イタリア研修記

 3月25日イタリアへ向け成田空港を出発した。三井千葉SCジュニアユースチームは4回目の遠征となるが、私自身は初めてのイタリアということでイタリアのサッカーが体験でき、スタジオオリンピコでセリエAの観戦出来ることを楽しみにしていた。また、本場のパスタやピッツァが食べられる喜びと、イタリア語の話せない私が一人で引率という不安もあるなか飛行機は飛び立った。
 しかし飛行機はローマ直行便で乗換えがないという事と、JALとの共同運航便になった為日本人のスチュワーデスが沢山乗っていて少し不安は解消され、ローマまでの時間を楽しむことができた。
 夜の8時半にローマフィウミチーノ空港に到着した。空港ではセルジオコーチと、通訳の中村美和さんが迎えに来てくれた。バスに乗り2時間ぐらい走ったところの小さなホテルに着いた。もう夜中だというのに小太りのおばさんが気持ちよく出迎えてくれた。
 遅い夕食をすませベットについたのだが飛行機の中でみんなよく寝たらしく、あちこちの部屋で騒がしい声が聞こえてくる。静かになったのは朝4時を過ぎていたようだ。おかげで翌朝おばさんに怒られてしまった。

トレーニング前のミーティング  朝食を済ませ、10時からさっそくトレーニング開始。バスで5分ぐらいの所にあるグラウンドに到着。天然芝のグラウンドで脇にはクラブハウスがあり温水シャワーがついている。ナイター照明と簡単なスタンドもあり、周りのフェンスにはスポンサーの看板が並んでいる。日本でいう市営グラウンドということだったが日本とは少し雰囲気が違うなという感じだった。
 この後いくつかのグラウンドに行ったが、サッカーコート、フットサルコート、クラブハウス、バール、ナイター照明、スタンドはどこもセットになっていた。さすがイタリア、カルチョの国という印象を受けた。
 午後はペルージャに移動。2時間ほどバスに揺られるとレナトクーリスタジアムが見えてきた。ここで試合ができると思い選手は大喜びだったが、しかしすぐ隣のグラウンドでキックオフ。
 セリエAの下部組織なのでどんな選手が出てくるのか期待したが、始まってみると技術、体力、スピードなどどれを見ても三井の選手の方が上だった。2−0の快勝!
 後でわかったのだが1987年(中学1年)の選手だったようだ。三井は1986年(中学2年)のチームということは事前に伝えてあったのだが、同じ学年と出来なかったのは少し残念だった。
 試合の後は特別にレナトクーリスタジアムを見学させてもらった。中田選手がセリエA初ゴールした場所で記念写真を撮りみんな大喜びだった。
レナトクーリスタジアムにて記念撮影

合宿地スポルテリアにて、筆者  夜、今回の合宿地スポルテリアに到着した。スポルテリアは市街地からバスで30分ほど山を登った所にあり、「アルプスの少女ハイジ」を思い出すような景色が見えるとても素晴らしい所だ。合宿地としては最高の場所だと思った。
 ここでは、午前中イタリア人コーチによるトレーニング、午後は試合というスケジュールで5日間行われた。トレーニングはパウロコーチ、ダニエレコーチ、そしてGKコーチのアルフレッドコーチが担当してくれた。
練習場にて

 練習や試合を見てどのコーチも「日本の選手は技術的には問題なく、とても素晴らしいが、シュートが下手だ。」「日本の選手はシュートを打たない。」と繰り返し言っていた。確かに私が見ていてもファーストタッチのボールの扱い、相手の逆をとるプレーなど細かな技術は三井の選手の方が上手い。ただパウロコーチ達が言うようにゴール近くのシュートを打っていい場面になってもボールを持ちなおしたり、パスをしてしまったり、決定的の場面でシュートがゴールマウスを大きくはずれたりする事が多かった。
 逆にイタリアの選手達は実に思い切りがよい。その距離からでは無理だろうと思うような所からもマークが甘ければ確実にシュートを打ってくる。そのシュートがかなりの確率でゴールマウスをとらえてきていた。この思い切りの良さが得点を生み出すのだろう。唯一、1対2で負けた試合の2ゴールはペナルティーエリア外からのロングシュートだった。
Vsポススポルティーバ サンファントゥキィオ(スポルテリアメイングラウンドにて)

 日本には、ローマの中田英寿をはじめ名波浩、中村俊輔など中盤のスペシャリストはいるが世界で通用するストライカーがいない。パウロコーチが言っていた「サッカーの目的はゴールすることだ」の言葉の通り、貪欲にゴールを目指すストライカーの出現に一役買えたらいいなと思う。
現地スタッフの女性と、筆者 練習場にて クラブハウスにて

 スポルテリアでの5日間も終わり4月1日の午後ローマに着いた。ローマは危険が多いので注意をするようにと言っている矢先に事件が起きた。ホテルに荷物を預けるため大型バスを降りた。ローマ市内観光は大型バスでは出来ないと言うことで15人乗りのワゴン車に乗り換え出発したのだが、大型バスの中にウォークマンを置いてきてしまった選手がいたのですぐにバス会社に連絡を取ったのだが「そんな物はなかった」と言われ結局ウォークマンは戻ってこなかったのだ。またサンピエトロ寺院の近くの売店ではポテトチップスを買うのに50,000リラ払ったのにお釣りが3,000リラしか却って来ないと言うこともあった。(50,000リラは3,000円、3,000リラは180円ぐらい)
 市内観光はサンピエトロ寺院、コロッセオ、トレビの泉、スペイン広場と見て回ったがどこも記念写真を撮るぐらいの時間しかなくちょっと物足りない感じだった。
 ローマ2日目は日曜日だったのでほとんどのお店が休みだと言うことで市内観光をとりやめ午前中はフレスカ神戸、ウイングス習志野、ヴェルディ相模原、そして三井千葉によるフットサル大会を行った。表彰式では通訳の中村さんが賞品を用意してくれ大いに盛り上がった。ちなみに優勝はフレスカの伊川谷チームだった。
 午後は待ちに待ったセリエA、ローマVSベローナの観戦。試合前ちょっとしたことからセルジオコーチがローマのマネージャーに電話をかけてくれて、中田選手と話をさせてくれた。電話にでると「どうしてイタリアにいるの?」と驚いていた。試合には出られそうなのかと訪ねると、「今日はメンバーにも入ってないんですよ。」と寂しそうに言っていた。私も中田のプレーが少しでも見たいと思っていたのでガッカリした。久しぶりに話が出来、なつかしく嬉しかった。
ローマ対ベローナ  スタジオオリンピコは6万人の超満員だった。試合はベローナが先制して展開としては面白くなったが、あっという間に同点。終わってみれば3対1でローマの快勝。カフーのクロスをバティステュータがゴールを決め役者が揃って活躍し見ていた選手も大喜びだった。
 4月3日いよいよ帰国だが、我々関東組はよる9時半のフライトだったので通訳の中村さんの好意で2時間の自由時間をもらいスペイン広場などローマの町を楽しむことが出来た。
 初めて海外のサッカーを体験することが出来、いろいろなことをサッカーを通じて感じることが出来た。特にイタリアで学んだゴールに対する執念を参考にし、この後行われるクラブU―15大会で全国大会出場目指して選手とともに頑張りたいと思う。


小林 浩

写真集
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ホテルの前で

 

レナトクーリスタジアム

スタッフ一同@室内練習場

ピッツァを堪能@

ピッツァを堪能A

小林コーチ@サンピエトロ寺院

中村さんと@サンピエトロ寺院

トレビの泉

スタジオオリンピコ

スペイン広場