UEFA Champions League 1999-2000
Phase 2 Group B
Manchester United (3-1) A.C. Fiorentina
<Scorer> Batistuta (16min.) Cole (20min.) Keane (32min.) Yorke (70min.)
Bati-Goalで先制されるも、終わってみれば圧勝。
Old Trafford , Manchester
Wednesday 15th March 2000 . Attendance 59,926
Manchester United
GK Bosnich
DF G Neville , Stam , Berg , Irwin
MF Beckham , Keane , Scholes , Giggs
FW Cole , Yorke
A.C. Fiorentina
GK Toldo
DF Repka , Adani , Pierini
MF Torricelli (Tarozzi 75min.) , Di Livio (Amoroso 75min.) , Rossitto , Heinrich
1.5 Rui Costa
FW Batistuta , Mijatovic (Chiesa 63min.)
<Match Report>
長かったReturn待ち
電話予約していた観戦予定者が、当日にCancelした場合、Returned Ticketになり、Ticket Officeの前で並んだ順番に、その試合のTicketを購入することができるシステムがある。そのため、我々はこれを狙って、この試合も早くから並ぶことにした。昨年の夏も、このシステムのおかげで、定価で観戦することができたわけだが、当時はこういうシステムになっているいうことは知らなかった。知り合いに、このシステムを教えてもらって、初めて「なるほど!」となったわけだ。
この日は、Old Traffordから徒歩約30分ほどに住む知人宅で、昼飯をごちそうになってから行くつもりだったのだが、朝にOld Traffordに行った時点でチケットが手に入らなかったので、飯を食う暇もなく並ぶハメになってしまった。
Old Traffordに2時頃(だったかな?)に行って、午前中学校があった友人と落ち合うと、周りには日本人がちらほらいた。この日は、Old Traffordで最も日本人を見た日だった。卒業旅行シーズンのため、多くのFootball (Beckham目当て?) Fanがこの日のビッグ・マッチを見に、Manchesterまでやってきたのだろう。一人のブサイク野郎(ヤツも卒業旅行らしい)とコンタクトを取ると、ヤツはFiorentinaサイドならチケットが余っているので、そっちを購入したらしい。なんだ、この裏切りモンが!というわけで、私と友人は、おとなしくReturn待ちすることにした。
その間も、日本人に話しかけられて、ちょっとしたことを教えてあげたりした。そうこうしながら、ひたすら待って(その間にBeckhamやSilvestre、Solskjaerらのサインを頂戴した)、Kick Offの一時間半くらい前(だったかな?)にやっとチケットを購入できた。場所はEast Stand Upper。私がいない間に新設されたスタンドだ。
何時間も待たされて我々は腹が減っていたので、適当にHot Dogなどを食って、いよいよ久々のOld Traffordへと入った。
生で聴くChampions Leagueのテーマ曲はいいもんだ。
スタンドへと入るゲートをくぐると、まず半年ぶりとなるTheater Of Dreamsに圧倒された。がっちりと組まれた四角形のスタンド。ライトに照らされる分厚い芝のグラウンド。そしてChampions League用にMake Upされたスタジアム。やはりこれだ。
最初に姿を現したのは、Fiorentinaの選手達。イタリアから多く駆けつけたサポーターが風船をたくさん膨らませて、激しい気勢を上げる。我々は、「ハハハ。あの中に何人かいる日本人は応援に圧倒されてるんじゃないの?」ってな感じで、さっきまで長時間並ばされたことなどすっかり忘れて、もう殿様気分だ。
次にUnitedの選手達が小走りで入場してくると、大きな歓声に包まれる。まぶしいカメラのFlash。そして拍手。すばらしい。
練習が終わると、スタンドはまた大きな拍手に包まれた。
そして、10〜20分後、両チームの選手達が並んでゆっくりとフィールドへ現れる。そのころにはスタンドもほとんど満員。選手達が整列すると、あのChampions Leagueのテーマが・・・。やはり、生で聴くといいもんだ。
Bati-Goal炸裂
スロー・スターターなことが多いUnitedはこの試合でも、序盤は守勢に廻った。開始早々、バティストゥータの左足ロング・シュートがサイド・ネットへ。その後も4分に、早くも決定的チャンスを創られる。ハーフウェイラインを過ぎたあたりで、ボールを持ったのはミヤトヴィッチ。前方10mあたりにBati、右前方にはルイ・コスタ。United DFの数は3人。ここで、バティは左前方にランニング。一人DFがつられる。この時点で2-2。ミヤトヴィッチはゆっくりとドリブルで持ち込むと右前方のスペースへスルーパス。瞬間的なダッシュで裏へ抜け出しつつあったルイ・コスタがペナルティ・エリア内で追いつき左足でシュート。しかし、うまいタイミングで飛び出してきたボスニッチが弾いて、それをDFがクリア。Unitedファンの自分としては冷や冷やもの。でも、この一連の機能的でセンスある攻撃は、さすがミヤトヴィッチ、ルイ・コスタ、バティストゥータだなあ、などと少し感心してしまった。
その後、この日絶好調だったギッグスが、左からのドリブル突破や、中への切り込みから、数回チャンスを創る。序盤から両チームともチャンスを創るアグレッシヴな展開になった。
