名医の名言 |
| その一 |
「生活習慣病は知性の病気である」― 河盛隆造さん(順天堂大学教授) |
| 本を読んだり話をきいていて,この先生いいこというな,と思うことがあります。埋もれさせてしまうのはもったいない「名言」を,改めて新しい形で紹介することにしました。 |
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河盛隆造さんは順天堂大学教授で糖尿病の大家です。昨年の日本糖尿病学会の会長をつとめた方です。「生活習慣病は知性の病気」という言葉は,2001年11月の札幌医大での講演で聞きました。 「生活習慣病は知性の病気」
というのは――肥満とか高血圧,高脂血症,糖尿病というのは名前だけは誰でも聞いたことのある・ありふれた病気だが,これらの病気に対しては,知性を持ってきちんと対応しないとどうにもならない,という意味です。ほんとにそうだと思います。 「知性の病気」に関連して,河盛さんはこんな話もしました。まず,患者は「自分自身のナースであれ」―全身の状態を見れるのは自分でしかない,医者ではわからないのだから,という意味です。第二に,患者は「主治医の助手であれ」―運動であっても,やるのは医者でなく自分なのだから。第三に,患者は「化学者であれ」―薬物療法で,例えばαグルコシダーゼ阻害剤を,なぜ食前に飲まなければならないのかを,知ること。いい話です。 「知性」と聞いて顔をしかめる人もいるようです。でも「知性」とは,きちんと事をわけて考える能力といっていいでしょう。つまり誰でも努力すれば持てるようになるものだとぼくは考えています。付け加えれば,学歴とは関係ありません。日本中で,学歴の高い割に知性の低い人が最も多く集まっているのは,東京の永田町と霞が関じゃないかと思っています。 |
その二 |
「体重計 乗っただけでは 下がらない」−河盛隆造さん(順天堂大学教授) |
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前回と同じ講演でお聞きして,なるほどと思ったものです。何気なくさらりと言ったことが,相手によってはグサリと胸に突き刺さるのは,名言だからです。 |
その三 |
「80歳より前に心筋梗塞,脳卒中を起こすのは人災」
(アメリカの心臓医) |
| 昨年の4月の札幌で第66回日本循環器学会と併行して開かれた市民のための公開講座で,かなりの数の名言を聞いてきました。
今回紹介するのは,駿河台日本大学病院循環器科助教授の久代登喜男さんが「高血圧情報最前線」という話の中で引用されたものです。だれでもドキッとするんじゃないでしょうか。いや,ドキッとしてくれないと困ります。 わかれば簡単な話ですね。 |
その四 |
「糖尿病放置病と,その5つの分類」−繁田幸男さん(滋賀県立医大名誉教授・日本糖尿病財団理事) |
| 一昨年6月に札幌で開かれた「医療職のためのパワーアップ糖尿病研修講座」 で聞いて,なるほどと,身につまされたものです。 読んで字の如し,説明は不要でしょう。なお,"糖尿病放置病"は次の5つに分類されるといいます。 1.糖尿病未病の放置 2.糖尿病発症後の放置(これは60%に及ぶ) 3.基本療法の放置 4.薬物療法の放置 5.インスリン療法の放置 白状すると,ぼくは1を数年,2を10年以上もやっていました。 「後悔,先に立たず」,皆さんはいかがですか? それにしても「糖尿病発症後の放置」が60%に及ぶというのは恐ろしい数字です。患者も医者も鈍感だからなんでしょうか。 |
その五 |
「男55才,女65才までに病気になるとしたら,それは早過ぎる」−島田和幸さん(自治医大内科学講座循環器内科学部門 教授) |
| 〔昨年,札幌での講演で〕 「生活習慣病とは」という演題で話された言葉です。「正しい知識を持つことの大切さ」を強調されていましたが,ぼくは,「自発的治癒力を甦らせることが,その具体的な実現の方法だと考えています。それにしても身につまされる言葉です。 |
その六 |
「生活習慣病は,自業自得病…」―大内尉義さん(東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座 教授) |
| 昨年,札幌での講演「高齢社会を生きる―心臓と血管を守ろう」で話された言葉です。 ぼくが聞いたかぎりでは,こう言い切ってもかまわないようなニュアンスで話されていました。ちょっと間をあけて「…だという人もいるくらいだ。 ちょっと言い過ぎかと思うが…」と付け加えました。ぼくは,断言して いっこうにかまわないと思って聞きました。そう思いたくなる人がいかに 多いことか…。 |