《活性酸素》 (最終改訂:2003.8.31.)
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 ここでは、活性酸素について書きます。



*『活性酸素の話 病気や老化とどうかかわるか』(永田親義著、講談社ブルーバックス、1996年)
*『生命にとって酸素とは何か』(小城勝相著、講談社ブルーバックス、2002年)
*Linus Pauling Institute(http://lpi.orst.edu/)
を主な参考資料としました。
その他にはそれぞれの項目ごとに参考にした資料を追加記入します。

*活性酸素とは
*人間と活性酸素の関係
*活性酸素の作用と活性酸素が関連する病気
*活性酸素とガン
*活性酸素に対する防御機構:抗酸化剤と抗酸化酵素
*活性酸素と酸化ストレス

***活性酸素とは***

 活性酸素は水や酸素から生成し、酸素そのものよりも活性(反応性)に富んだ分子種です。この活性 酸素は人体の中で生成されます。  活性酸素という言葉とともによく使われる「フリー・ラジカル」「酸素ラジカル」と「活性酸素」の 違いについて書きます。 〈フリー・ラジカル〉  原子は中心に核がありその周囲の軌道上を電子が回っているという構造です。軌道には電子が2個ず つ入る事ができ、2個の電子が対を作っています。この対を作っている電子が1個なくなると対が出来な くなり、残った1個の電子を不対電子(対を作る相手のいなくなった電子)といい、不対電子をもつ原子 (または分子)を「フリー・ラジカル」といいます。 〈酸素ラジカル〉  フリー・ラジカルのうち酸素に関係したものを「酸素ラジカル」(酸素フリーラジカルの略)と呼び ます。 〈活性酸素〉  最初に書いたように酸素よりも活性な酸素分子種です。  人間の体の中で生成される活性酸素は4種類あります。 (1)スーパーオキシドアニオンラジカル:酸素分子に1個の電子がついたもの     不対電子をもっているので「フリー・ラジカル」です。また酸素に関係したフリーラジカルなの    で「酸素ラジカル」でもあります。 (2)ヒドロキシラジカル:不対電子をもった水酸基(・OH)     「フリー・ラジカル」であり、「酸素ラジカル」でもあります。 (3)過酸化水素     不対電子をもっていないので「フリー・ラジカル」ではありません。 (4)一重項酸素     不対電子をもっていないので「フリー・ラジカル」ではありません。  活性酸素は水や酸素から生成されますが、人間が生きていく上で避けて通る事のできないものです。私 達が生活している地球上には宇宙から宇宙線という放射線が降り注いでいます。また地殻の岩石には微 量ですが放射性物質が含まれています。これらの放射線により体のなかで水から活性酸素がつくられます。 放射線以外にも発ガン物質など体内で活性酸素を作り出すものがあり、私達は絶えず体内に取り込んでい ます。また、人間は酸素呼吸を行いその酸素を使って生きていますが、その過程で活性酸素が生成される のは避ける事のできないものです。  活性酸素は人間が生きていく上で重要な役割を果たしている一方、老化や病気の原因になると考えられ ています。 〈活性酸素の必要性〉  体内で行われる酵素反応を促進したり、人体を構成する細胞内で情報伝達の役割を果たしています。 また、体内に侵入した細菌を撃退します。

