お勉強
ガンとは     白血病とは  慢性骨髄性白血病     医療費について  高額療養費     高額療養費の貸付     傷病手当金    休職中の社会保険料     生活福祉資金   特殊疾病医療費助成    小児慢性疾患医療費助成     医療費控除   医療費控除の対象となるもの     医療費控除の対象とならないもの     骨髄バンクの関連費用は医療費控除の対象となるか?  ガン保険     生命保険  ステロイド剤の副作用 

ガンとは
わが国の死亡原因第一位は、ガンです。私達は日常「ガン」という言葉をよく使いますが、「ガン」とは何かと問われると返答に苦しみます。
人間の身体は、約60兆個の細胞から構成されています。これらは常に分裂して新しい細胞が生まれ、古い細胞は破壊され、増えすぎず減りすぎず、適度な調和を保たれています。これは、細胞の中に遺伝子が、細胞の形や働きに等に関する情報が記憶されている部分があり、この遺伝子が細胞の機能を適切にコントロールしているからです。
ガン細胞になる原因は、正常に発育している細胞が、何らかのきっかけで遺伝情報(遺伝子)が狂ってしまい、その結果、細胞全体の成長や老化、そして整合性ある調整から外れて、正常の成長を停止し自律的な異常増殖をおこないます。ガン細胞は増えるに従って発生した臓器の周囲の臓器や・血液等に乗って遠くの臓器にも広がり、そこを破壊し、放っておくとついには死を招きます。
白血病とは
白血病とは骨髄中、あるいは末梢血(体内に流れている血液)中に異常な(ガン化した)白血球が無制限に増加する病気です。骨髄の中にあるスポンジ状の組織で、血液細胞(赤血球、白血球、血小板)をつくる場所です。赤血球は酸素を体内の組織に運搬し、白血球は病原体と戦い、血小板は血液を固めて、出血を止める働きを持っています。白血球はさらに顆粒球とリンパ球に分けられます。白血病は、病気の進行する速度により急性と慢性、異常な白血球の種類により骨髄性(顆粒球系)とリンパ性に分類されます。
一般的に白血球は、芽球と呼ばれる未熟な細胞が骨髄中で分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)し、成熟した白血球となって骨髄から末梢血に出ますが、その数は一定の範囲内に調整されています。しかし、白血病では、腫瘍化した芽球が正常細胞のように分化せず、しかも無制限に増加します。また急性白血病では未熟な白血病細胞のみ増加しますが、慢性白血病では未熟な白血球から正常細胞に見える成熟細胞まで、いろいろな成熟段階の細胞が増加します。慢性骨髄性白血病では、骨髄及び末梢血液中の白血球の一種である顆粒球が異常に増加します。
慢性骨髄性白血病    chronic myelogenous leukemia : CML
病態 慢性骨髄性白血病はゆっくりした経過をたどり、未治療でも数年間は症状がでないこともしばしばです。
病状はゆっくり病気が進行する慢性期が続き、白血病自体による致命的な合併症(感染、出血等)が起こらなければほぼ全例で移行期という時期が訪れ、5年前後で急性転化と呼ばれる時期になります。急性転化では機能を持たない若い白血病細胞が無制限に増えつづけ、はじめは急性白血病のような状態になります。厄介な事に慢性骨髄性白血病が急性転化した際の白血病細胞は、通常の急性白血病のときの白血病細胞と異なり、抗がん剤の効きが悪く、患者の余命は一般的に数ヶ月といわれています。慢性骨髄性白血病の特徴は、染色体(23対46本)の9番目と22番目の一部が相互に入れ替わっています(相互転座)。この転座した22番目の染色体をフィラデルフィア染色体(ph1)と呼び、通常、この異常な染色体を検出して確定診断します。
慢性骨髄性白血病の発病はやや男性に多くすべての年齢層に起こり得ますが、40歳〜50歳前後に多くみられます。発症の頻度は約20万人に1人の割合です。
症状 病気の初期では多くの場合無症状です。この時期には、検診等の血液検査で白血球数が増加しているため、偶然に病気が発見されることもあります。現在は検診が普及したため無症状の時期に発見される場合が増えています。白血球数の増加の程度は、発見された時期によって差がありますが、一般的に末梢血1μl当たり数万から十数万と異常高値を示します。
白血球数が増加するに従って、全身倦怠感、無気力、夜間の寝汗、体重減少等の症状が出現します。また、脾臓(左上腹部にあり、血液中から古くなった血液細胞を除去したり、リンパ球をつくる臓器)の腫大に伴う腹部の膨満感もしばしばみられます。この脾臓の腫大は無症状の場合も含めて90%以上の場合に存在します。そして胃腸を圧迫することにより、上に述べた腹部の症状が起こります。
