Kirin Cup Soccer 2001 , The 1st Match

Paraguay (2-0) Yugoslavia

Scorer : Juan D Caceres (39') , Ferreira (82') 

2001/06/27 , National Stadium , Tokyo , Attendance [21,213]


Paraguay

GK : 1.Chilavert

DF : 5. Sanabria , 2.Isasi (15.Zelaya 86') , 3.Juan D Caceres , 21.Caniza

MF : 8.Esteche (19.Espinola 73') , 16.Enciso , 6.Morinigo (4.Amarilla 80') , 18.Robles (17.Cuevas 58'), 20.Gavilan

FW : 9.Miguel Caceres (10.Ferreira 58')

Yugoslavia

GK1.Kralj (12.Stevanovic 46') 

DF 3.Ognjanovic (5.Dudic) , 13.Petkovic , 2.Rasovic 

MF14.Cirkovic (9.Divic 46') , 16.Zoric , 10.Stojkovic (7.Krivokapic 28') , 18.Cakar  , 6.Dmitrovic (15.Zivkovic 65')

FW8.Trobok (4.Radenovic 82') , 11.Bogdanovic


 ピクシーが!サビチェが!チラベルトが国立に現る!(ジヴコビッチも)

 うだるような暑さの6月27日、前もって計画していたとおりに、前日練習目当てで僕らは国立へ向かった。トヨタカップとは違いファンは全く集まっていない。僕らが国立に着いたときにいたファンは、僕らを除くとわずかに3人だけだった。彼らとベンチに腰掛けて談笑していると、一台のタクシーが到着。なんと乗っていたのはピクシーだった!もう少しで僕らが彼の到着に気付かず、見逃してしまうところだったが、慌てて追いかけてなんとか捕獲成功。今までベッカム、マッカ、イエロ、ボビー・チャールトンなどのサインをゲットしてきた僕ではあるが、このピクシーのサインというのは格別の重みがあった気がする。30℃を超える猛暑の中にもかかわらず、背筋をビシッと伸ばし颯爽と歩いていく彼の背中からは、常人にはなかなか出すことのできないオーラが漂っていた。少なくとも、彼の放つ洗練と殺気が重なり合ったようなオーラは、毎朝中央線の吊革に揺られるサラリーマンの持つそれとは、決定的な差があることは一目瞭然であった。僕の十八番である「かわいさ溢れる暴走」も、「百戦錬磨」という言葉では語り尽くせないほどの経験値を持つ彼が相手では全く通じなかった(汗)。

 しかしその後はいつも通りに暴走開始。ユーゴのバスが入ってくると、ユーゴ国旗を渾身の力で振り回す。選手の一人は僕の方を苦笑いしながら見つめていた(笑)。バスからメンバーが降りて来ると、まずはサビチェビッチのサインをゲット。さらに続いて出てくる選手達と次々に握手を交わす。ここで残念だったのはジヴコビッチを素通りさせてしまったこと。これは痛かった。

 続いてはパラグアイの登場だ。警備のヤツが無線で「チラベルトが来た」という報告を受けているのを聞いた僕は、すぐさま左に視線を移す。すると織田無道(もしくは定岡正二)ルックのチラベルトを載せたタクシーがやはり到着。僕らに「どうも」などと言ったり、この後の記者会見でピクシーをちょいと挑発するような発言を行ったりと、どうも僕はこいつをいまいち好きにはなれない。エゴイスティックなところが僕にはダメなのだ。ちなみにこの直後、別のタクシーから降りてきたプーマのトレーニングシャツとキャップを被った男が中に入っていった。待っているファンの横を素通りしていったこの男は、実はパラグアイの監督だったようだ。後になってスポナビに画像が出ていたのを見て僕は驚いてしまった。しかし、僕は誰かは分からないものの、待っていたファンの中で唯一、彼としっかり握手をかましておいた。ズバリ、これが正解だったのである(さらにその後パラグアイ代表用バスのトランクを開けようとしてシミスポに睨まれた)。

 そしてユーゴが練習を終えて出てくるときには、「ジヴコ!ジヴコ!」と身ちゃんチックな叫びを連呼(笑)。当のジヴコビッチもいささか驚いた表情で、僕をまじまじと見つめていた。この日はこのような和やかなムードの中、しっかりと自分をアピールすることができた(爆)。僕としては十分に満足のいく前日練習となったのである。

 クラリィが!ピクシーが!ジヴコが国立に散る!

 メンバー的に両チームとも前回のキリンカップ出場時より劣っている今回、さほど期待ができないことは自分でも分かっていた。さらにこの梅雨が明けたかのような猛暑と湿気。ただでさえモチベーションの上がらない第三国での試合に対して、彼らが本気で挑むはずがない。

 しかし、しかしである。それにしてもこの試合はひどすぎた。お目当てのピクシーは右足痛により、たった前半30分でそそくさとピッチを去っていった。またワールドカップ、ユーロ2000にも出場している正GKのクラリィが、相手選手と接触してボールをポロリ。それを無人のゴールに押し込まれてパラグアイ先制。堅守からのカウンターを得意とするパラグアイが先制すると、なおさらその後は自陣に戻ってのゲーム展開となる。自陣をバリケード封鎖したパラグアイも物足りないが、ちぐはぐな攻めでパスミスの目立つユーゴはもっと酷い。たまたまジャストミートした二回のオーバーヘッドもネットを揺するには至らなかった。そしてクラリィに代わって出てきたGKも、彼に引き続きチョンボを犯してパラグアイに追加点を献上。「献上(謙譲)の美徳」とは正にこのことを指すのだろう。

 この試合唯一の収穫は、パラグアイの新星クエバス。後半途中から出てきた彼は、再三に渡って右サイドを突破していった。さすがは南米屈指の名門、ブエノスアイレスのリヴァープレートに所属しているだけのことはある。日本の名門、ジュビロに所属するジヴコビッチはというと・・・、僕らは彼を他の選手(クリボカピッチ)と勘違いしてしまうほどであった。つまりプレーしていることさえ気付かなかったくらいなのだ。ミスター・ビーンみたいな顔をしていながら笑いを取ることもできないジヴコビッチ。彼の生涯代表経験は、おそらく今回のキリンカップのみになることだろう。

 ひょっとしたらこの試合が、僕にとってピクシーのプレーを生で見る最後の日になるかもしれない。そうなった場合、僕がこの先言えることとは、一体どういうことだろう。「僕にとってピクシー最後の試合?彼はだるそうに二本くらいヒールパスして、それからすぐにベンチに下がっていったよ」。今日の内容じゃあ、こんなことしか言えないだろうな。

 ※前日練習のとき、昨年パラグアイでプレーしたタケチャンとパラグアイ代表選手が、お互いの名前を呼び合ってから抱き締め合うという非常に感動的な出来事がありましたが、ここでは一切関係ないので深くは触れませんでした。尚、試合の部分に関してチラベルトのことを紹介していないのは、個人的に快く思っていないからであります。

 

 2001/06/29

 

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