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背景
「グリベック」への耐性については、承認前からある程度指摘されており、それに代わる薬として、最初に注目されていたのが、SU11248と呼ばれる開発中の薬でした。グリベックは日本国内では2003年7月にGIST治療薬として承認されましたが、その年の秋、海外ではこのSU11248の治験が始まっています。そして翌年2004年のアメリカがん治療学会(ASCO)で、グリベック耐性GISTに対しSU11248が有効であるとの報告があり、まず最初にアメリカで2006年1月に承認されました。このSU11248が製品名「スーテント」です。日本にも2005年あたりからスーテントの成果に関する情報が入ってきており、グリベックに耐性となったGIST患者は、アメリカ等から個人で輸入し服用する事ができるようになりました。しかしこの薬は大変高額なため服用を断念する方も多く、一日も早い国内での承認と保険の適用が待たれる状態です。 |
| 経緯 |
2003.1 ノバルティス社がCML(慢性骨髄性白血病)の治療薬「グリベック」をGIST治療薬として
効能追加申請。
2003.7 国内でGIST治療薬として承認。
2003.秋 海外でスーテントの治験がスタート。
2004.6 アメリカがん治療学会(ASCO)でグリベック耐性GISTにスーテントが有効との報告。
2005.夏 国内でスーテントの治験が始まる。
2005.8 アメリカでGIST、腎細胞癌を適応としてスーテントの承認申請が出される。
2005.11 国内でスーテントの第U相治験の被験者を公募。
2006.1 アメリカでGIST、腎細胞癌治療薬として承認。
2006.7 欧州委員会がスーテントを条件付で販売承認。
2006.7 厚生労働省がファイザーに対してスーテントの承認申請を急ぐよう働きかけを行う、との報道。
2006.12 ファイザーが日本国内で承認申請を提出
2007.1 欧州委員会がスーテントを腎細胞癌のファーストライン治療として承認
2007.2 アメリカFDAがスーテントを腎細胞癌のファーストライン治療として承認
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| 提出を終えて |
署名活動を始めた当初は、こんなに沢山の署名が集まるとは夢にも思いませんでしたが、
3月28日、13万4739名の熱い思いを無事に厚生労働省へ届けることができました。
まずは、当日ご参加いただいた腎細胞癌患者代表の三川様、GISTERSのメンバーの皆様、
同道してくださった衆議院議員 馳浩様、馳浩事務所の白崎様に、心より御礼申し上げます。
署名を集めるにあたり、特に組織的な動きはいたしませんでしたが、インターネットを通じて、様々な
人、会社、グループからご協力を得ることができました。今回は特に「加賀電子グループ」様、「JR関東バス」様など、会社を挙げて署名集めをしてくださるケースが目立ちました。がん患者に対する差別や、会社内での待遇が問題視される中、このような動きには感銘を受けました。
そして会社単位の話では、私達とは別に、スーテントの早期承認を求める動きもありました。
東京の大西篤志さんという方が、ご自分の会社とそのグループ内で集められた署名を、私達に先だって提出し陳情をされました。これによって厚生労働省に対し波状的に陳情を行うことができましたし、
患者側からの要望を強く印象付けるものとしても、効果が大であったと思います。
一方、個人で活動された皆さんには、「個人情報への意識の高まり」という大きな壁もありました。
活動母体が法人格を持つ患者会でなかった事と、GISTという聞きなれない病名に戸惑う方もいて、
署名を断られるケースが多かったようです。この事は今後活動を続けていく上での大きな課題とも
なりました。
今回の署名活動は一応終了しましたが、スーテントが承認されたとしても、GISTや腎細胞癌を根本から治すことは、まだできません。治癒が望める薬が開発されないかぎり、今回のような活動は延々と続いて行きます。ですから皆で力を合わせ、共に考え声を上げていくことで、これまで以上に治験の促進や新薬の承認を強く要望していくことができるはずです。また、より多くの情報も得ることができると思います。今回の活動期間中、
署名用紙と共に送られてくる皆さんからの手紙には、「少なくて申し訳ありません」という言葉が多く見受けられましたが、今回はまさに「チリも積もれば山となる」を、実践した形となりました。患者の数が少ないから・・と諦めず、ぜひこれからも活動の輪に加わっていただきたいと思います。宜しくお願いいたします。
最後に、今回個人的にご協力いただいたCPSPのメンバーの皆様、キュアサルコーマの皆様をはじめ、署名活動にご協力くださった皆様にも厚く御礼申し上げます。
「スーテントの早期承認を求めるGIST患者の会」 西舘 澄人
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