急性白血病と異なり、貧血、出血、感染症の合併が初診時にあらわれることはまれです。
治療方法 慢性期においては抗白血病薬(ハイドレア等)の内服と、インターフェロンの自己注射(連日から週に数回)で病勢をコントロールします。インターフェロンは約8割強の人が、増加していた白血球数が減り、約1割の人がフィラデルフィア染色体が消失します。インターフェロンにより長期に生存する患者もみられますが、まだ多くはなく、現在のところ完全に治療する方法は、骨髄移植しかない状況です。また、移植の成績も急性転化の時期よりも、慢性期に行った方が良いので、患者の年齢によっては、診断がつき次第、直ちに骨髄移植を検討することになります。
医療費について
血液疾患の場合、治療期間が長期にわたり、治療費用も多額になるケースが多いようです。健康保険の自己負担部分だけでも1ヶ月数十万円、また、健康保険対象外の差額ベットに入れられてしまうと、1日当たり数千円から数万円、ある大学病院の特別室は1日10万円もかかる場合があります。ちなみに私が骨髄移植をした入院期間(4ヶ月半)、病院に支払った治療費は約250万円、うち約190万円が高額療養費として社会保険事務所から還付され、実質的な負担は、約60万円でした。(この金額は安い部類に入る思います。)
また、骨髄バンクに支払った費用は約50万円でした。(健康保険適用外)
高額療養費
平成13年1月1日以前
1人の人1ヶ月(歴月、つまり1日から末日)が、同じ医療期間に支払った自己負担額が6万3600円(低所得者世帯場合は3万5400円)を超えた場合、超えた金額が払い戻されます。また、高額療養費の対象月が年4回以上のときは、4回目から3万7200円(低所得者世帯の場合は2万4600円)を超えて払った金額が払い戻されます。(低所得者世帯とはおおむね生活保護基準の1.5倍以下の収入です。)
なお、これは自分で、管轄の社会保険事務所、健康保険組合、市区町村に申請しなければなりません。
高額療養費の負担上限を、今国会(2000年春)で上限負担額を引き上げる、健康保険法改正案が見送られそうです。
もし、法案が成立すると、月収により負担額が変わり、月収56万円以上の人は、月額上限が12万1800円になります。
ちなみに、高額療養費の対象にならない主なものは次のとおりです。
@差額ベッド代や病院での食事代
A高度先進医療費
B自由診療扱い分
C骨髄バンク関連費用
平成13年1月1日から(改正後)
自己負担限度額  63,600円+(医療費―318,000円)×1% に変更。(つまり改悪)
ただし、標準報酬月額が56万円以上の方の場合は、
           121,800円+(医療費―609,000円)×1% となります。(以前に比べ自己負担額が
いっきに倍に。)
一年間に4回以上対象となる場合、4回目からは従来どおりの37,200円ですが、標準報酬月額56万円以上の方の場合は、70,800円で、これもほぼ倍増となり、かなりの負担増となります。
市町村民税非課税世帯は従来通りです。
高額療養費の貸付
高額療養費が還付になるまで、通常約3ヶ月ほどかかります。この当座の支払い資金の為に、高額療養費として支給される見込み額の90%以内を無利子で貸し付ける制度があります。申請するところは上記と同じです。
傷病手当金
サラリーマンが加入している健康保険では、業務外の病気やケガのために働けなくなった人は、傷病手当金を受取れます。
傷病手当金は、「療養」のために仕事を4日以上連続して休み、給料がもらえない場合に、4日目から受けとれる手当金(病欠期間中の生活保障)です。ここでいう「療養」とは、入院をしているときに限らず、自宅療養も対象となります。手当金を受取れる期間は、給付開始から1年6ヶ月の範囲内です。
受取れる金額は、1日つき標準報酬月額(月給)の6割です。(組合健保や共済組合の場合はさらに付加給付がある場合あります。)
申請するところは、高額療養費と同じです。(組合健保の場合は会社の総務部など)
国民健康保険には傷病手当金はありません。(保険組合の場合、傷病手当金制度を設けているところもあるそうです。)
休職中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)
サラリーマンの社会保険料は、たいていの会社であれば毎月の給与から天引きされています。この保険料は労使それぞれ2分の1ずつ負担しています。病気やケガで休職し給与の支払いがストップすると、会社(使用者)が負担していた社会保険料もストップします。ということは、労働者個人が社会保険料全額を負担しなければなりません。たとえば、いままで社会保険料を月に3万円支払っていた人は、休職し給与がもらえなくなると倍の6万円の負担になります。これは患者にとって、医療費の支払い、収入の減少に追い討ちをかけるよう重くのしかかってきます。
