濾胞性リンパ腫診療ガイドライン

メニューのあるTOPページに行くには
ここをクリックして下さい。

2015年8月29日 濾胞性リンパ腫診療ガイドライン



 29 濾胞性リンパ腫ガイドライン
 29 濾胞性リンパ腫予後の延長
 
** 造血機腫瘍診療ガイドライン

 2015/11/28
NCCNガイドライン 日本語版
造血器腫瘍  非ホジキンリンパ腫


2015年8月29日(土) 15:18 濾胞性リンパ腫ガイドライン
濾胞性リンパ腫ガイドライン
 第75回日本血液学会学術集会(2013年)は、ここをクリックです。

米PDQ(米国国立がん研究所(翻訳更新日 : 2015-06-2))
 「成人非ホジキンリンパ腫の治療」の翻訳版は、ここをクリックです

日本血液学界の造血機腫瘍診療ガイドライン(2013年度版リンパ腫)
は、ここをクリックです。

日本癌治療学会
がん診療ガイドライン 造血器腫瘍 診療ガイドライン
「Ⅱ リンパ腫」は、ここをクリックです。
(↑ 2016/02/14 追記)


2015年8月29日(日) 15:21 濾胞性リンパ腫予後の延長
乳がんの治癒率は高くなっていて、今は80%を超えているともいわれます。
私が罹患した皮膚の前駆がんであるボーエン病も治癒率は90%前後です。

一般検診で胃カメラが使われることはありませんが、人間ドックで依頼者が願い出れば胃カメラが使われますし、吐血をしたり、胃が痛いとか食べられないといって消化器内科に行くと胃カメラをしようと医師にいわれるかもしれません。
胃カメラの性能が上がって、今は胃カメラをすると医師は十二指腸まで診ます。
「ちょっと十二指腸が小さな炎症を起こしていますねえ、少し採って見ますね」
といって内視鏡の爪で引っ掛けて細胞を採取します。
1ヵ月後、結果を聞きにいくと、
「残念ですが、採った細胞の中に濾胞性リンパ腫が含まれていました。」
といわれます。

昔は胃カメラで十二指腸を見るなんてことはほとんどなかったのです。
昔は、胃カメラをして小さな小さな突起物があっても無視されていたのです。
「先生、首のここにおできが出来ているんですが、」
といっても、
「こんなものは誰にでもあるよ」
で終わったのです。

体の中に、最初の濾胞性リンパ腫細胞が出来て、それが5mmの大きさになるのに3年かかったかもしれません。その5mmのものが1cmになるのに、それから2年かかるかもしれません。合わせて5年です。もう5年経ちました。

予後は、濾胞性リンパ腫と確認されてからの期間ですから、発見されるのが5年早まれば、予後が5年延長されることになります。
乳がんの治癒率が高くなったのも、早期に発見されることが多くなったからです。


1995年に濾胞性リンパ腫の告知を受けられた人と、2002年に濾胞性リンパ腫の告知を受けられた人の5年生存率(2000年:リツキサン承認前と、2007年時点:告知時にリツキサン承認済みでの生存率)を調べれば、濾胞性リンパ腫で5年以内に亡くなられる人に対してリツキサンの寄与度がわかります。


上のグラフで「5年」は、横軸の真ん中、4と6の間になりますが、その5年でCHOP+リツキサンが、CHOPよりも2割前後生存率が上がっていることがわかります。
上のグラフをお借りしたのは、ここをクリックです。


上のグラフで、濾胞性リンパ腫尾生存率が50%になるのは、15年前後になることがわかります。
グラフをお借りした先は、ここをクリックです。
そこで、「【濾胞性リンパ腫についてさらに詳しく】」をクリックして出てくる画面です。

PDQの翻訳版に、
「潜行性(indolent)NHLは比較的予後が良好で生存期間中央値は20年にも及ぶ」
と書かれていますが、現段階でその根拠を具体的に示すのは難しいでしょう。
濾胞性リンパ腫はこれまで、3期か4期で生検されて確定することが多かったのですが、小さなしこりでも早期に摘出されて検査に出されれば早期発見が増えることになります。生存期間は濾胞性リンパ腫が確定されてからの期間ですから、早期発見者が増えれば生存期間は当然延長されることになります。
(それをお借りしたのは、ここをクリックです。)


濾胞性リンパ腫の治療法として「標準治療」に最も近いのは、リツキサン単剤治療、R-CVP(R-COPともいうで、R-CHOPからアドリアシンを抜いたもの)療法、R-CHOP療法で、他の治療法は優劣が付け難い状態です。

上で「生存期間中央値」という言葉が使われていますが、グラフにすると「20年」を中心とした富士山のように明確な頂上を有するものにはならず、円盤状のケーキのように、明確な頂上を有しないものになりますから、濾胞性リンパ腫がある程度進んだ状態からは、毎年同じ人数の患者さんが亡くなられるという形です。
早い時期に厳しい状態になられる人の多くは化学療法が奏効しない「治療抵抗性」ですが、それを打開する道は医師によって手探りで模索されている状態でしょう。

ある薬が、寛解まで持ち込む効果かがあるかどうかという問題と、次の再発までの期間を延長する効果があるかどうかは関係していますが別の問題ともいえますから、余計に難しくなります。


濾胞性リンパ腫が体内に発生して、体の防御系である各種免疫をかいくぐって生き延びれば、しばらくは年単位で進行します。
しかし、それがグレードの1や2のままで、瀰漫性に転化しなくても、病気が進めばいつかは短期間での進行が自覚できる状態になります。私の場合ですと、年単位は勿論1ヶ月単位というよりも2週間単位での進行がわかるほどでした。


腫瘍でCRPが上昇し、腫瘍熱が出た時にR-CVP療法を受けて、投薬から1週間ほどは胸に出来たしこりによる息苦しさから開放されたのですが、投薬から2週間で、前回投薬時と同じ状態までしこりが復活しました。治療の効果が限定的な治療抵抗性の状態です。

その後、放射線治療が検討されたものの正月休みを挟むために、一時しのぎのつなぎで使った薬で偶然高い効果が得られたことから今に至ったのです。
ただし、治療に使われる薬は患者によって命に関わる重大な副作用を生じる危険性がありますから、私が使った治療法を皆様にお勧めすることはできません。



造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版
http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_soron.html
造血器腫瘍診療ガイドライン

第Ⅱ章 リンパ腫
Ⅱ リンパ腫
悪性リンパ腫 総論
 わが国における悪性リンパ腫の新規罹患者者は,2005 年で16,991 人とされている。罹患率は,1985 年,1995 年,2005 年で人口10 万人あたりそれぞれ5.5 人,8.9 人,13.3 人と,年々増加傾向にある。男女比は約3:2 と男性に多く,65~74 歳が発症のピークである1)。
 組織学的にホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma:HL)と非ホジキンリンパ腫(non Hodgkin lymphoma:NHL)に大別されるが大半がNHL であり,わが国におけるHL の頻度は全悪性リン パ腫のうち5~10%程度とされている。

1.診断に必要な事項
1)病歴
 問診により,既往症,治療中の疾患,合併症,初発症状,症状の出現時期,全身症状(発熱,体重減少,盗汗など)の有無,必要があれば出生地を記録する。

2)身体所見
 診察により以下の所見を記録する。 

・身長,体重,体温,血圧,脈拍
・Performance Status
・貧血,黄疸の有無,皮疹の有無,胸部・腹部の聴診・打診,腫大リンパ節の有無〔有りの場合,部位(リンパ節領域名,左右),個数,サイズ(最大長径とそれに直行する短径の二方向で測定し,単位はcm を用いる),性状(硬さ,可動性の有無など)〕,触知可能な肝腫大・脾腫大の有無,浮腫の有無
・運動神経麻痺・異常知覚・髄膜刺激症状の有無


3)一般検査
 以下の検査を行う。

・末梢血血球算定(白血球数,好中球数,リンパ球数,腫瘍細胞数,赤血球数,ヘモグロビン 値,血小板数,血液像)
・生化学検査(TP,Alb,ALT,AST,LDH,ALP,γ-GTP,Na,K,Cl,Ca,P,BUN,Cr,FBS,UA)
・血清学的検査(CRP,IgG,IgA,IgM,タンパク分画,可溶性IL-2R,β2 ミクログロブリン)
・ウイルス検査(HBs 抗原,HBs 抗体,HBc 抗体,HCV 抗体,HIV 抗体,HTLV-1 抗体)
・尿検査(糖,タンパク,潜血,沈渣)
・画像・その他の検査〔胸部X 線検査,十二誘導心電図,頸部・胸部・腹部・骨盤Computed Tomography(CT),(必要に応じ)上部・下部消化管内視鏡,骨髄穿刺・生検,心エコー,必要時にはPositron Emission Tomography(PET),頭部CT・Magnetic Resonance Imaging(MRI),髄液検査,動脈血ガス分析〕


4)病理組織診断
 悪性リンパ腫の診断のためには生検による組織病理検査は必須であり,治療前に適切な病変より生検を行う。鼠径リンパ節や腋窩リンパ節は反応性腫大をきたすことがあるため,全身にリンパ節腫脹が認められる場合には頸部リンパ節の生検を行うことが望ましい。開放生検が困難な場合を除いて,針生検のみの病理組織検査は診断には不十分である。
 生検により得られた検体はホルマリン固定パラフィンブロックから薄切標本を作製し,ヘマトキシリン・エオジン染色を行う。その他にも以下のような免疫組織化学検査を行う。

・CD3,細胞質内CD3ε,CD5,CD45
・CD20,CD79a,CD10,免疫グロブリン(細胞質内免疫グロブリン)
・CD56
・CD15,CD30,cyclin D1,bcl-2,bcl-6,MIB1(Ki-67),EBER など



5)その他の検査
 可能な限り検体より細胞を分離し,以下の検査を行う。

・フローサイトメトリー
・染色体分析
・遺伝子解析
・ in situ hybridization


2.病型分類
 悪性リンパ腫の分類としては,WHO 分類(2008)が広く用いられている。悪性リンパ腫が含まれるリンパ系腫瘍は以下の通りに分類されている2)。

前駆リンパ系腫瘍

B 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
T 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫


成熟B 細胞腫瘍

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
B 細胞前リンパ球性白血病
脾B 細胞辺縁帯リンパ腫
有毛細胞白血病
リンパ形質細胞性リンパ腫
重鎖病
形質細胞腫瘍
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALT リンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫(Follicular lymphoma)
マントル細胞リンパ腫
びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫


成熟T 細胞およびNK 細胞腫瘍
---
---

ホジキンリンパ腫
---
---

3.臨床分類
 1982 年に提唱されたWorking Formulation 分類では,病型分類の他にNHL の自然史に基づき,無治療での予後が年単位で進行する低悪性度,月単位で進行する中悪性度,週単位で進行する高悪性度というように悪性度による分類がなされた。1989 年にはアメリカのNational Cancer Instituteより,悪性度による分類に加えて疾患の悪性度,活動性や侵攻性といったaggressiveness の程度を考慮し,低悪性度をインドレント リンパ腫(indolent lymphoma),中悪性度をアグレッシブ リンパ腫(aggressive lymphoma),高悪性度を高度アグレッシブ リンパ腫(highly aggressive lymphoma)に分類した臨床分類が提唱され,この分類が臨床試験で広く用いられてきた。
 WHO 分類における臨床分類は,以下の通りとされている。また,5 年以上の生存が期待できる疾患群をインドレント リンパ腫,5 年以下の生存しか期待できない疾患群をアグレッシブ リンパ腫とする臨床分類も提唱されている3)。

1)WHO 分類を基にした臨床分類

インドレント リンパ腫およびリンパ性白血病

B 細胞

慢性リンパ性白血病/ 小リンパ球性リンパ腫
リンパ形質細胞性リンパ腫
脾B 細胞辺縁帯リンパ腫
有毛細胞性白血病
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALT リンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫(Grade 1, 2)
T 細胞
T 細胞大顆粒リンパ球性白血病
成人T 細胞白血病/リンパ腫(くすぶり型)
菌状息肉症/セザリー症候群


