インフルエンザとエイズに対する効果

インフルエンザウイルスとエイズ
ウイルスに対するカバノアナタケ
抽出物の効果について (第51回北海道公衆衛生学会1999)より転載 



佐久聞和夫(株式会社サラダメロン)、野昌新一(元道衛研)、
伊木繁雄・矢野昭起(道衛研)

要約: 北海道名寄産の野生アナタケの熱水抽出物のリグニン分画は、試験管内において、イヌ賢臓
細胞であるMDCK細胞およぴヒトりンパ球であるMT-4細胞を使用して、それぞれインフルエ
ンザウイルスおよぴエイズウイルスの増殖抑制効果を試験したところ、インフルエンザウ
イルスAソ連型、A香港型、B型に対しては、それぞれ125ug/m1,166.7 ug/m1,333.3ug m1
以上、エイズウイルス1型に対しては62.5 ug/m1以上で効果のあることが判明した。

目的:国内でも多い時は一冬に100万人におよぶ患者の発生するインフルエンザについて
治療薬を目指して試験管内で、カパノアナタケが有効であるか否かを知ることを目的とし
た。また、エイズの患者は、世界的にも、また日本でも年々増加する傾同にある。エイズ
治療薬としては、日本でも5種類の薬剤が認可され治療に使用されているが、いすれも薬
剤耐性を圭じ、かつ、副作用を発現するなどのため長期の使用が出釆ない。カパノアナタケ
は、北海道において古くから民問では癌に効力があるとして飲用されており、
歴史的にも生薬に類したものとして副作用のないことが確認されている。インフルエンザ
同様エイズに対しても有効性があるか否かを知ることを目的とした。

方法:北海道産の野生カパノアナタケの熱水抽出物からリグニン分画を取り出した。リグニン分画 
の調製は、(財)北海道薬剤師センターに依頼した。

(1)インフルエンザウイルスに対する効果判定
細胞培養液MEMに4単位の結晶トリブシンを加えて維持培養したイヌ腎臓由来のMDCK細胞
を使用し・カパノアナタケ拙出物リグニン分画が、インフルエンザウイルス Aソ連型、A
香港型・B型によって生じる細胞変性を抑制する効黒を試験した。Aソ連型としてはA/北海道
/1/96(H1N1)株、A香港型としてはA北海道/1/98(H3N2)株、B型としてはB/北海道
/4/97株を使用した。インフルエンザウイルスは100TCID/50の量を使用した。37℃のC02
インキュペーターを使用し、3-4日後に判定した。細胞培養には、48ウェルのフラツト
型ブレートを使用した。

(2)エイズウイルスに対する効果判定
細胞培養液RPMI-1640に牛胎児血清の10%を加えて培養したヒトリンパ球由来のM丁一4細胞
を使用し、カバノアナタケ抽出物リグニン分画が、エイズウイルス1型(・B株)によっ
て生じる細胞変性を抑制する効果を試験した。エイズウイルスは100TCID/50の量を使用し
37℃で6日後に判定した。この試験は、道衛研の安全実験室内の安全キヤピネット内で行
い、細胞培養には、96ウエルのU型マイクロブレートを使用した。

結果:カパノアナタケリグニン分画のインフルエンザズウイルスおよぴエイズウイルスに
対する効果を下表に示した。HIV-1(・B)ウイルスに対する細胞変性抑制効果は100%の
抑制を効果とした。


インフルエンザウイルスに対する効果
エイズウイルスに対する効果 
A/北海道/
1/96(H1N1)
A/北海道/
1/98(H3N2)
B/北海道/
4/97
125ug/m1以上 166.7 ug/m1以上333.3ug/m1以上

HIV-1(・B) 
62.5ug/m1以上 


考察:カパノアナタケリグニン分画は、試験管内細胞において、イソフルエンザおよぴエ
イズウイルスの増殖を抑制した。これらの結果により、両ウイルスに対する共通な抑制物
質の将来的研究の発展が待たれる。 


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