2月号
円形吹き出し: TOKAICLINIC

 

 

 

 

HealthCare

 

 


花粉症について

花粉ってどんなもの?

花粉のかたち 〜顕微鏡写真〜

スギ花粉 飛散時期は2〜4月            ヒノキ花粉 飛散時期は3月中旬〜4月下旬

 

 

 

 

 

 

 

 

どんな花粉があるの

花粉の種類と飛散状況〜

花粉症の方の半数以上はスギ花粉が原因と推定されます。スギを始めとする風によって花粉が運ばれるタイプの植物(「風媒花」といいます)は、一般的に虫などが花粉を運ぶタイプの植物(「虫媒花」といいます)よりも多量の花粉を作り、花粉が遠くまで運ばれるのでより花粉症の原因になりやすいと考えられています。このような花粉症を引き起こす風媒花には、樹木ではスギやヒノキのほかに、シラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラなどがあります。草木では、カモガヤなどのイネ科、ブタクサ、ヨモギなどのキク科があります。花粉の飛散時期は、スギ、ヒノキなどの樹木では、春が中心ですが、草木では主に夏から秋に飛散します。その他、花粉症の原因となる虫媒花には、イチゴ、リンゴ、バラなどが知られています。

花粉症のメカニズム

人体にとって遺物である物質(抗原)が体に入ると、抗原と結合してこれを無力化する事によって病気の発病を押さえる物質が体内で作られます(このような物質を「抗体」といいます)。しかし、この一連の反応が、過剰に起こることにより身体にとって有害な状態が生じる場合があります。これがアレルギーです。アレルギーの一種として鼻アレルギー症があり、この原因となる抗原には、ダニ、家の細かいゴミなどいろいろありますが、この中にひとつとして花粉があります。

鼻は元々空気を浄化し、その空気を肺に送り込む役目を持っているため、表面の薄い鼻汁の層に花粉を吸着させ、吸った空気から花粉を除きます。表面についた花粉は、鼻の粘膜の細胞にある繊毛がベルトコンベアのように働くことにより、鼻の外に運び出されます。運び出されなかった花粉は鼻の粘膜にくっきます。鼻の粘膜の中には、普通の場合には身体を外敵から守っている肥満細胞と呼ばれる細胞があり、花粉症などのアレルギー症状を引き起こす抗体であるlgE抗体がその細胞のまわりに集まっています。花粉症の患者さんでは、この抗体が花粉の抗原部分を捕らえて結合し、肥満細胞から放出されたヒスタミンなどの化学物質が神経及び血管などを刺激してくしゃみ、鼻水などの症状を引き起こします。

どんな症状がでるの?

花粉が鼻に入るとくしゃみ、鼻水、鼻づまりが起こります。眼に花粉が入ると眼がかゆくなり、また、涙も大量にでて、充血してきます。さらに症状が強いときは喉のかゆみ、咳、頭痛、微熱、だるさなどの症状に悩まされます。

これは肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの科学物質が神経や血管を刺激するからです。粘膜の知覚神経が刺激されるとくしゃみが起こり、分泌神経を刺激したり、毛細血管から多くの水分が出され、鼻水が出たりします。鼻がつまるのは毛細血管の流れが悪くなって鼻の粘膜が腫れてしまうからです。また、眼などのかゆみも、ヒスタミンなどが神経を刺激するためです。このような体に起こる反応によって花粉を洗い流したり、それ以上に花粉を吸入しないようにしているのですが、これらが過度に起こると、苦痛をともなうようになります。

症状が起こる時期は人によって様々です。花粉が飛び始めるとすぐ症状が出てくる人もいれば、花粉がたくさん飛ばないと症状が出てこない人もいます。症状の強さも同様に、軽い人もいれば重い人もいます。その年に飛散する花粉数によって花粉症の強さが変わりますので、花粉の飛散数が少ない時には、花粉症の症状が全く出ないこともあります。したがって、花粉の飛散数に応じて以下に述べる予防のための方策を採ることにより、花粉症の症状を軽減することができます。

 

 

花粉症の症状を悪化させるもの

大気汚染物質と花粉症

最近の研究によると、花粉症を悪化させている可能性があるものとして空気中の汚染物質の影響や、ストレス、食生活などの問題などが考えられています。

関連の強いもののひとつとして、タバコを指摘する研究もあります。これによると、喫煙している本人だけでなく、室内の汚れた空気を通してタバコを吸わない人にも影響があるとしています。さらに、換気の悪いストーブやガスレンジなどの燃焼による室内の環境の汚染も花粉症の悪化に影響があると考えられています。室内汚染については、呼吸器系の病気など他の病気との関連も指摘されていますので、この意味でも注意が必要でしょう。また、室外大気汚染の例としては、ディーゼル排気ガスとの関連が指摘されています。

まだまだ花粉症の悪化因子については不明の点が多くあります。しかし、今後の調査研究により、次第に明らかになると思われます。

 

どんな時に花粉は多いの?