中等度アグレッシブ リンパ腫およびリンパ性白血病

B 細胞

B 細胞前リンパ球性白血病
マントル細胞リンパ腫
濾胞性リンパ腫(Grade 3)

T 細胞

T 細胞前リンパ球性白血病
---
---


アグレッシブ リンパ腫

B 細胞

びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫

T 細胞
---
---


高度アグレッシブ リンパ腫およびリンパ性白血病

B 細胞

B 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
バーキットリンパ腫/白血病

T 細胞

T 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
成人T 細胞白血病/リンパ腫(急性型,リンパ腫型)

NK 細胞

(芽球性NK 細胞リンパ腫)
アグレッシブNK 細胞白血病


2)生存割合でインドレント/アグレッシブ リンパ腫とする臨床分類

インドレント リンパ腫

B 細胞

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
リンパ形質細胞性リンパ腫
B 細胞前リンパ球性白血病
脾B 細胞辺縁帯リンパ腫
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALT リンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫(Grade 1, 2)

T 細胞
---
---


アグレッシブ リンパ腫

B 細胞

マントル細胞リンパ腫
濾胞性リンパ腫(Grade 3)
びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫
B 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫

T 細胞
---
---

NK 細胞
---
---


4.病期分類
 悪性リンパ腫の病変の広がりは治療選択,予後予測に大きく影響するため,病期を正確に把握することは極めて重要である。悪性リンパ腫に対する病期分類は,HL に対して開発されたAnnArbor 分類4)がNHL に対しても用いられている。悪性リンパ腫の基本的な病期決定には,病歴と理学所見,血球算定,生化学検査,胸部X 線検査,頸部・胸部・腹部・骨盤CT,(必要に応じ)上部・下部消化管内視鏡,骨髄穿刺または生検にて行う。

Ann Arbor 分類

Ⅰ期 単独リンパ節領域の病変(Ⅰ)。
またはリンパ節病変を欠く単独リンパ外臓器または部位の限局性病変(ⅠE)。
Ⅱ期 横隔膜の同側にある2 つ以上のリンパ節領域の病変(Ⅱ)。
または所属リンパ節病変と関連している単独リンパ外臓器または部位の限局性病変で,横隔膜の同側にあるその他のリンパ節領域の病変はあってもなくてもよい(ⅡE)。
病変のある領域の数は下付きで,例えばⅡ3 のように表してもよい。
Ⅲ期 横隔膜の両側にあるリンパ節領域の病変(Ⅲ)。それはさらに隣接するリンパ節病変と関連しているリンパ外進展を伴ったり(ⅢE),または脾臓病変を伴ったり(ⅢS),あるいはその両者(ⅢES)を伴ってもよい。
Ⅳ期 1 つ以上のリンパ外臓器のびまん性または播種性病変で,関連するリンパ節病変の有無を問わない。または隣接する所属リンパ節病変を欠く孤立したリンパ外臓器病変であるが,離れた部位の病変を併せ持つ場合。
A およびB 分類(症状)
各病期は以下のように定義される全身症状の有無に従って,A またはB のいずれかに分類される。

1)発熱:38℃より高い理由不明の発熱。
2) 寝汗:寝具(マットレス以外の掛け布団,シーツなどを含む,寝間着は含まない)を変えなければならない程のずぶ濡れになる汗。
3)体重減少:診断前の6 カ月以内に通常体重の10%を超す原因不明の体重減少。

Lugano 分類

Ⅰ期 消化管に限局した腫瘍
  単発または多発(非連続性)
Ⅱ期 消化管の原発部位から腫瘍が腹腔へ進展

リンパ節浸潤
Ⅱ1:限局性(胃のリンパ腫の場合は胃周囲,腸管の場合は腸管周囲)
Ⅱ2:遠隔性(腸管原発の場合は腸間膜,その他では傍大静脈,傍大静脈,骨盤,鼠径)
ⅡE期 近接の臓器または組織へ進展する漿膜の浸潤(実際の浸潤部位。例:ⅡE[膵臓], ⅡE[大腸],ⅡE[後腹膜])
リンパ節浸潤と近接臓器へ浸潤する進展の両方がある場合は,病期は下付きの1 または2 とE の両方が記載されるべきである。例:Ⅱ1E[膵臓]
Ⅳ期 リンパ外への播種性浸潤または消化管病変に横隔膜を越えたリンパ節病変を伴う。

 かつては悪性リンパ腫の病期診断にガリウムシンチが用いられていたが,近年,FDG-PET が感度,特異度とも勝っていることより,ガリウムシンチに代わる検査となった。FDG uptake の程度は悪性リンパ腫の組織型により異なるため,FDG-PET を治療の効果判定に用いる場合には,より正確に判定するために治療前の病期診断時にもFDG-PET を,可能であれば病変の意義をより正確に評価するためにPET-CT を行うことが望ましい。
 消化管原発の悪性リンパ腫は節外病変が主病変であるため,Ann Arbor 分類では病期の進展と乖離することが多い。よって,消化管原発の悪性リンパ腫では,Ann Arbor 分類に加えて国際悪性リンパ腫会議で作成された,いわゆるLugano 分類5)が病期分類として用いられている。

5.予後因子
 悪性リンパ腫は,その組織型により低悪性度,中~高悪性度と大きく二つの予後グループに分けられる。組織学的な予後の分類の他にも,分子遺伝学的な区別や,病期や全身状態などの患者個々の状態によるさまざまな因子が知られている。アグレッシブ リンパ腫における予後予測モデルとしては国際予後指標(International Prognostic Index:IPI)6)が,濾胞性リンパ腫では濾胞性リンパ腫国際予後指標(Follicular Lymphoma International Prognostic Index:FLIPI)7),進行期のホジキンリンパ腫に対しては国際予後スコア(International Prognostic Score:IPS)8)が用いられている。

アグレッシブ リンパ腫

IPI

IPI での予後因子 予後不良因子
年齢
血清LDH
Performance Status
病期
節外病変数 61 歳以上
正常上限を越える
2~4
ⅢまたはⅣ期
二つ以上

年齢調整IPI

年齢調整IPI での予後因子 予後不良因子
血清LDH
Performance Status
病期 正常上限を越える
2~4
ⅢまたはⅣ期

IPI,年齢調整IPI とも予後因子の数によって以下の4 つのリスクグループに分類する。
・IPI

予後因子0 または1:低リスク(Low risk)
予後因子2:低中間リスク(Low-Intermediate risk)
予後因子3:高中間リスク(High-Intermediate risk)
予後因子4 または5:高リスク(High risk)
・年齢調整IPI

予後因子0:低リスク(Low risk)
予後因子1:低中間リスク(Low-Intermediate risk)
予後因子2:高中間リスク(High-Intermediate risk)
予後因子3:高リスク(High risk)
※ 年齢調整IPI は,自家造血幹細胞移植のように,若年者のみで高齢者は対象とならない治療や,高齢者のみを対象とした治療の臨床研究への適応に用いられている。

濾胞性リンパ腫

FLIPI

FLIPI での予後因子 予後不良因子
年齢
血清LDH
ヘモグロビン値
節性病変領域数
病期 61 歳以上
正常上限を越える
12 g/dL 未満
5 領域以上
ⅢまたはⅣ期

予後因子の数により,以下の3 つのリスクグループに分類する。

予後因子数0 または1:低リスク(Low risk)
予後因子2:中間リスク(Intermediate risk)
予後因子3 以上:高リスク(Poor risk)


 FLIPI は,リツキシマブ(R)が導入される以前の時代の,後方視的な検討に基づいて作成された予後予測モデルであった。その後,R 時代に行われた前方視的試験の対象を基にFLIPI2 が作成された9)。

FLIPI2

FLIPI2 での予後因子 予後不良因子
年齢
β2 ミクログロブリン値
ヘモグロビン値
最大のリンパ節病変の長径
骨髄浸潤 61 歳以上
正常上限を越える
12 g/dL 未満
6 cm を超える
あり

予後因子の数により,以下の3 つのリスクグループに分類する。
予後因子数0:低リスク(Low risk)
予後因子1 または2:中間リスク(Intermediate risk)
予後因子3 以上:高リスク(High risk)

進行期ホジキンリンパ腫

IPS

IPS での予後因子 予後不良因子
血清アルブミン値
ヘモグロビン値
性別
年齢
病期
白血球数
リンパ球 4 g/dL 未満
10.5 g/dL 未満
男性
45 歳以上
Ⅳ期
15000/mm3 以上
600/mm3 未満,または白血球分画で8%未満

5 年の予測無増悪割合(freedom from progression of disease)割合は,予後因子の数が0 個で84%,1 個で77%,2 個で67%,3 個で60%,4 個で51%,5 個以上で42%とされている。

6.効果判定規準
 悪性リンパ腫に対する治療の効果判定には,1999 年に公表された「NHL の効果判定規準の標準化国際ワークショップレポート」10)が広く用いられている。効果判定には通常はCT が用いられるが,近年のFDG-PET の普及度と有用性を示唆する検討結果を受けて,効果判定へFDG-PET を導入した「改訂版NHL の効果判定規準の標準化国際ワークショップレポート」が2007 年に公表された11)。これらの効果判定規準は臨床試験の評価を国際的に統一する目的で作成されたものであるが,FDG-PET を用いた効果判定はCT のみで行う効果判定よりも正確に治療効果を反映している12)ため,日常診療における治療の効果判定にも有用である。

7.治療後の追跡
 治療後の追跡・評価の方法は,病型や,臨床試験のもとの診療か日常診療かなどにより異なる。血球算定,生化学検査や画像検査を適切に行い,注意深い病歴の聴取や診察を行うことが,適切な臨床的な判断に重要である。
 追跡の頻度,期間に関する明確な指標を示すエビデンスは存在しないが,ホジキンリンパ腫や治癒の可能性があるアグレッシブ リンパ腫では,完全奏効が得られた場合は治療後の2 年間は2~3カ月毎,その後は最低でも3~6 カ月毎の追跡を3 年間は行うことが推奨される。治癒が困難と考えられるインドレント リンパ腫では,治療後の1 年間は2~3 カ月,その後は3~6 カ月毎の追跡が推奨される。

効果判定規準
[CT のみ,PET は加味しないもの]

総合
効果 標的病変の正常化
ならびにSPD 非標的病変 肝腫大
脾腫
腎腫大 腫瘍関連
症状と
腫瘍関連
検査値異常 骨髄浸潤 新病変
節性 節外性 節性 節外性
CR 正常 消失 正常 消失 消失 正常 陰性 なし
CRu 正常 消失 正常 消失 消失 正常 不確定 なし
75%以上縮小 正常 消失 消失 正常 陰性or
不確定 なし
PR 75%以上縮小 正常 消失 消失 正常 陽性 なし
50%以上縮小 正常or
非増大 消失or
非増大 消失or
非増悪 正常 問わない
(未検可) なし
SD 50%未満の縮小
かつ
50%未満の増大 正常or
非増大 消失or
非増大 消失or
非増悪 正常or
非増悪 問わない
(未検可) なし
PD 50%
以上増大 50%
以上増大 増大 増大 増悪 増悪 陰性化後
の陽性 あり
RD 再腫大 再腫大 再出現 再出現 再出現

CT:Computed Tomography, PET:Positron Emission Tomography, SPD:Sum of the Products of the Greatest Diameters, CR:Complete Response, CRu:Complete Response/unconfirmed, PR:Partial Response, SD:Stable Disease, PD:Progressive Disease, RD:Relapsed Disease

[PET を加味したもの]

総合効果 標的病変のSPD 非標的病変 骨髄浸潤 PET 新病変
節性 節外性 節性 節外性
CR SPD の変化は問わない(未検は不可) 陰性 陰性 なし
PR SPDの変化は問わない(未検は不可) 陽性 陰性 なし
50%以上縮小 正常or 非増大 消失or 非増大 問わない
(未検可) 陽性 なし
SD 50%未満の縮小
かつ
50%未満の増大 正常or 非増大 消失or 非増大 問わない
(未検可) 陽性 なし
PD 50%以上増大 増大 増大 陽性化 陽性 あり
RD 再腫大 再出現 再腫大 再出現

