FA Carling Premier Ship 99-00
Manchester United (7-1) West Ham United
Scorer Wanchope (11) , Scholes (24,51,62Pen) , Irwin (26) , Cole (45) , Beckham (66) , Solskjaer (73)
Old Trafford , Manchester
Saturday , 1st April , 2000
Old Trafford . Attendance 61,611
Manchester United
GK Bosnich
DF G Neville , Stam , Silvestre , Irwin
MF Beckham , Keane (Butt 57) , Scholes (Solskjaer 69) , Fortune
FW Yorke , Cole (Sheringham 68)
West Ham United
GK Forrest
DF Lomas , Ferdinand , Potts , Minto
MF Sinclair , Lampard , Foe , Moncur
FW Wanchope , Kanoute
<Match Report>
この日は軽い気持ちでOld Traffordへ
この試合は行こうか行くまいか迷っていた。実を言うと、私はベニト・カルボーネファンなので、この日に行われるはずだったシェフィールド・ウェンズデイ-アストン・ヴィラの一戦を見にシェフィールドへ行くつもりだった。でも、ヴィラがFAカップの準決勝に進出し、次の日にその試合がウェンブレーで行われることになり、プレミア・シップのウェンズデイ戦が延期になってしまったのだ。
この日の私は一緒に行く友達もいないし、金もない。みんなそれぞれ、ロンドンへ行ったり、所属サッカーチームの試合へ行ったりしていたので、見に行くとしてもひとりぼっちだった。それで、迷った末に、定価かダフ屋でも30までしかださないでおこう、と思って、所持金も必要最低限しか持たず(というかそれしかなかった)に出かけた。
よほど見たい試合であれば、キックオフの何時間も前からチケット・オフィスの前で並ぶところだが、この日はのんびり起きて、シャワーを浴びて、自分でサンドウィッチを作って、昼前に家を出た。「別にチケットが手に入らなかったら、パブで見ればいいや」という軽い気持ちで。
いつものようにメトロに乗ると、数名のウェスト・ハムサポーターが既に乗っていて、ちょっと怖い奴らだった。
ディ・カーニオもジョー・コールもスティマッツもピアースもいねえじゃん
15時キックオフのところを、余裕の13時頃にスタジアムに到着した。リターン待ちの列を確認して並ぶと、日本人の旅行者が一人いた。九州の某国立大生で、彼と喋りながらリターン・チケットが出るのを待つことにした。
さすがに前の方に並んでいたわけではなかったので、チケットが手に入ったのはキックオフの20分くらい前。この日の席はというと、選手がフィールドへ出入りするトンネルの10mほど後ろ。なかなかいい場所だ。
さあ選手のスタメン発表。噂のジョー・コールや、前節でファンタスティックなゴールを決めていたパオロ・ディカーニオなどは出場せず。クロアチア代表のスティマッツやイングランド代表のベテラン、ピアースも出なかった。なんだよ、せっかく来たのに。しかし、それでも若きイングランド代表CB、リオ・ファーディナンドと、U-21のキャプテンを務めるフランク・ランパードがいたので気持ちを切り替えて試合に集中することにした。
ユナイテッドの方は、ギッグスを水曜日のレアル・マドリッド戦に温存(?)した以外はベスト・メンバー。それにクイントン・フォーチュンのプレーも一回生で見てみたかったので、まあ別にギッグスが出ないことに関して不満はなし。
ウェスト・ハムが先制するも
キックオフ後に攻勢に出るのはウェスト・ハム。というか、ユナイテッドが立ち上がりに弱いのはいつものこと。ミドルでは注目のランパードよりも、むしろ目立っていたのが、カメルーン代表のフォエ。センターでランパードと二人並ぶようなポジションだったが、フォエの方が競り合いも強く、運動量も多く、エネルギッシュなドリブルもできる。昨シーズン途中にランスからクラブ・レコードとなる約8億円で加入したそうだ。
11分には早々に先制点を奪われる。ウェスト・ハムDFのクリア・ボールをダイレクトでMFが前線へフィード。カノーテのヘディングでさらにユナイテッド・バックラインの裏へ落とし、左サイドでワンチョペとシルヴェストレのスピード勝負。ところがショボいフランス人のシルヴェストレ君は、あっさりコスタリカ人のワンチョペに振り切られたのでした。ワンチョペはエリア内に侵入し、左45°からフリーでグラウンダーのシュート。一度はボスニッチの手に当たったものの、コロコロとボールはネットへ。
ハンマーズ先制!イーストとサウスのスタンドの間のえんじ色から大きな歓声が。他は静まり返る。自分の目の前で入った得点だった。
出る杭は打たれる
