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全身性エリテマトーデスの説明

ここでは、SLEの症状について 細かく説明します。
注)以下はあくまでも参考としてお読みください。 ご自身の病気の診断は、医療機関を受診してください。m__m

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名前の由来
SLEの種類
SLEの症状
抗リン脂質抗体症候群
治療法
疾患自己管理について

  名前の由来

”SLE”とは、全身性エリテマトーデスの略語で、膠原病(こうげんびょう)の1種。 正確にはループス・エリテマトーデス。ループスはラテン語で狼を意味する。 エリテマトーデスは紅い斑点の意味。 1829年にフランスの皮膚科医が、初めてこの病気をみた時に 皮膚の病変が狼にかまれた時の痕に似ていたことから、病名をつける。 その後、カポジという皮膚科医が、皮膚だけでなく、内臓の障害が くることを発表し、1890年には、オスラーという医者が 皮膚の病変がないのに内臓を侵すことを知り、全身性エリテマトーデス という病名をつける。

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  SLEの種類(2種類)

皮膚だけに限り病変がみられる円板状エリテマトーデス(円板状紅斑性狼瘡)・・・皮膚に紅斑ができ、一部うろこ状態になったりする。 この紅斑は、顔、耳、前胸部、手指など日光にあたりやすいところにみられる。通常、内臓の障害を認めない。

全身性エリテマトーデスは、皮膚の病変だけでなく、内臓の病変をもつ。 よく侵される臓器は、皮膚、関節、腎、脳、血液、心臓、肺臓など だが、一つの内臓だけが悪くなる場合や、二つ以上侵される場合もある。(内臓病変は軽いものから重いものまである)

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  SLEの症状

  • 全身症状

    疲れやすい、だるい、活力がない、体重が減る、熱がでるなどの全身症状
    関節の痛みや顔面、手指の赤斑をみることが多い。
    疲れすさと体重の減少
    ・熱は突然熱が出ることもあり、また微熱が続くこともある。
    風邪や感染症と間違える場合が多い。
    これらの症状は病気のはじまりや、活動期にある時によくみられる)

  • 皮膚症状

    頬と鼻にでる紅斑は、蝶形紅斑ともいわれSLEでよくみられる。同じような紅斑は、前胸部、手指、手のひら、耳部、頭、唇口など日光にあたりやすいところにできるが、時には足の指や裏、背中、腕、下肢などもにみられる。

    以上の症状は、日光過敏症の人に多くみられる。

    また、髪がぬけてうすくなる、出血斑がでる、皮膚に潰瘍ができる、口の中に口内炎が出やすいなどもSLEに関係していることがある。

    また、レイノー現象がみられ、寒さにあたると白色や紫色になることがある。

  • 関節症状

    手指、足の指、肘、膝、肩、顎などの関節の痛みやこわばりがある。

    慢性関節リウマチのように関節が変形したりすることは少ない。筋肉の痛みもみられるが、炎症を伴った痛みは少ない。

  • 心臓、肺臓の症状

    SLEでよくみられる心・肺の障害は、胸や心臓の膜に水がたまる(胸膜炎・心外膜炎)。

    これらの障害は胸が痛んだり、息切れ、動悸、むくみなどの症状が出ることが多く、時には呼吸困難になることがある。これらは治療によってよくなる。

    また、肺に炎症を起こすことがあり(間質性肺炎)、この場合も、息苦しくなったり、胸の痛みやせきが出る、呼吸が早くなる、熱が出る、などの症状がみられる。稀で肺出血、肺梗塞、肺高血圧症などの重い症状をみることがある。

  • 腎臓の症状

    腎臓はSLEの内臓病変のなかで最もよく侵される臓器で、最も重要な障害。

    SLEの半数以上は、軽症重症と、いろいろな腎障害を伴っている。 治療せずに腎臓の障害がひどくなると、身体の中の不要なものを 排泄することができず身体のなかにたまってくる。 そのため、腎臓の障害の程度を正確に把握するのに尿や血液の検査が必要。

    尿検査で、蛋白尿、赤血球尿、円柱尿などがみられれば、腎臓の障害のあることがわかる。

    <注意>
    ネフローゼ症候群でむくみや身体に水がたまったり、腎臓の機能障害で、むくみや高血圧、尿毒症などが認められるまでに時間がかかり、その間、腎臓の障害による症状が出にくいということである。 尿に異常所見がみつかる時期では、むくみなどの症状はでないが、 早期に治療を開始する必要がある。このことがネフローゼ症候群の進行や尿毒症を防止することにもつながる。 そのため、腎障害がなくても尿と腎の検査は定期的に行う。