CT:Computed Tomography, PET:Positron Emission Tomography, SPD:Sum of the Products of the Greatest Diameters, CR:Complete Response, CRu:Complete Response/unconfirmed, PR:Partial Response, SD:Stable Disease, PD:Progressive Disease, RD:Relapsed Disease

 悪性リンパ腫の再発は,8 割以上が臨床症状の出現により発見されるとされている13)14)。定期的にCT を行うことで臨床症状が出現する前に再発が発見される場合もあるが,早期発見が予後改善につながるかは明確ではない15)。よって定期的なCT による追跡は,コストを含めた患者利益を十分に検討した上で行うことが望ましい。定期的なPET による追跡は有用性を示す根拠はなく,推奨されない16)17)。





http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_1.html#cq5
第Ⅱ章 リンパ腫
Ⅱ リンパ腫
1 濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)
総論
 濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)は代表的な低悪性度B 細胞リンパ腫であり,非ホジキンリンパ腫に占める頻度は7~15%である1)2)。しかし,最近は増加しつつある。本項では消化管あるいは皮膚に発生する稀な節外性FL は治療に関するエビデンスが乏しいことから対象としない。経過が緩徐であり,進行期症例であってもリツキシマブ(R)登場以前のデータでは,生存期間中央値は7~10 年と長い。しかし,ほとんどの進行期症例は組織学的進展(histologic transformation)などによって化学療法抵抗性となり治癒困難な疾患群である。診断時75~90%の症例が臨床病期Ⅲ・Ⅳの進行期であり,骨髄浸潤を高率に認める3)。1980 年代の報告ではあるが,FL は再発率が高く,寛解期間は平均24 カ月で,無増悪生存割合(progression-free survival:PFS)は5 年後で30~40%,10 年後で25%とされている3)。全生存割合(overall survival:OS)を中・高悪性度非ホジキンリンパ腫と比べると,最初の10 年では35% vs 60%と高い一方,15 年では33%vs 26%とむしろ低い3)。このように寛解維持が困難で長期にわたって再発・再燃がみられるのは,FL の腫瘍細胞が中・高悪性度非ホジキンリンパ腫の腫瘍細胞に比し,化学療法剤に抵抗性であることによる。近年ではR の導入によって予後が改善している。
 FL における病期分類はAnn Arbor 分類が用いられる。予後予測モデルとしては元来アグレッシブ リンパ腫の予後指標として開発された,国際予後指標(international prognostic index:IPI)4)が,FL をはじめとする低悪性度リンパ腫においても有用であることが報告された5)6)。しかしその後,濾胞性リンパ腫国際予後指標(Follicular Lymphoma International Prognostic Index:FLIPI)が,病型特異的予後予測モデルとして提唱された7)。さらに,FLIPI2 が提唱された8)。



アルゴリズム


略語
RT:Radiotherapy
R:Rituximab
RIT:Radioimmunotherapy
RIC:Reduced-intensity conditioning
CMT:Combined modality therapy
現在国内適応外治療
R 維持療法(CQ4)



 Ⅰ期ないし隣接するⅡ期の限局期では,エビデンスレベルは決して高いものではないが,すべての病巣が照射野内に含まれる限り,放射線治療は再発が少なく根治率は比較的高いとされる。したがって総線量30~36 Gy の放射線治療が一般的な治療選択であり,40%以上の症例に10 年以上の無病生存が得られるとの報告がある1)。
 Ⅲ・Ⅳ期すなわち進行期における治癒指向的治療,あるいは生存期間を延長する標準治療はこれまでのところ存在しないが,近年有用性を示す治療法が開発されてきた。全身症状・巨大病変がなく,診断までの経過が緩慢な症例では,診断後直ちに治療を開始した群に生存期間が劣らないという観点より,病勢の進行あるいは症状が出現した際に適切な薬物療法を開始することを前提として,診断後病勢進行まで無治療経過観察(watchful wait)という選択肢が取られることもある2)。治療法としては,アルキル化剤単独,ドキソルビシン(DXR)を含まない併用化学療法,DXR を含む併用化学療法,化学療法とインターフェロンαの併用,自家あるいは同種造血幹細胞移植併用大量化学・放射線療法など,多種多様な治療法が行われてきた。しかし,これら治療間の優劣は明らかでなかった。化学療法剤に抵抗性であることから,化学療法と放射線療法を併用する複合療法も行われてきた。また,再発・再燃を繰り返す間にアルキル化剤や放射線治療が頻用され,自家造血幹細胞移植併用大量化学療法(high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT)後には,治療関連骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病(treatment-related myelodysplastic syndrome or acute myeloid leukemia:tMDS/tAML)が自家移植5 年後で12%の頻度で発生したとの報告がある3)。
 キメラ型抗CD20 モノクローナル抗体リツキシマブ(R)が登場し,化学療法との併用で高い奏効割合が得られ,微小残存病変の消失まで得られることが報告されている。そして,従来の併用化学療法単独よりもR を併用した化学療法が,全生存期間の延長に寄与することが報告されている。さらに,放射性同位元素をマウス・モノクローナル抗CD20 抗体に結合させることにより,リンパ腫細胞を標的とした放射線治療が可能となった4)。
 初発例では限局期のみ放射線治療の適応となる(CQ3)。進行期では初発例でも再発例でも①無治療経過観察(CQ1, CQ2)から,②単剤または併用化学療法,③ R 単独,④ ②と③の併用療法,(CQ2)などの治療方法から選択される。ただし,初発例に対してはR +化学療法のほうが化学療法単独よりも推奨される(カテゴリー1)。造血幹細胞移植療法は,初回治療後第一寛解期には推奨されない(CQ6)(カテゴリー4)が,再発進行期に検討され得る一つの治療選択肢である(CQ7)。CQ4 とCQ5 で言及する治療法は国内適応外である。



CQ 1初発進行期(ⅢまたはⅣ期)FL に対してどのような場合に無治療経過観察とし,どのような場合に治療を開始するか
推奨グレードなし
[解 説]

 治療開始規準あるいは低腫瘍量の規準として国際的に統一されたものはない。海外の臨床試験グループで主な臨床試験に用いられてきた代表的な規準を以下に列挙する。

 注)無治療経過観察は考慮されるべき方法であるが,明確な規準をもって示し得るような臨床試験のエビデンスがないため,推奨レベルをなしとした。実臨床においては,ここに挙げる規準を参照し,治療方針を決定することを推奨する。

1. BNLI(British National Lymphoma Investigation)1)(レビュー2)に引用)(カテゴリー2B)

 以下のいずれも認めない場合,無治療経過観察とする。

(1)B 症状または痒疹
(2)急激な全身への病勢進行
(3)骨髄機能障害(Hb≦10 g/dL,白血球<3,000/μL,または血小板<100,000/μL)
(4)生命を脅かす臓器浸潤
(5)腎浸潤
(6)骨病変
(7)肝浸潤

2.GELF(Groupe d'Etude des Lymphomes Folliculaires)3)4)(レビュー2)に引用)(カテゴリー2B)

 以下のいずれにも該当する(低腫瘍量の定義)場合,無治療経過観察とする。

(1)節性病変,節外病変にかかわらず最大長径<7 cm
(2)長径3 cm 以上の腫大リンパ節が3 つ未満
(3)全身症状(B 症状)なし
(4)下縁が臍線より下の脾腫(CT 上<16 cm)
(5)胸水または腹水がない(細胞内容にかかわらず)
(6)局所(硬膜,尿管,眼窩,胃腸などの)の圧迫症状の危険性なし
(7)白血化(リンパ腫細胞>5,000/mm3)なし
(8)骨髄機能障害(Hb<10 g/dL,好中球< 1,000/μL,血小板<100,000/μL)なし
(9)LDH, β2 ミクログロブリン正常


3. GLSG(German Low︲Grade Lymphoma Study Group)での臨床試験適格規準中の治療介入判断規準5)(カテゴリー2B)

 以下のいずれかを認めるもの。

(1)B 症状あり
(2)Bulky(長径:縦隔では>7.5 cm,その他の部位>5 cm)
(3)正常造血の障害
(4)急速な病勢進行




CQ 2初発進行期(ⅢまたはⅣ期)FL における標準治療は何が勧められるか
 標準治療は未確立ではあるが,いくつかの患者集団では高いエビデンスが示されている治療法があるため,列挙する。

推奨グレードカテゴリー1
リツキシマブを併用した化学療法が従来の併用化学療法単独よりも全生存期間延長に寄与する。

[解 説]

 リツキシマブ(R)を併用した化学療法が従来の化学療法単独よりも生存期間延長に寄与する1)~4)ことが報告されている。具体的な化学療法のレジメンとしてR-CVP 療法(R, CPA, VCR, PSL)2)やR-CHOP 療法(R, CPA, DXR, VCR, PSL)1)4)が挙げられる。R 登場以前にはアントラサイクリンは生存期間延長には寄与しないとされていたが,R-CHOP 療法とR-CVP 療法を比較したランダム化比較試験結果の論文報告はなく,現在最適なR 併用化学療法は明らかでない。また多剤併用療法の適応がない患者では,経口アルキル化剤(シクロホスファミドなど)単独治療5)(R 時代の現在に応用するなら単剤化学療法剤とそのR 併用があり得る)も候補となる。

推奨グレードカテゴリー1
無症候性の患者では,注意深い観察のもとに治療開始を延期することも考慮されるべきである。

[解 説]

 エビデンスレベルの高い複数の臨床試験の結果6)7)から,無症候性の患者においては,注意深い観察のもとに治療開始を延期することも考慮されるべきである。無治療経過観察から最初の全身治療が必要になるまでの期間の中央値は2.6~3 年と報告された6)。

推奨グレードカテゴリー2A
低腫瘍量(CQ1:2. GELF 参照)の患者にはR 単独を初期治療として考慮してもよい。

[解 説]

 低腫瘍量の患者にはR 単独を初期治療として考慮してもよい8)9)。しかし,この根拠となった第Ⅱ相試験9)において増悪までの期間の中央値は2.2 年であった。一部高腫瘍量の患者を含むため治療成績が低くなっている可能性は否定できないことを考慮しても,上記の無治療経過観察の治療開始までの期間を凌ぐものではなく,低腫瘍量において早期から治療開始したほうがよいことを支持するものではない。また,低腫瘍量でもR 併用化学療法を行っても構わない。




CQ 3初発限局期FL の標準治療は何が勧められるか
推奨グレードカテゴリー2A
Ⅰ期または隣接するⅡ期の場合,病巣部放射線治療が推奨される。

推奨グレードカテゴリー3
放射線療法への化学療法の追加は推奨されない。

推奨グレードカテゴリー2B
多剤併用化学療法とのcombined modality therapy は考慮され得る。

推奨グレードカテゴリー2B
放射線治療が回避されるべき場合,無症候性の患者には無治療経過観察が考慮され得る。

[解 説]

 未治療限局期FL でⅠ期または隣接するⅡ期の場合,病巣部放射線療法が推奨される1)2)。しかし,疾患全体に占める割合が少ないこともあり,エビデンスレベルは高くない。FL を含むindolent B-cell lymphoma に対する放射線療法では,局所制御に必要な照射線量は30~36 Gy で十分であるとの国際的な放射線腫瘍医のコンセンサスがある2)3)。
 放射線療法への単剤あるいは多剤併用化学療法の追加が再発を少なくするという証拠はない4)。一方,多剤併用化学療法とのcombined modality therapy がhistorical control の放射線療法単独よりも成績が良いとの報告もある3)が,照射野内も含めた二次がんが14%も出現したのは問題である3)。
 放射線療法が回避されるべき場合,無症候性の患者には無治療経過観察が考慮され得る5)。



CQ 4高腫瘍量の初発進行期FL に対してリツキシマブ維持療法を実施すべきか
推奨グレードカテゴリー1
GELF(Groupe d’Etude des Lymphomes Folliculaires)規準による高腫瘍量に対してのみ,リツキシマブ維持療法は無増悪生存期間の延長がみられる(ただし,国内適応外)。