***人間と活性酸素の関係***

 人間(成人)は毎日の基礎代謝を維持していく為に最低でも1日500Lの酸素を消費しています。酸素 分子の数としては20ガイ(2x10の20乗)を1日に取り入れています。この膨大な数の酸素分子の 数%は普段でも活性酸素などの活性分子種に変換されています。この活性分種はヘムタンパク、生体チオ ール、DNAなど様々な生体成分と反応して生理機能を発現しています。(これは人体にとって必要な働き です)。一方、人体にとって有害な働きである病理作用も発揮しています。  放射線がDNAに作用して偶発的に癌の発生率を2倍にする放射線量(偶発癌倍加線量)は約0.2Gy/day (1日0.2グレイ)です。健康な人の体の中で発生する活性酸素は1億倍(10の7乗)にも達します。と ころが人間の体には巧妙な機構が備わっていて、活性酸素の多くは体内の抗酸化防御システムにより制御 されていて、通常時は主に生理機能を維持する目的に積極的に利用されています。つまり、人体にとって 必要な働きをしているのです。  この監視制御システムをくぐり抜けた活性酸素は人体を構成する細胞を健康時には徐々に、そして病気 の時には急激に障害します。障害が軽いものであればたんぱく質、糖質、脂質は修復する事が出来ますが、 修復できない程度のDNAの変性や遺伝子変異は人体に蓄積し、やがては生体の統御能を崩壊させることに なります。  活性酸素の多くは反応性は高いのですが、その寿命は短いものです。人間のように酸素を多量に必要と する生物には活性酸素が発生する場所(細胞内や組織)に抗酸化消去物質や防御酵素が高濃度にあり、発 生した活性酸素を発生した場所で処理し人体に悪影響が及ばないようにすることが出来ます。 (井上、西川:活性酸素とNO−その生理機能と病理機能ー、医学のあゆみ、190(10):902-907,1999.9.4. を参考にしました)

 

***活性酸素の作用と活性酸素が関連する病気***

 活性酸素は先に書いたように非常に反応性に富んでいます。また、細胞や組織に特異性を持っていませ ん。「特異性がある」とは特定の対象にだけ作用を及ぼすことですが、活性酸素は特異性を持たないため 不特定の対象(細胞や組織)に作用を及ぼします。(相手構わず攻撃を仕掛けるということです。) このような性質のため広い範囲に様々な障害作用を発揮します。  一般に脂質、糖質、核酸、蛋白質などが障害を受けますが、なかでも脂質は活性酸素の作用を受けやす く、生体膜(蛋白質と脂質から出来ています)の脂質中に局在する高度不飽和脂肪酸が活性酸素の標的に なりやすいのです。この時、脂質過酸化反応がおこり、膜構造の破壊や受容体構造(細胞膜に受容体があ り、細胞の外からの情報を受け取る大切な部分です)の傷害が起こります。 〈活性酸素の作用〉  活性酸素の作用を列記します。 (1)血管内皮細胞障害:血管の内側にある細胞が血管内皮細胞です (2)血管透過性の亢進:血管は細胞が石道路のように敷き詰められた壁を持っていて、必要に応じて             血管の中にある細胞や液体が血管の外に出てきます(血管透過性)。 (3)ライソゾーム酵素遊離 (4)ヒスタミン遊離 (5)血小板凝集の亢進:ケガをして出血した時、いつまでも出血し続けることはなく止血します。             止血では最初に血小板が集まり塊を作ります。この機構が血小板凝集機構で             すが、体の中の血管の中で血小板凝集が進みすぎると血管がつまる事があり             ます。 (6)血管上皮への白血球付着:白血球は体に入ってきた細菌を撃退する為に大切な働きをします。           細菌が入ってきて炎症を起こしている場所に白血球が集まる為には血管の中を           流れていき、特定の場所で血管から出て行かなければいけません。血管から出           て行く第1段階が血管を作る細胞に付着するということです。 (7)コラーゲン結合の亢進 (8)白血球遊走因子の生成 (9)変性LDLの生成 (10)リンパ球幼若化の調節 (11)ヒアルロン酸の分解による低分子化 (12)α1−アンチトリプシン(α1−プロテアーゼインヒビター)の不活化 (13)ロイコトリエンの不活化 (14)癌化 (15)殺菌      〈活性酸素が関連する病気・疾患〉  活性酸素が関わって起こると考えられている病気・疾患を列記します。活性酸素がどの程度関わっ ているのか、どのように病気が起こるのか、全てが充分に解明されてはいません。 ・老化  ・動脈硬化  ・虚血性心疾患  ・脳虚血  ・脳外傷  ・炎症  ・胃粘膜障害 ・膵炎  ・腎炎  ・クローン病  ・潰瘍性大腸炎  ・虚血性腸炎  ・ストレス性胃腸障害 ・薬剤性肺障害  ・パラコート中毒  ・肺気腫  ・気管支喘息  ・化学発癌  ・転移癌 ・播種性血管内凝固症候群(DIC)  ・多臓器不全(MOF)  ・自己免疫疾患  ・ショック ・成人呼吸窮迫症候群(ARDS)  ・白内障  ・未熟児網膜症  ・糖尿病  ・溶血性疾患   ・ポルフィリン血症  ・地中海性貧血  ・パーキンソン病  ・アルツハイマー型痴呆   ・てんかん発作 ・紫外線障害  ・放射線障害  ・凍傷  ・熱傷 (有井、今村:活性酸素、フリーラジカル、JOHNS、14(3):279-282、1998を参考にしました)

