオフィスのソファーにどっかりと腰を掛けて悩んだのだった。そして、大いに悩んだ結果、シティの試合を見に行くことにしたのだ。まあ、今思えば、フットボール・ファンにとっては、とても贅沢な場所で悩んでいたわけだ。
マン・シティとは何ぞや?
日本では、コアなファンかオアシスファンでないと知らないクラブ、マンチェスター・シティ。しかし、現地では案外人気が高いのに驚かされる。世界的なビッグクラブであるユナイテッドのファンの方が多いが、シティも決して負けてはいない。そして、シティのファンはコアなヤツが多い(みたい)。昨シーズンはディヴィジョン2(3部リーグ)にいたシティだが、ホームゲームになると3万人近い観客が集まったそうである。スタジアムはメイン・ロード。行き方を説明すると(必要ないだろうけど)、バスの多くが発着する、シティ・センター(ピカデリー・ガーデン)から16番のバスに乗車する。さて、問題はメイン・ロードがある地区だ。モス・サイドというこの地区、かなり治安が悪い。私の滞在中だけでも2〜3回の発砲事件があった。ホームステイ先からも「モスサイドには行くな」と言われていた。バスで通過するだけでも、この地区が他の地区とは異なる雰囲気を持っていることが分かることだろう。
このチーム、マン・シティは、カップウィナーズカップを制したこともある。名門とまではいかないが、決して弱小チームではなかったのだ。ところが、たしか96-97シーズンあたりだったと思うが、プレミアリーグからディヴィジョン1に降格し、さらにはディヴィジョン2にまで転落した。まさに階段を転がり落ちるかのような有様である。昨シーズンにはさすがにディヴィジョン2で優勝し、今シーズンはディヴィジョン1を舞台にして戦っているというわけだ。
キック・アンド・ラッシュ
前もって断っておかなくてはならないのは、私がこの試合の内容をあまり記憶していないということだ。マン・ユナイテッドのゲームは、試合後にメモを取ったりしていたが、この試合に関してはそういった資料がないために、あまり詳しい内容はお伝えできないかもしれません。あしからず。
メイン・ロードまでは、試合の日だけのメイン・ロード行きの特別バスに乗り込んで行った。車内は、スカイブルーで一色になっている。そこにもうもうとタバコの煙が立ちこめる。車内で交わされる会話には、「Fxxk!」がやたらに混ざる。スカイブルーのカラーとは対照的に、かなりの圧迫感を感じた。
試合開始前になると、ディヴィジョン1にもかかわらずスタジアムはほぼ満員となった。試合開始後、優勢だったのは、アウェイのシェフィールド・ユナイテッドだ。中盤でのプレッシングに、シティはなかなか前線に効果的なボールを送れない。バックラインでボールを廻してもいまひとつ落ち着きがない。中盤へボールを送ると、ボールを奪われてカウンターを喰らう。シティは、ほとんどの攻撃を、あのキック・アンド・ラッシュ戦法に頼ることになった。バックラインから前線にいる「バミューダの怪人」ゴーターへロングボールが何度も送られる。シェフィールド・ユナイテッドの方は、中盤でボールを奪うと、前線へとシンプルに走らせるパスを送り、チャンスを創る。
アイルランドのライアン・ギッグス
形勢を徐々に変えていったのは、若きアイルランド代表のウィンガー、マーク・ケネディだった。左サイドでボールを受けると、素早いドリブルで相手DFを切り裂いていく。まあ、しかし、中盤でボールをつなぐ意志があまりないシティだから、あまりチャンスでボールが巡ってくることもなかったけれど。
前半37分、そのケネディからのコーナーキックを、それまで優勢だったシェフィールド・ユナイテッドのDFが、なんとハンド!シティにペナルティ・キックが与えられ、これを確実にホーロックがモノにした。さらに、その2分後、浮き足だったシェフィールド・ユナイテッドは、バックラインでボールを廻していたところを、「バミューダの怪人」ゴーターにかっさらわれる。そしてゴーターがドリブルでシュート体勢に持ち込んだところを、相手GKがラグビーばりのタックルで吹っ飛ばした。そしてレッドカード。問題はそのあとだった。私の位置からは、それがペナルティエリアの外側で起こったように見えた。しかし、主審はペナルティアークを指さしたのだ。まあホームチームだから、P.K.の方が観客の方も盛り上がるのだが・・・。これを再びホーロックが決めて2-0。その後はシティが主導権を握って前半終了。
後半、マーク・ケネディが左サイドを幾度となく切り裂く。スピードがあって重心の低いドリブルだ。ライアン・ギッグスのそれとイメージがかぶる。62分には、ケネディがこぼれ球を押し込んで3-0。このとき、ケネディを祝福するイレブンの輪に、一人のオヤジが観客席から飛び込んだ!・・・・・そのオヤジは5秒後には、黄色のジャケットを着た警官に両サイドを固められて、スタジアムから連れ去られていった。
その後も、(たしか)ケネディの左サイドの突破からゴーターが決め、途中出場のテイラーが決めて、6-0というシティの完勝に終わった。また、翌日、機上で見た新聞でシェフィールド・ウェンズデイの敗戦を知ったのだった。カルボーネがP.K.で先制したのにもかかわらず。
その後、シティは勝ち星を重ね、一時は首位に立った。99/12/29現在は2位だが、プレミアに返り咲くチャンスは充分にある。そして、来年は数年ぶりの、マンチェスター・ダービーを見たいものである。
ディヴィジョン1について・・・・・レベルはプレミアに比べだいぶ落ちます。ただ、非常に気合いの入った試合を見せてくれるでしょう。
1999/12/29