[解 説]

 リツキシマブ(R)維持療法はGELF 規準による高腫瘍量[① bulky 病変(≦7 cm),②長径3 cm 以上の別々の3 リンパ節,③症候性の脾腫,④腫瘍による臓器圧迫,⑤胸水または腹水,⑥血清LDH またはβ2 ミクログロブリンの上昇,⑦ B 症状あり,のいずれかを持つもの]のみ無増悪生存期間(PFS)を延長させるエビデンスがある1)。ただし,高腫瘍量に対しても,全生存期間(OS)を延長する証拠は示されていない。低腫瘍量の初発進行期FL に対してR 併用化学療法後のR 維持療法の意義を評価した臨床試験の報告はない。さらに現時点では,わが国ではR の維持療法はいかなる腫瘍量に対しても保険適用外である。




CQ 5FL 初回再発時の治療選択としては何が勧められるか
推奨グレードカテゴリー2A
治療選択肢としてさまざまな方法があり,その優劣については比較検討した第Ⅲ相試験で論文として公表されたものは存在しない。

[解 説]

 FL の初回再発時の治療選択肢は優劣が不明であるが,以下に示すものが挙げられる。
①無治療経過観察
②低腫瘍量の患者ではリツキシマブ(R)単独1)
③ R 抵抗例ではベンダムスチン単独2)3)。あるいはR +ベンダムスチン4)
④ R +フルダラビン(FLU)5)。FLU を含む多剤併用化学療法におけるR 併用の有無の比較試験で,マントル細胞リンパ腫では全生存で差がみられたのに対し,FL では全生存では差がなく無増悪生存でのみ化学療法単独との有意差があった5)。
⑤先行治療がアントラサイクリンを含まないレジメンの場合,R-CHOP 療法6)
⑥ R を併用したその他の併用化学療法
⑦限局再発で照射可能である場合,放射線治療
⑧ Radioimmunotherapy(RIT)7)。初回再発時のほうが,それ以降の再発時よりも,より良い完全奏効割合・奏効期間が期待される8)。なお,R を併用しない化学療法後の完全奏効・部分奏効が得られた例にのみRIT による地固め療法の有効性を示唆するエビデンス がある9)が,R を併用した化学療法による初回治療後では,その有用性は示されていない。RIT は本邦では再発・再燃例でのみ適応があり,初回治療に対する奏効後,引続いて地固め療法として用いる適応はない。




CQ 6FL における自家移植の適応はup-front で行うべきか
推奨グレードカテゴリー4
FL において,自家移植は初回治療に奏効した後に引続きup-front で行うべきではない。

[解 説]

 初回治療に奏効した後に引続きup-front で行うべきではない1)~5)。その理由として,二次がんの発生が増加することが報告されている2)4)5)。リツキシマブ(R)導入後の現在において,自家移植を何度目の再発時に施行すべきかは不明である。
 R 導入以前には,再発例に対して,通常量の化学療法に比較して大量化学療法(high-dose chemotherapy:HDC)が全生存期間(OR)を延長するとされたが,R の導入により自家移植以外の再発後の治療成績も向上した6)(カテゴリー2A)。ただし,この結果はR を含まない化学療法が初回治療として行われた患者に基づく結果で,またOS は再発時を起点としており,診断時からのOS ではなかった6)。また,初回治療中にR の投与を受けた患者においても,再発時にR を併用した自家移植が再発以後のOS を延長することが示された7)。現時点では自家移植は再発FL 例の無増悪生存期間(PFS)を延長する治療選択肢の一つと考えられる。



CQ 7再発FL に対して自家移植と同種造血幹細胞移植はそれぞれ妥当な治療選択肢であるか
推奨グレードカテゴリー2A
自家移植と同種移植では後者のほうが治療関連死亡は高いが再発が少ない。このため両治療間で生存においては差がなく,両者とも選択肢となり得る。

[解 説]

 自家移植と同種移植では後者のほうが治療関連死亡(TRM)は高いが再発が少ない。このため両治療間で生存においては差がない1)~4)。従来再発が比較的多いとされてきた自家移植例でも最近生存曲線のプラトーが示されるようになった5)6)。しかし,二次がん特にtMDS/AML の増加が問題とされている。いずれもシクロホスファミド大量+全身照射が前処置に用いられていた5)6)。
 骨髄非破壊的(Reduced-intensity conditioning:RIC)造血幹細胞移植の導入により,TRM が減少した7)結果,自家移植よりも同種移植のほうが良いとの報告がある8)(カテゴリー2B)。しかしこれは,ヒト主要組織適合性抗原(human leukocyte antigen:HLA)一致同胞がいる場合には同種,いない場合には自家移植を受けた比較試験で,患者集積ペースが遅く早期中止となった臨床試験のデータである。RIC が同種移植の中で標準治療になりつつあるが,Center for IBMTR のレジストリー・データの多変量解析により,RIC に比べ骨髄破壊的造血幹細胞移植の方がより再発が少ないという報告がある9)(カテゴリー2B)。ただし,両者間で無増悪生存期間,全生存期間とも統計学的に有意差はなく,RIC 群では比較的高齢者が多く,診断から移植までの期間が長かった9)ことから,両者間の優劣の判断は困難である。
 European Group for Blood and Marrow Transplantation(EBMT)のレジストリー・データから,HLA 適合非血縁者間の同種移植では3 年全生存割合51%,3 年無増悪生存割合47%,1 年次の無再発死亡率は30%と報告された10)(カテゴリー2B)。以上より,同種移植は若年者で,再発を繰り返す患者,奏効期間の短い患者での治療選択肢のひとつと考えられている.




http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese-s.jsp?Pdq_ID=CDR0000062707#scrollTop

成人非ホジキンリンパ腫の治療(PDQ®)
原文更新日 : 2014-11-21
翻訳更新日 : 2015-01-27
成人非ホジキンリンパ腫(NHL)に関する一般情報成人NHLに対する治療の晩期障害成人NHLの細胞分類潜行性NHL侵攻性NHL成人NHLの病期情報成人NHLの治療法選択肢の概要I期および病変が隣接するII期の潜行性成人NHLに対する治療病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHLに対する治療再発潜行性成人NHLに対する治療I期および病変が隣接するII期の侵攻性成人NHLに対する治療病変が隣接しないII期/III期/IV期の侵攻性成人NHLに対する治療成人リンパ芽球性リンパ腫に対する治療びまん性小型非切れ込み核細胞型/バーキットリンパ腫に対する治療再発侵攻性成人NHLに対する治療妊娠中の非ホジキンリンパ腫本要約の変更点(11/21/2014)本PDQ要約についてGet More Information From NCI
成人非ホジキンリンパ腫(NHL)に関する一般情報NHLとは、多様な振る舞いと治療反応性を示すリンパ組織増殖性の悪性疾患から成る不均質な疾患グループである。 [1]
ホジキンリンパ腫と同じく、NHLは通常リンパ組織を起源とするもので、他の臓器にも拡がりうる。しかし、NHLはホジキンリンパ腫よりはるかに予測が難しく、節外部位への播種傾向もはるかに強い。予後は組織型、病期、治療法に依存する。
発生率および死亡率米国において、2014年に推定されるNHLの新規症例数および死亡数: [2]

◦新規症例数:70,800。
◦死亡数:18,990。
解剖学NHLは通常、リンパ組織を起源とする。
リンパ系の解剖学。 予後および生存率NHLは以下の2つの予後グループに分けることができる:潜行性(indolent)リンパ腫および侵攻性(aggressive)リンパ腫。
潜行性(indolent)NHLは比較的予後が良好で生存期間中央値は20年にも及ぶが、進行期においては通常治癒は期待できない。 [3] 早期(I期およびII期)の潜行性NHLでは、放射線療法単独による治療が有効な可能性がある。潜行性のほとんどのものは形態学的には結節性(または濾胞性)である。
侵攻性NHLは、自然歴が短いが、集中的な多剤併用化学療法レジメンによって、相当数の患者に治癒の可能性がある。
一般に、NHL患者に対する現代の治療法によれば、5年全生存率は60%を超える。侵攻性NHL患者の50%以上で治癒が可能である。大多数の再燃は治療後2年以内に起こる。潜行性リンパ腫と侵攻性リンパ腫の両組織型が混在する患者では、遅発性再燃のリスクが高くなる。 [4]
潜行性NHLは免疫療法、放射線療法、および化学療法に反応するが、進行期には一定した再燃率がみられるのが一般的である。しかしながら、組織型が低悪性度のままでいる間は再治療により相当の成功を収めることができる場合が多い。侵攻性NHLの患者やこれに移行する患者では、多剤併用化学療法レジメンか骨髄または幹細胞移植を伴う積極的地固め療法によって持続的な完全寛解が得られる。 [5] [6]

成人NHLに対する治療の晩期障害非ホジキンリンパ腫(NHL)に対する治療の晩期障害が観察されている。骨盤への放射線療法とシクロホスファミドの累積投与量の増加は、永久的不妊症のリスク上昇との関連が報告されている。 [1] 本疾患の患者では、特に以下に列挙する二次原発がんリスクの有意に高い状態が診断後30年間にもわたって継続する: [1] [2] [3]

肺がん。
脳腫瘍。
腎がん。
膀胱がん。
黒色腫。
ホジキンリンパ腫。
急性非リンパ球性白血病。
ドキソルビシンを200mg/m2以上投与された高悪性度NHLの長期生存者では、左室機能不全が有意な晩期障害であった。 [4] [5]
骨髄異形成症候群と急性骨髄性白血病は、アルキル化剤を含む従来の化学療法のほか、自家骨髄または末梢血幹細胞移植を伴う骨髄破壊的治療によっても生じる晩期の合併症である。 [1] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] これらを発症した患者は、そのほとんどが移植前からクローン性造血を示していた患者であり、これは、そうした血液障害の多くが寛解導入ないし再導入化学療法の実施中に生じていたことを示唆する。 [8] [14] [15] 前処置にシクロホスファミドおよび全身放射線療法を用いる自家骨髄移植(BMT)後、中央値で10年間追跡した605人の患者シリーズにおいて、二次悪性腫瘍の発生率は21%で、そのうち10%が固形腫瘍であった。 [16]
若年女性が自家BMT後妊娠に成功し、先天異常のない子供を出産したことが報告されている。 [17]
治療開始時に骨減少症または骨粗鬆症を発症している患者がいる;リンパ腫に対する治療後、骨密度が悪化しうる。 [18]

成人NHLの細胞分類診断的検査には組織の特別な準備(例えば、凍結組織)を要するものもあるため、生検を施行する前に病理医に助言を求めるべきである。細胞表面マーカー、免疫グロブリン遺伝子再構成およびT細胞レセプター遺伝子再構成に関する知識が、診断および治療の決定に役立つ。L鎖免疫グロブリンのクローン性過剰により、悪性細胞と反応細胞を鑑別しうる。予後および治療アプローチは病理組織によって異なるため、外部での生検標本はリンパ腫診断の経験を積んだ血液病理医が注意深く見直すべきである。リンパ節生検が可能である限り推奨されるが、細針吸引による細胞診断の方が望ましい場合には、ときに免疫表現型に関するデータで十分にリンパ腫を診断できることがある。 [1] [2]
従来の分類システムこれまでの歴史をみると、非ホジキンリンパ腫(NHL)の患者には、統一された分類システムがないために統一的な治療は行われていなかった。1982年、コンセンサス研究の結果がWorking Formulation(WF分類)として発表された。 [3] このWF分類は6つの主要な分類法の結果を1つの分類にまとめたものである。これによってさまざまな施設および国による研究を比較できるようになった。このためRappaport分類(これも後述する)は現在ではあまり用いられなくなっている。
表1.NHLの従来の分類システム Working Formulation(WF分類) Rappaport分類
低悪性度
A.小リンパ球型、慢性リンパ球性白血病と一致 びまん性リンパ球型、高分化型
B.濾胞性小切れ込み核細胞優位型 結節性リンパ球型、低分化型
C.濾胞性小切れ込み核細胞大細胞混合型 結節性混合型、リンパ球型、および組織球型
中悪性度
D.濾胞性、大細胞優位型 結節性組織球型
E.びまん性小切れ込み核細胞型 びまん性リンパ球型、低分化型
F.びまん性混合型、小細胞型および大細胞型 びまん性混合型、リンパ球型、および組織球型
G.びまん性、大細胞、切れ込み、または非切れ込み核細胞型 びまん性組織球型
高悪性度
H.免疫芽球性、大細胞型 びまん性組織球型
I.リンパ芽球性、回旋細胞型または非回旋細胞型 びまん性リンパ芽球型
J.小型非切れ込み核細胞型、バーキット型、または非バーキット型 びまん性未分化型、バーキット型または非バーキット型


