観戦レポート2002

●6月30日:acom Middle Distance Challenge 第4戦(神奈川・日体大健志台)

 第4戦は、日体大健志台で開催された日体大長距離記録会の中で行われた。その日の夜、同じ横浜市内の横浜国際競技場ではW杯決勝ブラジル−ドイツ戦が行われるので、人はそんなにいないだろうと思っていた。しかし、記録会に出場する高校生・社会人とその関係者などたくさんの人がいた。そんな中、日も暮れ始めた18時30分、女子800mがスタート。5月の大阪グランプリで2分3秒台をマークした杉森美保(京セラ)が出場。6月19日の「acom Middle Distance Challenge」第2戦の1000mで2分41秒08の日本記録(アジア新)で優勝。4日後の6月23日に第3戦の1500mで日本記録を更新した田村育子(グローバリー)に競り勝っていたので、日本記録(2分2秒23)更新が期待された。しかし、大学の後輩で日本記録保持者の西村美樹(東京学芸大)が欠場だったため競り合う相手はおらず、日本記録の更新は無理だった。400mの選手がペースメーカーとなり、400mを58秒で通過。日本記録更新は不可能でも2分3秒台を期待した。しかし、ペースメーカーは400mで終了。そこからは杉森の独走となってしまった。一人で走って記録を狙うのはむずかしい。声援に押されて600mぐらいまではよかったが、その後はペースダウン。結局、残り400mに66秒もかかってしまい、2分4秒08でフィニッシュ。わずかの差で2分3秒台に及ばなかった。
 次は男子1500m。ゴールデンゲームズinのべおかで3分40秒52をマークし、6月16日に尼崎で行われた「acom Middle Distance Challenge」第1戦の1マイルでも好走した小林史和(NTN)、小林史同様、今季好調の小林哲也(福田組)木實淳治(八千代工業)らが3分40秒突破と、日本記録(3分38秒24)更新を目指して出場。ペースメーカーは800m選手の松本毅(日立電線)が務めた。400mを56秒9で通過。国内の1500mレースの多くは、58〜59秒ぐらいで通過するので、先頭が団子状態になっていることがある。しかし今回は、1周目から選手は縦長になり速いペースを実感した。800mを1分56秒5で通過。この1周も60秒を切る。日本記録を上回るペースが影響し、観衆の声援は増していった。特に3〜4コーナーでは記録会に出場した高校生・社会人とその関係者などが、自分の仲間に声援するように、記録を目指して走るトップレベルの選手に一生懸命になって声援を送っていた。800mでペースメーカーがコースアウトし、先頭が小林史ら実力者にかわった。小林史を先頭に1200mを2分56秒で通過。この時点でも400mがまだ59秒台。ラストスパートをして300mを44秒以内で走れば3分30秒台、42秒なら日本記録もありうるぞと思った。好記録が期待され、観衆の声援もさらに大きくなった。小林史がスピードを上げる。後続の木實と小林哲が粘るが徐々に引き離される。大歓声の前を過ぎ、ラストの直線に入った時点でまだ3分25秒ぐらいだった。「行けー!」。私は3分30秒過ぎから大声でカウントした。「35,36,37,38,39…」。小林史はタイマーが3分39秒から40秒にかわるぐらいでフィニッシュ。3分40秒を突破したかどうかわからなかったが、すぐに正式計時が発表された。3分39秒86。日本歴代5位の記録だった。後に続いた小林哲,木實は惜しくも3分40秒を突破できなかったが、3分41秒台の自己新記録だった。7位までが3分45秒を切る好レースだった。やろうと思えばこういうすばらしいレースができるのだ。今後もこんなレースを継続して開催して欲しい。