1,発熱時の注意

ならば青信号ならば赤信号

小児科医を訪れる子どもたちで最も多い症状に発熱があります。感染症などで子どもが発熱した時、ご両親にまず望みたいことは、子どもは病気を治すために、一所懸命に体温を高めているのだということです。一般的にいって、病気を引き起こす病原体は熱に対して弱いのです。したがって、体温を高めるのは細菌やウイルスの病原性を弱める上で大変効果的なのです。一方、体温が上昇すれば、白血球をはじめ体内の感染防御機構の働きも強められます。こうした両面から見て、発熱というのは、感染症への対応としては、ヒトにとって最も有効な手段となるのです。

せっかく病気を治そうとして、子どもが体温を高めているのですから、それをむやみに下げるような愚をおかしてはなりません。そうはいっても、子どもが発熱したときに、それが心配ない熱なのか、そうでないのか親として見極めなければなりません。しかし、それは簡単に判断することが出来ます。

子どもは自分で病気を治そうとして熱を出しているわけですが、その際、自分でもある程度の高さで体温を調整できなくてはなりません。それには末梢の血管を拡張する必要があります。その場合には、顔や手足は赤くほてっていて、身体に触れると熱く感じられます。このような時は、自分で体温を調整出来ているのですから、他に心配するような症状がなければ、そのまま様子を見ていてさしつかえありません。ただし、体温が42度を超える時は、体温調節中枢が働いていない、つまり脳がおかされている可能性があるので医師の門を叩かなければならないのです。

一方、滅多にないことですが、体温が高いのに手足や唇に赤みがなく、身体が冷たく感じられるときは、放置しておいてはいけません。こうした時は、病気が重いか、子どもの自然治癒力が減退していることが考えられるからです。

一言でいえば、子どもが発熱した場合、「赤ければ青信号、青ければ赤信号」と心に留めておいてください。

自宅で様子をみる時には、まず十分に発汗させるために薄着にすること(特に上半身)が大切です。アメリカの小児科の本には、子どもが発熱したら上半身を裸にするようにと書いてあるものもあるほどです。短期間で解熱するはずの熱が長びく例のほとんどは、着せすぎ・掛けすぎです。厚着・厚掛けをすると、汗で汗腺がふさがれるために、いつまでたっても熱が下がらないのです。

発汗すれば身体から水やミネラルが失われていきます。したがって、水や野菜スープなどをゆっくりと十分に飲ませて、一刻も早く発熱前の身体の状態にバランスを戻すように心がけていただくことが肝要です。

まとめ

1,水ぼうそうやおたふくかぜにかかったら1週間は治るまでにかかります。この期間を「力づく」で短縮することはできません。

2,かぜをひいて熱が下がっても、生体内の変化がすべて正常に戻るのには一定の期間が必要です。

3,熱のこわさより、解熱剤(薬)の乱用のこわさを自覚しましょう

4,熱が出て身体がだるいときは、素直に休むのが身体に一番良いことです

5,熱が出たときにむやみに栄養価の高いものを補給してはいけません。

食欲がないのに無理に食べさせるのは止めましょう。

「病気は偶然に発するのものではない。その人の過去の生活スタイルの歪みから生じた結果である」