J-League Division 1 , 2nd Stage , 12th Match Day
FC Tokyo (2-3) Verdy Kawasaki
Scorer : Hayashi (9) , Mikami (14) , Tuto (65,72) , Hiramoto (89)

11th , November , 2000 , Komazawa Stadium , [Attendance] 11,298
FC Tokyo
GK 20.Doi
DF 26.Komine , 4.Yamao , 5.Furube , 8.Fujiyama
MF 7.Asari , 16.Koike (23.Kina 53) , 13.Masuda , 24.Kobayashi
FW 9.Tuto , 15.Jinno (11.Amaral
45)
Verdy Kawasaki
GK 1.Honnami
DF 2.Yamada , 22.Nakazawa , 5.Yoneyama , 6.Mikami
MF 4.Hayashi , 16.Sakurai , 23.Kim Doh Keun , 13.Ishizuka
FW 10.Kim Hyun Seog , 14.Hironaga (25.Hiramoto 71)
11月11日は「めんの日」
シドニー五輪、アジアカップによる長期の中断期間を経て、11節より久々に再開されたJ1リーグ。12節となる本日、東京は再開後初めてとなるホームゲームで、来シーズンから「同じ穴の狢(むじな)」となるヴェルディを駒沢に迎え撃った。今まで「サンバナイト」や「ビール祭り」など、ホームゲームには何らかの催し物を行うことの多い東京。今日の催しはは「めんの日」だそうだ。先着数百名はうどんか何かを振る舞われるということだったが、ボクらは学校が終わってから急いで駒沢へと向かったため当然そんなモノにはありつけなかった。
「駒沢大学」駅下車後、少々さまよいなんとか駒沢公園へたどりつく。ジョギングコースやラグビー場など、さまざまな運動施設が緑の中に点在していて、いわば都会のオアシスといった趣でなかなかの好印象。ござを敷いてピクニック気分のファミリーを見ていると、混雑していた電車内でたまったストレスも一気に発散されるくらい心地よい気持ちになる。そんな中を抜けていくと駒沢陸上競技場へ到着した。
いよいよスタンドに入ると両チームのサポーターの描き出すコントラストに少々唖然。ヴェルディの方は毎度の事ながらサポの数は寂しい限り。一方東京はゴール裏に陣取る数多くのサポの他にも、お年寄り、親子、カップル、女の子だけのグループなど、普通サッカーの試合会場ではなかなか考えられないようないろいろな層の人達が足を運んできている。当然雰囲気も良くなるし、こういったいろいろな層の人達からサポートされるようなクラブは、まさにどのクラブでも目指すべきところじゃないのかな、という気がした。とはいえ東京ももっともっとファンを開拓する余地はあると思うけれど、方向としては決して間違ってないんじゃないのかな、といういい気分になれた。
今日のヴェルディは違うぞ
「ヴェルディといえばふがいない試合内容」という先入観を持っているボクにとっては、今日の彼らの立ち上がりには目を見張るものがあった。右SB山田卓也、右SH桜井、コリアンのキム・トグンなどが積極的にスペースに前へと進出したり一対一を仕掛ける。また球離れも早く、林健太郎は言うまでもなく持ちすぎる選手もおらずスムーズにボールを展開させる。特に東京の前線からサイドへと追い込むプレスをかわし中央のスペースに素早く転がすと、そこには広大なオープンスペースが待っている、というシーンが目立ち、前半はヴェルディの攻勢が窺えた。またサイドチェンジのパスもタイミング、精度ともにさほど悪くなく東京DFはヴェルディの選手を捕まえきれずにいた。
東京の攻撃を見ると、プレスからのボール奪取が上手くいかないため、なかなか前線でのチャンスが生まれない。左サイドの藤山が上がったところでボールを奪われ、桜井や山田にサイドを突破されるシーンが目に付いた。中盤でのボール回しにも冴えが無く、増田の飛び出しもツゥットのドリブルも周囲との繋がりを欠いたモノとなってしまっていた。
その流れの中、先制したのはやはりヴェルディ。試合開始直後からペナルティ・エリア付近でチャンスを作りかけていたヴェルディは、パスを受けた選手がエリア内で倒されPK。これを林健太郎が冷静にGKの逆を突いて右隅にふわっと決めた。思わず「うまい」と言ってしまうような優雅なPKだった。さらにヴェルディの攻勢は続く。東京の中盤でのボール回しをカットするや、サイドに流してスペースを使う。二点目はそのようなパターンから美しいゴールが生まれた。自陣内やや高めでボールを奪ったヴェルディは、東京の藤山が上がった右サイド(ヴェルディから見て)のスペースを活かすべくボールを流す。そこへ走ったのが桜井で、献身的なプレスが持ち味の東京は全体的な布陣が桜井へと絞られていく。ここで桜井は左へチョンと転がし、それを受けた選手(誰だ?)が、東京のプレスによりエアポケットとなっている左サイドへとサイドチェンジ!ここへ左SBの三上が走り込む。スペースを活かしドリブルで突進する三上はアーリークロスのタイミングで、中にいるコリアン・タイガーにボールを放り込む!・・・・と思ったら入った!ファーサイドのネットをボールがそのまま揺らしたのだ。あれを狙ったのかは知らないが、展開といいゴールといいなかなかビューティフルな攻撃だった。ヴェルディもあんな事できるのか。
その後もヴェルディがたびたびチャンスを創るも、東京GK土肥の攻守にあって追加点はならず。東京も左サイドからツゥットのドリブルでチャンスを作りかけるも、チーム全体の連動が見られない。神野の体を張ったプレーだけでは点は奪えないのだ。あいつはMだろうか?
