インフルエンザにかかったら
インフルエンザの症状がでたら、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。発症から2日以内であれば、インフルエンザウイルスの活動を抑える治療ができる薬が処方されるようになりました。早ければ早いほど効果的です。
インフルエンザには栄養を取って休むといった自家療法も必要です。
しかし、危険な症状を軽視したり、自己判断で危険な薬、効かない薬を飲んでいる人 も少なくありませんので注意してください。
インフルエンザは普通の風邪ではありません。
以前流感(流行性感冒)と呼ばれており、 かぜ症候群のひとつに数えられていたことから、
インフルエンザはふつうのかぜ(普通感冒)と同じだと誤解している人 が多くいます。インフルエンザ対策のためにまず、インフルエンザとかぜ (普通感冒)との違いを正しく確認して下さい。
インフルエンザと”かぜ”(普通感冒)のちがい
"かぜ"(普通感冒)の症状・・・・のどが痛む、鼻汁、くしゃみ、咳が出る。発熱はインフルエンザほど高くなく、全身症状もあまり見られない。
インフルエンザの症状・・・・38度以上の高熱、激しい全身倦怠、筋肉痛、関節痛などの全身症状を伴う。呼吸器症状はやや遅れて出現する。
激しい症状は5日間ほど続き、気管支炎、肺炎などを併発しやすい。脳炎や心不全を起こす事もある。
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インフルエンザ |
かぜ |
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初発症状 |
悪寒、頭痛 |
鼻咽頭の乾燥感および |
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主な症状 |
発熱、全身痛 |
鼻汁、鼻閉 |
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悪寒 |
高度 |
軽度、きわめて短期 |
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熱および熱型 |
38〜40℃ |
ないか、もしくは微熱 |
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全身痛、筋肉痛、関節痛 |
高度 |
ない |
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倦怠感 |
高度 |
ほとんどない |
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鼻汁、鼻閉 |
後期より著しい |
初期より著しい |
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咽頭 |
充血およびときに扁桃腫脹 |
やや充血 |
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結膜 |
充血 |
ない |
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合併症 |
気管支炎、インフルエンザ肺炎、細菌性肺炎、脳炎、脳症 |
まれ |
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病原 |
インフルエンザウイルスA,B |
ライノウイルス |
インフルエンザは恐ろしい感染症です
インフルエンザと”かぜ”(普通感冒)とは、原因となるウイルスの種類が異なり、
インフルエンザは突如、強烈な流行が発生することが特徴です。「スペインかぜ」 「香港かぜ」など世界的に大流行し多くの死者を出したインフルエンザもあります。”かぜ”(普通感冒)はのどや鼻に症状が現れますが、インフルエンザは38〜40度の
高熱が急にでるのが特徴です。倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、これら の激しい症状は通常5日間ほど続きます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、 重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。健康な人もインフルエンザにかかると本人が苦しい思いをするだけでなく、ウイルスをまき散らして周囲の人に感染する原因にもなります。
インフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスは患者のくしゃみや咳、痰などで吐き出される微粒子(飛沫)
を介して感染し、その様式には飛沫感染と飛沫核感染があります。”かぜ”(普通感冒)
のウイルスの感染様式は(かぜウイルスのなかでも最も多いライノウイルスの場合) 特に手から手への感触感染の頻度が高いといわれています。
飛沫感染
くしゃみや咳に含まれるウイルスがそのまま、 あるいは空気中に浮遊しているうちに他の人の呼吸器に吸い込まれる。
飛沫核感染