    SLEではこれらの尿毒症を約80%にみられる。
    最初は蛋白尿が出てもごく小量で、赤血球や円柱尿だけのこともある。進行すると、蛋白尿も次第に増えてくる。 蛋白尿が多量に出るようになると、ネフローゼ症候群と呼ばれる状態になり、血液のなかの必要な蛋白質が尿へ出てしまう。そのため、血液の蛋白質が減り、栄養状態も悪く、むくみが出たり、心臓、胸、お腹に水もたまるようになる。

    多くの場合は病気の進行とともに腎機能も悪くなる。
    腎生検(腎臓の組織をとって顕微鏡で調べる検査)が行われることがある。この検査によって、腎障害の程度、活動性の程度、治療に対する効果の予測、腎障害の今後の見通しなどを知ることができる。
    これらは、今後の経過を予測するうえで大切な検査であるが、腎生検による検査だけで治療方針が決まるわけではなく、尿や腎機能の検査所見、免疫血清学的な検査所見、腎臓以外の障害程度 など、総合的な観点に立って最終的に治療法が選択される。また、腎生検を行うかどうかについては、慎重な検討がされる。腎臓の機能が悪い場合は腎生検をすぐに行う場合がある。

  • 精神・神経症状

    けいれんや意識がなくなる発作がみられることがある。 また、うつ状態や興奮状態、不眠、不安感、神経症、錯乱、情緒不安定などの精神症状をみることもある。 その他、まひやしびれ感、髄膜炎、視力障害、偏頭痛など。 これらの症状は腎臓の障害に次いで重要な症状。

  • 胃腸症状

    食欲不振、腹痛や吐き気、嘔吐、下痢、便秘などが SLEによって起こることがある。稀に、お腹に水がたまることがある。 これは心臓に水がたまったり、尿に蛋白がたくさん出ていたり、肝臓の障害がみられたりすることと関係していることが多い。

  • リンパ節、脾臓、肝臓(すいぞう)の症状

    頸部、わきの下、大腿部のところのリンパ節 が腫れていることがある。
    左わき腹のなかに脾臓というリンパ節があるが、 これも腫れて、お腹から触れることがある。
    時にSLEによって起こる症状ルポイド肝炎がみられる。黄疸は稀であるが、原因は、溶血清貧血とルポイド肝炎のほかに、この病気とは直接関係しないウイルス性肝炎、薬の副作用による肝障害などがあげられる。

  • 月経障害

    SLEのために月経が不順になることがある。場合によっては数ヶ月にわたり月経が全くないということもあり、多くはSLEの活動期と関係している。
    SLEがよくなると、多くの場合正常にもどる。
    時に薬の影響やホルモンの異常で月経が不順になることがある。

  • 血液の異常

    SLEでは貧血、溶血性貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少がよくみられる。
    赤沈も速くなり、高ガンマ-グロブリン血症、CRP陽性、梅毒反応偽陽性、ループス凝固因子、抗カルジオリピン抗体、クームス抗体、リウマトイド因子などがみられる。
    SLEに特徴的なのは、抗核抗体とDNA抗体という自己抗体が高頻度に出現することである。
    また、血清の補体価が低下することも特徴で、活動期ではDNA抗体が高い値を示し、血清の補体価が低下することが多い。
    DNA抗体価と血清の低補体価は、治療により病気がよくなると、改善してくる。血清補体価は、C3、C4、CH50などの検査で調べる。
    を書いてますが、私はいつもC3、C4、CH50を主に見ています。 これが低いと、あまりよろしくない、というワケです。
    差があるため、主治医に確認した方が良いでしょう。
    64〜116mg/dl
    15〜38mg/dl
    施設により異なる場合がある。

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  抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体症候群には、ループス抗凝固因子、カルジオリピン抗体、ワッセルマン反応偽陽性を含んでいる。
これらの抗体があると、血栓性静脈炎などの静脈の血栓症、 脳梗塞や心筋梗塞、肺梗塞などの動脈の血栓症、自然流産、習慣流産、血小板減少などの症状をみることがある。
これは、これらの抗体により血液が凝固しやすいことにある。これらの抗体をもっていても無症状の人もいる。
<治療>
凝固を抑える薬が用いられるが、無症状や妊娠を希望する人には予防的に薬が投与されることがある。

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  治療法

ここでは、ステロイドとその他の治療方法について説明

  • ステロイド剤

    広範囲にある皮膚病変、腎病変、中枢神経症状、精神症状、間質性肺炎、胸膜炎や心外膜炎などの漿膜炎、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、急性腹症など。
    多くは、治療せず放っておくと生命の危険にさらされるので、 SLEにとって救命的薬剤であるステロイド薬が用いられる。

    炎症を抑えるだけでなく抗体をつくるのを抑える働きもみられる。 このことで病気をよくすることにつながるのである。
    <注意>
    急速に進行する腎炎、けいれんや意識消失をくりかえす場合はパルス療法(メチルプレドニゾロン0.4mg〜1gを三日間投与) が行われることがある。
    パルスで急速に改善されることがある。