***活性酸素とガン***
 活性酸素とガンの関係を見ていきます。
体を作っている正常な細胞がガン細胞になります。正常細胞が多数集まり体を作っていますが、細
胞同士がお互いに調和をとり、規律を保って体の機能を果たしています。個々の細胞には一定の寿
命があり無限に分裂増殖する事は出来ません。ところがガン細胞は他の細胞や組織、器官と調和を
取ることなく勝手に増殖しつづけます。これはガン細胞が自律性を持っているということです。ま
た無限に分裂増殖しつづけます。しかも体が本来持っている正常な機能を損なってでも増殖します。
その為にガンになった人間が死ぬ事になってもガン細胞は自律的増殖をつづけるのです。ガンのガン
たる所以です。


これは正常な歯茎の組織像です。ただし人間
のものではありませんが、基本的には同じで
す。歯茎は粘膜ですが、粘膜上皮と粘膜固有
層から出来ています。その下には粘膜下結合
組織があります。

(この画像はK氏に提供いただきました。)

これはガンの発生した歯茎です。上のものと
同じく人間のものではありませんが、基本的
なものは同じです。歯茎を作る粘膜上皮から
出来たガンなので、医学的には癌腫(扁平上
皮癌)といいます。悪性腫瘍を一般にガンと
呼びますが、医学的には癌腫と肉腫があり、
もとになった細胞の種類により分類されてい
ます。

(この画像もK氏に提供いただきました)
《発ガンのメカニズムーイニシエーション、プロモーション、プログレッションー》

 人体を作る正常細胞がガン細胞に変わっていく過程はイニシエーションとプロモーションという
2つの段階からなる二段階説によって説明されます。

(1)イニシエーション(Initiation)
 発癌物質が細胞の中にあるDNAと結合する事によって突然変異がおこり、DNAがもっている正常な
遺伝情報が狂ってしまう過程です。DNAの遺伝情報は4種類の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、
チミン)が数多く連なって(塩基配列)いるのですが、1個の塩基が変わってしまうもの(点突然変異)
や一部分(複数の塩基配列)が欠損するものなど数種類の変異があります。これらが単独でまたは組み合
わさって変異を起こす事によってガン化への第1段階が起こります。
 この作用は比較的短時間(発癌物質は24時間以内にDNAに結合し、その後突然変異を起こします)で
完了します。イニシエーションを受けた細胞は正常細胞ではありませんがガン細胞でもありません。この
細胞はドーマント細胞といわれ、休眠状態の細胞です。

(2)プロモーション(Promotion)
 プロモーターと呼ばれる物質が細胞膜に結合し細胞内に情報を伝える、プロモーターが細胞内の細胞
質にあるたんぱく質に働きかけその結果核のなかにあるDNAに影響を与える、といった広範囲にわたる
作用により、イニシエーションを受けた細胞をガン細胞に変える第2段階です。
 イニシエーションは比較的短時間で完了するのに対し、プロモーションは長い時間(何ヶ月、何年)
作用する事に加え、絶え間なく作用して初めてガン細胞になります。


 このようにして1個のガン細胞が出来ますが、病気としてのガンになるにはこの1個の細胞が長い
年月をかけて分裂増殖しガン細胞の塊ができることが必要です。この過程をプログレッション
(Progression)といいます。

 発癌物質はイニシエーションの段階で働きます。一方活性酸素はプロモーションの段階で働きます。

***活性酸素に対する防御機構:抗酸化剤と抗酸化酵素***
 人間は酸素を呼吸により体内に取り入れエネルギーを得ています。その過程で活性酸素が発生
する事は避ける事の出来ないことです。活性酸素は生体にとって必要な物質ですが過剰に存在す
ると生体にとって有害な作用を及ぼす事があります。ところが人間の体には活性酸素を除去する
機構が備わっています。

