韓国ワールドカップの旅 その1

その1     その2     その3     写真集

 今回の韓国ワールドカップ観戦ツアーは、最初の訪韓が昨年の4月ですから計画の段階も含めると約2年もの準備をかけたものでした。私は今までワールドカップやヨーロッパ選手権さらにはコパアメリカなど色々なツアーに参加し観戦してきました。しかしどのツアーも「試合さえ見せればよい!後は知らない!」といったものがほとんどで、なかには試合が見られないものまでありました。アイゴ!そこで気に入らないツアーに参加して嫌な思いをするくらいなら考え方を変えて、ツアーを自分で作れば良いと考えることにしました。たまたま日本に来ていたキムさんと知り合うことができ、この話をしたところ韓日の交流の橋渡しになればと、従兄弟のイーさんと一緒に協力してくれワールドカップのチケットを確保してくれました。そして、イーさんの後輩が社長をしている旅行会社にお願いすることになったのですが、そちらとの細かい連絡にも力を貸してもらいました。特に私の意向である、ただ単に試合を見るだけでなく韓国の文化、歴史そして食文化もたんのうするということにとても気を使ってくれました。

 6月11日、いよいよ全員が成田空港に集合し、長い時間をかけてねってきた計画がスタートしました。前日は準備とやり残していることがあるのではないか、ホテルの予約は本当に大丈夫なのかなどと緊張と不安でほとんど眠ることが出来ませんでした。とても疲れているのですが、ここまでくると、ツアーは終わっていないのに達成感の方が強くとても気分は高揚し充実感さえ感じられました。あっという間にソウルのインチョン空港に着き、早速昼食はカルビタンです。期待通りのおいしさです。韓国の味を楽しみ、地下鉄に乗り換えスタジアムへ移動しました。フランス対デンマーク戦の観戦です。予選敗退の危機にあるフランスは、我々が待ち望んでいたジダンをついにこの試合に登場させてきました。しかしフランスはセネガル戦、ウルグアイ戦に続き、この日も4年前の優勝メンバーをほぼそのまま並べるという布陣で臨んできました。先の2試合で私はフランスがこの4年もの長い間何も新しいものを生み出したり、導入したりしていないことに疑問を感じていました。予選突破の唯一の希望は一人でゲームの流れを変えることのできるジダンの復帰です。しかしフランスのチーム状況はジダンの存在だけでは変えられないところまできてしまっていました。勿論、勝負では勝っているときにメンバーを変えないというのは鉄則です。トルシエ監督のようにうまくいっているときにメンバーを変えたりすれば失敗するからです。アイゴ!しかしそれは短いスタンスでチームを考えた場合のことです。いくら優勝したからとはいえ、4年の間メンバーに何も手を加えないというのは、何も努力しないということと同じです。フランスは4年もの間、優勝という長い夢を見つづけていたのでしょう。夢と呼ぶには余りにも長く、目がさめたときには残酷な現実が待っていました。予選で無得点のまま、ディフェンディングチャンピオンの屈辱的な敗退です。フランスチームのこの敗退は、我々サッカーコーチに対して大きな警鐘を鳴らしてくれているのだと受け取りました。チーム作りでは常に新しい血を通わせ、そして新しいものを生み出すことが必要です。そのために指導者は選手以上に努力しなけれならないということでしょう。

 夜は温泉のある温陽というソウルから一時間半ぐらいの所にあるきれいなホテルに宿泊し、全員で夕食をとりました。今回のツアーで韓国にも温泉があるとということを初めて知った人も多かったようです。夕食は韓定食という、とにかくいろいろな料理が小皿にのせられてテーブルいっぱいに出てくる韓国の伝統的な料理です。あまりにも多く料理が運ばれてくるので置く場所がなくなっているのですが、皿の上にさらに皿を載せていきます。いったいどうやって下の料理を食べたらよいのか悩んでしまいます。これをステンレスのハシとスプーンで食べるのですが、ハシは重く初めての人には使いにくいようでした。料理は日本人に合わせてもらったのですが、やはり辛すぎたようです。まずは初日に韓国料理の味に触れられ、滑り出しは順調です。
 翌日はぐっすり眠った後、朝早く起き露天風呂に入り疲れをとりました。その後ソウル市内観光に出発し、昌徳宮そして伝統工芸としゃれた喫茶店が並ぶインサドンなどを見学しましたが、あいにくの雨で走り抜けるように通り過ぎなければならなかったのはとても残念でした。夜は全員でホテルでのパーティです。44人ものグループで初めて顔を合わせる人もいましたが、とても楽しい雰囲気のなかでの交流となりました。染谷さんの感謝の言葉を暖かく感じながら、今回の韓国と日本の交流を祝しての野本さんのすばらしいエールで楽しい時間の幕も降りました。
カムサハムニダ!

