《ミネラル・ノート》(文責:C)
トップページに

ミネラルについての雑学的ノートです。

第1回:ミネラルについて(2003.9.6.) (2003.9.14.追加)
第2回:マクロミネラル
第3回:ミクロミネラル


第1回:ミネラルについて(2003.9.6.)(2003.9.14.追加)

第1回目はミネラルあれこれとして網羅的に書きます。
・有名な元素の周期表には111の元素があります。原子番号1の水素(H)から原子番号111の元素(存在は確認されているものの名前は付いていません)までの111元素です。

1.最初に人間の体にどのような元素がどのくらい含まれているか、また人間においての必須性が確認されているものはどれかについて見てみましょう。
元素名人間の体内の存在量(%)体重1Kgあたりの存在量人間における必須性哺乳動物における必須性
多量元素酸素O65.0650g必須必須
炭素C18.0180g必須必須
水素H10.0100g必須必須
窒素N3.030g必須必須
カルシウムCa1.515g必須必須
リンP1.010g必須必須
少量元素イオウS0.252.5g必須必須
カリウムK0.202.0g必須必須
ナトリウムNa0.151.5g必須必須
塩素Cl0.151.5g必須必須
マグネシウムMg0.151.5g必須必須
微量元素鉄Fe85.7mg必須必須
フッ素F42.8mg不明必須
ケイ素Si28.5mg不明必須
亜鉛Zn28.5mg必須必須
ストロンチウムSr4.57mg不明必須
ルビジウムRb4.57mg不明不明
鉛Pb1.71mg不明必須
マンガンMn1.43mg必須必須
銅Cu1.14mg必須必須
極微量元素アルミニウムAl857mcg不明不明
カドミウムCd714mcg不明不明
スズSn286mcg不明必須
バリウムBa243mcg不明不明
水銀Hg186mcg不明不明
セレンSn171mcg必須必須
ヨウ素I157mcg必須必須
モリブデンMn143mcg必須必須
ニッケルNi143mcg不明必須
ホウ素B143mcg不明必須
クロムCr28.5mcg必須必須
ヒ素As28.5mcg不明必須
コバルトCo21.4mcg必須必須
バナジウムV21.4mcg不明必須
(桜井編:元素111の新知識、講談社、1997年、p343の表を改変して引用)

これによると人体には多量元素6種類、少量元素5種類、微量元素9種類、極微量元素14種類の合計34種類の元素があることになります。
これらの元素が人間にとって必須のものであるか不明なものも存在します。


2.次に栄養摂取の点からミネラルについて見ていきましょう。
・ミネラル(mineral)という言葉はしばしば必須食餌性無機成分(essential dietary inorganic elements)のことに使われます。しかし、これらの成分のいくつかはミネラルではなく、正確には「元素(elements)」が適切な言葉です。
このような状況ですが、人体に多く含まれる元素はミネラルであるため、食餌性マクロミネラル(dietary macrominerals)と呼ばれます。

マクロミネラル
これには、リン(P)、イオウ(S)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、塩素(Cl)、マグネシウム(Mg)の7種類あります。
元素名原子番号元素記号英名
リン15PPhosphorus
イオウ16SSulfer
ナトリウム11NaSodium
カルシウム20CaCalcium
カリウム19KPotassium
塩素17ClChlorine
マグネシウム12MgMagnesium


*注:人体に含まれる元素で多いのは炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)の4種類ですが、これらはミネラルとは呼びません。

ミクロミネラル
微量元素(Trace elements)とも呼ばれますが、人体に鉄(Fe)よりも少量含まれるものを言います。
これには、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、フッ素(F)、ヨウ素(I)、セレン(Se)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、ヒ素(As)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、リチウム(Li)の19種類があります。
元素名原子番号元素記号英名
26FeIron
29CuCupper
亜鉛30ZnZinc
フッ素9FFluoride
ヨウ素53IIodine
セレン34SeSelenium
ケイ素14SiSilicon
ホウ素5BBoron
ヒ素33AsArsenic
マンガン25MnManganese
モリブデン42MoMolybdenum
コバルト27CoCobalt
クロム24CrChromium
バナジウム23VVanadium
ニッケル28NiNickel
カドミウム48CdCadmium
スズ50SnTin
82PbLead
リチウム3LiLithium

