あちゅちん作


『最近よくバンドが解散してるね』

 近バンドがよく解散するねって?そりゃそうだろう。結成するときがあるんだから解散することもあるだろうさ。なににしても一緒だろ?どんな生き物だってうまれてきたらいつかは死ぬし、でっかい会社だってつぶれるときはつぶれるんだ。バンドが解散したところで何がおかしい?ブランキーの解散は納得がいかないって?そりゃあんたの勝手ってもんよ。あんたが決めるもんでもあるまいし。それとも何かい?あんたが再結成してくれって言えば、また彼らがギターやベースを弾き始めるとでも言うのかい?俺たちが間違っていました、心を改めなおして一からまた再スタートをさせてくださいって?まあまあそんなにむきになるなよ。冗談じゃねえか。まああんたの気持ちもわからないでもないけれど、どうにもならないものはしかたがないよ。わかるだろ?そりゃバンドを組んだときは団結も固かったかもしれないし、時には意見が食い違うこともあったかもしれない。だからそれが原因で解散を決めたのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
 こんなことがあった。あんたと知りあうよりずっと前のことだ。おれはある女の子と付き合ってたんだが、そりゃあイカした子でな、街中を歩けばみんながふりむくってやつよ、わかるか?俺はその子にイカれていたし、その子もまんざらでもなかった。俺たちはずっとこのままでいるのかなって思ったこともあったさ。でもちいさな行き違いからからちいさな争いがおきて、やがて別れなければお互いが立ち行かなくなってしまった。まあよくあることだよ。そりゃまわりのやつらは言ったさ。なんであんないい子と別れるんだ?あんなにいい子はいないのにって。でもあいつらに俺たちのなにがわかるんだ?それともやつらは、俺たちが一緒に飯を食ったりベッドにはいったりするところをずっと見ていたから、俺たちの気持ちが分かったとでも言うのか?
 まあ、あのまま付き合っていたって俺たちにすばらしい未来が待っていたとは思えないが、それは俺たちにかぎったことじゃない。でも誰にそんなことがわかる?


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