<質問5> 毎日の食べ物は安全基準をクリアしていれば安心ですか。 <考え方5> いっしょに考えていきましょう。 もともと安全基準とは誰のために何のために策定されたのでしょうか。 おおやけにはすべて人体に対する影響を考えて決められています。言い換えれば 「もともと人体に害のある事が動物実験でわかっている」ので人体に置き換えた 場合の安全な基準を決めているのです。医学的には「人体にとって一定量以上摂 取すると障害をきたすことがわかっていますが、本来健康な方が持っている通常 の免疫力さえあれば人体には害は無いだろう」という基準のことを言います。 ここでは普段からいかに免疫力を高めることが重要なのかご説明するつもりです。 それではここで基準を決めている厚生労働省がどのようなことをやっているのか 見てみましょう。 2000年12月に策定された「食の安全推進プラン」を紹介いたします。 1. 食品添加物の安全性確保の推進 2. 食品中残留農薬の安全性確保の推進 3. 食品用の動物に残留している動物用医薬品の対策推進 4. 抗生物質耐性細菌(バイコマイシン耐性腸球菌)による食品汚染防止 5. 輸入食品の安全性確保の推進 6. 食中毒対策の推進 7. 異物混入防止対策の推進 8. HACCP(ハサップ:総合衛生管理製造過程)の推進 9. 食物アレルギー対策の推進 10. 遺伝子組み替え食品の安全性確保の推進 11. 器具・容器包装およびおもちゃの安全性確保 12. 内分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)の調査研究の推進 13. 食品中ダイオキシン等の調査研究の推進 14. 食品衛生行政の推進と情報の提供・公開 この中で人体に害を及ぼす「毒」といえるのが残留農薬とダイオキシンです。 すぐには影響が出ないが長い期間摂取し続けると「毒」になるものが食品添加物、 動物用医薬品、遺伝子組み替え食品と環境ホルモンです。どれも新聞をにぎわ しているので一度は聞いたことがあると思います。 ここであえて「毒」という言葉を使ったのは体に悪いことがわかっているのであ れば「毒」を使ったほうが良いと考えたからです。巷でよく目にするトレーラー を思い出してください。燃料とか化学薬品を運んでいるあのトレーラーです。 大きな文字で「毒」「危険物」と書いてありますよね。わかりやすい表示ですね。 これと同じように「食品についてもはっきりと表示すべき」と考えますが出来 ないのはなぜなのでしょうか。理由があります。農薬については雑草と病虫害 との戦いで明け暮れる農家を救うために、農水省が「食べる人体」のことでは なく「作る農家」のために認めてきた長い歴史があるのです。これによって農 作業がすごく楽になり、生産量も飛躍的に伸びました。小さな日本で多くの作 物を効率よく生産するためにどうしても必要だったのです。 しかし、農水省や農家ばかりも責められないのです。それは「見た目のよさ」で 食品を選ぶ消費者が農家の行動を誘発しているのです。多少虫食いだろうがい やむしろ「虫食いのほうが農薬を使っていない安全な食品なのだから良いのだ」 と日本人の感覚が変わらないと問題は解決しないのかもしれません。 しかし、無農薬野菜や無農薬米が高価で取引されるなど、消費者の意識が高ま ってきていることを証明しているので多少は良い方向ですが、すべての野菜の 残留農薬検査を実施したら所沢のダイオキシン問題以上のパニックになるかも しれません。つまり必ず残留農薬があるのです。野菜類は必ず良く洗ってから 食べましょう。 心配な方はホワイトパウダーに5分間浸してから食べてください。 食品添加物も同様です。豊な食文化で味や品質を追及した結果なのではないで しょうか。 輸入野菜や果実はもっと深刻です。輸入は船で長い時間をかけて運びますよね。 その間に何も処理をしなければどんなことになりますか。腐ったり虫に食われ てしまいます。それを防止するために防腐剤やホルモン剤などが使われていま す。また、オレンジなどは収穫前に生みつけられた害虫の卵が輸送中に孵化し て成虫となり傷つけてしまうのです。これには大量の殺虫剤の中にオレンジを 漬け込んでから輸出するのです。 国内に入るときは検疫が行われますが残留農薬よりも日本の生態系を崩してし まう恐れのある有害な生物の日本上陸を阻止する検疫のほうが優先されてしま うのです。確かに輸入業者はきれいに洗っているから心配ないといっています が、果たして信じていいのでしょうか。害虫の卵は表面にあると思いますか。 害虫だって馬鹿じゃありません。皮の中のほうに産み付けるのです。それを殺 すために強い殺虫剤漬けにするのです。 つまり何が言いたいのかというと果実までその殺虫剤が染み込んでしまってい て食べた時に「苦い」と感じるのはその殺虫剤の成分なのです。 それではどのように安全基準を決めているのでしょうか。残留農薬を例にご説 明いたします。それには、まずADIとは何かを知らなければなりません。 