J-League Division2 , 35th Match Day
Urawa Red Diamons (1-2<V>) Consadole Sapporo
Scorer : Emerson (5) , Kubica (71) , Biju (98<V>)
嗚呼、レッズ・・・
28th September 2000 , Komaba Stadium , [Attendance]16,068
Reds
GK Takita
DF Yamada , Picun , Muroi , Jojo (Nagai
70)
MF Ishii , Kawai (Abe 45) , Adiel
, Ono
FW Okano , Kubica
Consa
GK Sato
DF Mori
, Natsuka , Omori
MF Tabuchi (Furukawa 55) , Nonomura , Biju
, Almir
1.5 Yamase (Shimizu 72)
FW Emerson
, Bando
初めての駒場
繋がりの見えないレッズ
開始早々先制点を挙げることのできた札幌は落ち着いた試合運びを見せる。相変わらず播戸とエメの前線からのプレッシャーが効果的で、トップ下に入ったボクと同い年(19)の山瀬は、幾ボールタッチが少なく物足りないながらもレッズ相手に悪くはない出来。特にエメがサイドに流れた際やサイドアタックからのセンタリングに、幾度か2列目から絡んでいくシーンが見られたのがよかった。またファールの時なども落ち着いて時間稼ぎか挑発のような行為を繰り返し、レッズファンからブーイングが巻き怒ることもしばしば。そういった役割ではとりわけ野々村やアウミールなどが効果的だった。
一方のレッズといえばTVで見ていたとおり低調な内容。J2では圧倒的な選手層を誇り、天才小野伸二、福田、岡野、永井、土橋、大柴、石井など、元代表や元U-22を数多く揃えながらも札幌にはやや水を空けられている。まず目に付くのは攻撃に意図が感じられないことだ。DFラインだろうが中盤からだろうが、とりあえずクビツァに放り込みを行うものの、その後が全く続かないのだ。制空権はクビツァで握っているもののマラドーナほどのテクがあるわけでもないのだから、味方の上がりをゆっくりと待ちながらボールキープすることなどできるわけはない。というわけでクビツァが敵ゴールに背を向けて足下にボールを落とすものの、次の瞬間横からボールを奪われるシーンが目立った。また敵ゴールに背を向けている以上クビツァがそのままゴールを狙うこともままならず、これだというオフェンスのパターンが存在しないのだ。またクビツァに対してだけではなく全体的に味方へのサポートや中盤のビルドアップが遅く、札幌の分厚いプレスの前になかなかボールを進めることができない。岡野もクビツァに次々と絡んでいくようなセカンド・ストライカー的な動きも少なく、サイドに張ったり中盤にボールを受けに行ったりが多く、なかなか大きなチャンスを生むことはできない。ロナウドは中盤で一回ボールを受けてから一気に攻め上がるのが得意だが、岡野にそれを求めても仕方がない。新加入のアジエルのドリブル、小野伸二のスケールの大きいパスやテクニック、城定のオーヴァーラップなど個人個人の見せ場が無いわけではないが、グループとしての動きが噛み合わないのだ。数年前、バインやブッフバルトがいた時代の強さはどこへやらといった感じさえする。
そして前半が終了した。
クビツァのヘディングでなんとか同点とするが・・・
後半、レッズはボランチで出場してほとんど機能していなかった河合に代えて阿部を投入するが、状況はさほど変化しなかった。レッズサポの大音量の応援が続く中、札幌は余裕(?)の試合運びで時間の経過を待つ。レッズはアジエル(?)のスルーパスから岡野が放ったシュートがDFに当たってポストに弾かれた場面以外は、全くと言ってよいほど決定的なチャンスを創ることができない。両チームの激しいぶつかり合いによる決定的なシーンの連続を期待していた我々としては、いささか消化不良の感を抱きながら時間が過ぎていく。このまま札幌が巧く逃げ切るのかな、との思いを抱きつつあった71分、左CKをクビツァがヘディングで決めて同点とする。その瞬間、駒場はまさに割れんばかりの歓声に包まれた!一斉に立ち上がる観客とスタンドにダッシュしガッツポーズをするクビツァ。しかしクビツァの頭くらいしか得点を期待できるパターンが存在しないのも寂しい限り。実際、この得点の前に右サイドを破った岡野(?)のグラウンダーのクロスをどフリーながらもクビツァは外している。彼は足技はダメなのか。
この同点シーンの直前には、なかなかの働きを見せていた左SB城定に代えて永井を投入している。これによってレッズは3バックとなり、中盤の真ん中には小野と石井が、その高めにはアジエルがポジションしクビツァと同じ高さになる時間もあった。アジエルと小野・石井のほぼ中間の高さで、それぞれ左右に開く感じで入ったのが永井と岡野。だが彼ら二人はほとんど機能していなかった。永井はボールにほとんど絡めず存在感が無いという状態で、岡野は巧くスペースへランニングすることもないばかりか、裏のスペースをとられてアウミールや大森に効果的なドリブルをされる場面が目立った。3度ほど左サイドを彼らに突破された後はさすがにポジションをやや下げたが、それによって攻撃にはほとんど絡めなくなっていった。数字で言うと城定の交代以降のレッズのフォーメーションは、3−4(右から岡野、小野、石井、永井)−1(アジエル)−1(クビツァ)といったところか。
一方の札幌は55分に田渕に代えて古川、72分には山瀬に代えてジュビロから来た清水が入った。これによって3バックスは名塚がボランチに入り右から森、古川、大森となる。同点とされた後は、左サイドの大森がレッズのフォーメーションチェンジで手薄となった左サイドをたびたび突破しチャンスを創る。終了間際には左サイドからエメが抜け出し、あわやPKかというエリア内での転倒があったがこれはノーホイッスル。ちなみにこの試合の審判(吉田)はあまり試合を巧くコントロールできておらず、レッズサポから大ブーイングされていた。
延長に入ると98分に右サイドからのボールの落としを拾ったエメが角度のないところから狙い、それを田北が弾いたものの左のバーに跳ね返り(微妙にアウミールも絡んでいるが)、リバウンドをビジュがプッシュしてVゴールでの決着となった。全くの静寂に包まれる駒場スタジアムが印象的だった。加えて観客に挨拶に来たレッズの選手達には数本のペットボトルが投げつけられたのに対し、一部のスタンドから札幌の選手達に大歓声を送るというコントラストはまさに「勝てば官軍、負ければ賊軍」の様相を呈していた。
昇格レースにはもう一山ありそう
この勝利によって札幌の昇格は完全に時間の問題となった。内容でもレッズとの差を見せつけた形となったからだ。レッズは序盤こそ個人個人の力量の差で快進撃が続いていたが、2巡目3巡目となるに連れて組織が完成していく他チームとの差が無くなってきている。今節3位の大分が甲府を破ったために、レッズとの勝ち点差はわずかに2となった。大分の時節の相手が札幌だけにレッズにはまだ余裕があるが、このままの低調な戦いぶりが続けば大分の昇格も十二分にあり得る。本来の力を発揮できずもがき苦しむレッズには今後とも注目が集まることだろう。
決定的なシーンがあまり生まれない展開にイラ立つわがまま男@明大サッカー狂会会長。
2000/9/28