《ケース1》A子さんの場合
A子さん31歳主婦。五年前に結婚し、四歳の1児の母。夫はやさしく問題はありません。
A子さんは、子供を虐待していることが悩みでした。
母として子供を決して愛していないとは思っていません。それどころか
いとおしくて大切に思っています。誰もが同じ思いのはずです。
ところが、子供と接している時、何故だか解らないけど、自分の感情が時々コントロール出来ないくらい
怒りでいっぱいになってしまうのです。
そんなときは、気が付かないうちに子供に八つ当たりをしていたり、無視したりしてしまいます。
最近、テレビのニュースで虐待のことを知るにつけ、
自分も虐待する母なのではないかと、悩んでいたのです。
A子さんは、自分の過去をふりかえってみました。
そこで明らかになったのは、A子さんの家庭環境です。
A子さんのお母さんは、いつもお父さんに暴力を受けていたのです。
そのせいで、お母さんはいつも、自分のことで精一杯。A子さんの世話にまで、手が回りませんでした。
A子さんには、お母さんに抱きしめられたり、ほめられたりというスキンシップの記憶がなかったのです。
今、A子さんは、はっきりと自覚しています。自分もDV被害者だということを。
そして、子供を愛せないのではなく、愛し方が解らなかった。
愛情の表現方法を学んでこなかったからだという事を。
・・・自分が暴力を受けたのではなくても、確実に影響を受けるものです。
A子さんのように、世代間連鎖という影響は、早く断ち切りたいものです。
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