現在の分類システム免疫学的方法および遺伝学的方法を用いることでNHLに対する理解が深まり組織病理学的診断もより複雑となり、多くの新しい病理学的疾患単位が報告されるに至った。 [4] さらに、以前報告されていた病理学的亜型の多くに関しても理解と治療法が変化した。その結果、WF分類は時代遅れとなり、臨床家や病理医にとって以前ほどの有用性はなくなっている。こうしたことから、ヨーロッパと米国の病理学者により新しい分類法、Revised European American Lymphoma(REAL)分類が提唱されている。 [5] [6] [7] [8] 1995年以来、ヨーロッパと米国の血液病理学会の協同により、REAL分類の改訂版ともいえる新WHO分類への取り組みが続いている。 [9] [10]
このREAL分類のWHOによる修正版では、リンパ系悪性腫瘍をその形態と細胞系統に基づき以下の3つの主要カテゴリーに分けている:B細胞腫瘍、T細胞/ナチュラルキラー(NK)細胞腫瘍、ホジキンリンパ腫。リンパ腫とリンパ性白血病は、いずれも多くのリンパ系腫瘍中に固形相と循環相がともにみられ、両者の区別は人為的なものであるため、両者ともこの分類に含められている。例えば、B細胞慢性リンパ球性白血病とB細胞小リンパ球性リンパ腫は、リンパ芽球性リンパ腫と急性リンパ球性白血病がそうであるように、同じ腫瘍の単に異なった表現である。B細胞およびT細胞のカテゴリーのなかには、2つの亜群が設けられている:分化の最初期に相当する前駆細胞由来の腫瘍と成熟分化した腫瘍である。 [9] [10]
改定REAL/WHO分類B細胞腫瘍
前駆B細胞腫瘍:前駆B細胞急性リンパ芽球性白血病/リンパ芽球性リンパ腫(LBL)。末梢B細胞腫瘍。
B細胞慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫。B細胞前リンパ球性白血病。リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫。マントル細胞リンパ腫。濾胞性リンパ腫。粘膜関連リンパ組織(MALT)型の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫。節性辺縁帯B細胞リンパ腫(±単球様B細胞)。脾辺縁帯リンパ腫(±有毛リンパ球)。有毛細胞白血病。形質細胞腫/形質細胞骨髄腫。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫。バーキットリンパ腫。T細胞腫瘍、およびNK細胞腫瘍と推定されるもの
前駆T細胞腫瘍:前駆T細胞急性リンパ芽球性白血病/LBL。末梢T細胞およびNK細胞腫瘍。
T細胞慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病。T細胞顆粒リンパ球性白血病。菌状息肉腫/セザリー症候群。末梢T細胞リンパ腫、他に特定されない。肝脾γ/δT細胞リンパ腫。皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。血管免疫芽球性T細胞リンパ腫。節外性T/NK細胞リンパ腫、鼻型。腸症型腸管T細胞リンパ腫。成人T細胞リンパ腫/白血病(ヒトTリンパ球向性ウイルス[HTLV]1+)。未分化大細胞型リンパ腫、原発性全身型。未分化大細胞型リンパ腫、原発性皮膚型。侵攻性NK細胞白血病。ホジキンリンパ腫
結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫。古典的ホジキンリンパ腫。
結節硬化型ホジキンリンパ腫。リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫。混合細胞型ホジキンリンパ腫。リンパ球減少型ホジキンリンパ腫。REAL分類にはあらゆるリンパ増殖性腫瘍が含まれている。詳しい情報については、以下のPDQ要約を参照のこと:

成人急性リンパ芽球性白血病の治療
成人ホジキンリンパ腫の治療
AIDS関連リンパ腫の治療
慢性リンパ性白血病の治療
有毛細胞白血病の治療
菌状息肉腫とセザリー症候群の治療
形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療
中枢神経系(CNS)原発リンパ腫の治療
リンパ組織増殖性疾患のREAL分類のPDQ修正版
形質細胞疾患。(詳しい情報については、形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)
骨。髄外性。
意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症(MGUS)。形質細胞腫。多発性骨髄腫。アミロイドーシス。ホジキンリンパ腫。(詳しい情報については、成人ホジキンリンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)
結節硬化型ホジキンリンパ腫。リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫。混合細胞型ホジキンリンパ腫。リンパ球減少型ホジキンリンパ腫。潜行性リンパ腫/白血病。
濾胞性リンパ腫(濾胞性小切れ込み核細胞型[悪性度1]、濾胞性小切れ込み核細胞大細胞混合型[悪性度2]、びまん性小切れ込み核細胞型)。慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫。(詳しい情報については、慢性リンパ性白血病の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)。節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)。節性辺縁帯B細胞リンパ腫(単球様B細胞リンパ腫)。脾辺縁帯リンパ腫(有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫)。有毛細胞白血病。(詳しい情報については、有毛細胞白血病の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)菌状息肉腫/セザリー症候群。(詳しい情報については、菌状息肉腫とセザリー症候群の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)T細胞顆粒リンパ球性白血病。(詳しい情報については、慢性リンパ性白血病の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫/リンパ腫様丘疹症(CD30陽性)。結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫。(詳しい情報については、成人ホジキンリンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)侵攻性リンパ腫/白血病。
びまん性大細胞型リンパ腫(びまん性混合細胞型リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、T細胞豊富型大細胞型B細胞リンパ腫を含む)。
区分:

縦隔大細胞型B細胞リンパ腫。濾胞性大細胞型リンパ腫(悪性度3)。未分化大細胞型リンパ腫(CD30陽性)。節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型/侵攻性NK細胞白血病/芽球性NK細胞リンパ腫。リンパ腫様肉芽腫症(血管中心性肺B細胞リンパ腫)。血管免疫芽球性T細胞リンパ腫。末梢T細胞リンパ腫、他に特定されない。
皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。
肝脾T細胞リンパ腫。
腸症型T細胞リンパ腫。血管内大細胞型B細胞リンパ腫。バーキットリンパ腫/バーキット細胞白血病/バーキット様リンパ腫。前駆B細胞またはT細胞リンパ芽球性リンパ腫/白血病。(詳しい情報については、成人急性リンパ芽球性白血病の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)中枢神経系(CNS)原発リンパ腫。(詳しい情報については、中枢神経系(CNS)原発リンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)成人T細胞白血病/リンパ腫(HTLV1陽性)。マントル細胞リンパ腫。多形性の移植後リンパ増殖性疾患。AIDS関連リンパ腫。(詳しい情報については、AIDS関連リンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)真性組織球性リンパ腫。原発性滲出液リンパ腫。B細胞またはT細胞前リンパ球性白血病。(詳しい情報については、慢性リンパ性白血病の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

潜行性NHL潜行性非ホジキンリンパ腫(NHL)には、以下の亜型がある:


◦濾胞性リンパ腫濾胞性リンパ腫。
◦リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)。
◦辺縁帯リンパ腫辺縁帯リンパ腫。
◦脾辺縁帯リンパ腫脾辺縁帯リンパ腫。
◦原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫。
濾胞性リンパ腫濾胞性リンパ腫は、米国およびヨーロッパの臨床試験で報告されている全NHLの20%、潜行性リンパ腫の実に70%を占める。 [1] [2] [3] 濾胞性リンパ腫患者の大部分は50歳以上であり、診断時に広範囲に及ぶ病変を示す。リンパ節病変が最も多く、しばしば脾および骨髄の病変を伴う。90%以上の濾胞性リンパ腫患者にbcl-2遺伝子の再構成が認められる;bcl-2蛋白の過剰発現は、アポトーシス阻害によって、リンパ腫の根絶不能性と関連する。 [4]
予後進行期においても生存期間中央値は8~15年であり、このため潜行性と呼ばれる。 [5] [6] [7] しかしながら、進行期の濾胞性リンパ腫は現在の治療選択肢では治癒させることはできない。 [8] 治療に対し完全奏効を達した患者においても、再燃率は経時的にほぼ一定している。 [9] 注意深い経過観察(すなわち、患者に症状が現れるまで治療を延期すること)は、進行期濾胞性リンパ腫患者に対するひとつの選択肢である。 [10] 濾胞性リンパ腫の国際指標(すなわち、濾胞性リンパ腫国際予後指標[FLIPI]) [11] [12] [13] では、全生存(OS)でみた予後に影響する重要な危険因子として、以下の5つが同定されている:

年齢(60歳以下 vs 60歳超)。血清乳酸脱水素酵素(LDH)(正常 vs 高値)。病期(I期またはII期 vs III期またはIV期)。ヘモグロビン値(120g/L以上 vs 120g/L未満)。リンパ節領域の数(4以下 vs 5以上)。危険因子を0~1つもつ患者の10年生存率が85%であるのに対し、3つ以上の危険因子では、10年生存率が40%になる。 [11] 修正FLIPIでは、β2ミクログロブリンの高値および6cm超のリンパ節サイズが、血清LDHおよびリンパ節領域の数に代わる予後因子として提案されている。 [14] 腫瘍生検標本の遺伝子発現プロファイルにより、生存期間中央値は浸潤性Tリンパ球によって囲まれた濾胞性リンパ腫(13.6年)の方が、樹状細胞および単球によって囲まれた濾胞性リンパ腫(3.9年)よりもはるかに長い(P < 0.001)ということが示唆されている。 [15]
濾胞性小切れ込み核細胞型リンパ腫と濾胞性小切れ込み核細胞大細胞混合型リンパ腫との間では、無病生存またはOSのいずれにも再現性のある差は認められていない。
治療アプローチ治療法の選択肢としては、注意深い経過観察;抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブの単独またはプリンヌクレオシドアナログとの併用;経口アルキル化剤;多剤併用化学療法などがある。 [16] 放射性同位元素標識モノクローナル抗体、ワクチン、自家骨髄移植、同種骨髄移植、自家末梢血幹細胞移植または同種末梢血幹細胞移植もまた、臨床評価段階にある。 [16] [17] 現時点では、リツキシマブ、ヌクレオシドアナログ、アルキル化剤、多剤併用化学療法、放射性同位元素標識モノクローナル抗体、およびこれら選択肢の併用について、最初に選択すべき方針を臨床家に示す成熟した結果が得られたランダム化試験は存在しない。注意深い経過観察により再燃疾患を追跡する場合、または生存期間中央値が10年を超える場合には、有益性を比較によって証明することは困難である。上皮内濾胞性リンパ腫と十二指腸の原発性濾胞性リンパ腫は特に潜行性の変異型であり、進行することはまれで、めったに治療を必要としない。 [18] [19] いわゆる小児科タイプの節性濾胞性リンパ腫は潜行性の挙動を示し、再発はまれである;この組織学的異型の成人患者では、30%を上回るKi-67増殖指数および限局性のI期の所見と合わせて、bcl-2再構成が欠失しているという特徴がみられる。 [20]
潜行性リンパ腫の患者は再燃していっそう侵攻的な組織型をもつこともある。再燃の臨床パターンから疾患がより侵攻的に振舞っていることが伺われれば、生検を実施すべきである。より侵攻的な組織型への変化が裏づけられれば、その組織型に応じた治療法に適宜切り替える必要がある。 [21] 急速な増殖またはさまざまな病変部位間の不均一な増殖は組織学的転換を意味している場合がある。組織学的変化のリスクは、1972年から1999年に診断された患者325人のレトロスペクティブ・レビューにおいて10年までで30%であった。 [22] このシリーズにおいて、後の組織学的変化に対する高い危険因子は、進行期であること、FLIPIが高リスクであること、および待機的管理であった。リツキシマブ + アントラサイクリンもしくはプラチナをベースとした化学療法または類似の治療法の後に、自家もしくは同種幹細胞移植を行う多施設コホート研究では、組織学的な侵攻性変化が生検で証明された患者172人における5年OS率は50%を超えていた。 [23] [24]
リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)リンパ形質細胞性リンパ腫は通常、免疫グロブリンM(IgM)のモノクローナル血清パラプロテインを伴っている(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)。 [25] [26] [27] ほとんどの患者は、骨髄、リンパ節および脾に病変があり、患者によって過粘稠度症候群を来すことがある。その他のリンパ腫も血清パラプロテインを伴うことがある。
無症状の患者に対しては、すぐには化学療法を開始せず、進行を示す証拠に注意しながら監視を行うことも可能である。 [10] [28] [29]
治療を要する症状と関連する予後因子としては、以下が挙げられる:

