忘れ物対策



物はかなり少なくなって、大切な物だけが、あなたの部屋に残っているとします・・・
話はそこからはじまります・・・


● 「持ってゆくもの」を決める

私たちは、外出するたびに、自分の部屋にある持ち物の中から、選んで、いくつかの物を持ち出します。
物を外に持ってゆく、ということは、移動しながら物の管理をし続ける、ということです。

家から駅まで自転車を運転しながらも持ち物の管理は続いています。
待ち合わせ場所で友人を待ちながらぼんやりする間も、
雑貨屋を見て回りながら買い物する間も、持ち物の管理は続いています。

ADHDの本を読んで、自分や他人を観察して気付いたのは、
夫や私の周りの「しっかりした人」は、自分の意識を「買い物95パーセント・物の管理5パーセント」という風にうまく配分でき、新しいことに出会っても、意識の配分をずっと保ったままでいられるけれど、私自身は、新しい情報に出会ってしまうと、その情報に100パーセント意識を支配されてしまい、他の情報はすっかり忘れてしまう、ということでした。

こういう点では、自分の弱点を認めざるを得ません。

今このページを見ているあなたも私と同類さんだとすると、やっぱり外出時の物も少なくした方がいいです。
「持ってゆく物」は最低限にしましょう。

「持ってゆく物」は、外出中の行動を考えて、その行動に必要なものをメモしていき、リストを作ります。
実際に紙の上に書いてリストを作りましょう。頭でやってしまおうとすると、時間がかかるし、どこか抜けやすくなるし、気は散るし、結局のところ効率が悪いです。

歯医者に行くとします。
まず、行動を考えます。

自転車で歯医者まで行く。
歯医者についたら診察を申込む。
名前を呼ばれるまでの間、待つ。
診察を受ける。
お金を払って次の予約をとる。
自転車で家に帰る。

これを紙に書き終わった後、各行動に必要な物を考えて、書き足していきます。
自転車で歯医者まで行く。→自転車の鍵
歯医者についたら診察を申込む。→診察券・保険証
名前を呼ばれるまでの間、待つ。→待っている間に読む本
診察を受ける。→自分の飲んでいる薬のメモ
お金を払って次の予約をとる。→財布。スケジュール帳
自転車で家に帰る。

リストができたら、一つの鞄に、メモをみながら一つ一つ入れていきます。
「自転車の鍵」「診察券・保険証」「本」「薬のメモ」「財布」「スケジュール帳」
他の物は必要ありません。

今度は、友人の結婚式に泊まりがけで行く場合を考えます。

家からタクシーで駅まで行く。→財布
駅で切符を買う。
電車に乗る。
駅からいったんホテルへ行き、チェックインする。
ホテルで着替え、化粧を直す・・・
→髪につけるコサージュ・化粧道具・スーツ・ストッキング・靴・・・・


さて、こうして何度か外へ持ち出す物のリストを作ってみます。
すると、ほとんど毎回リストに入っているものがあります。
それは何でしょうか。
毎回外に持ってゆくものは、最初から外出用の鞄に入れてしまいましょう。


● 「命のカバン」をつくる

毎回持ってゆくもの全てを一つの鞄に入れて、それを常に持ち歩くことにすれば、 外に出かけたいときにすぐに出かけられます。
ある一つの鞄を命のカバン と決め、外に出かけるときは、必ずそのカバンを持ってゆきます。
その日その日で鞄を変えたりしない。鞄を変えると、どの鞄に何が入っていたか分からなくなり、物の管理が難しくなります。
ファッションに合わせて鞄を変えたいときは、持ってゆきたい鞄の中に命のカバンを入れましょう。多少重くなるかもしれません。でも、出かける直前になって財布が見つからず探し回る、あの、腹立たしくてみじめな気持ちを味わうよりはずっといいはずです。少なくとも物の管理にある程度の自信がつくまでは、物に関するルールを決めて、シンプルにしておきましょう。
命の鞄の置き場所は、玄関がいいと思います。玄関に財布を置くのに抵抗があるなら、とにかく、外に出るときに必ず通るところに置きます。
「物は使う場所に置く」が大原則です。

ちなみに、私の「命のカバン」は小さめの肩掛け鞄です。物が自分の体から離れないように、いつも鞄を斜めに肩掛けにするという方法を選びました。子供みたいですが、自分の大切な鞄をどこかに置き忘れる不安を常に抱えているよりはいいと思い切りました。通勤も、通院も、買い物も、これです。
もっと物の管理に自身がついたらもう少し社会人らしい鞄にしようと思っていますが・・・
この「命のカバン」には、財布、携帯電話、命のスケジュール帳(情報はこれに集約)、髪のゴム、保険証、ティッシュ、ハンカチ、予備の生理用品が入っています。どこへ出かけるときもこのまま持ってゆきます。めちゃくちゃ楽です。


● 「忘れないもの」をつくる

「全部忘れない方法を教えろ」と思いましたか?
すみません。
でも、「全部忘れないようにする」というのは、大変な労力を必要とします。
それよりも、大切な物だけは、確実に持って帰ることの方が、はるかに現実的です。
10の労力を使って、「ティッシュ・財布・携帯電話・買った文庫本・弁当の入ったコンビニ袋・ハンカチ・カロリーメイト・ビニール傘・街を歩いていてもらったサンプル・輪ゴム」の全てを忘れないようにするよりも、5の労力を使って、「財布」と「携帯電話」だけは絶対に持って帰るようにしたほうが、疲れないし、確実です。

「忘れないもの」は出かける前に決めます。
絞りに絞って、無くすと生活に影響が出るものに限りましょう。
「財布・・・これは無くすとお金が無くなって困るし、カードが悪用されるかもしれないし、何より不便で精神的ダメージが大きいので、これは絶対に無くさない!」という風に決めます。少し高価なものでも、後で買えるものはリストから外します。

そして出かける直前、ドアを開ける前に「財布よーし!携帯よーし!」と財布や携帯に指をさして独り言を言います。恥ずかしいですが勇気を出してやってみてください。それだけの効果はあります。
出かけたら、目的地に着くまで何度か鞄を開け閉めします。そのとき、鞄を開けるたびに、心の中で「財布よーし!携帯よーし!」と指さし確認します。
最初はとっても面倒に感じますが、習慣が付いてくると、無意識に鞄を開けるたびに目で確認する癖が付きます。
そうしてメリハリを付けて、「大事な物だけは絶対に無くさない」と意識することで、全体の忘れ物も不思議と無くなります。
ちなみに私はいつも「財布・スケジュール帳よーし!家の鍵よーし!携帯よーし!」と心の中で叫んでいます。

   
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