友達のいない王様

        

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むかし

むかし

ある大きな国に山のように大きなお城と

宝物庫に入りきらないほどの金銀宝石と

1万の軍隊をもった王様がいました

この国で、王様の思い通りにならないことはありませんでした

気に入らないことがあれば、王様はすぐに国の人間ならだれでも
処刑することができました

ただひとつだけ、王様の思い通りにならないものがありました、

それは


王様:「ワシはほしいと思ったものは全て手にいれてきた、この国でワシの
命令を聞かないものは誰もいない
だが一つだけ、まだ手に入れていないものがある、それは友達じゃ
そう、ワシはまだ友達をもてていない」

そこで王様はお城でもっとも身分の低い使用人を一人呼びだし
こう言いました

王:「おぬしに金貨10枚をやろう、それでワシの友達にならぬか」

すると使用人は怯えた様子で首をふり逃げ出そうとしました
怒った王様は使用人を処刑してしまいました

次に王様はお城の馬の飼育係を呼び出しました

王:「お主に百とうの馬をやろう、それでワシの友達にならぬか」

すると飼育係は怯えた様子で首をふり逃げ出そうとしました
怒った王様はまた飼育係を処刑してしまいました

次に王様はお城の門番をしている兵士を呼び出しました

王:「お主に1000人の兵隊をやろう、それでワシの友達にならぬか」

すると兵士は怯えた様子で首をふり逃げ出そうとしました
怒った王様はまたまた兵士を処刑してしまいました

次に王様は身近で働いている召使を呼び出しました

王:「お主に宝物庫の宝を全部やろう、それでワシの友達にならぬか」

すると召使は怯えた様子で首をふり逃げ出そうとしました
怒った王様はまたもや召使を処刑してしまいました

次に王様はお城の中でも高い地位にある大臣を呼び出しました

王:「お主にこの城をやろう、それでワシの友達にならぬか」

すると大臣は怯えた様子で首をふり逃げ出そうとしました
怒った王様は他の人々とおなじようにやっぱり大臣を処刑してしまいました

次に王様は隣に立っているお城の中、
いや国のなかで王様の次に偉い宰相にこう言いました

王:「お主にこの王冠をやろう、それでワシの友達にならぬか」

宰相はゆっくりと首をふるとこういいました

宰相:「王様、私はあなたの友達にはなりません、けれど王冠はいただきます
そしてあなたは、
この国から出ていってもらいます」

怒った王様は宰相を処刑するよう言いました、けれど、もう誰も王様の命令を
聞く人はいませんでした

王様はそのまま国の外へと追い出されてしまいました
途方にくれた王様はそのままあてもなくフラフラと歩きつずけました
何日も
何日も
そんなある時、王様はしなびた木の根元に座る少女と出会いました
王様は友達になってもらおうと少女に近寄り話し掛けました

王:「お嬢ちゃんにこの王のマントをやろう、わたしがあげられる唯一のもの
じゃ、これでわしと友達になってくれぬかのう」

すると少女はゆっくりと首をふるとこういいました

少女:「王様、あなたは今までにたくさんの人々を処刑してきました、そんな人と
だれが友達になると思うの?」

そういうといつの間にやら少女はどこへともなく消えてしまいました
王様は肩をおとすとしかたなく、少女の座っていたしなびた木に話かけました

王:「もう私があなたにあげられるものは何もない、けれど私と友達になっては
くださらぬか?」

しなびた木は、静かにその場でそよ風に揺れていました
王様は満足そうな笑みを浮かべると
そのまま木の根元で眠りこんでしまいました

何日も

何日も

そして、そのままその男は息をひきとってしまいました
しなびた木は、根元で眠る者を包むようにその場でそよいでいました

いつまでも

いつまでも

そう、いつまでも

そよ風に、揺れながら


終わり、、、