しかし、先制したのはフィオレンティーナ。ゴールまで35mほどか。後ろ向きにスタムを背負う形のバティストゥータに、「いぶし銀」ディ・リーヴィオがグラウンダーのパス。ここでバティは素晴らしい動きを見せる。素早い反転で振り返り、トラップのワンタッチでスタムを振り切ると、ベルグのカヴァーを前に大胆なロング・シュート。ものすごいスピードと左への若干のカーヴがかかったボールは、ゴール・ネットの天井へ突き刺さった。あっという間の出来事。紫色に染まった一部を除いて静まり返るスタンド。しかし、私はこのとき激怒していた。我々のいたのはゴールの入ったのとは逆側のスタンド。しかもシュートの軌道ははっきり見えていたので、ど真ん中に決まったシュートに腹を立てていたのだ。「とれよ!ボスニッチ!ど真ん中じゃねーか!」。すいません。次の日ホスト・ファミリーが撮っておいてくれたヴィデオで見たら、間違いなくスーパー・ゴールでした。あれはとれません。バティを褒めるべきでした。
エンジンがかかったUnited
バティに見事な一撃を喰らったUnitedだったが、その後はすぐさま反撃に転じた。早くも20分には同点にしてしまう。オーヴァーラップしてきたネヴィルからのグラウンダーのボールを、ペナルティ・エリア外で後ろ向きにトラップしたコールが、振り向きざまのシュート。グラウンダーのシュートはあっさりとゴール左隅に決まった。いとも簡単に同点としたUnited。コールにあのスペースを与えたチェコ代表レプカの負けだ。
その後、両チームともCKからのバティのヘディングや、コールのループ・シュートなど、両チームともクオリティの高いプレーの連続。特にルイ・コスタのスキルフルなボール裁きやドリブル、パスは見事だった。また、絶好調のギッグスの突破も素晴らしかった。彼のドリブルに、フィオレンティーナのDFは何度もタジタジになっていた。
32分には早くもUnitedが逆転してしまう。右からのCK (Kickerはもちろんベッカム)を、ファー・サイドでベルグがヘディング。といっても、このヘディングは山なりの当たり損ねだったが、飛んだコースがよかった。それでも、ボールは一度、ゴール右のバーに弾かれた。私の友人はここで目を離したそうだが、ここにポジショニングしていたのがキャプテンのロイ・キーン。バーからの跳ね返りを思い切りよく右足ボレー。右のバーに跳ね返って、ゴール・ネットを揺すった。素晴らしいキーンのボレー。スタンドは割れんばかりの歓声に包まれた。2-1。
その後、ベッカムがハインリヒの後方から悪質なタックルでイエロー・カード。一発レッドでもおかしくないひどいものだった。「また、バカやったよ」と、まあ我々はこんな感じで、ベッカムは次節のValencia戦は出場停止となりました。その後、「ムッ」と来ちゃったハインリヒ君。ところが、ドイツ人らしく(?)冷徹で陰湿な攻撃でベッカムを何度も突っかける。カードが出ない程度に、後からタックルしたり、ユニフォームを引っ張ったりする。さすがドイツ人。スタンドからはもちろん大ブーイング。
それでも試合のペースは完全にUnited。キーンの逆転ゴール以降は、フィオはほとんど攻撃の形を作れず。ボール支配率では、さほど大差がなさそうだが、中盤は完全にUnitedが制圧し、フィオはボールを廻すだけで、そのうち奪われるという感じだった。フィオの選手達は、Unitedに比べ動きに連動性が少なく、個人頼みの感が強い。特にルイ・コスタにかかる負担が大きすぎる気がした。
これはあくまでも持論だが、イタリアで流行している3-4-1-2は"1"の選手に対する負担が大きすぎるように思うのだ。さらにそれをサポートする"4"の選手のうちのミドルの二人のサポート能力にも大きく依存する。この試合では、この二人の選手はディ・リーヴィオとロシット(誰それ?)だったが、彼らのサポートがもっと早く、カヴァーリングやポジショニングがさらにうまくなければ、United相手では厳しいのではないか?今年ユベントスが3-4-1-2で成功したのは、"1"がジダンで、サポートに入ったのがダーヴィッツやタッキナルディだからではないのか?まあ、これは余談でしたが・・・。
そして、前半終了。
United圧勝
後半は、結果から言うと、前半の後半以上に完全なUnitedペース。それでも、ルイ・コスタは後半開始早々の47分に、自陣から30mくらいの流れるような華麗なドリブル突破からミドル・シュートを放つ。このとき、ミヤトヴィッチとバティストゥータはDFを引きつけるランニングをしていた。結局、シュートはボスニッチの正面に飛んだが、素晴らしいプレーだった。Fiorentinaが、このように機能的な攻撃をした回数は、試合を通してもUnitedより遙かに少なかった。この後のフィオは、ほとんどルイ・コスタからバティを狙うだけのものになってしまい、全くと言っていいほど攻撃の形が創れなかった。
70分にはダメ押しの3点目が入った。左サイドでギッグスとキーンの2-1から、ギッグスがセンタリング。ファーサイドにはどフリーのヨークがいた。基本通り(?)地面に叩き付けられたヘディングは、バウンドしながら左サイド・ネットへと収まった。このとき、ヨークを含めて2〜3人がフリーという状態。
そして極めつけはロシット(だから誰だよ?)の退場。もう、その後は見るまでもなかった。試合後のインタビューで、アレックス・ファーガソンは、「今日は今シーズンのベストゲームだ」と言った。しかし、この日のベッカムはクロスの精度はともかく、全体的にそれほどいい出来ではなかったし、ボスニッチのキックは相変わらずひどかった。
スタジアムを出た後、腹が減っていた我々は、移動式のでホット・ドッグ屋で、Fiorentinaサポーターの群に囲まれながら、必死にポテトにケチャップをかけたのだった(笑)。
2002/4/17