ウイルスを含む飛沫粒子が直径20nm以下になると、 空気中で水分が蒸発し乾燥縮小した飛沫核になり、長時間空気中に浮遊し、
これが吸入される。
インフルエンザは四類感染症
インフルエンザは、国民の健康に影響を与えるおそれがある感染症の
ひとつとして法律で四類感染症に定められています。
一類感染症…エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など
二類感染症…コレラ、細菌性赤痢、腸チフスなど
三類感染症…腸管出血性大腸菌感染症
四類感染症…インフルエンザ、黄熱、梅毒、後天性免疫不全症候群など
軽く見てはいけないインフルエンザ
インフルエンザは、その多くは発症から約1週間で回復に向かいます。
しかし、なかには合併症を起こして重症化してしまうことがあります。なかでも、 肺炎は高齢者に合併頻度が高く、死に至ることも少なくありません。
ハイリスク群
ハイリスク群に当てはまる人は、重症化を防ぐ為にも医師と相談のうえワクチンを接種することが望ましいと考えられます。また、日ごろから予防を心がける事も大切です。
65歳以上の高齢者、妊娠28週以降の妊婦、慢性肺疾患
(気管支喘息。肺結核など)、心疾患(僧帽弁膜症・鬱血性心不全など)、腎疾患 (慢性賢不全・血液透析患者・賢移植患者など)、代謝異常(糖尿病・アジソン病など)、
免疫不全状態の患者
年齢別罹患率と死亡率
日本におけるインフルエンザの流行は、小学校で始まると考えられています。
小学生は罹患率が高いだけでなく、長期に大量のウィルスをまき散らします。 それが家庭で成人や高齢者に感染していきます。高齢者は罹患率は低いのですが、 逆に死亡率は高く、「老人の最期のともしびを消す疾患」と恐れられています。
合併症
インフルエンザは、その多くは発症から約1週間で回復に向かいます。
しかし、なかには合併症を起こして長引き病床が重症化してしまうこともあります。 なかでも肺炎は高齢者に合併頻度が高く、死に至ることも少なくありません。最近、日本では小児のインフルエンザ脳炎・脳症が深刻な問題になっており、毎年、
約100人の小児が死亡し、ほぼ同数の後遺症患者が出ていると推測されています。 原因は不明ですが、インフルエンザウイルスの感染が発症の引き金となり、突然の高熱に始まって、
1〜2日以内に昏睡などのさまざまな程度の意識障害をおこし、短期間の内に全身状態が悪化し、 死に至ることがあります。
12月から3月は、インフルエンザの流行時期です。過去10年間のインフルエンザ様疾患発生動向(週別)
日本ではインフルエンザは12〜3月に流行します。
これは、温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。 また、乾燥した冷たい空気で私たちののどや鼻の粘膜が弱っています。年末年始の人の移動で
ウイルスが全国的に広がるのもひとつの原因だと言われており、これらの原因が重なって流行 しやすい時期となっています。
日常生活での予防方法
日常生活ではまず、体調を整えて抵抗力をつけ、 ウイルスに接触しないことが大切です。また、インフルエンザウイルスは湿度
に非常に弱いので、室内を加湿器などを使って適度な湿度に保つことが有効です。
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ワクチンによる予防
最も確実な予防は流行前にワクチン接種を受けることです。
特に、高齢者や心臓や肺に慢性の病気を持つ人、器官支喘息を持つ小児など ハイリスク群は、重症化を防ぐためにも医師と相談の上、早めに接種する ことが望ましいと考えられます。費用は自己負担ですが、65歳以上の高齢
者は一部交費負担としている自治体もすでにあります。インフルエンザワクチンには@ウイルス粒子全体を不活性化した全粒子ワクチン と、Aウイルスから抗原となる赤血球擬集基の表面タンパクを取り出した スプリット・ワクチンの2種類があります。わが国のワクチンはAを採用して います。これらのワクチンを接種することでインフルエンザへの感染または
重症化の予防となります。ただし、ワクチン用のウイルスは孵化鶏卵で培養 するため、卵などにアレルギー、けいれんの既住症、免疫不全のある人、熱を 出している場合などには接種できないことがあるので、医師に相談してください。
クチン接種のタイムスケジュール
インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに1〜4週間かかります。
ワクチンには2回接種と1回接種(今シーズンより中学生以上は1回でもよい)があり、 2回接種する場合は2回目は1回目から1〜4週間あけて接種します。流行期間が12〜3月ですから、11月頃までには接種を終えておくとより効果的でしょう。
インフルエンザにはさまざまな型があります
インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つに大きく分けて分類され、 毎年流行を繰り返すごとに変異株がでています。特にA型は多くの変異株があり、 世界的な大流行を引き起こします。インフルエンザウイルスは渡り鳥などによって地球規模で運ばれており、 どの型が流行かという予測は、地球規模の動向を解析して行われます。
ワクチンの免疫は型が合わないと効果がないの?
ソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の3種類の混合ワクチンですので、 新型ウイルスが出現しなければこのうちどの型が流行しても効果があります。しかし、
ウイルスの突然変異があるので効果が低下する可能性がありますが、近年は予測技術も高まって、 実際の流行とはほぼ一致しています。
ワクチンを打ったのに”かぜ”をひいたのはなぜ?
インフルエンザのワクチンは普通の”かぜ”(普通感冒)に効果はありません。
しかし、ワクチンは健康な成人のインフルエンザに対する発症予防効果は70〜90%と高い効果 が認められています。また、ワクチン接種は高齢者の死亡の危険を約80%減らすなど、
重症化を防止する効果もあります。
抗ウイルス薬による予防
インフルエンザにかかった経験を持つ人は多いにもかかわらず、毎年、
多くの人がワクチンを接種しないままインフルエンザのシーズンを迎えています。 また、慢性疾患やアレルギーでワクチンを接種できない人もいます。 抗ウイルス薬は治療薬としてだけでなく、インフルエンザウイルスに感染する前に
投薬するとインフルエンザの症状がでることを一時的に予防する効果もあります。インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬が開発されて、 インフルエンザの治療が可能になりました。これらの抗ウイルス薬は、
医師の診断と処方が必要ですので、かかったな、と思ったら早めに医師にみてもらいましょう。
抗ウイルス薬による治療
抗ウイルス薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、 病気の期間と症状の重さを軽減する効果が優れており、重大な副作用も報告
されていません。ただし、治療効果をあげるためには症状が出てからなるべく早く服用する事が大切です。インフルエンザウイルスは体の中で急激に増殖 する特徴があり、早期であればあるほど、体の中にかかえるウイルスの量が
少なくてすむからです。しかし、実際には「たいしたことはない」「今日は忙しい」などとい って病院に行くのが遅くなりがちです。早めに病院に行って医師に相談する ようにしましょう。特にハイリスク群に当てはまる人は、ただちにかかりつけの医師か専門医に診てもらいましょう。2日以内に服用を開始すれば、自覚症状の期間を30%(1.5日から3日) 短縮でき、症状は20〜60%軽くなります。さらに、合併症を併発する リスクも半分以下になります。
抗ウイルス薬による実験感染治療効果(ウイルス量/症状スコア)
新治療による社会的メリット
インフルエンザは個人の健康を損なうだけでなく、大流行により、
仕事の支障がでたり勉強が遅れるなど、社会的にも重大な影響をきたします。 積極的な予防と治療による効果には、さまざまな社会的メリットがあります。
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新しい治療法で重症化と蔓延を防ぐことができたら・・・ |
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●企業 |
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●学校・予備校・塾 |
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●高齢者施設 |
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●幼稚園・保育園 |
高熱や痛みに対しては解熱剤鎮痛剤などが使われます。 解熱剤鎮痛剤は症状を緩和させる対症治療であり、インフルエンザそのものを治
しているわけではありません。抗生物質も、細菌の原因の合併症には有効ですが、 インフルエンザのウイルスには効果はありません。なお、小児のインフルエンザに対 する解熱剤としてのアスピリンの使用は、世界的に控えられています。
インフルエンザは普通の風邪と違って怖い感染症。特に小さなお子さんは、ママをはじめ
周りの方が注意してあげてください。