第16回千葉県少年サッカー選手権
4年生大会を振り返って

 4年生の県大会は3位で終了しました。選手はもちろん、いろいろと応援してくださった保護者の皆様、ありがとうございました。
 ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ大会でしたが、準決勝戦で、優勝した百合台に惜しくもPK戦で破れてしまい、2年連続のチャンピオン獲得という偉業は果たすことができませんでした。
 昨年度は、山越さん、高橋さんの協力で準備を進め、絶対に優勝すると言う強い意志で大会に臨みました。「優勝する」と公言して、それを達成しなくてはならないと言うプレッシャーの中で優勝を勝ち取りました。 昨年の優勝にはもちろん、いろいろな勝因があると思いますが、明らかに選手個々の技術が他のチームの選手に比べて優れていた結果、優勝できたのだと考えています。一言で言えば、技術の勝利と呼べるでしょう。
 一方、今年のチームは正直、技術的なレベルで言うなら改善しなければならない余地があまりにも多すぎました。昨年のチームのように技術を前面に押し出して勝負するのではなく、戦術をメインにした試合運びで大会に臨む必要がありました。 勝ち進みながら戦術の理解度を重ねたので、あと一歩というところまでできたのだと思っています。
 以前、イタリアで、イタリアの少年育成部のスタッフが「日本では小学校の低学年に当たる年代で技術・戦術・体力の中で何を最優先にしているか」と言う質問を日本人指導者にしていました。 ほとんど全ての日本人指導者が「技術を優先したトレーニングを重視している」と応えたところ、「イタリアでも10年前までは技術を優先していたが、今は戦術を最優先して育成を行なっている」と言っていました。
 つまり、サッカーはまともにボールを蹴れなくても、止められなくても、ゲームはできるのだから、一番大切なのは戦術であると、私も常々思っていました。 世界中でサッカーがナンバーワンのスポーツに発展した理由に、技術的な練習をしないで、いきなり、ゲームができるところにその秘密があるのでは、と考えていました。 全ての選手は本質的には練習が嫌いです。 しかし、サッカー以外のスポーツは練習しないで、いきなり、ゲームをすることはできないのです。 サッカーと他のスポーツとの決定的な違いはここにあります。 サッカーが世界的に普及した理由もまたここにあります。
 今まで、日本の指導者の選手育成概念の中では、戦術的な理解はもっと上の年代になってから重視すべきであると考えられていました。 確かに、ゲームの中で技術は必要なのですが、習得した技術をいつ、どのように使うかを理解していなければ、せっかく身につけた技術も試合では役に立ちません。 戦術的な理解に裏打ちされた技術がゲームの中で役に立つのです。
 今年のチームは、勝ちながら勝ち方を覚え、そして同時に戦術的な理解を重ねながらサッカーのゲームがぼんやりとながらも理解できたのではないかと思います。 今大会を通して、勝ち取った最大のものはメダルやトロフィーや表彰状でもありません。 選手たちが獲得した一番大切なものは戦術が如何に重要か、を感じたことだと思います。 戦術的な理解がなければ、技術練習をいくら繰り返してもあまり効果がない、と言うことを気付いてくれたのではないでしょうか。


2001.07.03 千野 徹