◦70歳以上の年齢。
◦3mg/dL以上のβ2ミクログロブリン。
◦血清LDHの高値。 [28]
治療アプローチリンパ形質細胞性リンパ腫の管理方法は、他の低悪性度リンパ腫、特にびまん性小リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ球性白血病の場合とほぼ同じである。 [26] [27] [28] [30] [31] [32] 水に対する相対粘度が4より大きければ、患者は過粘稠度症候群を発症しうる。(網膜症、うっ血性心不全、中枢神経系機能障害などの)一過性急性症状には血漿交換が有用であるが、長期的疾病管理には化学療法を併用すべきである。血清粘度が4以下で症状を認める患者に対しては、通常は直ちに化学療法が開始される。慢性寒冷凝集素症患者に対しては、溶血性貧血を是正するために治療が必要である;リツキシマブ、シクロホスファミド、およびステロイドがしばしば用いられる。 [29] わずかな寒さでも寒冷凝集素が活性化する患者に対しては、ときに暖房設備のある部屋が必要である。
第一選択のレジメンとしてはリツキシマブ、ヌクレオシドアナログ、アルキル化剤が挙げられ、単剤または多剤併用の化学療法として施行される。 [33] [34] [35] [36] リツキシマブは、前治療歴のない患者において60%~80%の奏効率を示すが、治療開始時のこのパラプロテインの急激な増加のため血清IgMの緊密なモニタリングが必要である。 [33] [37] [38] [証拠レベル:3iiiDiv]リツキシマブ投与後のIgM上昇は、シクロホスファミドなどのアルキル化剤またはプロテアソーム阻害薬のボルテゾミブの同時使用で回避できる。 [29] [39] ヌクレオシドアナログである2-クロロデオキシアデノシンとフルダラビンは、前治療歴のないリンパ形質細胞性リンパ腫患者でも同様の奏効率を示している。 [36] [40] [41] [証拠レベル:3iiiDiv]アルキル化剤単剤療法、ベンダムスチン単剤療法、ボルテゾミブ単剤療法、およびリツキシマブを含むまたは含まない多剤併用化学療法も同様の奏効率を示している。 [36] [39] [42] [43] [44] [45] [証拠レベル:3iiiDiv]現時点では、リツキシマブ、ヌクレオシドアナログ、アルキル化剤、多剤併用化学療法、およびこれら選択肢の併用について、最初に選択すべき方針を臨床家に示したランダム化試験は存在しない。 [26] [27] [33] ボルテゾミブ、デキサメタゾン、およびリツキシマブによる併用療法が、奏効率の高さ、効果発現の速さ、およびIgMリバウンドの回避のために提案されている。 [46]
インターフェロンアルファもまた、多発性骨髄腫患者では反応が不良であるのとは対照的に、リンパ形質細胞性リンパ腫には活性を示す。 [47] 自家または同種造血幹細胞移植を伴う骨髄破壊的治療が臨床評価段階にある。 [48] [49] [50] [51] このアプローチの候補者となる患者においては、造血幹細胞の枯渇や骨髄異形成あるいは急性白血病の可能性を高めうるアルキル化剤やプリンヌクレオシドアナログの長期使用は避けるべきである。 [33] [52] アルキル化剤による治療後に再燃したリンパ形質細胞性リンパ腫患者92人が、フルダラビン群またはシクロホスファミド、ドキソルビシン、およびプレドニゾン群にランダムに割り付けられた。無再燃生存期間ではフルダラビンが優れていたが(持続期間中央値19ヵ月 vs 3ヵ月、P < 0.01)、全生存期間では差は認められなかった。 [53] [証拠レベル:1iiDii]C型肝炎ウイルス(HCV)感染症を併発している患者では、リバビリンを伴うまたは伴わないインターフェロンアルファ治療によって、一部の患者においてHCV-RNAが検出されなくなった後に完全または部分寛解が得られる。 [54] [証拠レベル:3iiiDiv]
辺縁帯リンパ腫辺縁帯リンパ腫は、以前はびまん性小リンパ球性リンパ腫に分類されていた。辺縁帯リンパ腫のうち、リンパ節を侵すものは単球様B細胞リンパ腫あるいは節性辺縁帯B細胞リンパ腫と呼ばれ、節外部位(例、消化管、甲状腺、肺、乳房、眼窩、皮膚)を侵すものは粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫と呼ばれる。 [55] [56] [57] [58] [59] [60] [61] [62] [63]
胃MALT患者の多くが橋本甲状腺炎やシェーグレン症候群などの自己免疫疾患またはHelicobacter胃炎の病歴を有する。ほとんどの患者はI期またはII期の節外性病変を示し、その部位は胃であることが最も多い。病変が胃に限局したほとんどの症例が、ヘリコバクターピロリ菌(Helicobacter pylori)感染症の治療によって治癒が期待できる。 [64] [65] 標準的な抗生物質レジメンが施行されれば、3ヵ月後の内視鏡検査では患者の50%で胃MALTの消退がみられる。その他の患者では12~18ヵ月の観察の後に病変の消退をみるであろう。完全寛解に達した患者の30%では、中央値5年の追跡期間後の胃生検において免疫グロブリン重鎖の再構成による単クローン性が確認される。 [66] しかし、この所見の臨床的意義は不明である。胃MALTを有する患者にみられる転座t(11;18)は、抗生物質への反応性の不良、H. pylori検査陰性、ならびに経口アルキル化剤への反応性の不良を予測する。 [67] [68] [69] 生検で一貫して陽性を示す安定した無症状の患者については、進行をみるまで注意深く経過観察を行っていくアプローチが取られ、成功が得られている。 [65] 進行した患者には、放射線療法 [70] [71] [72] [73] 、リツキシマブ [74] 、手術(胃全摘術または胃部分切除 + 放射線療法) [75] 、化学療法 [61] 、もしくは集学的治療 [76] による治療を行う。超音波内視鏡検査は、以上の患者おいて治療への反応を追跡していく上で有用となる場合がある。 [77] 4件のケースシリーズ(IE期またはIIE期のびまん性大B細胞型リンパ腫で、関連MALTの有無は問わない [ただし、H. pylori陽性の]100人を超える患者を含む)では、50%を超える患者がH. pyloriの治療後に持続性の完全寛解を得たことが報告された。 [78] [79] [80] [81]
胃外MALTその他の部位における限局した病変は、放射線または手術により治療できる。 [71] [72] [73] [82] [83] [84] 胃外MALTリンパ腫の患者では、一部のシリーズにおいては胃MALTリンパ腫の患者よりも再燃率が高く、何年も経って、場合によっては数十年も経ってから再燃を来す。 [85] これらの再発の多くは、最初の部位とは異なるMALT部位に及ぶ。 [86] リンパ節、骨髄または血液に播種している場合は、この疾患は他の低悪性度リンパ腫のように振る舞う。 [62] [87] 胃以外の節外性MALT患者252人を対象としたプロスペクティブ・ランダム化試験で、 クロラムブシルとリツキシマブ + クロラムブシルが比較された。 [88] 追跡期間中央値62ヵ月で、イベントフリー生存率は、リツキシマブ群の方が良好であったが(68% vs 50%、P = 0.002)、5年OSは両群ともに89%であった。 [88] [証拠レベル:1iiDi]この試験は、リツキシマブ単独を用いる第3群を含めて延長されたが、その結果はまだ得られていない。眼球付属器MALTを有する患者については、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)を標的としたドキシサイクリンを用いる抗生物質療法により、患者131人を含む文献のレビューにおいてほぼ半数の患者で持続的寛解が得られた。 [89] [証拠レベル:3iiiDiv]MALT部位における大細胞型B細胞リンパ腫は、びまん性大細胞型リンパ腫に分類され、これと同様の治療が行われる。 [90]
単球様B細胞リンパ腫(節性辺縁帯リンパ腫)節性辺縁帯リンパ腫(単球様B細胞リンパ腫)患者は、濾胞性リンパ腫に対して記述されたものと同じ注意深い経過観察または治療方法で治療される。HCV感染症を併発している患者では、リバビリンを伴うまたは伴わないインターフェロンアルファ治療によって、その大多数においてHCV-RNAが検出されなくなった後に完全または部分寛解が得られる。 [54] [証拠レベル:3iiiDiv]
地中海腹部リンパ腫地中海腹部リンパ腫、H鎖病、免疫増殖性小腸疾患(IPSID)などのさまざまな呼称で知られている疾患があるが、これは東地中海諸国の若年成人に発生する別の種類のMALTリンパ腫であり、早期には抗生物質に反応する。 [91] Campylobacter jejuniは、IPSIDと関連する細菌種の1つとして同定されており、抗生物質療法が本疾患の寛解につながることもある。 [92]
脾辺縁帯リンパ腫脾辺縁帯リンパ腫は、大きな脾腫脹と末梢血および骨髄病変を特徴とする潜行性リンパ腫であり、通常、リンパ節腫脹はみられない。 [93] [94] [95] この種のリンパ腫は、有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫という名称でも知られている。脾臓摘出術によって長期寛解がもたらされることがある。 [63] [96]
管理方法は他の低悪性度リンパ腫の場合と同様で、リツキシマブ単独かリツキシマブとプリンアナログまたはアルキル化剤との併用を用いるのが通常である。 [97] 脾辺縁帯リンパ腫は化学療法にあまり反応せず、化学療法が通常有効となる慢性リンパ球性白血病とは対照的である。 [94] [95] [97] 脾辺縁帯リンパ腫(有毛リンパ球を伴う脾リンパ腫)でHCVに感染している少数の患者では、リバビリンを併用するまたは併用しないインターフェロンアルファ治療により、大多数においてHCV RNAが検出されなくなった後に完全または部分寛解が得られた。 [54] [98] ; [99] [証拠レベル:3iiiDiv]これとは対照的に、6人のHCV陰性患者ではインターフェロンへの反応は認められなかった。
原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫原発性皮膚未分化大細胞型リンパ腫は皮膚のみに発生し、リンパ増殖性病変の先行も皮膚外部位の病変もみられない。 [100] [101] [102] この種のリンパ腫には、臨床的良性のリンパ腫様丘疹症(自然退縮もありうる局所の小結節を特徴とする)から積極的なドキソルビシンベースの多剤併用化学療法を要する全身性の進行性病変までの一連の病変が含まれる。この疾患スペクトラムは原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖性疾患と呼ばれている。
限局した病変には通常放射線療法を実施する。さらに広い範囲に転移している場合は、注意深い経過観察またはドキソルビシンをベースとする多剤併用化学療法を行う。 [100] [101] [102]
(詳しい情報については、慢性リンパ性白血病の治療;菌状息肉腫とセザリー症候群の治療;有毛細胞白血病の治療;および成人ホジキンリンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