ADIとは日本植物防疫協会発行の「農薬用語辞典」によりますと、「人間がある 物質を一生涯にわたり摂取しても、現在の毒物学的知見からみて、なんら障害 の現れない最大量をいい、人間の体重1kg当りのmg数 (1日摂取許容量・Acceptable Daily Intake)で示しています。 農薬に限らず、食品添加物やその他の化学物質の「安全性」を確認するために、 各種の毒性テストが義務づけられています。 多くの場合、ラット、マウスなどを使って動物実験がされます。急性毒性、慢 性毒性、発ガン性、催奇形性などが試されます。その結果、ある量以下では毒 性を示さない量として、一日当りの「最大無作用量」を導きだします。この量 は、実験動物に対する「無作用量」ですので、そのまま人間に当てはめること はできません。実際は種の違い、個体差を勘案しての安全係数と言うものを掛 けます。そして平均体重50kgの成人を標準としADIを示します。 農薬のADIを求める場合、動物実験で得られたデーターの状況によって違いがあ りますが、だいだい200分の1を安全係数として掛けていました。それがいつの 間にか100分の1とされるようになったのです。ある農薬について、人がその農 薬を設定された全ての作物から採るであろう理論的最大摂取量は表のようにな っています(表は、国会質問に対して、厚生省が提出したデーターより作成。) フェニトロチオンの例を見るとADI、0.25mgに対し、理論的最大摂取量は、 0.24mgでADIの96%を農産物から採ってしまうことになります。 残留基準設定34農薬の理論最大摂取量 mg/人50kg/日 農 薬 名 ADI 理論最大摂取量 割合% 1 アミトラズ 0.06 0.05 83 2 アルジカルブ 0.05 0.03 60 3 エチオフェンカルブ 5.00 2.035 41 4 エデイエェンホス 0.125 0.04 32 5 エトキシキン 3.00 0.10 3 6 オキサミル 1.00 0.65 65 7 キノメチオネート 0.30 0.21 70 8 グリホサート 7.50 1.015 14 9 クロフェンテジン 0.43 0.18 42 10 クロルピリホス 0.50 0.395 79 11 クロルプロファム 5.00 1.505 30 12 クロルベンジレート 1.00 0.20 20 13 クロルメコート 2.50 0.775 31 14 酸化フェンブタスズ 1.50 1.135 76 15 ジクロフルアニド 15.00 5.265 35 16 ジハロトリン 0.426 0.295 69 17 ジフルベンズロン 0.60 0.225 38 18 シペルメトリン 2.50 1.08 43 19 臭素 50.00 18.765 38 20 ダミノジット (基準値はNDのため論理最大摂取量は算出不能) 21 デルタメトリン 0.50 0.40 80 22 トリクロルホン 0.50 0.31 62 23 バミドチオン 0.40 0.19 48 24 パラチオンメチル 0.75 0.585 78 25 ピリミカーブ 0.90 0.415 46 26 ピレトリン 2.00 1.455 73 27 フェニトロチオン 0.25 0.24 96 28 フェンスルホチオン 0.15 0.01 7 29 フルシトリネート 1.25 0.40 32 30 ペルメトリン 2.40 1.565 65 31 ベンダイオカルブ 0.20 0.01 5 32 マラチオン 1.00 0.965 97 33 マレイン酸ヒドラジド 25.00 14.75 59 34 メトプレイン 5.00 1.51 30 ND:検出せず 農産物には、多種類の農薬が使用されているので、個々の農薬を合計すれば 結構な量になるし、また、その場合の相乗毒性についても、配慮しないとい けないのに基準には全く配慮されていません。 また安全係数についても100分の一に緩めたのも納得いきません。 問題点を整理してみましょう 残留農薬、食品添加物などそれぞれの安全基準は決めたが合計量は決めてい ないし、相乗毒性についても全く議論されていないのです。また、政治的な 問題でその基準を甘くしているものがあることも大きな問題です。 今までは食べ物の話ですが、視点を変えると環境庁の問題も見逃せません。 もっと生活に密着した水と空気の問題です。飲み水に溶け込んでいる有害物質、 空気中の窒素酸化物やダイオキシンなど。人体の70%を占める水。一時も休む ことの出来ない呼吸。こちらのほうがもっともっと重要かもしれません。 放射線なども忘れては置けません。 ではどうしたらよいのでしょうか。 日常から免疫力を高め、体を蝕む有害物質に打ち勝たねば生きてはいけない のではないでしょうか。つまり心と体の健康を維持することです。それには 免疫力を高める健康食品や、適度の運動、明るい毎日を過ごすことも大切です。 それには現代の西洋医学に見られる対処療法だけでは限界が見えます。 これからは「病気にならないための医学」を西洋医学だけでなくさまざまな 民間療法も視野に入れて研究すべきと考えます。医学を科学的に実証できな いと保険適用にならない国の保険制度も見直しの時期にきています。 患者が自ら医療を選べその効果に対して保険の適用が認められるようになっ たら良いと思います。