生活福祉資金
所得の低い世帯の人や、高齢者世帯の人が病気やケガをした場合、必要な医療費や経費を生活福祉資金から借りることができます。借りられる金額は25万円以内(特別な場合は42万円以内)。年利3%で5年以内に返還します。
申込みは、民生委員もしくは福祉事務所を通じて、居住地の都道府県社会福祉協議会に提出します。
特殊疾病医療費助成
特定疾病には、@国庫補助対象疾患(41疾患)と、A各都道府県単独の対象疾患(東京都では22疾患)あります。血液関連の疾患では「再生不良性貧血」が対象です。
給付額 : 健康保険の自己負担部分
受給方法 : 都道府県知事等の発行する「特定疾患医療受給者証」を病院窓口で提示します。
給付期間 : 1年を限度としますが、必要に応じて更新されます。
手続き : 担当医療機関の指示に従って下さい。
問合せ先 : 居住地の保健所または病院の医療相談室等
小児慢性疾患医療費助成
小児の慢性疾患のうち、小児ガンや慢性腎疾患などの特定疾患(10疾患)にかかったとき、健康保険等により治療を受けた際自己負担部分が支給されます。医療券の取り扱いしていない医療機関および保険薬局では、いったん立替払いする必要があります。悪性新生物・先天性代謝異常・慢性血液疾患などが含まれます。
受給方法 : 「小児慢性特定疾患医療受給券」を病院窓口で提示します。
給付期間 : 1年を限度としますが、必要に応じて更新されます。
手続き : 医療費助成申請書・診断書・住民票を居住地の保健所に提出します。
問合せ先 : 居住地の保健所または病院の医療相談室等
対象年齢 : 18歳未満(継続治療が必要な場合は、満20歳まで延長できる地域があります。)
医療費控除
1年間に支払った医療費の合計が、ある一定額を超えると、その超えた部分を所得から差し引くことができます。これが「医療費控除」です。医療費控除を行うことにより、税金(所得税)が軽くなります。ただし、すべての医療費が対象となるわけではありません。また、民間の医療保険等からの保険金で、医療費に対して補填される金額があれば、医療費から差し引かなければなりません。
この医療費控除による所得税の還付は、自分で確定申告することによって受けられます。(この手続きは年末調整ではできません。)
普段、確定申告をする必要のないサラリーマンなどにとっては少し面倒ですが、納めすぎた所得税が還付され、それと同時に翌年の住民税も安くなるので見逃せません。
世帯主および世帯主と生計を一つにする配偶者その他の親族が、1年間(暦年=1月1日〜12月31日)に支払った医療費の総額から、医療保険等からの保険金による補填額を差し引き、そこから10万円または所得金額が200万円未満の人は所得金額の5%を引いたものが医療費控除額となります。(限度200万円)
控除の対象となるの医療費は、その年に実際に支払ったものに限られます。未払いとなっている医療費は実際に支払った年に控除されるので注意が必要です。
サラリーマンなどの給与所得者で確定申告書を提出していない人であれば、還付申告をせずに後から気がついた場合には、5年分までさかのぼった分の還付が受けられます。
医療費からマイナスする保険金、マイナスしない保険金は下記のとおりです。
マイナスする 高額療養費、医療保険金、入院給付金等
マイナスしない 傷病手当金、所得補償保険金等
医療費控除の対象となるもの
通常、医療費控除の対象となる医療費は次のようなものをいいます。
@医師に支払った治療費用
A治療、療養のための医薬品の購入費用(薬屋さんで買った風邪薬もOKです。)
B治療のためのあんま・マッサージ師、はり師、きゅう師、柔道整復師などに 支払った施術費用
C入院・通院のための交通費で通常必要なもの(タクシー代は病状により判断)
D入院や在宅療養の際、保健婦や看護婦、付き添い婦などに療養上の世話を依頼したときの費用
E助産婦による分娩の介助費用
F診療や治療などを受けるために直接必要な費用
医療費控除の対象とならないもの
@美容目的の整形手術の費用、歯列矯正費用
A健康増進や疲労回復のための医薬品の購入費用
B人間ドックでの健康診断のための費用
C健康のためのマッサージやはりの費用
D親族に支払う療養上の世話を依頼したときの費用や食事代
E医師や看護婦に対する謝礼金や贈答品代
F入院・通院のための自家用車のガソリン代
G入院時に使う寝巻きなどの身の回り品
骨髄バンクの関連費用は医療費控除の対象になるか?