 翌日はソウルを流れる漢江のクルージングです。ソウルの政治の要所が集まったヨイドという所を中心に、船の上からの観光です。とても天気がよく船の進むのにあわせて風がとても心地よく感じられました。ところが船にワールドカップを記念しての飾りがついているのですが、これが視野を妨害してせっかくの景色を見にくくしていました。どうしてもっと小さい飾りにしなかったのかと不思議に思いました。こんなことに疑問を感じているうちに、次の予定のショツピングです。南大門市場で人のよさそうなおばさんを見つけとにかく値切りつづけ(カッカジュセヨの連発)、韓国の応援Tシャツを久保田さんたちよりも安く購入した後、スタジアムへバスで移動です。(久保田さんミアナムニダ。)

 この日はブラジル対コスタリカ戦です。これほど守備がお互いに破綻した状況でのゲームというのも珍しいのではないでしょうか?スコアも5−2です。ボールがポストやバーに嫌われ、ゴールキーパーのファインセーブがなければ、両チームの得点の合計がワールドカップ史上一番になるのではないかと思いました。優勝候補のブラジルは勝ったものの、3バックと両サイドのウイングバックとの関係がとても悪く、コスタリカにこの弱点をつかれ何度もピンチを招いていました。3バックにしてもどうしても体の大きな選手にこだわり、空中戦には対応できるのですが相手のスピードのあるドリブルにはうまく対応できていません。ワンチョベのドリブルにはブラジルの選手だけでなくサポーターも何度も肝を冷やされたのではないでしょうか。今大会のブラジルは左のロベルト・カルロス(この試合には出ていない。)と右のカフーをいかすために5−3−2といったシステムをとっています。ブラジルの伝統であり魅力的なゾーンディフェンスの4−4−2システムはこの二人の選手がいることにより逆に見ることができなくなってしまいました。さらにサイド攻撃が中心となり、恐らくブラジルにしかできない、あの繊細で芸術的な中央突破は影を潜めてしまっています。どんな相手に対してもあわせることなく常に自分たちのスタイルでのぞむというブラジルはもう見られないのでしょうか・・・・?

 翌朝は韓国チームと我々との日韓交流のゲームです。オリンピック代表として活躍した仲村君やウルグアイでプロとしてプレイをした加藤君の得点に加え、濱田さんのセンタリングがゴールに吸い込まれ?て日本チームの勝利です。まさに朝飯前の試合でした。朝食後、民族村を訪れました。そこにある家々は生活様式や住まいの作り方など日本と本当によく似ていてとても親近感をおぼえました。残念ながらここで18名が帰国です。石川コーチ、石井コーチ、流通経済の中村コーチともお別れです。とりあえずここで一回目のレポートは終了です。アンニョン!

 ワンポイント韓国語講座
* アイゴ      特に意味はない。敢えていうならアーあるいはなんと言う
           ことだ!
* カムサハムニダ  有り難うございます
* ミアナムニダ   ごめんなさい
* カッカジュセヨ  まけてください
* アンニョン    さようなら

 スペシャル サンクス(敬称略)
赤尾 英信/石井 志郎/石川 英二郎/石川 公久/尾形 篤史/加藤 元気/
門井 伸暁/川西 喜之/久保田 賢一/久保田 絹子/佐々木 伸/
佐藤 重幸/廣田 幸夫/福田 貴司/古澤 光一路/中村 薫/森 豊/
森 ルリコ