体重増加恐怖症

あたしは、身長157センチ、体重は50キロ前後。
決して痩せてはいませんが
おそろしく太っているという程でもありません。
けれどもあたしは、極度の「体重増加恐怖症」であります。

あたしの母は、よくあたしの友だちを評価しました。
「あの子は、女の子らしいからいい」
「あの子は、雰囲気が悪い」
「あの子は、太ってるから嫌だ」
母はそう言って、あたしの友だちを評価しました。
友だちは、少なからずあたしの成長に影響を与える。
それゆえ、自分の好みでない子とあたしが一緒にいることを
母は大変に嫌がりました。

「デブは、愚図に見えるからだめだ」
「デブは、かわいく感じられないからだめだ」
「デブは、何を着ても似合わないからだめだ」

あたしは、常にこう言われながら育ってきました。

あたしは、小さいころは、さほど太ってはいませんでした。
ところが小学校4年頃から急に太り始めました。
身長150センチ、体重35キロ程度の
極端な痩せ型体型の母とは
似ても似つかぬ体型となりました。
「夏休みにジュースばかり飲ませたのが失敗だった」
これまた何度も何度も言われました。

そしてあたしは、「太ることが罪」であるように
感じるようになってしまいました。


ありとあらゆるダイエット法を試みました。
そのたびに47キロくらいまでは体重は落ちましたが
必ずリバウンドはあるものです。
若いころは、簡単に体重を落とすことができました。
「いつでも痩せられる」との思いが若いころにはありました。

ところが歳を重ねてくると、
そう簡単には体重が減らなくなってきます。
そうなると、あたしが頼るものは薬でした。
あたしはコーラックの常用者になりました。
「ちょっと食べ過ぎたかな」と思うときは
2錠飲んでも不安でした。
ひどいときは一日30錠くらい飲んでいたこともありました。

あたしは、自分を出すことをしないので
人間関係でトラぶったということは
皆無に等しいようでした。
ところが、そのころ勤めていた会社で
はじめて「いじめ」というものに合いました。
自分以外は全員フルタイム働いていました。
半日しか働かず、
仕事の流れがなかなか見えてこなかったあたしには
責任ある仕事を任せられることがありませんでした。
それゆえ、あたしは常にみんなから見下された状態にありました。
自分より下とみなした者に
意地悪をしたり、いじめたりする人がこの世の中にいる。
はじめてそれがわかったような辛い毎日でした。

会社で相当に嫌な思いをしたある晩
あたしは深酒をしてコーラックを
飲んだかどうか忘れてしまいました。
それで、おそらく重複して飲んでしまったのだと思います。
ただでさえもコーラックの飲みすぎで
栄養失調になっていたところに
さらにいつもの倍量くらい薬を飲んでしまいました。
翌朝、頭痛のため起き上がることもできなくなり
あたしは入院しました。

極度の脱水で、頭から背骨にかけて流れている髄液までが
減少してしまったために起こった症状でした。
髄液の減少が発端となり、髄液の成分のバランスが異常となり
髄膜炎と判断されました。
栄養状態も極度に悪く、老人並だと言われました。

「ストレスで食事がとれなくてこうなった」と
お医者さんにも家族にも説明しましたが
本当は違いました。

「太りたくなかった。」
これが本当の理由です。
このことは誰も知りません。

「太ることは罪。」
あたしはいまだにそう思っています。

もしあたしが太ったとしても
そんなことはなんら問題にはならない。
太ることは罪ではない

幼いころから深く深くあたしの心に刻まれた「言葉の傷」を
同じように「言葉」で癒してくれる人に
あたしは未だに巡り会えていないのです。


で、この頃といえば
「とりあえず好きなだけ食べてみよう」
と、思っています。

それで、もしあたしが太ったのを見て
(心臓に負担がかかるほどじゃないですよ)
「痩せなさい」という人がいたら
「この人はあたしを外観だけで判断している」
と、距離をおけばよいまでのことです。
そしていつもどおり
さまよい続ければよいまでのことです。