    症状が改善されても急に量を減らしたり中止にはならない。急に減らしたり中止にすると、同じ症状がまた出てくる。
    そのため病気が悪化しないように、細心の注意を払い減量する。

  • その他の治療方法

    レイノー現象や抹消循環の障害がみられる場合には、抹消の血管を広げる作用のある血管拡張剤が用いられる。
    また、血管がつまったり(血栓症)、血液が凝固しやすい状態にある時には、抗凝固療法が用いられる。高血圧がみられれば、高血剤で治療する。
    腎機能が悪く、尿毒症の状態となり、尿も出にくい場合は人工透析が施行される。(離脱できることが多い)

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  疾患自己管理について

私の元主治医がパンフレットを作ってくれました。なので、一部紹介したいと思います。言葉はちょっと変えます。

  • 軽症例でも寛解状態で無治療でも、経過中に治療を要する病態が出現する可能性があるため、期間の長短はあれど、定期的に医療機関を受診することが必要。

  • 中等以上のステロイドを服用した場合、寛解状態となっても小量のステロイドを服用し続ける場合が多いため、副作用のチェックや再発の早期発見も含め、定期的に受診することが重要。

  • 再発の兆候は、発病時の症状を繰り返すことが多いので、自分の特徴を知っていることは早期発見につながる。

  • 自分の臨床検査値を記録しておくことは、何らかの理由で他の医療機関を受診した場合に役立つばかりではなく、自分でも病状の推移を知ることができ、自分の病気を自己管理をしていく上で励みになる。

  • 自分が服用している薬名や、治療内容、副作用の知識を記憶しておけば、自分の体に変調がきた場合に不必要な不安感を避けることができる。

  • 日光暴露は、皮膚症状だけでなく、他の臓器障害の誘因になる場合がある。対策としては、日光の強い時間帯の外出をさけたり、つばの広い帽子や長袖の衣服を着用したり、日焼け止めクリームを使用したりする。 (SPF15以上で、汗をかいたりした時は塗りなおす)

  • 冷刺激も憎悪因子の一つ。寒期には充分な保温が、特に抹消循環系不全を有する場合には特に必要。夏期のクーラーの冷え過ぎにも注意が必要。

  • 疲労感がある時には、休息時間を増やしたり仕事や家事の量をうまく調節することが必要。家事には家族、特に配偶者の助力が最も必要であり、 病気自体や日常の注意点について自分で説明するだけでなく、医師や看護婦の協力を得て配偶者の充分な理解と協力を得られるようにする。

  • 疾病の今後の展開や経済的負担などの病気に由来する精神的なストレス のみならず、職場や家庭での精神的なストレスを避けることも重要。 特に周囲の無理解に悩まされることも懸念される。 家族以外の人に理解者や相談相手をもつこと(友の会も一法) の他に、自分でもストレスを趣味などで他にうまく逃がしてやることも重要。

  • 疾病の状態について、主治医と充分に話し合うことも必要かつ不可欠。

  • 感染症はSLEの憎悪因子になるし、SLE自体やステロイドの影響 により重症化しやすいのが一般。 予防のためには外出後のうがいと手洗いはもちろん、 インフルエンザや風邪の流行時には慎重に行動することが大切。 また、それらの患者さんに近づかない方が賢明。 可能な限り人ごみを避ける工夫も必要。 思いがけず風邪を引いた場合は出来るだけ早く治すように心がける。

  • 抜歯など歯科処置に際しては、予防的に抗生物質を服用することが 望ましいことから、受診した歯科医に自分の病状や服用内容を必ず話す。 それでも感染の兆候(発熱など)がある場合は主治医に知らせる。 抜歯や婦人科的な処置、痔疾などの小手術でもSLEの活動性が亢進 する場合があり、これらを受ける場合は、前もって主治医に相談する。

  • 妊娠・出産もSLE患者にとって重要な問題。 発症後の2〜3年は妊娠を避けたほうがよい。 重症の臓器障害がなく、小量のステロイド(15mg/day) で少なくとも1年以上活動性が無い安定した患者さんの場合には、可能。 しかし、妊娠・出産にはその後の育児という重労働が控えているため、 患者さんと医師だけでなく、配偶者や他の身近な家族も含め、 慎重に計画を立てて臨むことが望ましい。 ※避妊のため「エストロゲン」製剤を服用することは、 稀にSLEが憎悪する場合があり、安易な服用は控えるべき。

  • 食事については、ステロイドで憎悪する骨組霧症や動脈硬化に対し、 充分なカルシウム摂取や適切なカロリー摂取を心がける。 カロリー制限は、ステロイド性糖尿病の予防にも重要。 また腎障害がある場合は塩分にも注意し、悪化させることがないようにする。

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