成人NHLの治療法選択肢の概要非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療は組織型と病期に依存する。生存率の改善の多くは、一般に是認された療法で利用できる最善のもの(従来法または標準療法)の改善を目的とする臨床試験(実験的療法)を通じて実現されている。
進行した潜行性NHL患者で無症状の者に対しては、進行により症状が出現してくるまで治療が延期される場合もある。治療を延期した場合は、潜行性NHL患者はさまざまな臨床経過をとる;臨床経過が加速したときに有効な治療を開始できるよう頻繁かつ注意深い観察が必要である。長期にわたり潜行性の経過を辿る患者もいれば、迅速な治療を要する侵攻性のNHLに急速に移行する患者もいる。
放射線療法の方法はホジキンリンパ腫の治療に用いられるものとは幾分異なる。放射線療法の線量は、通常25Gy~50Gyであり、リンパ腫の組織型、患者の病期と全身状態、治療目標(治癒か症状緩和か)、感受性の高い臓器の近接、放射線療法単独と化学療法併用のいずれか、などの複数の因子に依存する。臨床像や再燃のパターンによっては、ワルダイエル輪や内上顆、腸間膜リンパ節などの特異な部位に治療が及ぶ場合もある。治療による合併症については入念に考慮しなければならない。大部分の患者には通常横隔膜の片側にのみ放射線を照射する。節外性NHLの限局した病変は、IF(病巣とその周辺を含む照射野)手技による治療で有意な(50%を超える)成功を収めることができる。

表4.NHLに対する標準治療の選択肢 病期 標準治療の選択肢
CNS = 中枢神経系;CHOP = シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン;IF-XRT = 浸潤領域放射線療法;NHL = 非ホジキンリンパ腫;R-CHOP:抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブ 、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、およびプレドニゾン。
I期および病変が隣接するII期の潜行性成人NHL 放射線療法 放射線療法
化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブ化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブ
注意深い経過観察注意深い経過観察
進行期疾患患者に対して指定されたその他の治療法進行期疾患患者に対して指定されたその他の治療法
病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHL 無症状の患者には注意深い経過観察無症状の患者には注意深い経過観察
リツキシマブリツキシマブ
プリンヌクレオシドアナログプリンヌクレオシドアナログ
アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)
多剤併用化学療法多剤併用化学療法
イットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタンイットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタン
リツキシマブ維持療法リツキシマブ維持療法
再発潜行性成人NHL 化学療法(単剤または併用)化学療法(単剤または併用)
リツキシマブリツキシマブ
レナリドミドレナリドミド
放射性同位元素標識抗CD20モノクローナル抗体放射性同位元素標識抗CD20モノクローナル抗体
症状緩和目的の放射線療法症状緩和目的の放射線療法
I期および病変が隣接するII期の侵攻性成人NHL IF-XRTを併用するまたは併用しないR-CHOPIF-XRTを併用するまたは併用しないR-CHOP
病変が隣接しないII期/III期/IV期の侵攻性成人NHL R-CHOPR-CHOP
この他の多剤併用化学療法この他の多剤併用化学療法
成人リンパ芽球性リンパ腫 集中療法集中療法
放射線療法放射線療法
びまん性小型非切れ込み核細胞型/バーキットリンパ腫 積極的な多剤レジメン積極的な多剤レジメン
中枢神経系(CNS)予防療法中枢神経系(CNS)予防療法
再発侵攻性成人NHL 骨髄または幹細胞移植骨髄または幹細胞移植
標準的な薬物を用いた再治療標準的な薬物を用いた再治療
症状緩和目的の放射線療法症状緩和目的の放射線療法


リンパ腫患者では標準治療により相当数が治癒可能であるが、治療法のさらなる改善を得るための臨床試験が現在も数多く実施されている。可能であれば、こうした研究に患者を参加させるべきである。反応評価に関する標準ガイドラインが臨床試験向けに提案されている。 [1]
侵攻性リンパ腫はヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性患者にますます多くみられるようになっている;こうした患者の治療には特別の考慮が必要である。(詳しい情報については、AIDS関連リンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)
侵攻性リンパ腫患者においては、リツキシマブおよび/または化学療法による治療を行う前に、HIVに対するスクリーニングに加えて活動性B型肝炎またはC型肝炎を評価すべきである。 [2] [3] 過去の感染からの経過時間が長く、B型肝炎のウイルス量が検出不能の患者でも、リツキシマブ療法を実施する場合は、エンテカビルによる予防が有益である。 [4] 同様に、アシクロビルまたはバラシクロビルによる帯状疱疹の予防およびトリメトプリム/スルファメトキサゾールやダプソンによるとニューモシスティスの予防は通常、多剤併用化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブとともに適用される。
まれな臨床像を呈するNHLがいくつか存在し、そのような症例では、しばしば病期診断および治療のアプローチに多少の修正を施す必要が生じる。胃腸系 [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] 、甲状腺 [14] [15] 、脾臓 [16] 、精巣 [17] [18] [19] 、副鼻腔 [20] [21] [22] [23] 、骨 [24] [25] 、眼窩 [26] [27] [28] [29] [30] 、および皮膚 [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] における節外病変のさらに詳しい記述については各レビューを参照のこと。
(詳しい情報については、中枢神経系(CNS)原発リンパ腫の治療に関するPDQ要約を参照のこと。)

I期および病変が隣接するII期の潜行性成人NHLに対する治療非ホジキンリンパ腫(NHL)が限局期の状態で発見されることはまれであるが、適切な病期診断の結果として真の限局病変と確認された患者においては、治癒を治療目標とすべきである。
I期および病変が隣接するII期の潜行性成人NHLに対する標準治療の選択肢I期および病変が隣接するII期の潜行性成人NHLに対する標準治療の選択肢には以下のものがある:

放射線療法放射線療法。化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブ化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブ。注意深い経過観察注意深い経過観察。進行期疾患患者に対して指定されたその他の治療法進行期疾患患者に対して指定されたその他の治療法。National Lymphocare Studyで、I期の濾胞性リンパ腫の患者471人が特定された。これらの患者のうち、206人に対して骨髄穿刺および生検に加え、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンまたはポジトロン放射断層撮影(PET-CT)スキャンによる厳格な病期判定が実施された。 [1] 非ランダム化治療群としては、放射線療法(27%)、リツキシマブ化学療法(R化学療法)(28%)、注意深い経過観察(17%)、R化学療法 + 放射線療法(13%)、およびリツキシマブ単独(12%)が含まれていたが、1/3を超える患者が待機療法を開始した。追跡期間中央値57ヵ月で、無増悪生存はR化学療法またはR化学療法 + 放射線療法が良好であったが、全生存はほぼ同じで、全群が90%を超えていた。 [1] [証拠レベル:3iiiD]以下の疑問に答えるには、臨床試験が必要である: [2]

切除生検後のPET-CTスキャンで問題が認められなければ、注意深い経過観察または放射線療法が好ましいのか?
I期の濾胞性リンパ腫では、放射線療法にリツキシマブを追加すべきか?
R化学療法 + 放射線療法に何らかの役割があるのか?
放射線療法I期またはII期の潜行性NHL患者の相当数では、病変部位もしくは隣接リンパ節を含む拡大照射野に通常25Gy~40Gyの線量を用いることによって、照射野内の病変を長期にわたって制御することができる。 [3] [4] [5] [6] [7] 放射線療法単独で治療された全患者のうち、ほぼ半数が10年以内に照射野外に再燃を来す。 [8]
化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブ治療が必要な症状のある患者について、放射線療法が禁忌であるか、代替治療が好ましい場合、化学療法を併用するまたは併用しないリツキシマブを用いることができる(進行期の患者については下に概略を示す)。再燃を低下させるための放射線、+ リツキシマブ(抗CD20モノクローナル抗体)単独または化学療法と併用による補助療法の価値は、進行期疾患患者の試験から外挿されたものであり、確認はされていない。 [9] [10]
注意深い経過観察無症状の患者には注意深い経過観察を検討できる。 [11] 注意深い経過観察を初期治療の放射線療法と比較したプロスペクティブ・ランダム化試験はない;30年にわたるSurveillance, Epidemiology and End Results Program(SEER)データベースをレトロスペクティブに解析したところ、初期治療の放射線療法により治療成績の改善が示された。 [12]
進行期疾患患者に対して指定されたその他の治療法病変が放射線療法の照射範囲外にある患者に対しては、III期またはIV期の低悪性度リンパ腫患者について概説した方法で治療する。
最新の臨床試験I期の潜行性成人非ホジキンリンパ腫および病変が隣接するII期の潜行性成人非ホジキンリンパ腫の患者を現在受け入れているNCIのがん臨床試験リストの米国内の臨床試験を参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。
臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。

病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHLに対する治療進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)の最適治療については、現在の治療選択肢では治癒率が低いため、見解の一致をみていない。治療法に関する問題を解決するために多数の臨床試験が行われており、患者には参加するよう勧めるべきである。再燃率は、治療により完全奏効を達成した患者においても、経時的にほぼ一定している。実際、治療後何年も経過して再燃することもある。現時点では、注意深い経過観察、リツキシマブ、ヌクレオシドアナログ、アルキル化剤、多剤併用化学療法、放射性同位元素標識モノクローナル抗体、またはこれら選択肢の併用について、最初に選択すべき方針を臨床家に示したランダム化試験は存在しない。 [1] ; [2] [証拠レベル:1iiDiii]

病変が隣接しないII期およびIII期の潜行性非ホジキンリンパ腫患者に対しては、中枢リンパ組織放射線療法が提唱されてきたが、治療方法としては通常推奨されない。 [3] [4]

SWOG-8809を含むインターフェロンアルファに関する多数のプロスペクティブ臨床試験では、一貫した有益性は示されていない;潜行性リンパ腫患者におけるインターフェロンの役割については未だ見解の一致をみていない。 [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]

病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHLに対する標準治療の選択肢
病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHLに対する標準治療の選択肢には以下のものがある:



無症状の患者には注意深い経過観察無症状の患者には注意深い経過観察。
リツキシマブリツキシマブ。
ObinutuzumabObinutuzumab。
プリンヌクレオシドアナログプリンヌクレオシドアナログ。
アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)。
ベンダムスチンベンダムスチン。
多剤併用化学療法多剤併用化学療法。
イットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタンイットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタン。
リツキシマブ維持療法リツキシマブ維持療法。
無症状の患者には注意深い経過観察
再燃率は、治療により完全寛解に到達した患者においても、経時的にほぼ一定している。実際、治療後何年も経過して再燃することもある。このカテゴリーの患者に対しては、治療の延期(すなわち、注意深い経過観察と症状が現れて治療を開始するまでの待機)を考慮すべきである。 [2] [17] [18] [19]

証拠(注意深い経過観察):



3件のランダム化試験で注意深い経過観察と即時化学療法が比較された。 [18] [20] ; [21] [証拠レベル:1iiA]

◦3試験すべてで原因特異的死亡または全生存(OS)における差は示されなかった。


◦注意深い経過観察にランダムに割り付けられた患者に対する治療が必要になるまでの期間中央値は2~3年で、患者の1/3では注意深い経過観察による治療を必要としなかった(半数が別の原因で死亡し、半数は10年後も無増悪状態を維持した)。


進行期濾胞性リンパ腫患者107人の選択された集団が最初に注意深い経過観察で管理された;中央値55ヵ月の遅延後の治療では、リツキシマブで即時治療した同様のコホートと比較して同等の治療無失敗およびOSが得られた。 [22] [証拠レベル:3iiiDiii]このことは、リツキシマブが登場している現在でも注意深い経過観察が妥当なアプローチであり続けていることを意味している。
リツキシマブ
リツキシマブが、単剤または他剤との併用で用いる第一選択の治療として検討される。



◦例えば、ECOG-E4402(NCT00075946)試験で示されていた通り、リツキシマブ単独。 [23] [24] [25] [26] [27]


◦R-ベンダムスチン:リツキシマブ + ベンダムスチン。 [28] [29]


◦R-F:リツキシマブ + フルダラビン。 [30]


◦R-CVP:リツキシマブ + シクロホスファミド + ビンクリスチン + プレドニゾン。 [31] [32]


◦R-CHOP:リツキシマブ + シクロホスファミド + ドキソルビシン + ビンクリスチン + プレドニゾン。 [33] [34] [35] 1件のCochraneメタアナリシスでは、リツキシマブを使用するまたは使用しない化学療法レジメンへのドキソルビシンの追加について、OSの有益性は全く確認できなかった。 [36] [証拠レベル:1iiA]


