物の管理1



●物を減らす

明日はくパンツが無く、洗濯しようと思ったらもう夜中で、手洗いしようと思ったら洗剤がなく、仕方なくボディーソープでパンツを洗い、乾かそうとすればドライヤーがなく、ぎゅっと手で絞ってから干したのに朝になっても乾いておらず、みじめな気持ちを抱えながら湿ったパンツで出勤したことはありますか?

私はあります。

本当はパンツはあったのです。何十枚も。でもほとんどが行方不明で、ありかが分かるものは15枚くらい。そのうち半分近くが破れていたり穴が開いていたり、サイズが合わないのにとっているもので、常に使っているのは4枚ほどでした。
今冷静に考えると、使える物が4枚なら、週に2回洗濯しなくてはいけない計算になります。でも当時は週に1回洗濯するかしないかでした。
残りの日はどうやりくりしていたのか、なんともはや不思議です。

洗剤は、買い置きをいくつも備えてあり、たいてい使っている箱が空になっても、そのへんの山を掘り起こせばでてきました。逆に、いつ買い置きがなくなるかまったくわかりませんでした。しばらく探しても出てこないときに、(洗剤が切れた・・・)ということになりました。

ドライヤーもありました。どこかにあったはずです。でも、どこにあるかはわかりませんでした。


一事が万事そういう状態でした。わたしはそういうとき、「買い足す」ということで解決しようとしてきました。
たとえばストッキング。
部屋のあちこちにストッキングは転がっていますが、たいていはもう穴があいて使えないものです。
使えないものも「下水口のネットとか、ほこりとりとかにして、いつか使うかも。」と思って捨てないでいました。
部屋のあちこちから出てくるストッキングのうち、いくつかは使えるものです。
でも雑誌の山の下になっているストッキングを引っ張り出してつま先を確認し、「よし、まだ使える」といって洗濯機に持ってゆく、なんて面倒なことをするよりは、新しい物を買ってきて山の一番上に置く方が楽だし、数が多い方が安心できたのです。


でも、あるとき、ベストセラーになった「捨てる!技術」を読んで、新しい考え方に出会いました。
その本では「どれだけ物を増やしても、使いこなせる物の数には限界がある。逆に限界を越える物を持ちすぎると害になる」と主張されていました。

「物の数を減らして管理しやすくする」・・・これまで考えてもみなかったことでした。

預金はあるのにカードがなくて友人から借金したことはありますか?
私はもちろんあります。
そしてもちろん落ち込みました。
そして「今度こそはちゃんとする」と心に誓い、・・・それなのに何度も同じようなことを繰り返し、さらにさらに落ちこんでしまうのです。
これまでの人生で何度、物を失くして、みじめな気持ちになるのを繰り返したでしょうか。
ところが、「物の数を減らす」、それだけで、たったそれだけのことで、毎日の生活がとても楽になったのです。


● 捨てることは大変なこと

ここまで読んで、「なあんだ」と思われた方は多いでしょう。
でも、物の数を減らすことはそんなに簡単ではないのです。

私たちは、物を手に入れることは大変なことで、物を捨てるのは簡単にいつでもできると思いがちです。
でもそうではありません。少なくとも私には捨てることは大変な作業でした。
例えば雑誌を買うとき、私たちは
「雑誌を持ち上げ」
「レジへ持ってゆき」
「財布からお金を出し」
「お金を払い」
「雑誌を受け取る」
という作業を行って手に入れます。

反対に雑誌を捨てるときはどんな作業が必要でしょうか。
「雑誌を捨てると決め」
「ひもを持ってきて」
「はさみを持ってきて」
「雑誌をひもでくくり、」
「ひものはじをはさみで切り」
「雑誌を捨てられるゴミの日を調べ」
「ゴミの日にちゃんと起き」
「雑誌を持って外へ出て」
「ゴミ置き場に雑誌を置く」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これでも、うまくいった場合です。

私が捨てる作業をやり始めの頃は、
雑誌を捨てると決める前に
「捨ててよいかどうか考え、どんな内容だったかと中身を見て、ああこんな特集あったっけとついつい読みふけってしまい」というのが入りましたし、
もちろん「ひもを持ってきて」の前に
「ひもはどのあたりにあったろうかと考え、ひもを探し、何度かひもを探していたことを忘れたりしながら長時間かかってやっとこさ見つけ、」というのが入ります。

そうです、実際に雑誌を捨てるとなると、
雑誌を手に取り、その雑誌を捨ててよいかどうか考え、どんな内容だったかと中身を見て、ああこんな特集あったっけとついつい読みふけってしまい、なんとか我に返り、結局雑誌を捨てると決め、ひもはどのあたりにあったろうかと考え、ひもを探し、何度かひもを探していたことを忘れたりしながら長時間かかってやっとこさ見つけ、雑誌をひもでくくり、はさみが必要なことに気が付き、はさみはどのあたりにあったろうかと考え、はさみを探し、何度かはさみを探していたことを忘れたり我にかえってまた探し始めたりしながら長時間かかってやっとこさ見つけ、ひものはじをはさみで切り、パソコンの電源を入れてネットにつなぎ、しばらくネットサーフィンをしてからゴミの日を調べようとしていたことを思い出し、市のホームページでゴミの日を調べ、「よし、○月○日だな」と頭で覚えようとし、でもやっぱりゴミの日を忘れ、ゴミの日は覚えていてもまとめた雑誌を探すのが面倒で先延ばしをし、何ヶ月かたってやっとゴミ置き場に雑誌を置く・・・・・・・・
といった具合でした。

どうです?気が遠くなりそうでしょう。大変な作業です。物を捨てるということは。

ここまで、捨てる作業がいかに大変か、くどくどと書いてきました。
「捨てることは簡単なことではない。」ということと
「捨てることはいつでもできるわけではない、時間がかかる作業なのだ。」ということをわかって欲しかったからです。

そして、このページを読んでくださっている方の中で、物の管理に苦労している方がいらしたら、是非、「物を捨てることにいますぐ取りかかる」という決心をして欲しいと思います。

「物の数を減らす」そう決心することで、生活が激変します。
探し物や、失くし物で、慌てたりみじめな気持ちになることはもうほとんどなくなるのです。

物の数を減らす(=捨てる)、具体的な方法は次のページに続きます。

   
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