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| 便ができるまで |
口から取り込まれた食べ物は、食堂を通って胃→小腸→大腸の順に進み、最後に肛門から便となって排泄されます。食べ物が便になるまでの旅は、ざっと9メートルにもなり、その所要時間は約24〜72時間です。 旅の中で、自分の意思でコントロールできるのは、入口と出口だけです。食べ物を口に入れようとする「口」と、トイレに行くのを我慢する「肛門」です。あとの部分はすべて「自律神経」がコントロールしているために、自分の意思で動かすことはできません。便秘を引き起こす原因はここにありそうです。
消化・吸収の旅
胃=ミキサーの役目
食物は食堂を通り、食後役3〜6時間は胃の中に一時貯蔵されます。滞留時間は食物にとって異なりますが、水分のような早いもので役1時間半、バターなどの脂肪になると、比較的長い時間滞留することになります。食物は、機械的消化である胃の収縮運動によって胃液と混ぜ合わされ、粥状になります。胃は、たんぱく質の一部を消化しますが、噛み砕かれた食物をさらに粥状にまでする「ミキサー」の働きが、大きな役目です。つまり、小腸での本格的な消化・吸収の前処理段階なのです。
小腸=三大栄養素を消化・吸収
小腸は、十二指腸、空腸、回腸からなり、その長さは身長の4倍に相当する約6〜7メートル。 ドロドロに粥状になった食物は、まず十二指腸に少しずつ送られて、本格的な消化・吸収が行われます。
三大栄養素の糖質・たんぱく質・脂質が消化・吸収されて、ビタミン、ミネラル、水分も吸収されます。
まず、十二指腸に食物が入ると、膵臓(すいぞう)から膵液(すいえき)が分泌されて、強酸性だった胃液が中和されます。この膵液(すいえき)には、糖質、たんぱく質、脂質を消化する酵素が含まれます。
腸液は、膵液によって紹介された糖質、たんぱく質、脂質をさらに吸収しやすく消化します。また膵液の分泌と同時に、肝臓でつくられた胆汁が、胆のうから分泌されます。胆汁には水に溶けない脂肪を乳化し、吸収しやすくする働きがあります。
こうしてほっとんどの栄養素が、小腸で4〜5時間かけて消化・吸収されて、水のようになったカスと水分が大腸に送られます 。大腸=腸内細菌による食物繊維の分解と吸収
大腸は、小腸より太くて、盲腸、結腸、直腸に分かれて、長さは約1.5〜1.7メートルです。
小腸から送られてきた水分とカスは、盲腸と右半結腸でほとんどの水分が吸収されて、便を形成しながら左半を通り、9〜16時間かけて直腸に送られます。
大腸の腸液で一番重要なのが腸内細菌です。大腸には100種類、100兆個(1.5kg)の細菌が住み着いています。これらが食物繊維の一部分を分解して、ビタミンK、ビタミンB郡を合成し、吸収しています。
長さ20cmの直腸の上部は、膨大部と呼ばれ、ある程度まで便が貯えられ、膨大部の左右の弁によって、便意が起こる前に便が出てしまうのを防いでいます。便が貯まると便意が起こり、弁が開き、直腸の下(肛門)におりてきます。
排便のメカニズム
反射と便意
排便は、筋肉と神経の連携プレーで行われます。朝食などを抜いて、胃に食べ物を入れなかったりすると、直腸に到達する便が少なく、反射や便意は起きないということです。また便意を我慢することも便意を引き起こす原因の一つです。
正常な便
正常なウンチとはなんぞや!?