◦R-FM:リツキシマブ + フルダラビン + ミトキサントロン。 [37]


◦R-FCM:リツキシマブ + フルダラビン + シクロホスファミド + ミトキサントロン。 [38]


標準の治療法としては、抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブの単独またはプリンヌクレオシドアナログ(フルダラビンや2-クロロデオキシアデノシンなど)との併用、アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)、多剤併用化学療法などがある。

前治療歴のない進行期濾胞性リンパ腫患者534人を対象にした1件のプロスペクティブ・ランダム化試験で、R-CHOP、R-FM、およびR-CVPが比較された。中央値で34ヵ月追跡した結果、OSにおける差は認められなかったが、3年PFS率はR-CVP(52%)よりもR-CHOP(68%)およびR-FM(63%)が良好であった(3つのレジメンに対するP = 0.011)。 [39] [証拠レベル:1iiDiii]

証拠(リツキシマブ):



◦前治療歴のない患者(1,300人以上)を対象とした4件のプロスペクティブ・ランダム化研究と、前治療歴のない患者と治療歴のある患者両方(ほぼ1,000人)を含む1件のCochraneメタアナリシスにおいて、リツキシマブ + 多剤併用化学療法と化学療法単独との比較がなされている。 [32] [35] [40] ; [41] [42] [証拠レベル:1iiA]

◦リツキシマブ + 化学療法は、いずれの研究でもイベントフリー生存期間または無増悪生存期間(PFS)(2~3年の範囲)の点で優れており、OSについても1件を除くすべての研究で優れていた(4年時点の絶対的有益性が6~13%の範囲、P < 0.04、メタアナリシスでハザード比[HR] = 0.63[0.51–0.79])。


◦これらの試験はいずれも、治療を要する症状のある患者を対象としたものである。したがって、これらの結果は、適切な状況下で行われる注意深い経過観察を否定するものではない。


◦リツキシマブ + 化学療法による導入療法完了時点でのFDG-PET-CT(フッ素-18-フルオロデオキシグルコース-ポジトロン放射断層撮影-コンピュータ断層撮影)スキャンの状態により、転帰が強く予測される。これらのスキャン結果に対して対処することで、転帰が向上するかどうか、今のところ不明である。 [43] [44]




obinutuzumab
obinutuzumabは別のエピトープ結合を示す代替のCD20結合モノクローナル抗体であり、再発濾胞性リンパ腫患者において研究されている。この薬物は、再燃した濾胞性リンパ腫患者において、単独で用いた場合に患者の20%~30%およびCHOPまたはFC(フルダラビンおよびシクロホスファミド)と併用した場合に患者の80%で反応を示している。 [45] [46] [証拠レベル:3iiiDiv]

プリンヌクレオシドアナログ


◦フルダラビン。 [1] [47] [48]


◦2-クロロデオキシアデノシン。 [49] [50]


アルキル化剤(場合によりステロイドを併用)


◦シクロホスファミド(経口または静脈内)。 [51]


◦クロラムブシル(経口)。


ベンダムスチン
証拠(ベンダムスチン):



1件のプロスペクティブ・ランダム化試験(NCT00991211)で、潜行性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫患者527人がベンダムスチン + リツキシマブ群 vs R-CHOP群にランダムに割り付けられた。[証拠レベル:1iiDiii [29] ]

◦追跡期間中央値45ヵ月で、PFS期間中央値はベンダムスチン群が支持された(69ヵ月 vs 31ヵ月[HR、0.58;95%信頼区間(CI)、0.44-0.74;P < 0.0001])が、OSに差は認められなかった。


◦ベンダムスチン群ではR-CHOP群よりも脱毛、血液毒性、口内炎、末梢神経障害、および感染症の発生率が有意に低かった。


多剤併用化学療法


◦CVP:シクロホスファミド + ビンクリスチン + プレドニゾン。 [1] [52]


◦CVP後にリツキシマブ維持療法。 [53]


◦C-MOPP:シクロホスファミド + ビンクリスチン + プロカルバジン + プレドニゾン。 [54] [55]


◦CHOP:シクロホスファミド + ドキソルビシン + ビンクリスチン + プレドニゾン。 [51] [56] 1件のCochraneメタアナリシスでは、リツキシマブを使用するまたは使用しない化学療法レジメンへのドキソルビシンの追加について、OSの有益性は全く確認できなかった。 [36] [証拠レベル:1iiA]


◦SWOG-9501試験で証拠が得られているFND:フルダラビン + ミトキサントロン +/- デキサメタゾン。 [57] [58]


イットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタン
リンパ腫に伴う骨髄の病変が最小(25%未満)または皆無の未治療および再燃患者には、イットリウム90標識イブリツモマブ-チウキセタンが利用できる(放射性ヨウ素131標識のトシツモマブは市販で入手できない)。 [59] [60] [61] プロスペクティブ・ランダム化試験で、前治療歴のない病期が進行した濾胞性リンパ腫患者554人が、6サイクルのR-CHOPまたは6サイクルのCHOPのいずれかの後に、I-131トシツモマブによる放射免疫療法(RIT)を受けた;追跡期間中央値4.9ヵ月で、PFSおよびOSに有意差は認められなかった(2年OSで、R-CHOP群が97%;CHOP-RIT群が93%;P = 0.08)。 [62] [証拠レベル:1iiD]R-CHOP後のリツキシマブ維持療法では、R-CHOP単独と比べてPFSの有意な延長が認められたことから [63] 、このようにCHOP-RITで有益性がみられなかったことは特に期待外れであった。放射性ヨウ素131標識トシツモマブは2013年に市販で入手できなくなった。

完全奏効または部分奏効を達成したIII期またはIV期濾胞性リンパ腫患者409人を対象にした1件のランダム化試験において、イットリウム90標識イブリツモマブ・チウキセタンによる地固め療法 vs 地固め療法なしが評価された。放射性同位元素標識抗体による地固め療法により、PFS期間中央値が3年改善され(P < 0.001)、次の治療までの期間中央値が5.1年改善された(P < 0.001);しかしながら、OSに変化は認められなかった。 [64] [証拠レベル:1iiDiii]



リツキシマブ維持療法
証拠(リツキシマブ維持療法):



濾胞性リンパ腫再燃患者465人を対象とした1件のプロスペクティブ・ランダム化試験では、R-CHOPまたはCHOPに反応した患者がリツキシマブによる維持療法群(3ヵ月ごとに1回投与を2年間)と維持療法非施行群とにランダムに割り付けられた。 [65] [証拠レベル:1iiDiii]

◦追跡期間中央値6年で、リツキシマブによる維持療法は、PFS期間中央値(44ヵ月 vs 16ヵ月、P < 0.001)で優れており、5年OS率(74% vs 64%、P = 0.07)では境界域であった。


◦維持療法によるこの有益性は、導入療法中にリツキシマブの投与を受けていた患者でも明白であった。両群ともほとんどの患者がプロトコル終了後の救助療法でリツキシマブの延長治療を受けた。


PRIMA(NCT00140582)研究では、治療を要する高リスク患者1,019人が、免疫化学療法(通常はR-CHOP)による導入療法を受けた後に、完全奏効または部分奏効を達成し、続いて2年間のリツキシマブ維持療法 vs 維持療法なしにランダムに割り付けられた。 [63] [証拠レベル:1iiDiii]

◦追跡期間中央値36ヵ月で、PFS率は74.9% vs 57.6%でリツキシマブ維持療法が良好であったが(HR、0.56;95%信頼区間[CI]、0.44-0.68;P < 0.0001)、OSに差は認められなかった。


濾胞性リンパ腫再燃患者280人を対象にした1件のプロスペクティブ・ランダム化試験では、化学療法および自家幹細胞移植による地固め療法に反応した患者がリツキシマブによる4回の維持療法または維持療法なしにランダムに割り付けられた。 [66] [証拠レベル:1iiDiii]

◦中央値で8.3年間の追跡が行われ、10年PFS率は維持療法が良好であったが(54% vs 37%[HR、0.66;95%CI、0.47-0.91、P = 0.012])、OSに差は認められなかった。


濾胞性リンパ腫患者2,586人を対象に、リツキシマブ維持療法と維持療法なしとを比較した9件のランダム化臨床試験のメタアナリシスにおいて、既治療患者に対するリツキシマブ維持療法によるOSの改善が示された(HR死亡、0.72;95%CI、0.57-0.91)。 [67] [証拠レベル:1iiA]
リツキシマブ維持療法に関して、特に2年経過時の治療の打ち切りや長期の安全性と効力については、多くの疑問が残っている。最も注目すべき疑問は、症状が進行した時点でリツキシマブによる導入療法を行った後に経過観察するという戦略が、必ずリツキシマブ維持療法を実施することに比べて同等または優れているかどうかである。 [68]

病変が隣接しないII期/III期/IV期の潜行性成人NHLに対して臨床評価段階にある治療選択肢
上に挙げた標準の治療法はいずれも進行期疾患には治癒をもたらさないため、革新的なアプローチがいくつか提案され臨床評価段階にある。このアプローチには、化学療法および全身照射(TBI)後の自家あるいは同種骨髄移植(BMT)または末梢血幹細胞移植(PCST)を行う集中療法、イディオタイプワクチンおよび放射性同位元素標識モノクローナル抗体の使用などがある。



TBIまたは高用量放射免疫療法を併用または非併用の化学療法後に、自家もしくは同種BMTまたはPSCTを施行する集中治療が臨床評価段階にある。 [69] [70] [71] [72] [73] [74] [75] [76] [77] [78]
単独化学療法と化学療法後抗イディオタイプワクチン投与とを比較する第III相試験。 [79] [80] [81]
広範囲放射線療法(III期の患者のみ)。 [82]
オファツムマブ-ヒト型抗CD20モノクローナル抗体。 [83]
症状緩和目的の短期コース低線量放射線療法(2 × 2Gy)。 [84] [85]
最新の臨床試験
病変が隣接しないII期の潜行性成人非ホジキンリンパ腫、III期の潜行性成人非ホジキンリンパ腫およびIV期の潜行性成人非ホジキンリンパ腫患者を現在受け入れているNCIのがん臨床試験リストの米国内の臨床試験を参照のこと(なお、このサイトは日本語検索に対応していない。日本語でのタイトル検索は、こちらから)。臨床試験のリストは、場所、薬物、介入、他の基準によりさらに絞り込むことができる。

臨床試験に関する一般情報は、NCIウェブサイトからも入手することができる。



2015年11月28日(土) 23:58 
 NCCNガイドライン 日本語版
 造血器腫瘍 - 非ホジキンリンパ腫

NCCNガイドライン 日本語版「造血器腫瘍 - 非ホジキンリンパ腫」は、ここをクリックです。
上記の中にもありますが、その中にある「濾胞性リンパ腫」は、ここをクリックです。





Only one day (1日だけ、履歴に残さない当日日記)
この日記では記述に色分けをしています。
通常の日記は紺色で書いています。

持病で私の事を書くときは紫色で書いています。(20070701から)

持病で一般的なことを書くときはの色で書いています。
まれにですが、最重要個所では赤字を使っています。
8月9日からしばらく、母の病気や家族への伝言はこの色で書いていきます。
株式のNET売買について書くと
きはこの色です。

※ 注意
これから私のメイルアドレスを以下とします。

sabcdek-ybb.ne.jp
上の-(ハイフォン)を@(アットマークに変えてください)。
それが今後は、この持病関連で使う私のメイルアドレスです。
詳細な理由は、このホームページのアドレス変更と共に3月28日の日記に書いています

このホームページの正規のアドレスは以下です。

../../../www.geocities.jp/nagalelumamani
それ以外のアドレスだと正常に動作しない部分もあります。

ここに私が書いていることで、治療に関することは、あくまでもリンパ腫の患者である私個人の場合です。ホジキン病や、非ホジキンでも濾胞性や瀰漫性の違いだけでなく個々の患者さんによる違いが大きなものだと聞いています。読んでいただいて思われることがありましたら、主治医の先生に相談されることをお勧めします。