花粉の多い日は、風が強くて晴天で乾燥した日や、雨上がりの翌日で天気が良い日といわれています。東京都で行った調査でも、最高気温が高めの日、南風強く吹く日は、花粉の量も多くなることがわかりました。気象の変化に注意しましょう。

花粉飛散の時間変動

花粉の量は、前年の夏の気象と空きのスギの花芽の成長具合と密接に関係していますので、たとえば、夏に熱くて雨が少ないとスギの雄花の成長が良く、次の年に飛ぶ花粉の量が多いと予想されます。東京都では、毎年の夏の気象と秋の花芽の調査から花粉の量を予測し、昭和62年から毎年1月にスギ花粉飛散量について予測を発表しています。

 

どんな予防法があるの?

抗アレルギー剤を早めに飲む

花粉が飛散する前に、抗アレルギー剤(医師の処方箋が必要な薬)を服用します。症状が重くならないうちに、早めに服用すると効果的です。

日常生活を節制する

まず、花粉を多く吸わないようにします。天気予報の花粉情報をチェックして、花粉の多い日には外出をなるべく控えます。外から帰ってきたときは、衣服から花粉を落として家に入るようにし、家の中に花粉を入れないようにします。また、日常生活を節制して、体調を崩さないようにします。鼻の調子は全身の調子に依存するので、風邪を引いたりしないようにします。今年はインフルエンザがはやったため鼻や体が痛めつけられている人が多く、そのような人は症状が出やすいです。花粉の飛散予測は西高東低となっていますが、花粉が少ない地域でも、あまり安心はできません。

予防お役立ちグッズ

甜茶ゴーグル花粉症を予防するのに便利な物で、一般的なのはやはりマスクとゴーグルです。世の中に出回っている予防グッズの中には、科学的検討が得られているものとそうでないものがあるため、注意が必要です。

「甜茶」(てんちゃ)と呼ばれる中国茶は、効果が確認されていて、医師も使用を勧めることがあります。長年中国で飲まれてきたお茶なので、安全性も高いと言えます。

温熱エアロゾールまた、温熱エアロゾール(水蒸気で鼻の血の巡りをよくする機器)も、医学的に効果あることが確認されています。副作用もまずありません。ただ、よい効果を得るためには、医師の管理の下で使用することが必要です。

 

 

 

 

 

どんな治療法があるの?

薬症状が軽いときの初期治療として、抗アレルギー剤を使用します。症状が強いときは、対処薬を併用します。
・抗ヒスタミン剤(風邪薬にも入っている薬)
・局所薬(点鼻薬・点眼薬など)

いずれにしても、薬の使用にはきちんとした診断を受けることが必要です。花粉症だと思っていたら、別の原因(ハウスダストなど)でアレルギーが起きていたり、別の病気にかかっていたり、ということがあります。治療がうまくいかないときは、その都度医者と相談することも大切です。

 

花粉症の治療で気を付けることは?

早めに診断を受ける

早めに医師の診断を受けることをお勧めします。状態がひどくなり(イライラ・鼻のかみすぎ・眠れない・酒の飲み過ぎ)、我慢しきれなくなってから病院に行くと、治療が難しくなります。薬の効きも悪くなります。

薬の併用

2種類の薬を併用するときに注意が必要です。ある種の抗アレルギー剤は、ある種の抗生剤や抗真菌剤と併用すると、不整脈が出るということが報告されています。薬を併用するときは、医師・薬剤師と相談することが大事です。特に、二箇所以上から薬をもらうときは、併用で問題がでないか確認してください。

非常時の薬

非常時に使う薬(ステロイド系の内服薬や血管収縮性点鼻薬)は、使用を短期間に留めることが必要です。長期間使用すると、副作用が出ます。自分ひとりの判断で、薬局で薬を買って使用するのは、せいぜい1週間ぐらいまでと考えておいてください。それ以上の期間、効かなかったりよくならなかった場合には、医師に相談するようにしてください。

標準的な治療を選ぶ

安易に民間療法に頼るのではなく、標準的な治療を選ぶようお勧めしています。標準的な治療は、専門家が相談してコンセンサスが得られている、効果や安全性が確認されている療法です。