細胞膜に存在するビタミンEや水溶液中に含まれるビタミンCやグルタチオンのような抗酸化剤
と呼ばれる物質です。
抗酸化剤とは別に抗酸化酵素もあります。抗酸化剤と抗酸化酵素が生体が身につけた活性酸素に
対する防御機構です。

抗酸化剤
 細胞には各種の抗酸化剤が含まれています。

*ビタミンC:アスコルビン酸と呼ばれる物質です。水によく溶けます。溶けると陽子を出します。
       ビタミンCは強い還元力を持っています。反応する相手物質があれば水素原子
       や電子を与える事が出来ます。相手物質が活性酸素(ラジカル)であれば、
       水素原子や電子を与える事によってラジカルでない物質に変えることが出来
       ます。この性質によって、ビタミンCは水溶液中で強力な抗酸化剤の役割を
       果たします。
       水素原子や電子をラジカルに与えるとビタミンCは酸化されますが、細胞内
       の酵素によってふたたび元のビタミンC(酸化されていない)に再生され、
       新たに抗酸化剤として働く事が出来ます。

  *ビタミンCは水溶性ですが、大量にとると体内でシュウ酸に変換されます。これが、
   カルシウムイオンと結合すると不溶性になり、腎臓結石を作ることがあります。
   ビタミンCの1日所要量は成人で100mg程度です。薬剤として補給する場合には、
   1日量を1g以下にする事が賢明という指摘があります。

*ビタミンE:ビタミンEには4種類あります。アルファートコフェロール、ベータートコフェロール、
       ガンマートコフェロール、デルタートコフェロールです。
       このうち人体で最も強い効果を持つのはアルファートコフェロールです。
       ビタミンEは脂溶性(水に溶けない)のため細胞膜の中で脂質と一緒に存在します。
       ビタミンEには抗酸化作用があります。細胞膜の脂質に抗酸化作用のあるビタミンE
       があるということは実に理にかなったことです。酸化ストレスにさらされると、まず
       細胞膜にある脂質が酸化されて細胞膜が弱くなります。このように酸化ストレスが
       ターゲットとする細胞膜に抗酸化作用をもつビタミンEが存在し、酸化ストレスに
       抵抗できるようになっているということは、酸素呼吸する人間にはなくてはならない
       機構です。

    *ビタミンEの1日必要量は大人で15mgといわれています。
   アメリカ合衆国において食事からとるビタミンEは男性で約9mg、女性で約6mgと報告され
   ています。
            (2000.National Academy Press,USA)

   ビタミンEの安全性については1日の摂取量が2000mg以下では副作用はほとんど起こらない
   と報告されています。
   またビタミンEをサプリメントとして摂取した場合の副作用は数週間から数ヶ月しか続かない
   と多くの研究で言われていますが、長期間にビタミンEを過剰摂取した場合の研究は充分には
   行われていません。最も重篤な副作用は血液凝固機能が障害され出血しやすくなる可能性があ
   るということです。
   このために1日に摂取するビタミンEの上限を1000mgに設定しています。
       (Food and Nutrition Board of the Institute of Medicine,2000.4.)
       
    **ビタミンEの量をあらわす単位にIUがあります。IUとmgの関係を見てみると、
     天然のビタミンE(またはd-アルファートコフェロール)では
        100IU=67mg
     合成のビタミンE(またはdl-アルファートコフェロール)では
        100IU=45mg
   という関係があります。

*グルタチオン:グルタチオンは3つのアミノ酸(グルタミン酸、システイン、グリシン)が結合して
       できています。グルタチオンに含まれるシステインというアミノ酸はSH基というイオウ
       (S)を含んだアミノ酸です。このSH基は還元作用が強く、抗酸化剤として働きます。
       活性酸素の過酸化水素や脂質ヒドロキシペルオキシドは生体に有害な作用を及ぼす
       化合物です(酸化ストレスになります)。これらの化合物とグルタチオンは反応し
       て無害な化合物に変えます。