血液疾患の患者が骨髄移植を受けるために骨髄バンクに支払う患者負担金を医療費とみなすかは、税務署により対応が違うようです。認められない場合もあるそうですが、私の場合は認めてもらうことができました。(平成9年度)
ガン保険
ガン保険には本当に入っていて助かりました。10年ほど前に加入しましたが、その時はまさか自分が保険金を受取る事になるなんて、思ってもいませんでした。
ガン保険の良いところは、
1.診断給付金が出ること
 ガンと診断された時点で、ある程まとまった保険金を受取れます。(ガン診断給付金) これは、ガンで入院した場、ある程度まとまった金額の治療費を立て替えなくてはならないので、当座の費用として大変役立ちました。
2.ガン入院給付金に入院日数制限がなく、入院している間は、期間の制限がありません。
 一般の生命保険の疾病入院特約や医療保険では、1回の入院日数の制限があり、その多くの契約は1入院の制限が120日になっており、保険期間の通算限度日数も700日から730日の契約がほとんどです。
また、1入院の120日分を、フルに保険金を受取ったあとの入院は、1回目の退院日から180日経過しないと給付金がおりない契約が一般的です。ガン保険には、このような期間的制限を設けてない契約が多いです。
生命保険
健康なときは、生命保険やガン保険の必要性を感じている人は、とても少ないと思います。まして、若い年齢の人であればなおさらです。でも、生命保険は一度病気をしてしまうと、保険に入りたいと思っても、保険会社から引受けを断られたり、割増保険料を支払わないと契約できなくなります。ガン患者の場合、たとえ完治したとしても、まず引受拒絶となります。
転ばぬ先の杖として、健康なうちに生命保険やガン保険を検討し、手配しておきましょう。(白血病は0歳でも発病してしまうのですから。)
ステロイド剤の副作用
ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)は、抗炎症作用や免疫抑制作用などを有し、多くの疾患に広く使用されています。私も1998年12月から現在まで約1年半服用しています(私の場合は「プレドニン」というステロイド剤)。ステロイド剤はある意味、劇的な症状の改善をみることができるので「魔法の薬」とも呼ばれています。しかし、長期服用していると、多種多用な副作用が出てくる薬です。以下に、ステロイド剤の副作用について、まとめてみました。多くの場合は、ステロイド剤の減量とともに副作用は改善されます。
☆重大な副作用
@易感染症
ステロイド剤はその免疫抑制作用により、細胞性免疫および体液性免疫を抑制する作用を持ち、また抗炎症作用は白血球の運動を阻害する可能性をもつ。これにより、細菌が繁殖しやすく、感染症にかかりやすい。
A耐糖能異常
肝臓での糖新生と、筋・脂肪などの末梢組織でのインスリン感受性の低下によるとされている。
B精神変調
感情のコントロールができにくくなる。多幸感をもたらす。(ハイになる。)
C筋、骨格系の異常
骨粗鬆症、無菌性骨頭壊死(大腿骨、上腕)、ステロイドミオバチ―(足の筋力低下)。
D消化性潰瘍
上腹部痛、胸焼け、悪心。
E血栓症
ほとんどが静脈系の血栓症である。好発部位は下肢である。病変部位の疼痛および腫脹、その末梢の浮腫みが特徴とする。
★その他の副作用
@内分泌系
月経異常、更年期症状の促進がみられることがある。
A脂質・たんぱく質代謝
満月様顔貌(ムーンフェイス)、野牛肩。
B体液・電解質
浮腫み、低カリウム血症、高脂血症、高血圧、うっ血性心不全。
C皮膚
創傷治癒遅延、アクネ、多毛、ステロイド紫斑(毛細血管がもろくなるため)、皮膚萎縮、発汗増大。