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☆ 備考( |
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◇ 躁鬱病 ◇
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概念
内因性の精神障害で精神分裂病とともにその代表的な疾患である。 明らかな発病のきっかけがなく、あってもそれで悲哀感、抑鬱感あるいは 爽快感といった感情変調の程度や特続を説明できないものが特徴で、 本庄は感情精神病ともいわれている。 鬱状態と躁状態を循環してくりかえすか、たんに鬱状態あるいは 躁状態のみをくりかえす病型がある。1つの病相期が経過すれば、 原則として病前の正常な状態に回復し、人格障害を残すことがないという 点では予後は良好である。初発年齢は大多数が30歳以前であるが、 鬱病相の出現頻度は20歳前後と50歳前後に高く、躁病相は16〜30歳に 多いといわれている。 原因 一般人の中の罹病率は0.3%程度といわれているが、患者の血縁者の 罹病率はもっと高く、遺伝の関与が考えられる。一方鬱症状あるいは 躁症状において、脳内の感情中枢に病的変化が起こっていることが 推定されているが、脳のこの部分には生体アミンが多量に存在し、 神経伝達物質として機能していると考えられており、躁鬱病の 身体的な原因として、アミン代謝(ドーパミン)の異常が検討されている。 躁鬱病と診断されているもののなかに、前述のように、躁あるいは 鬱病相だけをくりかえすものと両病相を循環するものとでは遺伝様式 もその他の原因も相違し、それぞれ別の生物学的特性をもつものでは ないかという考えがある。 クレッチマーによると病前性格として、社交的であり、また活発で 熱しやすい傾向と穏やかで気重な傾向をもつ群とある循環性格が 認められ、それがなんらかの原因で増強されたものが躁鬱病である と考えられた。下田光造は、几帳面、仕事熱心、凝り性、強い正義感 と責任感といった特徴をもつ執着性格を病前性格として認め、 テレンバッハも鬱病の病前性格をメランコリー型性格とよび、 几帳面、配慮と奉仕、自己にきびしい良心的構えなどの特徴を もつことを示している。そして、この病前性格が現実の生活のなかで の葛藤から尖鋭化し、適応困難におちいり、自己の支えとなる秩序が 維持できなくなった結果、鬱病が発病すると考えている。 症状
鬱状態 身体症状も多く、患者のなかには内科やその他の科を受診することも多い。 よくみられる症状としてまず睡眠障害と入民障害、とくに早朝に覚醒 するのが特徴であり、その他頭痛、肩こり、全身倦怠感、食欲不振、 便秘、下痢、動悸、めまい、性欲減退などが訴えられる。 経過および予後 各病理は数週間あるいは数ヶ月で病前の状態にもどるのが普通であるが なかには半年くらいにおよぶ遷延例(せんえんれい)がある。 鬱病相のほうが躁病相より病期が長く、年齢の高いものほど経過が 長引く傾向がみられる。 治療 軽少なもので患者が多少とも病感をもっており、家族にも理解があれば 外来治療も可能であるが、とくに初回発病の場合は症状が進んでしまって いることが多く、家族にも看護の知識がないので入院が必要となる。 鬱状態の治療は抗鬱薬を主体とした薬物療法が中心である。 抗鬱薬で最も多く用いられるのは三環系抗鬱薬(イミプラミン、 アミトリプチリン、ノリトリプチリンなど)である。 焦燥感が著明であったり、30年位前までは、とくに自殺念慮の 強い患者には“電気ショック”療法も行われていた。 |