紺碧の海

 それは、あなたのことを忘れたときに訪れる。
絶対に忘れることの出来ない、あなたを忘れた瞬間に訪れる。
あなたの放った音色、言葉も、 何にも聞こえなくなって、静かな私に訪れる。
全てが、戻るとき、私は私も忘れる。
今日までの生きてきた足跡も、出会った人々も、
愛だと思って追いかけた、苦しみも、悲しみも、喜びも・・・。
全てのこだわりから、解き放たれ、みんな忘れる。
それは、景色の中に解けこむように,自然なことで、全ては現実というなかに散って無くなる永遠の旅立ち・・・。
まるで、思い出したくない思い出たちが、鮮明に、強烈に、目の前に繰り広げられ、気がつくと、
現実に戻る瞬間みたいに、終わる、私たちが持ち得る時間。
だれかのためにと思えるうちはいい、生きることを楽しめるから。
夢といえるほどの想いがあるなら、叶えられる。 
そこに、
そこに、
愛があればいい・・・。
愛は存在という名の確かなぬくもり。

愛、在る

        


君と出会ったのは、海の中だった。
静かに流れる海流の音だけが響いている。
青の碧の世界。
波の揺らぎをくぐって海底にふりそそぐ幾千の光の矢・・・。
金色のカ−テン、珊瑚や魚たち、光と影が織りなしてゆく景色。
私が私に戻れる場所は、ここだけで。
誰も、何も聞こえない。
なにも求めない、優しさにつつまれている、今を愛しい。
誰も、抱きしめない。
抱きしめるものなどなにもない。
私がいる。
その存在に、気づいて光の中に、海の中にとけてみる。
私の中には、何もない。
そんな君と出会ったのは、海の中だった。
青の碧の世界