(Katz,Daniel L.Overview of Clinically Relevant Micronutrient Metabolism,p27-32;Nutrition in Clinical Practice,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,2001)


3.その他のミネラル
・某清涼飲料水にミネラル成分として様々な元素が含まれているとの未確認情報を見た事があります。
情報内容の根拠はともかくミネラル名として挙げられているものを書いてみましょう。
元素名原子番号元素記号英名生体での役割、必須性
ベリリウム4BeBeryllium 必須性は不明。毒性あり
スカンジウム21ScScandium必須性は不明。人体に微量に存在
チタン22TiTitanium必須性は不明。人体のチタンの平均濃度は0.015-0.11ppm。毒性は低い。欠乏症や過剰症は知られていない。
ガリウム31GaGallium生体との関係はないようだとの記述
ゲルマニウム32GeGermanium必須性はないとされる
臭素35BrBromine必須性は不明
ルビジウム37RbRubidium必須性は不明。人体には約0.32g存在。高濃度では有害との記述
ストロンチウム38SrStrontium必須性は不明。人間は毎日2mg程度摂取している。ストロンチウムイオンの毒性は低い。
イットリウム39YYttrium必須性は不明
ジルコニウム40ZrZirconium 必須性は不明。食物とともに相当量を摂取していると考えられる(食物中に3-10ppm含有)
ニオブ41NbNiobium必須性はないと考えられる。人間は1日に約0.6mgを摂取している。
ルテニウム44RuRuthenium必須性は不明。近年注目されている
ロジウム45RhRhodium必須性は不明。ロジウム金属やその錯体を経口的に摂取すると弱い毒性を示す。
パラジウム46PbPalladium必須性は不明。アレルギーを起こしうる
47AgSilver必須性は不明。日常の食事から0.0014-0.06mgの銀を摂取している。中毒量:60mg。致死量1.3-6.2g
インジウム49InIndium必須性は不明
アンチモン51SbAntimony必須性は不明。日常の食事から0.002-1.3mgのアンチモンを摂取している。中毒量は100mg
テルル52TeTellurium必須性は不明。日常の食事から0.1mg以下のテルルを摂取している。中毒量は0.25mg。致死量は2g
セシウム55CsCesium必須性は不明。ヒトのたいする中毒症状は知られていない
バリウム56BaBarium必須性は不明。硫酸バリウムの毒性は低い
ランタン(ランタノイド)57LaLanthanum記述なし
セリウム(ランタノイド)58CeCerium記述なし
プラセオジム(ランタノイド)59PrPraseodynium記述なし
ネオジム(ランタノイド)60NdNeodymium記述なし
サマリウム(ランタノイド)62SmSamarium記述なし
ユウロビウム(ランタノイド)63EuEuropium必須性は不明
ガドリニウム(ランタノイド)64GdGadolinium記述なし
テルビウム(ランタノイド)65TbTerbium記述なし
ジスプレシウム(ランタノイド)66DyDyspresium必須性は不明
ホルミウム(ランタノイド)67HoHolmium記述なし
エルビウム(ランタノイド)68EnErbium記述なし
ツリウム(ランタノイド)69TmThulium記述なし
イッテルビウム(ランタノイド)70YbYtterbium記述なし
ルテチウム(ランタノイド)71LuLutetium記述なし
ハフニウム72HfHafnium必須性はない。金属ハフニウムの最高許容濃度は0.5mg/m3とされる
タンタル73TaTantalum必須性はない
タングステン74WTungsten必須性はない。食事から1日に約8-13mcgのタングステンを摂取している
レ二ウム75ReRhenium必須性は認められていない。動物の組織中にレ二ウムの存在が確認された報告はない
イリジウム77IrIridium必須性は認められていない。人体に対する毒性は報告されていない
白金78PtPlatinum必須性は不明
79AuGold必須性は証明されていない。健康な人間では髪、肺、血液などに極微量含まれている
タリウム81TlThalium必須性は不明
ビスマス83BiBismuth必須性は不明
トリウム90ThThorium記述なし

(生体での役割・必須性は「元素111の新知識」講談社、の記述によった。)


第2回:マクロミネラル
第3回:ミクロミネラル