J-League Division 1 , 2nd Stage , 1st Match Day
Urawa Red Diamonds (1-3) Vissel Kobe
Scorer : Nagai (7') , Daniel (28') , Daniel (76') , "KAZU" Miura (82')
2001/8/11 , Komaba Stadium , Attendance [17,371]
Reds
GK : 1.Ando
DF : 2.Yamada , 3.Ihara
, 27.Ikeda
, 19.Uchidate (64' K Suzuki)
MF : 6.Ishii , 4.Tsuchihashi (9.Fukuda 83') , 20.Abe , 10.Adriano
FW : 18.Nagai (36.Emerson
64') , 31.T Tanaka
Kobe
GK : 1.Kakegawa
DF : 7.Yoshimura , 5.Sidiclei , 17.Tuchiya , 2.Matsuo
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MF : 4.Santos , 10.Mochizuki , 9.Watada (8.Nunobe 81') , 19.Yamaguchi (6.Sugawara 85') , 20.Daniel (18.Yabuta 76')
FW : 11."KAZU" Miura
疲労困憊の体に追い打ちをかけた埼玉の豪雨
この日は体の疲労により、浦和に向かう電車の中でことごとく眠ってしまった。あわや南浦和駅で乗り過ごすところだったほどだ。しかも南浦和に着くと、外は夏特有の激しい豪雨。傘も持っていない僕は京浜東北線で浦和に着くと、急いでキオスクのビニール傘を購入。しかし、小さいビニール傘ではほとんど役に立たず、バス停までの100mほどの間に結局、体はずぶ濡れになってしまった。普段は節約のため、駅からスタジアム行きのバスは利用せずに徒歩で駒場まで行くのだが、疲労に加えてこの豪雨では、さすがに190円のバス代をケチっている場合ではなかった。
レスリー・モットラムのワイフはちょっとMr.ビーン似
駒場に着くと早速プレス用の受付でパスをもらう。その後はいつものように関係者用スペースでしばし談笑。すると、程なくしていつも(自分が試合を観戦するため)試合前までに限り同行しているK沢佑一氏が、下を向いていた僕を肘でつついてきた。顔を上げると、左にはJリーグで最も信頼できる審判の一人であるレスリー・モットラムさんが座っていた。スコットランド人の彼は、まだスーツのまま奥さんと談笑していた。渋いグレーのスーツにちょいとゴツめの時計がよく似合う。ちなみに奥さんはと言うと、年の割には綺麗なのだが、どことなくMr.ビーン似。モットラムさんに突撃しようとするも、この時はあっさりK沢佑一に止められて失敗。
今までで最大の大物、カズの登場
しばらくすると、今度はレッズの控え室から「鈴木さん」ことホペイロのバゼーハさんが出てきた。僕らが「お、鈴木さんだ!」と言うと、向こうも気付いて笑顔で手を振ってくれた。そんな彼もかつてはセレソンのホペイロも務めたという、その世界の大物なのだ。
今度は神戸の控え室からなんとカズが現れた!このスペースに、全てのスタメン選手が選手入場時には整列するが、その時間より早く、特にアウェイの選手がここに来ることは稀である。彼がここにスーッと現れたときには、一瞬にして周囲の空気が変化したのは言うまでもない。スポーツ紙の記者ら報道陣も、「おい、カズだよ」などと同僚とヒソヒソ話していた。そのカズはモットラムさんと握手をした後、上記の「鈴木さん」と10分くらいポルトガル語で談笑していた。言葉は全く分からないが、ヴェルディ時代を共にした仲間だけに話が弾んだのかもしれない。
話を終え、再び控え室に戻ろうとするカズを僕は自然に追いかけていた。K沢佑一には「やめとけよ」と釘を刺されていながらも、自分は内心で行くタイミングをずっと計っていたのだ(笑)。でも、正直言ってかなりビビッた。何せ相手は、数多くの熱狂的なファンを持ち、ブラジル、イタリア、クロアチアと世界を渡り歩いてきた日本サッカー界のパイオニアである。僕が初めてスタジアムで観戦した試合でも彼はゴールを決めたし、高校時代、あれだけ必死に応援したワールドカップ予選で、日本の牽引車となった男なのだ。僕の周りにも「カズ信者」は何人かいるし、ここで行かなければ!と思い、ついに僕は意を決して声をかけた。
-(握手を求めながら)カズさん!
<カズ>(無言で握手に応じる)
-今日の試合はどういった気持ちで臨みますか?アウェイとは言え、ただ単に勝ち点3を狙うだけですか??
<カズ>そうですね。まあ、ただやるだけですね。
-レッズは伸二が抜けたと言うことでチームが変わったと思うのですが、神戸としては戦い方を変えて臨むということはあるんでしょうか?
<カズ>まあ、(第二ステージのレッズは)新しいチームで初めての対戦なんで、とりあえずはやってみないと分からないと思います。
というような10秒ほどのやりとりではあったが、外人とは違い、勢いで行けない分、日本人はプレッシャーがかかる。ましてやカズほどのビッグネームなら尚更である。質問をしている間、「カズ信者」の友人達の顔が思わず頭に浮かんで、一瞬、自分でも何を言っているのか分からなくなった(笑)。それでもカズはしっかりと応対してくれて、サッカー選手としてのみならず、人間としての「深み」を持っていた。彼もやはり「オーラ」を感じる人間の一人である。
三浦和良、未だ死せず
この試合は、相手が神戸ということで大物外国人がいないので、内心は駒場に行くまではあまり乗り気ではなかった(^o^;)。しかし、実際にはカズに突撃することもできたし、試合もなかなか見どことが多いものであった。
試合は早くも7分に動いた。レッズの右サイドバック、山田のサイド・チェンジをシジクレイがスリップしてカットできず、ボールはそのままペナルティ・エリアの前付近に流れる。これを受けたのが初の代表入りで燃える永井雄一郎。得意の右にスライドしながらのインフロント・キックで神戸ゴールを陥れた。なかなか豪雨の中の試合というのも、逆にスタンドが盛り上がっていいかもしれない。
その後はややレッズ・ペースの時間帯が続くも、ダニエル(手塚が注意したのとは別人らしい)のシュートを、GK安藤が手を滑らして同点とされると、その後は次第にイヤな流れに・・・。レッズも期待の悪人FWエメを投入するも、再びダニエルにシュート回転のロング・キックでゴールをかち割られ逆転されてしまう。ちなみに、このシーンでもダニエルにアシストとなるパスを送った望月は、やはりこのチームでは光っている。中盤でレッズDFをかわしてボールをキープするシーンが非常に目立っていた。ポテンシャルは十分にあるのだから、ぜひ代表復帰を狙ってほしい。
そして82分、ついに駄目押しとなるカズのゴールが生まれた。DFの連携ミスからポンコツ井原正巳がカズに怒濤のプレスを受けると、井原はあっさりボールを奪われる。そしてカズはターンで井原を半身かわすと、素早く右足でシュートを決めた。「三浦和良、未だ死せず」、思わずそんな言葉が口から出てくるようなシーンだった。既に彼は34歳ではあるが、実際に感じたあの「オーラ」とこのゴールを見る限り、少なくともあと3年くらいは現在のクオリティを維持できそうな、そんな気がした。雨天の駒場で、いぶし銀の働きを見せた三浦和良、かつての輝きはいまだに色褪せてはいない。
2001/08/13