という感じで前半が終了。ハーフタイムにはビールを購入。冬の足音のような冷たい風が吹きすさぶ中でも、やはり他人がビールを飲んでいるのを見ると、こちらも飲みたくなるのが人情というモノだ。そして「M男」神野に代わって、後半の頭からはいよいよアマラオの投入。どうして先発から外れたのかは知らないが、とにかくこれでベストのFWコンビとなったのだから東京の巻き返しに期待がかかる。
停滞した流れを変えたツゥット
アマラオの投入後も、試合をコントロールしていたのはやはりヴェルディ。山田やキム・トグンの積極性がとりわけ目立っていた。東京サポからもブーイングが出始め、「もう2−0で終わるのかなあ」などと思い始めた65分、ツゥットが流れを東京に引き寄せる一撃を見舞った。
自陣でボールを奪った東京だったが、すばやく右サイドに流したグラウンダーのボールが長くなりすぎたのか、右SBの小峯が苦し紛れのような感じでスライディングしながら前線へクリアした。するとそれがちょうどヴェルディDFラインのエアポケットに向かって行き、裏を伺っていたツゥットへのナイスパスに。DFに詰められる前に彼が45°から右足を振り抜くと、ボールは勢いよくゴール左へと突き刺さった。運良くつながったものだが、このゴールで勢いづいた東京はその7分後にはついに同点とする。右サイドでボールを受けた増田が、ゴール前へのスペースへグラウンダーのボールを入れると、そこにはDFの間をするすると抜けてきたツゥットがいた。それを右足インサイドで冷静に流し込むと駒沢は本日最大の盛り上がりを見せた。チビッコや女の子も立ち上がり、お年寄りも拍手を送る。う〜ん、素晴らしい。
平本?誰だが知らないが賞賛されるべきシュート
こうなると東京の勝利は半ば確実のような気がしてくる。ヴェルディはもはや余力が残されていないかのように、東京の攻勢をただ耐えるのみだ。しかし、山田のアグレッシブなドリブルや米山の惜しいヘディングなど、チャンスを連続して作るや否や、再び流れはあっという間にヴェルディのモノに。そうしているとすでに時計は90分。「全く寒いんだから延長はやめてほしいよな」などと友人と喋っていると、東京DFを素早くかわしてキム・トグンからのスルーパスを受けた平本がフリーでシュート!これはGK土肥が弾くも、それにいち早く反応したのも平本だった。DFよりもGKよりも先に彼の足がボールを捕らえて、なんとまさかロスタイムでのゴールが生まれた。直後、試合終了のホイッスルが吹かれ、ばったりと倒れ込む東京の選手達。途中出場の平本の貪欲さが生んだこの結果。東京の敗戦は残念だったが、なにか「いい試合だったな」と思えるような内容だった。とはいえ渋谷までの非常に混雑した地下鉄の車内でふと思う。試合の満足感はいつの間にか混雑に対する怒りへと様変わりしてるなあ、って・・・。満員電車でも消えないような満足感を抱かせてくれる試合を、Jリーグもいつの日かは見せてもらいたいものだ。
2000/11/11
作り笑顔ではない満面の「笑み」がこぼれるような試合を!