便の性状と水分量
日本人の正常な便は、バナナ状の便が2〜3本、150グラム前後だと言われます。水分量は70〜80%。カチンコな便の水分量は60〜70%。この10%の差が便秘には大きく左右します。
便の成分
驚くことに、腸内細菌の死骸が便の3分の1を占めます。大腸には、常に同じ腸内細菌が存在するわけではなくて、毎日死骸か体から排出されています。そのほかには、胃腸からの分泌物、消化管の剥がれ落ちたもの、食物繊維や消化酵素などで構成されています。
便の色
普通は、黄褐色で、少し酸臭。肉食が多いと黒くなり、臭いも強いです。便秘のために腸内滞留が長い場合も、色が濃くなり、臭いも強くなります。あるいは、消化管出血があったり、鉄剤を服用している場合も黒くなります。消化管の大出血になると、タール便(黒)になります。
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| ツライ便秘の実態 |
便秘とは
「常にコロコロの硬い便で、数日間便がない」という完全な便秘の人は別として、便秘という判断は、個人の症状や医師の考え方によるそうです。一般的には「数日間以上排便がなく、排便と排便の間が不規則で、排便に困難を伴う場合や毎日排便があっても量が少なく残便感がある場合」を便秘と言うそうです。
排便が毎日なくても規則的に排便があり(二日に一度とか)、バナナ状のやわらかい便であれば便秘ではないそうです。便秘の種類
便秘は、急性と慢性に分けられます。そして急性の便秘には一過性の単純便秘と器質性の便秘があります。
一過性の単純便秘は、普段は便秘ではないけど、旅行に行ったり生活環境や食事の変化が原因で、単純に起こる便秘のこと。原因を取り除けばすぐに治るような便秘です。
器質性便秘は、消化管の構造そのものに異常がある場合に起こります。腸閉塞とか、腸管癒着、虫垂炎などが原因で起こる急性の便秘。これは早く医者に診てもらう必要があります。
慢性の器質性便秘は、症状が急変しないけれど少しずつ現れて、血便を伴うことが多く、治療の必要があるようです。
女性が悩む機能性便秘
問題は常習性である機能性便秘で、便秘で悩む人の80%を占めます。世間でいう「便秘」とは、この「機能性便秘」のことで、はっきりした病変がなくて、腸の乱れや体調の狂いによって起こります。
機能性便秘は、弛緩性(結腸性)便秘と習慣性便秘(直腸型)、痙攣性便秘の三つに分けられます。弛緩性(結腸性)便秘
日本人の機能性便秘の三分の二は、弛緩性の便秘だそうです。
体質的に胃や腸が下がっているために、大腸の便秘や腸のぜん動運動が低下して起こります。排便反射が鈍いので、腸内に内容物が長くとどまり、水分が吸収されてしまい、便秘となってしまいます。
便は、太くて硬いのが特徴。腹部膨満感はあるけれど、ガスは少ないです。習慣性の便秘(直腸型)
直腸に最終的に便が送られてきても、排便反射が起こらず、便意を感じません。仕事や時間の都合で便意を我慢する人に多く、女性に多いといわれています。便意を我慢しているうちに、便意を感じなくなってしまうのです。便は 太くて分割便になりやすいそうです。
痙攣性の便秘(過敏性腸症候群)
比較的若い人に多いとされています。精神的なストレスにより、大腸の緊張が高まり、痙攣性の収縮を起こし、便が通過しにくくなります。大腸に便がとどまってしまうので、水分が吸収されて便秘になるそうです。
便は少量で、ウサギの糞のようなポロポロの便で、しかも便秘と下痢を繰り返します。
左下腹部痛がたびたびありますが排便により治ってしまいます。痙攣性の便秘だけは、他の機能性の便秘と違い、排便されれば治ってしまうそうです。
| コワイ便秘の悪影響 |
どうやら慢性の病気は、便がつくられる大腸の運動や働きに大きく関係しているようです。便の一部は、大腸の腸内細菌の死骸です。腸内細菌は、どんな働きをするんでしょう?