先制点を取られたユナイテッドだったが、その後は目が覚めたのか反撃を開始する。24分にCKからエリア外にいたスコールズがミドル・シュートを放ち、DFの足に当たってあっさりゴール。そして、そのわずか二分後には、キーンとヨークのワン・ツーでキーンがエリア内に侵入し、思わずウェスト・ハムDFが足を引っかけてPK。キッカーはおなじみのアーウィン。右に蹴ったボールを一度はキーパーがセーヴするも、アーウィンが再びリバウンドを拾い、今度は左に蹴って早くも逆転してしまった。
その後は完全にユナイテッドのペースで試合が進む。ギッグスの代役フォーチュンもなかなかの働き。左サイド深くまでたびたび侵入し、ギッグスの穴を感じさせなかった。45分には、右サイドでのベッカムとヨークのワン・ツーからベッカムのピンポイント・クロス。コールがヘディングで合わせて3-1とした。
スコールズのハット。ベッカムの芸術的FK
ハーフ・タイムの他会場のレイテスト・スコアの放送に耳を澄ます。「ふむふむ。クレイジー・ギャング(ウィンブルドン)-ガナーズ(アーセナル)は1-2でガナーズがリードか」。実はこの試合をマンチェスターの友人が観戦中だったのだ。私がロンドンへ行った際にチケットを取ってきてあげたから。なので余計に気になっていたというわけ。
後半もユナイテッドの圧倒的なペースで進む。ウェスト・ハムはときおり、フォエやカノーテやワンチョペらが好プレーを見せるも、試合の流れは全く変化無し。51分には、ペナルティ・エリアの右側でハンマーズDFとコールがルーズ・ボールを競り合う。それを後ろからかっさらったベッカムが、中へグラウンダーのボールを入れる。そして、スコールズがうまくヒール・キックで合わせて4-1とした。ハンマーズDFは為す術無し。期待のCBリオ・ファーディナンドは身長も高く、将来性豊かな素晴らしいDFだが、この日はユナイテッドの猛攻をくい止められず。また、もう一人のCBポッツははっきり言って役不足。背も低いし、ポジショニングも悪いし、あれではユナイテッドのツートップは押さえられない。スティマッツはどうした?という感じだ。
57分にアレックス・ファーガソンは、キャプテンのキーンに代えてバットを送り込む。そして交代早々、そのバットが後方からのロング・ボールに飛び出していき、ペナルティ・エリア内でバック・チャージを受けてPK獲得。キッカーはスコールズ。ど真ん中に思いっきり蹴り込んで5-1、彼もハットトリックを達成した。しかし、バットが倒された瞬間の映像を家に帰ってTVで見ると、かなりうさんくさいことが分かった。ウェスト・ハムDFのタックルが当たってない!?でも、自分もその瞬間は立ち上がって、「PK!」とか叫んでたので、まあよしとしてしまおう。
66分には待ちに待った、あの「ハゲ」のビューティフル・ゴールが決まった。ゴール正面25m付近からのFK。もちろんキッカーはハゲにしたデイヴィッド・ベッカム。オールド・トラフォードでこれまで3回観戦していたが、ベッカムのゴールはお目にかかったことがない。そういうわけで、いつもよりも注目して、自分の席から35mほどのFKの瞬間を見つめていた。そして、カーヴのかかったボールは、ややドライヴもしながら左上のバーに当たって、バウンドしながらネットへ収まった。待望の「ハゲ」のゴール!「ハゲ」がこちらに向かってダッシュしてきて、コーナー・スポットに滑り込んで喜びを表現した!その時、自分の10数m先にベッカムがいた。初めてベッカムの、おまけにFKのゴールが見られてよかった。ビューティフル・ゴールだった。
まだまだゴール・ショウは終わらなかった。73分に交代出場したばかりのソルスキアが、右サイドのあまり角度のないところから蹴り込んで、なんと7-1!驚きのスコアだ。こんな野球のスコアみたいな試合は初めてだった。
試合後の印象
試合後、初めて一人だけで家路へ。このとき考えたのが、ユナイテッドDFの脆さだった。ウェスト・ハムの先制点のシーン。あれは完全にシルヴェストレがワンチョペに競り負けた事による失点だ。また、ヤープ・スタムも、ハードなマークで相変わらずの「強さ」は感じたが、ワンチョペやカノーテら瞬発力のある選手と対峙すると、脆さがかいま見えてしまうときがある。フィオレンティーナ戦も、バティにシュート・スペースを与えたのもスタムだった。まあ、あれはバティをほめるべきにしても、この日はそういう印象を持った。それでも、彼は充分にすばらしいDFなのだけれど。
ウェスト・ハムに関しては、見たい選手があまり出場しなかった中で、フォエのフィジカル的な強さ、身体能力の高さが特に光っていた。期待のフランク・ランパードは、大量失点後も終始クールにプレーし中盤を落ち着かせていた。イングランドにはあまりいないタイプの選手ではないか。同じMFでも、チェルシーのワイズやリーズのボウヤーなどとは対極だろう。センター・バックのリオ・ファーディナンドは、さすがに7失点では好印象は受けないが、身長も高いし、才能ある将来有望な選手だろう。トップのワンチョペとカノーテはスピードもあるし、なかなかの選手だ。特にワンチョペはワンチャンスをモノにして、ハンマーズに先制点をもたらした。でも、ディカーニオとジョー・コール見たかったなあ・・・。
2000/4/27