韓国ワールドカップの旅 その2 |
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韓国の旅は続きます。6月14日、日本はチュニジアと対戦です。水資源研修ホテルの映画館のような場所を用意してもらい、大画面での観戦です。自分の国の試合を海外で観戦しているというのは奇妙な感覚でした。日本の16強入りが決まり、気分良く大田競技場へ向かいます。夕食に石釜定食を食べて、おなかもいっぱいです。みんな、食卓にあふれるくらいオカズが並ぶのにもなれ、気に入った料理はおかわりができるというシステムはフルに活用していました。 試合観戦はアメリカ対ポーランドです。アメリカチームには悪いのですがアメリカが負ければ、同じグループの韓国とポルトガルの試合結果を予想すると、次のウルサンで観戦予定の準々決勝が韓国かポルトガルになると考えられます。調子を上げてきたポルトガルに対して韓国は少なくとも引き分けなければなりません。目の前で展開されている試合は予想に反し、いや期待通りにポーランドがアメリカを圧倒しています。ねらいどおり韓国戦かポルトガル戦が見られると考えていたら、後半も半ばを過ぎたときに、なんと韓国が得点をあげたという情報がスタジアムを駆け巡ります。私は落ち込み、打ちひしがれていたアメリカのサポーターは生き返りました。韓国は一位で16強入り、アメリカはこの大切な試合を落としたにもかかわらず、2位で予選通過です。地元の熱狂的な応援の中での韓国観戦もポルトガルの魅力的なサッカーも見られなくなってしまいました。観客の一喜一憂を目の前で見ていると、勝ち残るチームの喜びと負けて去っていくチームの悲しみが複雑に絡み合うのを本当に強く感じます。これほど目の前で行われているゲームと他会場の試合進行を気にしながらの観戦は初めてでした。ゲームを見ていると言うより、難解なストーリーのミステリードラマを映画館で見ているような奇妙な感覚です。しかし日本に続き韓国も16強入りです。会場周辺は大変な盛り上がりを見せています。熱狂している韓国サポーターにもまれながら、バスへと急ぎました。何とかバスにつきましたが、仲村君が戻ってきません。競技場で呼び出しをしてもらい、手分けをして探しましたがどうしても見つかりません。遅くなり疲れている人もいるので、リーさん、キムジェチョルさん、橋本君、そして私が残り、他の人には宿泊先に戻ってもらいました。リーさん、ジェチョルさんはハングル語が話せるので、交番に行ってくれて捜索願まで出してきてくれました。そうこうするうちに、仲村君が親切な地元の人に助けられ、宿に戻っていることがわかりました。みんなほっとして一安心です。しかし宿へ帰る手段がありません。今度は仲村君と最後まで寝ないで我々を待っていてくれた福田さんがバスで迎えに来てくれることになりました。パリ スィゴシッポヨ!ところで捜索願はそのままです。我々の帰国後も韓国の警察はまだ仲村君を捜しているのでしょうか? 翌日はエキスポ科学公園の見学の後、研修員ホテルの芝生のグランドで韓国チームと試合です。前半は連日の食べ過ぎのせいか、みんな動きが悪く相手に圧倒されっぱなしです。応援に来てくれた石原さん一家、野本さんと桑名さん、さらには染谷さんからも見放されます。勝っているチームにはサポーターは優しいのですが負けているときはとてもきびしいということを知らされます。ハーフタイムには不甲斐ない内容のゲームに福田監督の檄が跳びます。見違えるようになった後半は何度も決定的なチャンスを作ります。しかし石渡君のゴールを皮切りに猛反撃は続きますが逆転までにはいたりませでした。アイゴ! 翌日はナムオンへ、「春香伝」の舞台となった広寒楼苑を訪れます。この韓国を代表する春香(チュニャン)とイーモンジュのラブストーリーも知っている人はいない様子です。ガイドの日本語もまるで中国語のように聞こえます。そんなときにはいつもJEFの清水君が活躍してくれます。物語を描いた絵の中に、普通ならば見逃してしまうような登場人物を発見し、得意のギャグを飛ばしています。ちょっと退屈な雰囲気になっていた我々には大受けでした。視点が違うともいえますが、ポイントがずれているともいえるでしょう。 夕食は宿泊先であるコンドミニアムの近くにある、農家の庭先のようなところで焼き肉パーティです。空気がきれいで、山々に囲まれた屋外にテーブルが並べてあります。水車が回り、アヒルの歓迎まであります。石板で焼く肉はとても美味しく(マシッソヨ!)なかなか腰を上げる気持ちにはなりません。