【簡単説明編の続き】
整体誕生の歴史
 昔の日本武術の中には「整体」と称する技術が存在していましたが、今のような技術体系になってきたのは大正時代に入ってからのことです。遡ること明治44年に現在の厚生省にあたる国の機関(内務省)が日本の伝統医学であった按摩術を免許制にし、次いで大正9年にもマッサージに対する取り締まりを行いました。当時の東洋医学的立場の治療家はこれに反発し、そのころ日本に流入してきたカイロプラクティックやオステオパシー等の技法を導入し、東洋医学と武道医学の考えを合わせてなんとか統合しようと試みました。その結果誕生したのが「整体」という新しい技術形態です。整体がカイロプラクティックのような科学的・物理的手法と経絡理論や内臓体壁反射などの東洋医学理論の混合形であるのはそういった背景があったからです。
各流派ごとの傾向性
以下の図は、いくつかの有名な整体・近接領域の技術を傾向性ごとにまとめたものです。参考にして下さい。

>>>意識的にアプローチしている部位<<<
磯谷式力学療法 操体法 姿勢保健均整法
PNF 野口整体 推拿療法

整体の定義について
 整体という言葉を正確に定義することは現時点では困難です。というのも、「整体」という領域は明確に系統だった歴史や学問が存在しない分野であり、そのために様々な技術が混在し各流派や団体がそれぞれに異なった見解を示しているからです。歴史的に見ても、初めから様々な技術が混合されたものが「整体」と呼ばれていたのであって一つの技術体系として誕生したわけではないのです。もしこれらのうちで共通項を見出すならば「骨格へのアプローチ」ということである程度落ち着きますが、「簡単説明編」でも記述したように現在の整体事情には当てはまりません。気功や波動、オーラやリンパへのアプローチ等を主とする整体もあり、そう一概に言いきることも出来ないのです。そもそも整体という言葉自体、これほどまで社会に普及したのは、一説によると野口整体の創始者・野口晴哉さんの功績によるという話もあり、そうなると野口整体の手法、気功を併用した脊椎へのアプローチが現在使われているところの「整体」の意味概念であるということにもなります。
現在ある整体の技術形態
 以下は整体を技術体系ごとに分類したものです。
@純粋にカイロプラクティックやオステオパシーの技術を使っているものの、整体という名前の方が一般的に通りがいいため整体と称している技術。
A基本的にはカイロプラクティックの技術であるが、一部軟部組織へのアプローチも含まれているもの。
Bいわゆる「もみ療法」に近い軟部組織へのアプローチが中心となる技術。
C経絡理論を活用した圧迫操作が基本となる技術。
D生体の反射作用を利用したもの。
E気功を主とするもの。
F波動調整が目的の技術。
Gリンパへのアプローチが主となるもの。
H以上をうまく組み合わせた技術。
流派の違いによる見解の差について
上記した通り、整体に対する考え方は流派によって異なります。骨格への直接的な手技を整体だと定義している団体もあれば、筋肉へのアプローチと骨格の矯正が整体だと定義している機関もあり、一定の基準がないというのが現状です。科学的手法による実証の難しい分野であり、また一つの領域として発展途上である技術のために、一致した見解が見出せないのです。
 整体に限らず、多くの領域でこのような事態はありました。しかし、技術が洗練され理論が確立していく中で、流派や考え方の違いは統合され、あるいは淘汰されてその業界全体が同じ価値観・技術形態を持つようになったのです。代替医療が注目を集める中、整体の分野もそろそろこのような時期にさしかかってきたのではないでしょうか。その具体的方法は「整体の学問化」です。これまでに洗練され統合されてきた領域は例外なく学問化の推し進められてきた分野です。整体も学問化していくことでより高次の理論・技術を持つようになるのではないでしょうか。




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