腸内細菌とは
大腸内には、100種類、100兆個、重さにすると1.5キログラムの細菌がすんでいて、絶えず増殖しては、便とともに排泄されます。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌で構成されており、このバランスは一定ではなく、個人の体調によって異なります。善玉菌が増えれば、悪玉菌は減り、悪玉菌が増えれば、善玉菌が減るという仕組みになっています。
日常生活で、便秘になったり、不規則な食生活とかストレスが続いたりすると、腸内に悪玉菌が増えてきてさまざまな障害を引き起こします。
自分の体の腸内細菌のバランスが正常かどうかは、便秘しているか否かで判断できます。便秘していなければ善玉菌が多いので、正常と判断していいそうです。悪玉菌の代表
ウェルシュ菌や大腸菌です。これらの菌はたんぱく質や脂質をエサに増えます。若い人が好む食事には、それらを主とした食品が多く、そのために悪玉菌が増えてしまうケースが多いそうです。結果、便秘になってしまいます。
善玉菌の代表
乳酸菌の一種のビフィズス菌です。糖質、食物繊維をエサに生きています。
腸内で糖(繊維)を分解して、有機酸(乳酸・酢酸をつくり、腸内を弱酸性に保つことで、悪玉菌の増殖を抑えます。
便秘がもたらす悪影響
体調のトラブル
便秘によって、腸内に食べ物のカスが長時間滞ると、悪玉菌が増えて、ブフィズス菌などの善玉菌が減ります。そして悪玉菌の腸内腐敗が起こり、有害物質がつくられます。有害物質=アンモニア、フェノール、アミン酸など
これらの有害物質は、通常は腸管壁から吸収されて肝臓で解毒されています。でも便秘のために多量に生成されすぎると、血液中にはいって体(全身)を巡り、さまざまな弊害を生じることになります。美容面のトラブル
「健康である」ということは、日常生活や食生活が規則正しいことですよね。不規則な生活や食生活を続けていると便秘にもなるし、この乱れた生活面がそのまま体全体の美とか健康に影響してくるそうです。
便秘による不快感が、精神的ストレスになり、皮膚の状態も不安定になります。すると肌の抵抗力が弱まり、トラブルを起こします。精神的なものは肌に表れるそうです。とくにストレスによる不眠症(寝不足)は、肌に悪影響を及ぼすそうです。
さらに悪玉菌がつくった有害物質は、肌のトラブルだけでなく、老化をも速めます。
また、長時間お腹の中に便がたまっていると、お腹がポッコリと出てることに。腸に長くとどまることで、便量が増えて、一時的に体重が増加する場合もあります。
| 食物繊維とウォーキングで便秘解決! |
食物繊維で便秘とサヨナラ
食物繊維が便秘に効くワケ
食物繊維を多く摂ると、便のカサが増えるので、腸壁が刺激されます。すると、腸内のぜんどう運動が活発になって、便は大腸内を速く通過できます。通過が速いということは、大腸での水分吸収が少なくなり、便は硬くならずに柔らかいままおりてきます。
同時に、食物繊維を好むビフィズス菌などの善玉菌が増殖し、食物繊維を分解していきます。こうしてできた有機酸が腸を刺激します。
ここで排便のメカニズムが働いて、やわらかい便がスムーズに出るようになります。食物繊維のパワー
食物繊維は、食事による摂りすぎの弊害はないけれど、食物繊維入り飲料など、人工の食物繊維を摂りすぎると、カルシウムの吸収が阻害されます。人工的な摂りすぎは、日本人に不足しがちな大事なカルシウムを外に出してしまうことになるので注意だそうです。
例えば、便秘のために食事が偏っていたり、不十分な量しか摂っていない人が、人工的に食物繊維だけを摂取するケースは、悪影響になりかねないそうです。
タイプ別予防と解消法
弛緩性(直腸性)便秘の対処法
- リズムとバランスのとれた食事
- 食物繊維を十分に摂る
- ビフィズス菌を摂る
- 脂肪も大事(植物油、ごまなどの油脂は、潤滑油的な役割をする。
- 菓子類はダメ
- 起床後の冷たい牛乳
- 排便習慣をつける
- 腹筋運動、腹部マッサージ、ウォーキング
習慣性(直腸型)便秘の対処法
直腸に便がおりてきているのに、排便されない状態なので、とにかくそこにある便を排出することが先決だそうです。まず座薬・浣腸などで便を取り除いたあと、弛緩性便秘と同じ食生活・日常生活の注意を守るといいそうです。
痙攣性の便秘(過敏性腸症候群)の対処法
- 消化のよい食事・・冷たい飲み物、アルコール、カフェインは注意。
- 精神的ストレスを避けて、リラックス・・休養が大切だそうです。
食物繊維を摂るポイント
- 和食を取る・・洋食に比べて食物繊維が多いです。
- サラダよりもおひたし・・野菜はゆでたり熱を加えて量を多くとります。
- 主食を工夫する・・麦ご飯やひじきご飯、パンはライ麦など。
- 食物繊維の宝庫である乾物を利用する・・海草、切干大根、かんぴょう
- 豆は毎日取る
- 1日1回、いも料理を食べる・・里芋、さつまいもは繊維が豊富。