*セレン:セレンは必須ミネラルでセレノシステインという物質の形でタンパク質に含まれています。
       セレンを含む代表的なタンパク質がグルタチオンペルオキシダーゼという酵素です。
       上にグルタチオンのことを書きました。グルタチオンが過酸化水素や脂質ヒドロキ
       シペルオキシドを無害な物質に変えるのですがこのときにグルタチオンペルオキシ
       ダーゼが働きます。


*カロチノイド:カロチノイドには活性酸素のようなラジカルが結合し、ラジカルの安定化が起こり、
       生体にたいする攻撃力が弱くなります。このためカロチノイドには抗酸化作用がある
       といわれています。実際に人間の体の中で抗酸化作用をするのかということはこれか
       らの研究結果をまつ必要があります。

*フラボノイド:フラボノイドは植物に多く含まれる化合物の総称です。試験管内では抗酸化作用が
       あることははっきりしているのですが、食事としてとった時どのくらい吸収するのか、
             血液中の濃度はどのくらいか、基本的なことは研究段階です。
       血中のコレステロールを低下させたり、抗腫瘍作用があるとも言われていますが、これ
       らについても研究段階です。

*カテキン:フラボノイドの1種であるカテキン類は緑茶に多く含まれる成分です。
       緑茶を1日10杯以上飲むと胃癌や心臓血管系の病気になるリスクが低くなるという
       疫学調査があります。
       抗酸化作用が人間のからだのなかで起こるのかについてはまだ研究段階です。

*プロポリス:ミツバチが木の樹脂などを分泌物と混ぜたもので、フラボノイドのような抗酸化剤が
       多く含まれています。ネズミを使った実験ではプロポリスは酸化ストレスを緩和し、
       抗酸化作用を持つことが分かっています。

    *人間の場合に抗酸化作用を持つのかはそのような資料を現時点では見たことがあり
      ませんので分かりません。
     人によってはプロポリスに対してアレルギー反応を起こす事はあるようです。



抗酸化酵素
*スーパーオキシドジムスターゼ:この酵素はスーパーオキシド(活性酸素種)を酸素と過酸
     化水素に変える酵素です。
     ここで出来た過酸化水素(これも活性酸素種です)は次にあげるカタラーゼやグルタ
     チオンペルオキシダーゼによって水と酸素に変えられます。


*カタラーゼ:
*グルタチオンペルオキシダーゼ:
   これら2種類の酵素は何れも過酸化水素を水と酸素に変える酵素です 

***活性酸素と酸化ストレス***

 活性酸素にはスーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素の4種類がある
と先に書きました。これは狭義に使った場合の活性酸素です。広義にはこの他に、
・ヒドロキシオキシラジカル(フリーラジカルです)
・アルキルヒドロペルオキシド
・アルキルヒドロペルオキシドラジカル(フリーラジカルです)
・アルコキシラジカル(フリーラジカルです)
・次亜塩素酸ラジカル(フリーラジカルです)
・フェリルイオン
・ぺリフェリルイオン
・一酸化窒素(フリーラジカルです)
なども含まれます。

 人間はエネルギー産生のために酸素を必要とします。このことにより必然的に体の中に活性酸素
が生じてしまいます。これに対し生体は種々の抗酸化機構を備え、活性酸素による障害を未然に防
御しています。
このように、生体では酸化と抗酸化が微妙なバランスを保つことにより生命を維持しています。
このバランスが酸化のほうに傾いた状態が酸化ストレスです。

 酸化ストレス状態では活性酸素により生体内のタンパク質、脂質、核酸などが変性を受け、さま
ざまな臓器障害を起こします。

 血管は酸素を全身の臓器に送る大切な働きをしていますが酸化ストレスにさらされやすいと考え
られています。血管の内面をつくる血管内皮細胞やその外側にある血管平滑筋細胞で作られる活性
酸素は高血圧や糖尿病など心臓・血管合併症が問題になる病気と深い関わりがあることが分かって
きました。
つまり、酸化ストレスは心臓・血管の病気そのものの発症に重要である他、高血圧や糖尿病の発症
にも関わっている事が分かってきたのです。

(この項は安東:「酸化ストレス、NO産生と糖尿病、高血圧の関連」内科、87巻5号:900-904、2001
を参考にしました)