ドメスティックバイオレンスとは

配偶者や恋人など親密な関係の男性による暴力を「ドメスティックバイオレンス」といいます。
問題なのは、この暴力によって、「うつ病」や「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)など 被害を受けている女性に精神的な影響を及ぼすことが多いのです。
夫からの暴力は、女性に直接的な被害を与えるだけでなく、将来にわたり深刻な苦しみを 与えていることが、世界保健機関(WHO)の調査でも明らかになっています。
「自殺を図る確立」がDV経験者は「経験なし」の31倍にも達するそうです。
また、精神安定剤や睡眠薬の常用も2.7倍です。
更に深刻なのは、子供への悪影響です。
親の暴力を見たり感じたりするだけで、子供が受ける精神的打撃は大きく、 「攻撃的になる」「夢をみてうなされる」 など情緒不安定になります。
暴力は、肉体的攻撃だけに限りません。
精神的暴力(ことばによるもの・態度によるもの)もDVとなります。

繰り返される暴力

暴力は強いものから弱い者、権力のあるものから無いものへと向けられます。
その代表が、夫から妻への暴力です。
妻は、家庭の中で起こった事を決して誰にも言わず、外では明るく振舞うのです。
夫は、妻を自分の所有物と思っているのか、暴力を正当化します。
驚く事に、愛情表現だという人もいるのです。
口では対抗できなくて、つい手が出るという人、また、ことばで解らないから、 からだで教えるという考え方の人もいます。
これが習慣化していくと、理由もなく殴るのです。
まるで言いがかりとしか思えません。
このとき「何故?殴るのか」と思いやっても解決はしません。
どうやって暴力から逃げるのかを考えるのが先決です。
彼らは、殴るのに理由など要らないのですから。
暴力が嗜癖になってしまった場合、暴力行為そのものと同時に相手への関係への嗜癖もあるのです。
『パタードウーマン―虐待される妻達』レノア・E・ウォーカー著
に暴力の三相説として、第一期・緊張の高まり、第二期・激しい暴力、第三期・やさしさと悔恨そして愛情 という嗜癖的暴力についての説明があります。
暴力をふるう人は自分の行動を肯定してはいないし、ふるわれる側も相手を刺激しないように緊張の関係 を保っています。
その関係が何かのきっかけでくずれ、コントロールの効かない暴力が発生します。 暴力をふるわれる妻達は、どうやっても暴力をふるう夫を説得できないし、コントロールも出来ません。 そして、嵐が過ぎ去るのをただじっと待つのです。
暴力が収まり、緊張が解き放たれたあと、夫の態度は一変します。
やさしい後悔する夫の謝罪のことばや態度は、まるで人が違ったように愛情にあふれています。 この三相が一定の時を経て繰り返されるのが暴力の嗜癖です。
これは、アルコール依存症と同じように、習慣化していくのです。
嗜癖的暴力の解決の第一歩は、とにかく加害者から離れることだといわれています。 殴るための言い訳を探している人の相手をする事は、無駄な抵抗だと気が付くことが大切です。