ここはジリ山という北と南の内戦の辛い過去の思い出も残っているところで、ガイドのチーさんも韓国人でもここまで足を踏み入れる人は珍しいと言っていました。北の兵士達が退路を断たれた場所です。ジェチョルさんリーさんも感慨深げで、自分の父親もここまでは来たことがないし、自分がここにこられるとは思っていなかったともらしていました。 翌朝は自然の美しさに魅せられて、朝早く起きて川まで一人で散歩し、その後そばにある民家が集まっているところまで足を運んでみました。とてものどかな雰囲気で、過去にここで戦争が行われ多くの人の命が奪われたとは想像できません。戦争の爪跡は、自然の中には残らず、人の心の中にだけ残っているのでしょう。 17日は16強のゲームであるアメリカ対メキシコを全州で観戦です。全州といえばビビンパです。全州のワールドカップ向けのポスターもビビンパをそのデザインとして使用しています。ところが、イーさんがソウルから出てきてくれて、私とキムさんは打ち合わせのために競技場に急いだために食べることができません。アイゴ!とても楽しみにしていたのに・・・!どうしても食べ物の恨みはしつこくなります。 この日のアメリカはポーランド戦の悪夢を完全に払拭していました。逆にメキシコは予選リーグの結果に満足してしまったのでしょうか?メキシコを見るたびに不思議に感じることですが、自分たちのスタイルには強い誇りと自信があるのですが、自分たちが相手よりも強いという自信だけがありません。アメリカはスピードがありとても良いチームなのは認めますが、メキシコの技術があれば、アメリカのスピードを逆に利用し、飛び込んでくる相手と入れ替わるような場面がもっと多く作れたはずです。自信がないチームは相手が動くまで待つことができず、自分から動いてしまいます。残念ながら技術がスピードに負ける場面にまたしても立ち会うことになってしまいました。 夜は海印寺(ヘインサ)のホテルにスクリーンを設置してもらいブラジル対ベルギー戦を観戦しながらのパーティです。日本人のためにお鮨も用意されています。味も日本とほとんどかわらないのですが、わさびの色がとても気になります。あまりにも人工的な濃い緑色です。わさびは淡い緑色でなければさしみや鮨とは合いません!日本人としてここは譲るわけにはいきません。回りを見回すと、佐藤君だけはスクリーンに釘付けです。いつもながら本当にサッカーが好きなのだなぁ!と感心させられます。 今日は世界遺産に指定されている海印寺(ヘインサ)を訪れます。蒙古の襲来にたいして護国祈願を込めて14年の歳月をかけて作られた「八万大蔵経」の板木が大切に保管されています。自然のなかで、ほとんど人工的なちからを借りずに保存されているのには驚かされます。案内をしてくれた僧侶が寺院の屋根に鳥のフンが全くないのを確認するように言ってくれました。確かに見あたりません。朝からホテルのまわりではカッコーやブッポウソウの鳴き声が聞こえ、ここも山の森に深く包まれています。みんな不思議に思い僧侶に理由を聞きますが、神聖な場所だから鳥などは飛来しないの一点張りです。我々は信心が足りないのでしょう。ばちあたりにも、前の日におおそうじをしたのではないか?屋根に毒薬や電気を流すなどしているのではないか?などと話しあっていました。私は僧侶から韓国を訪れた理由を聞かれ、サッカー観戦と答えました。そこで私も、彼に僧侶もサッカーをするのでしょうかと訊ねたところ、20年以上も年に一回、僧侶たちで試合をしているとのことでした。お坊さんたちはどんな格好でサッカーの試合に挑むのでしょうか?スパイクは履くのでしょうか?試合中、熱くなってタックルなどするのでしょうか?ここには解らないことばかりです。まさに仏教は神秘?謎がいっぱいです。ここで二度目のお別れです。いつも仲の良い石原さん一家、絶妙なコンビの野本さんと桑名さん、宮沢コーチともお別れです。そしていつも本当にやさしくて、今回のツアーにご両親を招待してあげた久保田さんとも。残念ですが、日本での再会を約束して空港へ向かうみんなを見送りました。 アンニョンケシプシオ! ワンポイント韓国語講座 *マシッソヨ 美味しい *パリ スィゴシッポヨ 早く休みたい *アンニョンケシプシオ さようなら(競技場から帰る人に、女性の声でいつも アナウンスされていた言葉です。) スペシャル サンクス(敬称略) 石原 一二三/石原 光代/石原 一樹/石原 江美/五十嵐 廣之/ 奥野 泰介/久保田 直樹/桑名 豊子/七島 圭/清水 明/清水 恭孝/ 染谷 明/仲村 浩二/野本 聡/野本 純/橋本 英樹/濱田 和行/ 宮沢 達二 |